PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

□グラフィック
初のHD次世代機作品ということもあり、ムービーパート･通常パート共に最高峰のクオリティです。
ムービーパートでは、キャラ毎に個性を感じる動感ある動きを見る事が出来ます。
通常パートでは、近未来的な建造物から、剥き出しの岩肌を感じる渓谷、暗く今では人気の無い廃坑など今作の世界を視覚的に楽しむ事が出来ます。
また、これだけのクオリティで作られながらロード時間が気にならない程短いのは驚きです。

□サウンド
5.1ch対応で素晴らしい音質です。
BGMはその場を乱さない落ち着いた雰囲気の物が多く、どんな場面でも主役はキャラクター達と思える丁寧な作りと感じました。
また、キャラクターの足音や魔法の臨場感を感じられるSEの完成度も高いです。

□戦闘システム
従来からあるATBの進化形とも言えるシステムです。
オプティマと呼ばれる作戦指揮書の様なものを、戦局に合わせて切り替えながら戦います。
選択出来るオプティマは最大で6個、バトルメンバーは最大で3人、物語が進むにつれて選択の幅がって行きます。
序盤こそ敵前でのんびりしている状態が見受けられますが、ATBバー数の増加･魔法ヘイスト効果･装備によるATBバー加速オプションが付いた後は、常にキャラクターが動き回り絶え間なく支持を与えるバトルになります。
落ち物パズルのぷよぷよをやった事のある人は、あんな感じの戦闘システムだと考えてください。

BAD/REQUEST

■シナリオ
造語の多さにより物語を楽しむ上で壁がある感は否めません。
進めて行くにつれて真相がわかりその壁は払拭されて行きますが、終盤までその状態が続くため人を選ぶシナリオと言えます。

■システムインターフェイス
基本的には良く出来ていますが、それだけに問題点が目に付きます。
バトルメンバーの変更に伴いオプティマがリセットされる点。
今作の成長システムであるクリスタリウム(すごろくみたいなもの)の分岐時操作と次への成長値を調べる手間がかかる点。
改造の仕組みをきちんと理解するまで時間がかかる･分かり難い点。

COMMENT

プレイ環境：24型HDディスプレイ(HDMI接続)

今作は序盤のプレイヤー置いてきぼり感、終盤のピークを基準にした戦闘システムのために序盤のもっさり感が凄いです。
クリア後はそれも計算された上での事と理解出来るのですが、寄り道をしない場合クリアまでのプレイ時間の半分以上その状態なのは我慢できない人もいるでしょう。
全ての面である段階を抜けてしまうと、計算されたゲームバランスを楽しむ事が出来ますが、真の本番はクリア後という作りは万人向けとは言いがたいです。

やりこみと言う面でもトロフィによる明確な達成度＋ごほうびと言う、シリーズでは初めての試みが行われています。
今ではインターネットなどで攻略も楽になっていますが、何の情報もなしにやったら数百時間はかかるであろう量はあります(むしろ詰む要素があるため達成不可能な部分すらあります)。

賛否は分かれると思いますが、ゲームだけどリアリティを高めた作品であるため、世界観やキャラの置かれた設定上、行動の自由や街での買い物･横道して遊ぶ等の要素はありません。
お金にしても落とすのは兵士を倒して手に入れるクレジットチップや野生の魔物を倒して得るレアな収集品を売却して得た報酬です。
平和な世の中ですし、頼んでも居ない魔物退治(むしろ研究動物など倒したら賠償ものですし)に懸賞なんてないでしょうし妙にリアルです。

従来からあるお約束の王道RPG好きには味気なく感じる変更が多々ありますが、新しいRPG(主にMMORPGの影響が大きいと個人的には思います)の形を体験出来る上質の作品です。
スルメゲーと呼べるほどクリア後のやりこみ要素は現状ありませんが、DLCや10-2のようなファンディスク含めて今後の展開も気になる作品です。