PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

　今回は、間違い無くシリーズ最難関。今までどおりの簡単サクサクのテイルズではありません。しっかりとスキルを獲得して行かないと、ノーマルでは必ず詰まります。敵がえらく強い。今までが簡単過ぎただけなのですが、これでやっと戦闘で考える必要が出てきました。やはり、考える要素があるとゲームは面白い。まあそれでも簡単ですが、以前よりはましです。

　称号（条件を満たすと獲得出来るコレクション要素）をセットして戦い、スキルを獲得して行くのはとても面白い。称号を獲得する面白さと、それを鍛えてキャラを強くする事が地味に楽しい。存在価値の無かった称号に初めて意味を持たせました。

BAD/REQUEST

　今回はやけに面倒くさい。あっち行け〜、こっち行け〜、行ったらダンジョンでパズル解け〜、そんなのばっかり。行ったり来たりがあまりにも多すぎる。
　ストーリーがやけに引き延ばされてる為に、余計に面倒くささが増している。アスベル（主人公）がわがままを言わなければ、話はとっくに終わっていた。人一人が犠牲になれば世界が助かるって時に、「犠牲は駄目だ」とばかり言って問題を放置し続ける。この人、甘ったれている。大局の為に非情な決断が出来ない人が領主になり、この先人々を纏めていくなんて絶対に無理だと思う。それでもこんな馬鹿が世界を救っちゃうのがテイルズ。その為に持ち出されるのが、お馴染みのご都合主義。主人公達に都合の良いように解決策が用意されていて、全て上手く行っちゃう。主人公達だけが正義のように描かれ、世界が主人公達の為に動いて行く……ある意味物語としては危険かも。『努力なんてしても無駄、結局は選ばれた人だけの為に世界は出来ているのよ』と言われているみたい。まあ確かに真理の一つかもしれませんが、物語として、多くの人に届けるメッセージとしては、これはまずいんじゃないかな。

　テイルズお馴染みの戦闘ですが、今回は敵（主にボス）の強さが、耐久力を引き上げる事によって調整されているように感じました。お互い命懸けの激戦を楽しめるのでは無く、長い間同じ事を繰り返すだけ。そこでミスをすると敗北し、長時間同じ事を繰り返し続けていると勝てる。これは面白くない。ここでもプレイ時間の無駄な引き延ばしが見られます。

　「いまだに」セーブポイントで、「いまだに」宝箱が存在し、「いまだに」モンスターがお金を落とし、「いまだに」ダンジョンに意味不明のパズルが存在し、「いまだに」ストーリーの目的が戦闘では無いのに、ゲームが戦闘に偏り過ぎていて、ゲーム全体の遊びの幅が非常に狭い。
　そして今回は、戦闘自体は面白いものの、長い。とにかく戦闘が長引き、テンポが信じられない位悪い。さらにストーリーのテンポの悪さも手伝って、さらにダルい。今回で、ついにこのシリーズが抱える問題が爆発してしまったようです。

COMMENT

　このゲーム、無駄な時間稼ぎがなければクリアまで20時間かからないと思う。それも、ご都合主義なストーリーで引き延ばされているんだからたまったもんじゃない。
　本当に、本当に戦闘しかやることしか無い、RPGとしては完全に間違った方向に向かっているゲームなのに、その戦闘のテンポを（ストーリーを含めて）落としてはいけません。
　戦闘しかやることがないゲームで、戦闘が苦痛なのは致命的です。とてもじゃないですが、これを良いゲームだと認める訳にはいけません。今回は本当に期待はずれでした。