【PS2】スーパーロボット大戦Ｚレビュー(評価)

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スーパーロボット大戦Ｚレビュー

発売元	バンダイナムコゲームス（オフィシャルサイト）
発売日	2008/09/25
価格	8,379円（税込）
レーティング	【Ｂ】12才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3 (?)
タイトル概要	■ ジャンル：シミュレーションＲＰＧ ■ プレイ人数：1人

スコアボード

中央値: 65
難易度: 1.91
レビュー数: 57

スコアチャート

0-9

10-19

20-29

3.5%

30-39

40-49

21.1%

50-59

26.3%

60-69

22.8%

70-79

15.8%

80-89

3.5%

90-100

【60点以上】
68.4%
【標準偏差】
13.61

ユーザーレビュー

ソート（デフォルト：ALL）

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　424人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
2pt	4pt	2pt	3pt	3pt	3pt	3pt

総合点
58pt

GOOD!

＜戦闘アニメーション＞
恐らくはＰＳ２ではこれ以上望めないレベルに達している。地上と空中の両方にパターンがあったり、何気ない武器にトドメ演出があったりと細部の拘りも過去最高レベル。一部ダラダラし過ぎな演出もあるが、まあこれは好みだろう。

＜ロード時間の短縮＞
今回で一番と良かった点。中断からの再開の速度が素晴らしい。Ｆの悪夢が嘘のよう。今後の作品でもこの快適さを維持していって欲しい（どうしてか劣化しそうな予感がして怖い）。

＜小隊編成の仕様変更＞
三機編成、コスト廃止は良いと思う。小隊編成時もαシリーズに比べれば幾分やりやすくなっている。編成画面から改造や育成にジャンプ出来るのは有り難かった。

＜育成の幅広さ＞
どのスキルもそれなりに使い勝手が良いので自分好みのキャラを作りやすくなった。獲得ＰＰも多めなので贔屓したキャラはどんどん強くなっていくし、しなくてもそれなりに強くなっていく。

＜精神コマンド周りの調整＞
第二次、第三次αの癌とも言える精神コマンドのインフレが多少は収まった。今後もこの仕様で良いのではないだろうか。熱血や魂の習得も遅いので中盤までのバランスも非常に良い。だが逆に、それらを覚え始める辺りからだんだんと雲行きが怪しくなっていくのだが……。

＜プレイヤーの視点を固定したこと＞
シリーズの悪癖であり、ＯＧの最大の不満点だった強引な視点の変更がなかった。これはとても良い。主人公視点に固定した事により、主人公はほぼ全ステージで使用出来るし、分岐上長期離脱するメンバー以外はほとんど入れ替えもないので、安心してメンバーの育成に励む事が出来る。特に序盤から中盤にかけての流れはとても良かった。これがもし主人公なしだったら、コロコロ各地に視点が変わってシミュレーションゲームの醍醐味である育成に非常にストレスを感じていた事だろう。

＜ラスボス＞
良い皮肉です。

BAD/REQUEST

＜ＳＲポイント＞
これを獲得するが為に非常に限定的な作戦をとらざるを得なくなる。元々は待ち伏せ戦略が主流だったシリーズに風を入れたくて導入したのだそうだが、馬鹿の一つ覚えみたいにターン制限ばかりなので突貫一択になってしまい結局あんまり意味がない。難易度もいい加減開始時に選べるようにすべき。ＳＲポイントなんて気にしなければいいじゃない、とか言われればそれまでだが、だったら何で気にもしなくていいようなもんを導入するんだよ、という水掛け論になってしまう。プレイヤーにとって「諦める」という行為がいかにストレスになるかをいい加減に学んで欲しい。

＜ＢＧＭ＞
もう幾つも批判があがっていたが、確かにコレはちょっと酷い。正直大昔のＦの方が余程マシなＢＧＭだったように記憶している。アニメーションの進化は著しいのに、何だろう、この時の止まった感は。何かしがらみでもあるんだろうか。

＜ストーリー全体＞
まあスパロボの伝統みたいなものなのであんまり突っ込みたくないが、悪かったものは悪かったので一応批判しておく。特に中盤から終盤にかけての流れが酷い。幾らなんでもネットの情報を鵜呑みにし過ぎだし、あれだけ本気でやり合っておいてあっさり和解出来ているのもおかしい。皆殺しにしたのにまるでなかった事にされてて流石に笑った。でもまあ元々あんまり期待していないから改善しなくてもいいかな……。

