PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・ほぼ全ての方が書かれておられる通り、背景のグラフィックやムービーの映像が非常に綺麗。ムービーとPS3で描写されるグラフィックとにそれほど落差も無いのはすごいなと感じた。景色を眺めてるだけでもちょっとした感動を覚える。

・これも皆さんと同じく、ロード時間を感じさせないほどの非常に速い読み込み。ゲーム起動後の最初のロード以外で、読み込みを待たされると感じたことは皆無だった。素晴らしい。

・戦闘曲いいですね、耳に残ります。

・ロールを戦闘中に切り替えながら戦うというアイデアが面白い。また見た目がスピーディでキャラが止まってボーっとしていることが少ないので躍動感がある。

BAD/REQUEST

・キャラクター
まず見た目。肌のシミやシワなど非常に細かいところまで表現しています。ムービーシーンなどでは表情の変化や髪の毛の動きなどここまで表現するかというくらい、精彩に描かれています。
ここまでは褒めているみたいですが、リアルっぽく描写しようとすればするほど、キャラクターデザインの嘘っぽさが目につくんです。ヘアメイクさんに髪セットしてもらったばかりですみたいな不自然な髪型、汗なんかかきませんと言わんばかりの清潔感。いわゆる従来の日本のアニメやゲームにありがちなキャラデザインを踏襲しながら、変に細かいところだけ現実っぽく描写するんで、その落差が嘘っぽさにつながってる印象。あと相変わらずの左右非対称の服装は発想がオタクっぽいというか子供っぽいというか。

・ストーリー
作り手が何を表現したいのかさっぱり。その都度キャラクターにキメ台詞を言わせて雰囲気作りしてるだけで、物語のテーマやそれぞれの人物の役割がまるで伝わってこない。このキャラにこんな仕草であんな台詞言わせてみたいってデザイナーの願望に合わせて、後から適当にストーリーを組み立ててるだけなんじゃないかって思えるくらい何もないスカスカ。
造語を多発し物語の理解を阻害しているのもマイナス点。徹底した一本道なら、その物語に引き込ませる導線はしっかり作ってくれないとただ辛いだけ。TIPSもあるが、本来TIPSは補足であって、それを読むことでより一層理解が深まるという役割以上のものを背負わせている。TIPSを読んでから先に進んでねというのであれば、そこをちゃんとストーリーで描くべき。一本道なんだからできるでしょうに。キャラの恥ずかしい台詞考える前にそういうとこしっかり作ってほしい。面白いつまらないの好み以前の問題。

・成長システム
成長ルートも固定ならば、ザコ敵の配置場所も固定で、ストーリー進行に合わせて能力キャップもあるから、成長ペースまで固定。プレイヤーの介入する部分がほとんど無いんだったら、経験値ためてレベルアップのシステム以下。

・戦闘関連
ロールをキャラ毎に切り替えるのではなくパーティ全体でいくつかの組み合わせ(オプティマ)を用意しておいて、随時選択するという切り替え方式。その用意するオプティマをパーティメンバーが変更になるたびに毎度組み直す必要があるのが不便。戦闘の根幹に関わる大切な要素なのだから、このあたりにもっと力を注いでほしかった。そして素早い切り替えが要求される肝心のロールチェンジ時に妙なポーズで数秒止まるのも謎。売りを活かそうとしてるのか殺そうとしているのか全く理解できない。
また戦闘評価はタイムアタックという物差ししかないので、こちらが弱いうちに強い敵を苦労して倒しても戦闘に時間がかかるだけで旨味がない。何かに挑戦しようという気持ちも湧いてこない。
また操作キャラのHPが0になると即ゲームオーバーにしたのはなぜなのか。リスタートがあるためそれ自体の苦痛は和らいでいるが、ああもリスタートを繰り返す戦闘になってしまうと萎える。ゲームオーバーってことはそこで一旦物語は終了バッドエンドってことで、それを無かったことにしてやり直すって意味でしょう。それをあれだけの頻度で繰り返すってのは、あまりにゲーム的すぎて軽い。ストーリーを前面に出しているはずの作品において反対方向のデザインだと思う。

COMMENT

BADの項目ばかり長くなってしまうので、とりあえず切り上げます。

なんというか制作者が何をテーマにFF13を作ったのが解らない。物語をじっくり楽しませたいのか、熱い戦闘を提供したいのか。個々の要素の売りは解るんだけど、必ずその要素をブチ壊す何かが盛り込まれていて台無しにしている。どうしてこうなったとしか言いようが無い。それぞれの個々のスタッフの頑張りが悔やまれます。


最後に一つだけ。
これからはちゃんとシナリオライターの人に物語を書かせてください。