PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

グラフィックエンジン「CANVAS」によって描かれたオープニングやイベントシーン
には、毎回見とれてしまいます。大爆発の様子などは、音響のセンス・演出とも
あいまって素晴らしい出来だと思います。

戦闘パートでは、行動ポイントがあるかぎり自ユニットがどれでも動かせるという
新しいシステムのおかげで、同じユニットを連続で動かすか、多数のユニットを
満遍なく行動させるかなど、戦略に幅広い自由度があり、飽きることなく楽しめました。

兵器や兵装のデザインもよくできていて、ガリア軍、帝国軍それぞれ特徴があり、
見た目にも双方カッコイイです。 特に戦車の重量感ある挙動の表現が見事で、
動かしていて楽しかったです。

加えて細かい表現にもぬかりは無く、マシンガンはちゃんと腰ダメで撃ったり、
ライフルを発砲したときに、反動でキャラが弾かれるようにのけ反る動きなど、
繊細なところの作り込みにまでこだわりが感じられ、見ていて退屈になりません。
特に手榴弾を投げるモーションが、キャラごとに微妙に違うのには感心しました。

ストーリーはオーソドックス（悪く言えばベタベタ）ですが、主人公ウェルキン
をはじめとするメインキャラ達の台詞のクサさに我慢できれば、ちょっと意外な
展開もあったりして、安心して楽しめる内容だと思います。

音楽は場面ごとに雰囲気によく合った曲が流れていて、
臨場感アップにひと役もふた役も買っていると思います。

また、ガリア公国やダルシア人など、バックボーンが非常に丁寧に作られていて、
身だしなみなどにもそれぞれの文化のようなものが伺えます。

ヴァルキュリアの設定や扱いについては賛否あるようですが、個人的には満足しています。

凄まじい強さでありながら、全知全能というわけではなく、忌まわしい過去を
持っている。深過ぎず浅過ぎずの程よい距離で主人公たちとも関わりを持ち、
ただの殺伐とした戦争モノで終わらせていないところなどは、見事だと思います。

BAD/REQUEST

ハンスの羽根と声はいらないと思います。普通のブタという設定でもよかったし、
音声も普通に「ブーブー」でいいと思います。あまりに可愛く作ろうとした意図が
みえみえで、自分から「マスコットにして〜」みたいなオーラを出し過ぎています。
その割にあまり存在感が無いし…

戦闘パートで、土嚢のそばではしゃがめるのに、そのほかの遮蔽物（木箱など）では
それができないのは、やはり不自然に感じました。

また、接敵しているにも関わらず攻撃が外れてしまうのも、何とかならなかった
のでしょうか。手を伸ばせば届くような距離で、しかも静止しているオブジェクトを
狙って、なんで外すかなぁ・・・

ブリーフィングで敵の配置がまったくわからないのもマイナスです。
地形だけで判断して、攻略方法を考えてユニットを配置しても、いざ作戦が始まって、
やっと敵の布陣がわかり、作戦の大幅見直しでちょっとゲンナリ、ということも。

システム面では、作戦中のマップや人物・兵器などの紹介の文字が小さすぎて
とても読みづらかったです。

あと些細なところですが、再戦するときにウェルキンの号令シーンが飛ばせないのも
フラストレーションがたまる一因でした。

また、本編の中にもっと伏線を入れて、断章に対する興味をもっと煽っても
よかったような気がします。

COMMENT

ちょっと気になるな、という気持ちで購入してみて大当たり！という感じでした。

さほどビジュアルに期待はしていませんでしたが、目の当たりにして初めてCANVASの
表現力に驚かされたし、リアルというのは、写実的だから感じるのではなく、それに
「説得力」があるからなのだと気付かされました。

その点で言えば、「戦場の〜」に登場する兵器や兵装、また世界観は、細部に至る
までじっくりと作り込まれ、十分な説得力を以ってプレイヤーを迎えてくれます。
こんなリアルも大いに有りだと思わせてくれました。

全体的な感想は、「とても丁寧に作りこまれている物語」というところでしょうか。
いざ遊んでみると、悪い所で書いた事などはあまり気にならず、とにかくストーリー
の続きが気になるといった具合です。

戦闘で大敗を喫してイライラするのも、熱中するが故だと思えてくるから不思議です。