PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

オリジナル5点：世界観もそうだし、テキストやアクションどころか、文字によるチュ−トリアルすら不要という削れるものは削れるだけ削る潔さが作品の感動を深める。

グラフィック5点：ステージごとの美しさがある。夕日の砂漠やラストステージの美しさは感動を覚える。解像度が高くてテクスチャで埋め尽くされた書き込みでリアルさを追求する昨今の流れとは真逆の、描かないことで魅せる手法は見事と言うしかない。光や空気の表現もすばらしい。

サウンド5点：環境音楽のようなシンプルなクラシックで、耳に残る曲は少ないかもしれない。仰々しく感動を盛り上げようとはせず、基本的に風の音、水の音を意識した静かな音楽ではある。しかしキャラの動きやシーンの展開に絶妙にマッチしているので心に響く。ヘッドフォンでゲームをすると、実に細やかな効果音が使われている。

熱中度5：始めたころは良くわからず、何だこれ？って思う。しかし何周もやっていくうちに物語りもなんとなくわかり、風になる爽快感で夢中になる。しかし熱中すればするほどすぐ終わってしまう。集めモノやトロコンも簡単。熱中する時間は短くても、延々と繰り返す地味でつらい作業もなく、ほんの少しのがんばりでトロフィーが解除できるので。時間では計れない熱中度と達成感。

満足感5：1200円なのに初周は2時間程度。総プレイでも10時間を越える人は少ないかもしれない。5000円程度で1000時間遊ぶゲームもある中、時間のコストパフォーマンスで考えれば悪いとしか言いようがないが、一本の名画、豪華なランチに匹敵する、感動のコストパフォーマンスは文句なくおなかいっぱい。

快適さ5：ゲーム中のロードは感じない。ステージ移動のロードも充分短い。ただひとつ、ステージの合間に見せられるムービーはイライラするかもしれない。しかし、同じ人と続けて旅をするとか、作中唯一語られるストーリーに関わるので、削るわけには行かない。ここを短所と挙げるせっかちさんはこのゲームは向いてない。減点せねばならないほどの短所にはならないので。

BAD/REQUEST

短所を探さないとだめなのはつらい。あえて言うなら、やはり1周の短さか。
オンラインでフレと旅ができないもどかしさもある。演出意図なので、製作者もあえて削ったのだと思う。
シンプルであること、短くあることで製作者の神経が隅々まで行き届いてることがわかる。
相棒に合図を出すとき、「ココ」って読めてしまうのは、多分偶然。
辛口を自負する自分的にも短所が見つからない。

COMMENT

神ゲーの名にふさわしい、歴史に残る一本。
中古で買えない、下取りにも出せない、しかし、HDDにこのゲームが入ってることが嬉しいと思えるはず。

初周はぜひオフラインでプレイしていただきたい。自分で歩き、考え、発見し、噛み締めるように人生で一度しかない初体験を存分に味わって欲しい。
2周目でオンラインにつないだ時、このゲームは全く違う側面を味わうことができる。単なる協力を超えた出会いと感動があり、エンディングを迎えるころには相棒が無二の親友に思えてくるだろう。
わからない人同士迷いながら旅をするもよし、白に導かれて教えてもらうもよし。
言葉もない、意思を伝えるのは簡単な合図だけ。だからこそ、相棒のむき出しの人間性に直に触れることができる。気持ちが通じ合ったと思えたときの感動も、このゲームの醍醐味。
つらい冒険の途中、こっちだよ、待ってよー、気にすんな、がんばれって、ちゃんと言われてることがわかるからすごい。
充分ゲームに慣れたら、白同士タイムアタックをしても今度はあなたが導いてもいい。相棒の熟練度、初心者は一目でわかるので、初心者の楽しみを奪いすぎないよう程ほどにｗ
別アカウントで初心者の振りをして相棒の導きをニヤニヤしたり初心者とわからない演技で楽しんだりといやらしい楽しみもある。ゴールさえしなければずっと初心者なので。
人によって攻略手順が違うので、シンプルな進行なのに相棒が変われば違うゲームになる。
ステージ上、唯一字が書ける地面があるので、満足できる旅なら思いっきりハートを書いてあげよう。

HDMI37インチ、ヘッドフォン使用。