＜フォーメーション関連＞
ＡＬＬ攻撃至上主義を何とかしたいのは分かるが、トライアタックはやはり何だかやっつけな感が否めない。これならまだ小隊員の使用武器を自由に選んでワイド攻撃、とかのが良かったのでは。各フォーメーションの特徴もあんまりないので結局トライ固定とかになってしまっていた。どうせなら某シミュレーションゲームのような三すくみにしてしまえば面白かったのでは。パクリ駄目ですか？

＜イベントカット＞
折角テキストをすっ飛ばしてもいちいち出現や爆発のエフィクトで停止を余儀なくされるので、何だかんだで結構面倒臭い。コマンド入力が出来るところまで一気にスキップ出来るようにして欲しい。

＜スパロボ恒例の終盤ステージのかったるさ＞
もうこれは仕方のない事なのだろうと諦めてはいる。まだ今作はボスのＨＰが良心的なだけマシだろう。しかしながら、大量のワイドフォーメーションの雑魚を一つ一つす潰して行くのは苦行に近く、キャラクターの気力はどんどん上がる反面、プレイヤーの気力はぐんぐん下がっていくという悪魔仕様。結局、あんまり使いたくないマップ兵器に頼らざるを得なくなる。

＜マップ兵器＞
元々強かったが、今作ではフォーメーション修正などを一切無視するので間違いなくバランスブレイカーになっている。獲得資金やＰＰを減らされても腹が立つので、一度くらいはマップ兵器を廃止してみてはどうだろうか。

＜黒いあの人＞
何かもう言葉に出来ないレベル。ここまで存在自体が鬱陶しいキャラも久しぶりだ。これならまだ自称俺のガンダムにでも乗せて「任務完了」とか言わせて置いた方が傷も浅かったんじゃないだろうか。

COMMENT

面白い面白くないで言えば間違いなく面白い。ただし名作か否かで言えば決して名作ではない。びっくりするくらいいつものスパロボ。本当にありがとうございました。難易度はスパロボ慣れをしていなければ若干難しく感じるかも知れない。フォーメーションのシステム関連もややこしいだろう。故に完全にファン向けの作品と言えるが、まあこのシリーズは元々そういう傾向にあるので問題ないだろう。変に色気を出して新規プレイヤー向けに作らなかったことは評価したい。こういう偏ったゲームは付いていきたいファンだけが必死に付いて行けばいいのだ。それでも今作は新規作品を大幅に増やしたり、システム面で新しい下地を作ろうという意気込みを感じさせられるので、長く続くシリーズ物にしては正統に進化しているように見受けられる。今後も愛を込めて頑張って欲しい。あと、わりと酷評されているようだがオリジナルキャラはそんなに悪くないように思う（一部黒い人は救いようがないが）。ただラスボスをオリジナルに頼るという傾向に関してはそろそろやめた方が良いだろう。どの作品の誰がラスボスになるのかを楽しみにするのも、又一つの趣があるのではないだろうか。

プレイ時間：わからない(クリア済)
新巻鮭さん [2008/10/23 掲載]

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　398人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
3pt	4pt	1pt	2pt	3pt	4pt	2pt

総合点
57pt

GOOD!

・もはや恒例なのか、最強のコーディネイターがまたみんなにいじめられる。しかも、原作以上に意味不明なデストロイ撃破イベント……逆に脇役に転化された人の扱いはよかった。

・戦闘アニメのとどめ演出がなくなったが、撃破時の演出は良かったと思う。特にアッシマー。

・ＰＳ２後期のものにしてはロードが快適。また、精神コマンドのばらつきはよかったと思う。熱血などの威力増加型の習得を遅くしたり、敵の命中率なども絶妙なバランスで調節できていたと思う。

・一部最強ユニットがいるので相変わらず気軽に進める。ＡＰはいなくて投げたのでそういう人にとっては安心してプレイしてもらっていいと思う。

グラに関してはほかの方が言ってるのであえて書きません。

BAD/REQUEST

・小隊システム。コスト廃止はいいが、部隊の入れ替えが多い。なんでかな？それなら別のシステムにしたほうがいい。

・声バグ。ほかの方もいってますがかなりひどいです。特にムウや御大将がかなり違和感があった。あれは子安の声じゃない！サルファの音ずれ以上に最悪。
なんで毎回言われてるのに改善するどころか改悪するのか？

