PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・原作のMGSシリーズにはない、斬新な新要素が目白押し。一撃必殺で敵の動力源を抜き取って自分のエネルギーを補充する『斬奪』、特定の物を切り刻める『自由切断』、周囲の敵やアイテムをサーチする『オーグメントモード』が新鮮。銃弾を弾きながら障害物を手軽に乗り越えたり壁を駆け上がったりできる『ニンジャラン』により、移動が軽快。敵の攻撃を弾く『シノギカウンター → チャンスアタック → 斬奪』や、ノーアラートのまま敵を背後から一撃で仕留める『ニンジャキル』など、特殊アクションのモーションが華麗で、爽快感もなかなか。
・空中コンボに持ち込める『かち上げ』、浮遊する敵を追尾する『雷刃落とし』、高威力の『電光石火』、無敵技の『攻防一体』など、使いこなすと有用な技も多く習得していき、難度の高いステージもやり込める。各種サブウェポンも使い所がそれぞれあり、攻略の幅を広げてくれる。
・リスタートが軽快。チェックポイント以降のプレイ内容を全てクリアできるので、セーブファイルをロードする必要がない。Ｓランク獲得を狙う際はリプレイ性の高いゲーム性になるので、この仕様は非常に嬉しい。
・VRミッションは遣り甲斐のあるものばかり。(2、3、凶悪過ぎる難易度にもげんなりしたが)
・ボス戦のBGMがいい。クライマックスでボーカルが入る演出は、なかなか盛り上がる。
・DLCx3も、それぞれ良かった。01はVRミッション、02は剣豪サムを使った豪快なミッション、03はLQ-84i(ウルフ)を使ったニンジャキルミッション。本編とはまた違ったやり込み甲斐のある内容。

BAD/REQUEST

・本作を台無しにしている大問題が、カメラ視点の仕様。本作は、カメラと壁で雷電を挟み込もうとするお節介仕様があるため、壁が近いと思うように視点を回転できなかったり、逆に唐突に視界が回転することもある。壁際での戦闘の機会も多いので、この理不尽なカメラの挙動にたびたび手を焼かされる。また、『斬奪』を決めるとズーム視点で決めポーズをとって一定時間カメラ操作を受け付けなくなるため、たびたび周囲の状況が分からなくなる。敵集団に『シノギ』と『斬奪』をガンガン仕掛けて立ち回りたいのに、斬奪を決める度に敵の位置を把握し直すのが一苦労で、集団戦のテンポが非常に悪い。Ｓランク狙いだと、雑魚敵集団は比較的安全なスライディング斬奪ばかりになりがち。
・視界の悪さを利用した攻撃で難易度を上げるのはホントに勘弁して欲しい。視界外の敵の対処は、成否が運要素に大きく左右されてしまう。
・R2ボタンで敵をロックオン可能なものの、追尾性が貧弱な上に狙い通りの敵をなかなかロックしてくれない。視界内に敵が居なければ、視界の外の敵(特に背後の敵)もどんどんロックできるようにして欲しかった。
・無線。既に視聴済みの台詞だった場合、ワンボタンで丸ごと飛ばせるようにして欲しかった。
・ニンジャキルを決めると、評価が逆に落ちてSランクが取れない謎仕様。唯一メタルギアシリーズらしいステルス要素なのだし、それなりにテクニカルな突破方法なのだから、Sランク評価可能であって欲しかった。
・移動や攻撃モーションを取っている最中に、メニューが開けない。装備をとっさに変更したい時など煩わしい。あと、ボス戦の開幕時の数秒間、メニューが開けずロックも機能しないのが何気に煩わしい。
・ラスボス戦。もう少しアドバイスが欲しかった。攻略情報なしだと、瓦投げや自動回復場面で詰まる。
・MGSシリーズの悪しき伝統だが、エンディングのスタッフロールが飛ばせない。２周目以降はスキップできてしかるべきでは？周回プレイで毎回付き合わされて、非常に印象悪い。あと、QTE(特にボタン連打)が面倒。いろいろなゲームでQTEが採用されてるけど、何がいいのかさっぱり分からない。

COMMENT

・DLCも含め、トロフィーコンプ済。全体的にやり応えのある課題でしたが、かなり難しいものがあります。VRミッションで1stクリアに数時間かかったステージが幾つか。あと、モンスーン戦、DLC2のLastBoss戦を最高難易度ノーダメージ突破ってのが相当な鬼畜レベル...。モンスーンは、高難易度で高威力になるシノギカウンターを如何に当てるか、DLC2のボスは、怒り状態にしたばかりのBossを如何に瞬殺できるかが攻略の鍵。
・従来のMGSシリーズは全てプレイ済み。従来作のステルス要素はほとんど無くなってしまい、立ちはだかる敵を『斬奪』で華麗に仕留めていくアクションゲーになっています。こういった進化もありだと思いますが、攻略の選択肢を広げる意味でやって欲しかった。本作のステルス要素も決して悪いものではないので、これをもっと攻略に生かせるようにできなかったのでしょうか...。
・カメラワークの悪さは、本当にどうにかして欲しかった。敵集団に対峙した際、斬奪後に討ち漏らした敵に背後をとられ、ひぃひぃ逃げ回りながらカメラがなかなか回らない...。そんな状況が往々で、バトルのテンポが悪く、折角の爽快感が台無し。『斬奪』中にカメラを回せるようにするとか、アナログスティックを押し込んで視界を雷電の向きに向き直せるようにするとか、何かあと一工夫入れるだけで印象はかなり良くなったんじゃないかと思います。
・オプションでカメラ回転スピードを上げることが出来るので、プレイの際は是非、水平方向の回転速度を最速にしましょう。カメラ関係の不満は多少は改善されるはず...。
・従来のMGSに比べるとですが、ストーリーは大分見劣りしているように感じます。雷電とサムの対立は掘り下げが浅過ぎて消化不良感が残るし、MGSシリーズでは恒例だった、味方から裏切り者が出るとかの大きなサプライズも本作はありません。
ラスボスの荒唐無稽っぷりは気に入ってはいるのですが。
・アクションゲームとしては攻略のし甲斐があって充分楽しめましたが、傑作レベルに至る何かがいろいろ欠けているといった感じ。