PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

○とにかく「圧倒的」
まず外枠である世界の広さが圧倒的、用意されているクエストの量も圧倒的、さらにそれ以外の細かい部分でできることも圧倒的です。
1番目・2番目もゲームの面白さの根幹をなす部分なので特に重要ですが、本作が他のゲームと完全に一線を画しているのは3番目の点です。

例えば、一般的なRPGではただ戦闘スタイルを決めるだけの「傭兵」「盗賊」などといった職業ですが、このゲームでは戦い方だけでなくプレイスタイル、言い換えてしまえば「生き方」までその職業になって過ごすことができます。今までにプレイしたゲームの中では『太閤立志伝5』が方向性としては近いと思いますが、少なくとも「自由度」という魅力に関して言えば、本作はその何倍も上です。

また、普通なら素通りしてしまうか、関わるとしても会話するくらいのNPCにちょっかいを出すことができるのには本当に驚きました。
これ以外にも、クエストとは関係のない細かいところにも「できること」が山ほど設定されています。そして、「できそうなのにできないのか…」と残念に思った要素を挙げることはできません。

このようなゲームですから、いつ終わりがくるのか、というよりそもそも終わりがあるのか、といったことが全く分かりません。
私にとっては「購入してのめり込んで一気にプレイする」というゲームではありませんでしたが、まだしばらくは「飽きた」「やることがない」といった心配もなく、暇を見つけて楽しく遊べるゲームになりそうです。

○グラフィック
「最高」というレベルまではいきませんがレベルが高いです。
生活感を味わえるゲームシステムと相まって、この世界をよりリアルに見せることに大きく貢献していると思います。

BAD/REQUEST

○バグ・フリーズ
「パッチを何度もあててこれか…」というのが正直な感想。
特にフリーズに関しては2000年以降のゲームでは数回程度しか経験したことがないので、この部分に関しては大きく減点せざるをえません。
まだ80時間強なのでカクつきに関しては特に気になりませんが、プレイ時間に応じて酷くなるという話もあるので気になります。

これらが、上で「いつ終わりがくるのか分からない」と言っておきながら熱中度をどうしても5にできない理由です。
「このメーカーは長所を伸ばすことにかけては本当にすごい」とよく聞きますが、さすがにこのレベルの短所はちゃんと潰してほしいところ。「ロードが遅い」くらいなら十分に我慢できる出来なのですが。

○メリハリに欠ける
戦闘前の準備の段階ではそれなりにできることがあるのですが、戦闘システム自体は単調な部類に入ると思います。
またストーリーもプレイヤーに興味や好奇心を抱かせるきっかけとしては十分ですが、その内容自体に心揺さぶられるものがあるといったことはあまりありません。
単純化してしまえば、既存のRPGが0〜100までの起伏を用意しているとすれば、このゲームは常に75くらいの楽しみが得られるという感じです。楽しみの水準が安定して高いので、この点は長所にもなりえます。

そういった要素を重視したゲームではないことにはさすがに気付いたので記載するか迷いましたが、特に戦闘システムに関してはまだ改善できると思うので、率直な感想を記すことにしました。

COMMENT

シリーズは初プレイです。

「これほど中身が詰まったゲームがこの世にあったのか」というのが第一の感想です。
今まで様々なゲームをプレイしてきましたが、どのジャンルにおいても「80時間強プレイしたのに底が全く見えないゲーム」というのは今までありませんでした。
これだけ内容がありながら「雑多なものを適当に放り込んだ」という感想を全く抱かせない作り込みの緻密さも素晴らしいと思います。
質・量ともに極めて高水準で、「傑作RPG群の一角」であることは間違いないと断言していいのではないかと思います。

その一方で、足りない部分も決して少なくありません。
作り込みにおいて重視している部分が国産RPGとは異なるので、そのことを考慮せずに単純な比較を行うのも何か違うという気がします。
そのため、巷で見かける「今まで出たどんなRPGよりも素晴らしい。全てのRPGはこれを手本にすべきだ」「国産RPGはもうこれを越えられない」といった評価は過大だという感想も同時に抱きました。