・ＢＧＭがいつまでたってもmidiレベル。なので２０００年以降に登場しているロボットたちの多くの曲がオリジナルに比べはるかに劣化していてなえる。
mp3は無理でもaacぐらいにはしてくれ。

・オリジナルがひどい。リアル系のパワーアップが武装だけ追加とかふざけてるのか？また、キャラ絵が同人以下。もう出さなくていいよ……いろんな意味で萎える。

・ストーリーが陳腐。Ｗのようなクロスオーバー間はゼロ。みんな出たり入ったりと出入りが激しくて何をやっているのかわからない。後、原作再現中に変な邪魔者を入れるのはやめてください。あえて名前は書きませんけど、プレイする気力がそがれるので。
また５０話以降のボスラッシュも種死のラストの展開に似ており変な感じ。
１０話毎に大きなイベントを入れて消化していったほうがよかったと思う。

・クリア後の得点が恒例のあれ。だから、最初に難易度を選ばせろよ！と何度いえばわかるのか？

・原作のネタばれが減った。これは実際に作品を見てくれって事でしょうか？
でもＤＶＤやビデオレンタルしてないの混じってるんですが…

COMMENT

まあ、良くも悪くも良かったと思います。参戦作品の入れ替え具合も良かった。
ただ、何故いつも女キャラだとＳＥＥＤの話を見なければならないのか？入れるなら両方バラけさせてからいれてくれ。後、ターンエーの扱いがひどくない。
個人的には次回作あたりからアルファ外伝のようにオリジナル主人公なしでやってもらいたい。
それができないならＦ以前のようにしてください。
最近、でしゃばったり原作イベントの邪魔したりとうるさくてしょうがない。
一時期よりおとなしくなったとはいえやはりまだ邪魔くさい。

プレイ時間：60時間以上100時間未満(クリア済)
とともろさん [2008/10/09 掲載]

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　405人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
3pt	4pt	1pt	4pt	2pt	3pt	2pt

総合点
57pt

GOOD!

皆さんがすでにたくさん書いているので、特に強く思ったことだけ書きます。それでもかぶると思いますが・・・

グラフィックは良い。戦闘ムービーもなかなか凝ってて、原作知ってる人は思わずニヤリとするものも。あと、ユニットの位置関係やマップが宇宙か地上かによって攻撃のグラフィックが変わるのも良い。過去作では普通に宇宙を走ったりとかしてたので。

登場作品も最近のものが多くていい。SEEDDESTINYとエウレカは特に良かった。

小隊システムが進化した。コスト無くなったのは良い。小隊の合体攻撃的なものもある。

隠し要素の出し方が斬新。バザーでパーツを見つけるというのが面白いと思った。

BAD/REQUEST

ストーリーが強引。いくつかの平行世界が繋がってというのは、個人的には×。なんというか、今までの作品はほぼ一つの世界でうまくやっていたのに、今回は登場作品の世界観の特殊さから多元世界としてやらざるを得なかったという感があると思えるのは自分だけでしょうか。

主人公は、αシリーズのようにリアル、スーパーともに男女から選べるようにしてほしい。スーパー系がオッサンというのは新しくていいと思うけれど、リアル系の萌えを狙ったと思われるミニスカは余計。スパロボにそういうものは求めていないファンもいる。

音声付きのイベントが少なかったように思える。印象に残っているのはゲイナーのアレくらい。あと戦闘BGMはもうちょっとがんばってほしかった。

音声が重いキャラがいます。登場作品の中で自分はそのキャラの出る作品が一番好きだったので残念です。

スパロボ共通ですが、値段が高い。FFやドラクエのように、ニュースやワイドショーなどでも取り上げられて、社会現象になるような作品ではないのに、定価が8000円を超えてる理由がわからない。

COMMENT

面白いとは思います。スパロボのファンなら買って損は無いでしょう。おそらく続編もありますし。

ストーリーが×といっても、自分は続編が出たら買ってしまうと思います。

個人的にはMXのラーゼフォンとライディーンのような、作品を枠を超えた音声付きのイベントを入れてほしかったかな。

プレイ時間：わからない(未クリア)
taichiさん(レビュアー情報) [2008/12/09 掲載]

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　417人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
3pt	4pt	2pt	2pt	3pt	3pt	2pt

総合点
55pt

GOOD!

