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GOOD!

Moveを杖に見立てた様々なアクションが違和感なくファンタジーの世界にマッチしている。直線的に振ったり横にスライドなどで生じる魔法が切り替わり、魔法使いさながらのなりきりプレイが実に面白い。Moveボタンを押しながら特定のジェスチャーを行うことで魔法の切り替えを行うのだが、誤作動もなくスムーズ。十字キーなどでの切り替えを廃したのは、杖を振るという”雰囲気”のため敢えてだと思う。

魔法は種類によって重ねがけが可能で、より強力な効果が発揮できる。なので魔法の種類が少ない序盤より中盤〜終盤にかけてが俄然戦闘シーンが楽しくなる。敵も弱点が異なるタイプが複数登場したりと、強魔法連打にならない工夫が施されており臨機応変に魔法を切り替えながら戦う楽しさが生まれている。ボス戦も変化に富んでいて、効果のある魔法を探りながらの戦略が非常に楽しめた。こういった魔法を使った戦闘シーンでの「モーションコントロールの使いづらさ」は本作には無く、うまい具合に直感的操作感に繋げているのがGOOD。

グラフィックは神秘的な山道や町並、洞窟や森などファンタジーの定番ともいえるステージがきめ細かく描かれており中々良かった。変化に富んだステージのおかげで冒険していくワクワク感が途絶えないのは◎。

錬金術というアイテム生成要素があり、パワーアップ可能なポーションを生み出すことが出来る。アイテムの探索要素はそれほど深みが無くあっさりしたものだが、精製時にMoveを振ったりかき回したりと”それっぽさ”を体感させてくれる。人によっては面倒くさく感じるかもしれないが、雰囲気作りには良い効果だと感じた。能力の成長はかぎりある資産の中から吟味して行う必要があり（最終的にすべてMAXにはならない）どれを伸ばそうかと思案する楽しみがあった。

BAD/REQUEST

１周５〜６時間でクリア可能でありボリューム不足感はいなめない。魔法が出揃って様々なアクションが試せるようになったのに気づいたらもう最終ステージ･･･というのはあまりにも残念。もう１〜２ステージあれば丁度良かった。

またダンジョンは多少の探索要素はあるものの基本一本道。ところどころ戻れなくなる仕掛けがあり否応なく進まされてるようなを閉塞感がある。序盤のステージにもどるといった行為はもちろん出来ない。もうすこし自由度と広さのあるフィールドが用意されていれば満足感も高まったのだが。

成長要素も上記の理由から、精製アイテムを探索して集めるなどの余裕はなく、ダンジョン中でチャンスがきたら場当たり的に成長させていくしかない。冒険の途中でいつでも立ち寄れる”町”のような拠点があれば、このあたりも大分改善したと思うと惜しい。

道中にある謎解きも簡単なひらめきで解けるものばかりで、これといったパズル要素もない為、ゼルダのような仕掛けを解いていく冒険感はなし。このあたりもMoveを駆使した要素があればやり甲斐に繋がったのにと思う。

COMMENT

定価3980円のMove専用ゲームで出せるボリュームはここまでかと思うとちょっと残念な気持ちになりますが、基本のMove操作部分は非常に良くできており、プレーヤーのモーションが直感的にスムーズに魔法へと反映されるのは非常に気持ちよかった。もっと長くこの世界の中で遊んでいたいと感じたほど。ファンタジーの世界で違和感なく魔法使いになりきったプレイが出来る本作は没入感も高く、シンプルな専用ゲームばかりでやり甲斐がないと感じているMoveユーザーにもお勧めできる一本だと思います。