PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

ゼルダの伝説+ゴッド・オブ・ウォーという趣だった前作に対し、今作はゼルダの謎解きにデビルメイクライのアクションとゴッドオブウォーの演出、そしてディアブロのハクスラというさらにマシマシの作り。
それらが邪魔しあうことなく一定のクオリティを保っているのが見事。

特にアクション部分がパワーアップしているところが大きく、小気味良く動くプレイヤーキャラを警戒に操って次々と敵を倒していくのが面白い。
謎解きと戦闘のバランスもよく、どちらかに偏っていてうんざりするということがない。

セミ・オープンワールドというべきか、広めのフィールドマップがいくつか用意されており、そこにダンジョンがあるという仕組み。
フィールド間の移動とファストトラベル以外では暗転はなく、シームレスにつながっている。
映像も独特でなかなか綺麗。

BAD/REQUEST

前作よりも要素を増やしたがそれぞれの部分の完成度が下がっていると感じた。
特にゼルダ的な謎解きはボリュームが増えているのに要素があまり変わらず、単調におなじような謎を何度も解かされているような感じになる。
ボス戦などはそれが顕著で、ゼルダ的にそれぞれ解放が存在するのだが、ギミックやガジェットの少なさもあって、あまり倒し方に悩むこともなく、アクション的にも簡単なため手応えを感じなかった。

ダンジョンとフィールドのつながりはシームレスであるものの、随所で短いロードが入るため、あまり快適とはいえなかった。
グラフイックも2012年時点ではきれいな方だったと思うが、自分がプレイした2015年の目で見ると物足りなく感じた。センスが突出していればそれでも評価できたのだが、このゲームの全体に通じる優等生的なセンスのため、年数分の古さを感じてしまった。

ストーリーがいまいち。
前作と同じ時間軸の裏ストーリーのような作りなのだが、本筋はあくまで前作であり、今作のストーリーはあとづけのおまけのように感じた。前作と合流しようやく面白くなった瞬間にEDなので、ラスボスが弱く演出的にもあっけないこともあって、かなり肩透かしだった。
設定や世界観は面白いのに、それを満喫できない感じでもったいない。

だれもが指摘していると思うが、最悪なのは字幕。読めない。
あとフリーズがそれなりの頻度で発生した。

ボリュームは前作より増えているのだが、その増えているのが水増しに感じた。
中盤で訪れる死者の王国が無駄に長く、風景も似たようなところばかりで退屈で、ストーリー的にも「お使いの途中で別のお使いを頼まれる」という盛り下がること甚だしい展開なので、この辺りで飽きそうになった。
そこを越すとテンポ良くなって面白くなるのだが、そこからわりとすぐに終わってしまうのが残念。

一番の問題は、会社が潰れてしまったのでシリーズが未完。
ここからが面白くなるというか、ここから本番だろうといいたくなるストーリーなのに。

COMMENT

オリジナリティはないが、既存のゲームの優れた部分をうまいことつなぎあわせた技術こそがオリジナリティといいたくなるような作品。
不満点を多く書いたが、全体的にはよくできており、ゼルダ系のゲームとしては十分な出来。
しかし前作が無理をせずに手堅くまとめた良作となっていたのに対して、欲張りな名作を目指して力尽きた感がある。その欲張りな部分をどっちに評価するかが分かれ目か。
IPが他社に買い取られたという話もあり、続編が出れば買いたいと思うくらいには気に入ったので、是非出して欲しい。