◆オリジナリティ

　良くも悪くも従来どおり。
　だが現在これだけ多くのロボットが出ているゲームは存在しない。
　以上の点から３点。
　小隊システムは良い所が悪い所で帳消しになっているので後で記述します。

◆グラフィック

　戦闘でかなり綺麗なグラフィックがめちゃめちゃ動く！
　ただ戦闘を見ていると、１ステージクリアするのに１時間以上かかる。
　そのため、戦闘は簡易表示のみになる。
　そのため得点は４点。
　自分の側だけ戦闘シーン見て敵は簡易とか出来ると良かったのかも。

◆サウンド

　基本のＢＧＭがあまり良くない。しかし、
　好きな曲があればそれを流すことで緩和出来る。
　好きな曲が無い人はＢＧＭの音量０の方が楽しめるかも（汗）
　以上の点から２点。

◆熱中度

　まず好きな機体をカスタマイズできるので＋１点。
　しかし、
　機体の参加タイミングが極端に遅いものがいるので−１点。
　小隊システムだが実質使う機体は小隊長のみがほとんどで、
　残りの機体が空気扱いになるため−１点。

　総合して２点に。

◆満足感

　超個人的な理由で、エウレカが参加したのとストライクフリーダムが
　参加したので＋１点。
　ストーリーは男主人公の方が、良い意味で女の子に猪突猛進なガキを
　生暖かく見守るオッサン連中という感じが個人的につぼだったので＋１点。

　しかし、話し自体の流れは先が簡単に読める。
　読めない部分は話が超スピードで展開し過ぎて分けが分らないだけ。

　以上の２つが−２点なので合計３点。

◆快適さ

　可も無く不可も無くと言った所なので３点。
　人によっては使いづらい印象があるかも。

◆難易度

　自分で『出来る限りＳＲポイントとる』という縛りルールを初回から
　やってしまったため、かなりうっとうしい事になりました。
　（難しいではなくうっとうしい理由は下で）

　ただ、ＳＲポイントを無視して進めればゲームになれていない方でも
　楽にクリアできると思われるので２点。
　

BAD/REQUEST

◆オリジナリティ

　小隊システムは、メリットとデメリットのバランスがうまく取れていないのが
　気になりました。

　小隊を組む⇒メリット：フォーメーション毎にボーナス効果がある。
　　　　　　デメリット：フォーメーションによって使えない武器がある。

　これだけだと弱いですよね。しかも、
　?フォーメーションのボーナス効果はトライが１番使い勝手が良い
　?トライでのみ使える武器がある。
　?ＡＬＬ攻撃だとトライ以外組む意味が無い。
　といった、小隊組む意味すらなくす仕様だったのは残念すぎます。

　どうせなら各フォーメーションに１つ武器をつけるとか、
　フォーメーションのボーナス効果を移動力上昇、ダメージ軽減、射程＋１
　といった全く用途が違った物にすればメリハリがついたのでは？　

◆グラフィック

　途中から簡易表示でしか戦闘をしなくなるのでどんなに絵が綺麗でも
　関係ない。
　これでは勿体無さ過ぎる。
　何かもう一工夫して戦闘時間を延ばさず戦闘を見れるようにして頂きたい。

◆サウンド

　基本のＢＧＭが耳に残らない＋オリジナルのロボットのＢＧＭがおかしい
　のでそれをどうにか出来れば５点にできるのだが。
　次回作に期待したい。

◆熱中度

　ロボットの改造に飽きてしまったらそれまでなのがこのゲームの弱点。
　周回プレイの制限もおかしいのであまりやる気が起きないのが難点。
　なぜ問答無用で２週目は所持金とＰＰが50％になるのか？
　しかも改造は初期化される。
　どうせならＳＲポイントを使って持ち越す項目を自分で選べるとか、
　もっと違った工夫を考えたほうがいいのではないでしょうか？

◆満足感

　自分は
　最後の選択肢を間違って選択⇒セーブ⇒選択肢によってバッドエンド有り⇒
　データのバックアップ無し⇒グッドエンド見れない⇒
　泣く泣く同じ主人公で周回プレイ。
　
　というコンボを食らったので正直ムカついてます。
　選択肢の前にセーブできるようにして欲しかった。

