PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

　まず、挙げておくべき点は、『ストーリー』です。
パッケージからは全く想像できない、重く絶望的なシナリオ。
背景が美しいのに、プレイ中はその孤独感と焦燥感に押しつぶされそうになります。
しかし、それを乗り切っての飛行・ゴールは感動に値します。

　次に、プレイにやりがいがあり、非常に熱中できる点。
飛行難易度は風の影響下で相応に高く、戦術も自分にゆだねられる点が多いので考えながら飛ばなければならない。
さらに、サバイバルにより『生命活動の危機感』をひしひしと感じる。
失敗をすれば、明確に『死』と表記される点も賞賛したい。
そして、次第に目的意識を強く持ち始める主人公にシンクロすれば熱中すること請け合い。

　オリジナリティとして、鳥の生態系に追従する形での空の旅というのは面白かった。
コニウス・ブルーという惑星の設定も去ることながら、
鳥の声を使い、共に飛び、困難を潜り抜けるという感覚が秀逸。

　このゲームの満足度に大きく貢献しているのが、『達成感』。
『乗り越える』という要素が、ゲームの本質とプレイの本質に密接に関わり合い、その越えている瞬間・越えた瞬間の衝撃は、プレイしてみないと分かりません。

BAD/REQUEST

　グラフィックに関して言えば、3D技術が低く、地形が平たく感じる。
さらに、キャンプ地の鳥がカードイラストという手抜き。

　鳥たちが地形を無視して飛ぶという酷いプログラムになっている。

　サバイバルによる食料集めに四苦八苦して、優雅に飛べないとやきもきする場合がある。
この場合は、こういう辛らつなゲームなんだと割り切るべきですが・・・・

　マップのロード時間が1分強あり、ゲーム再開、もしくはやり直しがつらい。

　イベント時の会話が飛行中にあり、降下不能・マップ使用不可・画面が文章枠に覆われる、といった危険要素満載。

　ボイスなし。

　フラグ管理が煩雑で、先回りプレイが一切できない。

　引継ぎ後の難易度低下が著しいため、Aルートを初回に通らなかった場合、達成感と感動が薄れてしまう。

　初音ミクの歌は完全におまけ。歌詞もゲームにリンクしていない。

COMMENT

　プレイ後、思う事は、
「全然『トリノホシ』じゃなかったなぁ、でも非常に楽しかった、
この戦々恐々とする感覚と、飛ぶ怖さ、生きるツラサ、まさしく成長ゲー」

　クオリティの低さは否めませんが、十分な良作。
フライトシミレーション＋サバイバルと思うべきです。
その（難易度的・シナリオ的な）苦難を乗り越える強固な意志があれば、感動という恩恵を受けられるでしょう。