PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・オリジナリティ
シリーズをはじめてプレイしたが、なにもかもが新鮮だった。
特に乗り物強奪。
いろんな乗り物が強奪できるのだが、車やバイクだけだと思っていたら、ヘリや戦闘機まで奪うことができるのにおどろいた。
さらに飛行機などに乗ると上昇して街が小さくなっていく……というのをシームレスにおこなうのに圧倒された。スカイダイビングをして広大な街の好きな場所に飛び降りることができるのも圧巻。
falloutやアサシンクリードなど、オープンフィールドのマップがひろいゲームは何本かプレイしてきたが、空・地上・海底と横の広さだけではなく縦の広さをここまで感じさせてくれた箱庭ははじめてでおどろいた。

・グラフィック
単純にワンシーンだけを切り抜くなら、同レベルのゲームは何本もある。
が、途方もないほどの広大なフィールドのどこをとってもこのクオリティで描いているゲームは見たことがない。
山道の一つ一つ、海底のちょっとした残骸にいたるまで、最上級のクオリティで保たれているのが圧巻。
まさに街一つが丸々ゲーム内に入っている。
信じられないほどグラフィックボリュームに文句なしの5点。

・ストーリー
もともと「強盗したり通行人ひき殺したりするゲームでしょ？興味ないなあ」と思いシリーズをスルーしてきたのだが、今作はスカイダイビングの動画を見てプレイしたくなり購入。
しかし実際にプレイしてひきこまれたのはストーリーだった。
チンピラまがいの黒人青年フランクリンが詐欺の片棒で盗んだ車に乗っていたのは、かつての大銀行強盗マイケル。穏やかな日常を送りたいマイケルは家庭の不和に悩み、ひょんなことから引退したはずの銀行強盗をやらなくてはいけないハメに。その銀行強盗のニュースを見たかつての仲間トレバーは、死んだはずのマイケルが生きていたことに怒りくるってやってくる。奇妙な三人組はさまざまな事情からかつてない大きな銀行強盗に挑むことに……
三人のまったく事情の異なる人間が、スムーズな流れで一つのところに集まってくるストーリーは展開が実に見事。
またフランクリンは比較的くせのないベーシックな青年だが、残りの二人の個性が素晴らしい。
家庭問題に悩むマイケルは、マイケル本人もどうしようもない暴力的で威圧的な人間だが、家族も救いようがないダメ人間ぞろいで、それでいて妙な絆はしっかりと描かれていて、非常に共感できる生々しさ。
最後の主人公トレバーは、正真正銘、まごうことなく頭がおかしい変人。ハゲで露出狂で情緒不安定で暴力とセックスの塊という、ケダモノみたいな男だが、それでいてその生き方は変にまっすぐで、その一瞬先もわからない感情は不思議なほどに哀切に満ちている。彼の一挙手一投足には笑いか恐怖か悲しみがついてまわる。ただの殺人鬼などとは違い、自分でも抑えられない暴走するる自我を抱える一人の人間として、実に丁寧かつ魅力的に描いている。こんなキャラが主人公のゲームは見たことがなかった。

また純粋にクライムストーリーとしても、強盗が順調にスケールアップしていくのが面白い。
そのスケールアップに合わせて陸・海・空と舞台が広がっていくのも飽きさせない。

・熱中度
上記のようにストーリーが秀逸なのにくわえて、サブミッションも豊富に用意されているので、やることが多くてやめどきを見失う。
ゲームスタート時のロードは長いものの、はじまってしまえばほとんどロードを感じさせない仕様も熱中度を高めている。
なにより三人の主人公をいつでも切り替えることができるため、主人公を変えるたびに気分も切り替わって、ますます辞め時を見失う。

・快適さ
ロード時間がほぼなく、インターフェイスもシンプルでわかりやすく、ゲームプレイの邪魔をする要素が極めて少ない。

BAD/REQUEST

・吹き替えなし
運転中にべらべら話すのに吹き替えなし
ローカライズの問題ではなく製作元のポリシーによって吹き替えが認められていないらしいが、気持ちはわかるもののなんとかして欲しい。

・あまり意味のないマップが多い
とてつもなく広いものの、マップの北部にはイベントが少ない。
海底も作りこんでいる割にはあまり意味がない。
DLCで増えそうだが、もうちょっと探索を楽しませるようなミッションが欲しかった。

COMMENT

とにかくそのスケールとボリュームに圧巻された。
はじめはスカイダイビングを満喫したら売ろうかなと思ってプレイしていたが、気がついたらミッション達成率100％までやりこんでいた。
噂には聞いていたが、想像以上のクオリティだった。
モニターのなかにもう一つの世界が存在していることを強く感じさせてくれる作品だった。
自分のように「悪人のなりきりとか興味ないし……」と思っている人にこそプレイして欲しい。