PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

○初のオンラインメインの作り

シリーズ通してユーザー同士がここまで繋がる仕様はACシリーズにはなかったと思います。
対戦だけでなく、領地を争い、チームを作り、エンブレムを見せ合う。
閉鎖的だった世界に、オンラインという要素が追加されただけで楽しみ方は大きく変わっているように感じます。


○ACのデザイン

今回私が一番気に入っている部分ですが、AC1機1機がとても重厚で、鉄臭さを感じる。
前作から若干流れが変わってしまい、ゲーム性はともかくACのデザインに関してはファンタジーのように見えていました。
ゲーム速度が上がったことも要因のひとつですが、まるであれでは今時のガンダムのようで、初代からプレイしている私としては物足りなさを感じていました。
が、今作から「兵器」としてのデザインが前面に立ち、若干機体がマッシブになりましたが、動きと合わさって凄まじいほどのかっこよさ、重厚さをかもし出していると思います。


○領地という概念

チーム同士が自分の領地を巡って戦う、というコンセプトは最もACらしいというか、戦争を生業にしているレイヴンにとっては最高の舞台です。
多くのユーザーが互いに連携を取り戦う様は、まさしく「傭兵」としての在りようにも感じますね。


○エンブレム

今作のエンブレム作成はとても楽しいです。
前作にもありましたが、近作はパーソナルエンブレムの概念がとても大きくい、意味を持ってくると考えています。
色々なエンブレムを見ていると、戦うだけでなく制作意欲まで沸いてくるのでとても楽しいです。


○パーツ成長

成長というか、方向性変更というか、とにかくまったく同じ武器はほとんど出来ません。
自分のプレイスタイルに合うように威力を重視したり、リロード時間を短縮したりと考えることは山ほどあります。
この地味な作業も、自分の武器が流通する、というシステムと相まってより一層楽しみを生み出していると思います。


○初心者にも安心の傭兵システム、ガレージシステム

今回、若干ストーリーミッションの難易度が高く、操作の変更により苦戦したユーザーも多いはずです。
かく言う私もその一人なのですが、この傭兵システムにより手馴れたレイヴンや、友人とプレイすることが出来るので比較的簡単にクリアすることが出来ました。
ガレージシステムは戦闘中に補給、アセンを変更する変わりにお金がかかるという昔なら特定のミッションでしかなかった補給システムなのですが、意図的に難易度を調整することが出来るのでかなり助かる場面が多いと思います。
特に今作は敵に弱点と耐性が設定されているため、アセンを変更できるというのは大きな意味を持ってきます。
もちろん自分が傭兵としてプレイすることも可能で、機体の構成によって修理費なども変わってきます。
ランクを上げるためにはアセンに非常に気を使わなければならず、かなり根気が要ります。
それもひとつのプレイなので、楽しみの一つだと思います。


○圧倒的な暴力、OW
ストーリーミッションをクリアするとOWが開放されますが、破格の攻撃力を誇る反面、難点も数多く持ち合わせています。
ただのチート性能の武器ということではなく、場面によってはあまり使えないこともあります。
もちろん、装備しているだけで相手にプレッシャーを与える効果もあり、当てることが出来れば一人で戦局をひっくり返すことも不可能ではないかもしれません。
また相手がOWを装備していることで、こちらもある程度の動きを制限されるため、戦い方にいくつもの幅が生まれています。


○難易度

今回のACVはストーリーミッションの難易度が高く、熟練プレイヤーでも最初はかなり戸惑ったと聞きました。
実際私もプレイしてみて、ミッション02からの難易度の上がり方はすごいなぁとさえ感じました。
昔はマシンガン打ってれば終わる、なんてミッションもありましたが、今回はその方法ではまずクリアは難しいでしょう。
特にソロクリアにはかなりの技術が必要なミッションもあり、私個人はかなりワクワクしています。
もちろん救済策がないわけではなく、上記の傭兵を雇う、ガチタンで完全真っ向勝負でごり押しなど方法がないわけではありません。
ただ耐性や弱点を考慮してアセンを組む楽しさ、好きなアセンで戦う楽しさを味わえるのはやはりうれしいですね。