◆快適さ

　小隊の編成が面倒くさいのが難点。
　一応オートで組む機能はありますがあまりお勧めしません。
　オートで組んでも実戦では使えない組み合わせだからです。
　もうちょっと直感的に組めるようにすればいいのにと思いました。

COMMENT

総合して、
好きなアニメがあったり、ロボットが好きだという方には、値段分は十分楽しんでいただけると思います。

ただし、どんなゲームでもストーリは大事だと思っている方にはあまりお勧めは出来ません。
他のレビューでも書いてありますがストーリーが陳腐です。
先が読めます。先が読めないときは超展開過ぎてついていけないだけです。

ただ男主人公の方はキャラの絵（主人公気持ち悪い）さえ我慢すれば、
レントンやガロード、ゲイナーといった空回り気味のお子様たちの
女の子へのラブアタックが笑えます。
（ちゃんと皆成就しますけどねｗ）

プレイ時間：60時間以上100時間未満(クリア済)
エウレカファンさん [2008/10/23 掲載]

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[問題報告]

　424人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
2pt	4pt	2pt	3pt	2pt	4pt	3pt

総合点
55pt

GOOD!

難易度HARD・男性主人公で一周のみプレイです。

■戦闘アニメーション　【対地・対空等によって変化する動き、等々】
新作の度に「こうであれば良いのにな」と思っていた部分を、
改善してあるのには、スタッフの拘りと気配りを感じ、好感を抱きます。
作業工程の折り合いからか、登場作品によって、クオリティの差が
見受けられるのは、いささか残念です。

■人物のグラフィック　【統一感のUP、表示形式の安定】
ユーザー毎の原作へのイメージがあるので、一概には判断できない
繊細な要素と言えますが、PS2以降の作品との比較では、
かなり洗練されているのではないでしょうか。主に昭和作品に多く見られた
髪型だけを挿げ替えたような絵柄や、肩幅が広い人物が途中で切れる事の改善。
左右非対称の人物は正面で固定（これは多少違和を感じますが及第点です）
される等、全体的に「描き手さんの絵心がUPした」ように感じ、
プレイしていて気持が良いです。

■トライバトル　【小隊システムの洗練化、新たな可能性の模索】
「多くの作品の機体を出撃させたい」という主張前提のシステムなのは
変わらずですが、戦略面でもALL攻撃の弱体化に伴い、簡易ではあるものの、
三竦みの関係性が生まれたのは、思考する余地が生まれ好感触です。
うっかり弱いフォーメーションを組むと落とされます。

今回は物語の都合上、主義の相違から、中盤に部隊が大きく分断されるので、
小隊を組んだ人物同士が、どんな様子で戦地に赴くのか、想像を馳せるのが
より楽しく、こういった部分こそSRWの醍醐味ではないかと、
再認識させられました。

■難易度　【過去最高の完成度】
全SRポイントを取得するプレイを前提とした場合でも、
一見無理に思うような条件も、よく考える事で解決するバランスです。
SPやEN、ボスHP量の設定値を熟考し調節した結果だと思えます。
後半はSPコマンドや必殺技連発の「いつものSRW」なバランスになりますが、
最後まで緊張が続くのはこちらとしても疲れるので、これも○とします。

■会話テキスト　【人物の掛け合いの楽しさ】
テンポが良いですね。多少漫才的な形式に依存している面もありますが、
人物の年齢性を巧く生かした雰囲気作りは心地よかったです。
戦闘アニメーション中でも、新録音声には他作品との競演を意識したものが
非常に多く、垣根の隔たりを感じさせませんでした。

■分岐　【使用できるキャラの大胆な限定】
他の方のレビューにある通り賛否両論であると思いますが、
登場人物の主義の相違で部隊が分けられ、暫くそれがテーマになる展開は
とても感情移入し易く熱中度が上がりました。それだけに、その収束の仕方が
乱雑な描き方だったのは非常に惜しいです（詳しくは下記）。

BAD/REQUEST

■物語の構成・展開　【観点は斬新だが、練りこみ不足】
これは非常に惜しい点であると思ったので、苦言を呈します。

まず大本になる『時空振動弾』の使用法ですが、あらゆる世界を混在させる
面白さより、煩雑さや「逃げ」に作用してしまっています。
黒歴史やタイムワープ等との関連性は、とても巧く整理されているのですが、
プレイヤーに地理や世界状況をほんの少し提示しただけで、どんどん話が
進んでいってしまうのは、ルールを明確に示さないでゲームに参加させる
ようなもので、何がおきても緊張感が生まれません。

そんな状況の中で、プレイヤーには「インターネット相当」という認識を
抱かされる『UN』という情報端末に自軍キャラクターは縋ることになります。
反目する軍の行動により不信感が募り、UNの情報に後押しされて疑念を抱く。
ここまでは良いのです。その疑念を充分な言葉を交わさず
行動で訴えてしまうのは、UNの存在以前に人間性の問題。
シチュエーション優先でキャラクターを強引に動かす為に
違和感が生じるのです。これでは、どんなシチュエーションを用意されても、
存分に盛り上がる事はできません。

ラストボスの性格等を含め、ネット社会への世情を切るという意味合いの
テーマ性を構築するのは斬新な試みですが、SRWという土壌でそれをやるには、
いささか無理が生じており、おためごかしな様相が強いのは不快感を伴います。
もっと丁寧に描いていれば、展開自体はとても興味深いものになっていたかも知れません。

■オリジナルキャラクター　【悪い意味でクドイ】
高笑いと共に、断罪・貪り・原初・悪夢・焼却処分等といった気が滅入る単語を
嬉々として連呼する、エキセントリックな造形が多く、胃もたれが生じます。
ラストボスにはテーマ性が光りますが、道程の描き方の問題で不快感の方が
突出します。上記でも述べましたが、テーマが昇華されていれば
これ以上にないボスとして機能したと思うと、これも「惜しい」点です。

■原作キャラクターへの解釈　【記号化が激しい】
「戦闘のプロ」「暴力メインのネゴシエイター」「明日を救う」
「ひきこもりのゲームチャンプ」「私怨で戦争を起こす」等、
どれも一概に間違いとは言い難いのですが、どちらかというと、
それこそインターネットで表面上だけで語られているような認識を
各人物に宛がい、時には茶化しとして使用するのは如何なものか。
ネットを批判しつつ、シナリオライター自らがネットに捉われているような
解釈や描き方は感心しません。

膨大な人物を扱う為、簡略・機能化していくのは方法としては
妥当かもしれませんが、過去の作品に見受けられた
「この書き手さんは本当に原作の作品が好きなんだな」と
思わせられるような作劇法を、今一度検討して欲しいと感じました。

■クロスオーバー　【面白くなりそうな素材に手付けず】
ストーリー上におけるネット社会への批判も伴い、寺田プロデューサーによる
「何でも有りを目指す」という言葉に踊らされた私という構図が生まれました。
オーバースキル等は、時空振動弾以上に面白い展開が望めるのではと期待したのですが。

■一部の音楽　【クオリティーのバラつき】
エウレカセブンのsakuraのボーカル部分が尺八の様な音で表現されている事に
驚愕すると共に、デパートの環境音楽の様な優しい耳当たりが癒し効果を生みます。

■一部の音声　【バグではなく「うっかり」】
再生速度の遅延は、担当者のケアレスミスと思われ、フォローのしようがありません。

COMMENT

戦略面は良バランス。会話もテンポ良く読め、プレイ中の直接的な不快感は
無いのですが、物語の構成や展開、オリジナルキャラクターの造形により、
中盤〜後半へかけて、ジワジワとストレスが溜まってくる仕様になっています。
勿論、ライターさんに悪意があってやってる訳ではないと思いたいですが、
総合的な「物語」としての完成度を高める方向性は示して欲しいものです。

序盤は主人公を伴った丁寧な作品紹介が続くので、今後の展開に
想いを馳せつつ、楽しんで進められたのですが、中盤での強引な
展開に力が抜け、以降、敵組織を片っ端から潰していく恒例の展開に
入る頃にはもう諦めました。これだけ破天荒な参戦作品を集めて、
最も際立っているのは、オリジナルキャラクターの紡ぐネット批判の物語
という結果は酷な話です。

今回の参戦ラインナップを見て、各原作のもつ特異性に惹かれた方や、
作品世界の扱い方について期待されている方は、今一度熟考し、発売前の
製作スタッフの言葉は鵜呑みにせず、あらゆる手段を使って独自に
価値観を見出した上で購入を検討しましょう。それが今作をプレイして
情報の危険性を否応無く認識させられた私からの「お奨め」です。