BAD/REQUEST

●投げやりなストーリー

今回ストーリーには力を入れ、人間にもある程度スポットが当てられていると事前情報で聞いていましたが、実際にプレイしてみると大変投げやりで関係性もなかなか把握できず、シナリオにまったく没頭できませんでした。
「フロム脳で補完すればいい」というユーザーもいますが、あえて語らないのならソレもありでしょうが、投げやりなのはまた違います。
大体のことは想像できますが、従来のシリーズのありきたりなストーリーを更に短くして適当なところで突如終わらせている・・・それが正直な感想です。
オンラインメインの作品であることを考えればそれもしょうがないのかもしれませんが、大々的に宣伝したのだからもう少し入念に作ってほしかったです。


●問題だらけのオンライン（快適さ1の理由含む）

別ゲーム、ダークソウルでも問題になりましたが、この作品も例外ではなく、非常にオンライン環境が良くありません。
サーバーキャンセル、フリーズ、ラグは多く、出撃メンバーが揃ってもブリーフィング画面に入ることが出来ず諦めて抜けていくプレイヤーが多数いて、まともに侵攻戦もできません。
ひどいときには2時間くらいやろう、とゲームを始めても5回程度しか侵攻できないこともあります。
回線の問題じゃないの？と思われる方も多いと思いますが、環境の弱さはフロムソフトウェアも認めており、私が問い合わせた結果、毎日かなりの数のプレイヤー達から問い合わせがあり、技術部が調査中であること、問題はすべて社員のほうも認識していることを聞きました。
オンラインプレイがメインの作品でありながら、これはさすがに厳しいものがあると思います。
「フロム好きなら愛で補え」などと言ってる人がいますが、私たちは体験版を購入し、オープンβテストをしているわけではありません。
発売延期までして未完成品を発売するなど、ファンなら愛でどうの・・・などという話ではありません。

COMMENT

37型AQUOS
80GBPS3
全シリーズプレイ済み（PSP発売作品は除く）


最近良く私はこの言葉をレビューで使っています。
とにかく「惜しい」作品です。

所々の調整などは後々でも問題は少ないと感じますが、一番の売りであるはずのオンライン、特に以前の別のゲームで露見している部分であるにもかかわらずまったく同じような状況を再現してしまっているという事が、技術部の「ACシリーズだから売れる」という甘えを生んでいるように思えます。

領地システム自体にも多々問題などがありますが、まともにプレイできないのにそれを判断することは出来ません。
大手チームで人数の多い所が嫌でも領地を獲得する、防衛側にペナルティが少ないため、没収ぎりぎりにならないと防衛しないなど調整が必要な部分がたくさんあります。

ソレより何より、本当に一番、真っ先に整えなければいけないのは、オンライン環境です。
ユーザー同士のオンラインでの戦いがこのゲームの醍醐味であり、最初から売りにしていたいわば看板です。

DLCでゲーム中で獲得できるパーツを販売する暇があるなら、もっと先にやらなければいけない部分があるんじゃないでしょうか？


酷評ばかりしましたが、今作、BADで書いた部分を差し引いても十分魅力的であるといえます。
初心者の方がよく「操作が難しそう、僕でも出来ますか？」と質問しているのを各所で拝見しますが、十分にプレイできる内容ではないでしょうか？
操作などは慣れが大部分を占めますし、オンライン環境が整えばあとは細かい調整程度で、ゲーム自体はとても良い作りです。

購入を考えておられる古参プレイヤーの方、新規プレイヤーの方はオンライン環境が整ったことを堪忍して購入してみるというのもいいかと思います。
もちろん現在もまったくプレイできないということではないので、それも考慮ください。