【PS3】FINAL FANTASY XIII(ファイナルファンタジー13) レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-12-17 |
価格 | 9240円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ロールプレイングゲーム 【廉価版】 ■ 発売日:2011/07/21 ■ 価格:3,990円 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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3pt | 5pt | 2pt | 1pt | 0pt | 2pt | 3pt |
30pt
GOOD!
1)奥行きのある映像美
「Good」に自信を持って上げられるのはやはり美麗な映像だろう。
特に本作における映像の魅力はCGの完成度に付加された「奥行き」だと思う。
それは単に「フィールドが奥面まで作りこまれている」という意味ではなく「背景であるフィールドで繰り広げられる別の話が見える」という点が素晴らしい。
例えば本作1章で背景の通路で敵と戦っている人間が見える。これは単に同じ動きを繰り返し「戦っているような格好」をしているのではなく、しっかりと決着が付く一つの物語として完結されている。また下界に下りると広大なフィールドを歩く巨大生物や、草原を走り回るモンスターなどを見ることが出来る。
こういった主人公とは関係ない場所で繰り広げられる何気ない動きの集積が、作品の映像全体に奥行きを作り出し、表面だけではない美しい映像という物を作り上げている。
ただ、それ故に惜しい部分もある訳で……。
BAD/REQUEST
1)薄っぺらな物語
本作の物語の全体像は「“ルシ”という“個人”が世界と戦う物語」だと感じる。
話は主人公たちがルシになることで始まり、集合離散をしながら最終的には同一の敵を倒すという目的で纏まっていくのだが、その大義名分の中で個々人の想いというものが次第に薄れていく。
その所為で彼らは六人でありながら人間性を排除され、最終的には「ルシという集合存在」に変容してしまったと言える。
それは作中に街や村が存在せず他人との関わりが全体を通して乏しい中で、物語をそれこそ「独りよがり」の話へと変貌させる結果となった様に思う。
細かい部分では自己完結が多かったのが本作の物語の悪い部分だろう。
全体的に頑固な人間ばかりが登場するのだが、彼らは他人の話にまともに耳を傾けず、しかし少し状況が変わると勝手に心変わりして納得してしまうという状況が本作には多い。
また主人公たちは未来を語らない点。旅の目的としての理想像というのが見られないことも気になった。主人公たちは常に状況に流されるばかりで、最終目的も「ラスボスを倒して○○をする」ではなく「ラスボスを倒す」という過程自体が結果に挿げ変わってしまった印象がある。
更に細かい部分で、聖府の演説の稚拙さは怒りを覚えるレベルだ。
「我々の平和の為に死んでくださってありがとうございます」と臆面も狂気もなく銃撃戦の最中で真面目に語る指導者の存在によって、それの統治を受け入れている世界構造の稚拙さというのをプレイヤーは嫌でも感じてしまうことになる。
同じく挿入されるヴァニラの語りの説教臭さもイライラさせる。しかも物語がヴァニラ自身の説得力を補強していないため、綺麗ごとを並べただけの上っ面だけの言葉に感じられてしまった。
まあ何にしても本作の物語は「最悪」の域であることは間違いないだろう。
2)止まらない戦闘はやがて面倒に……。
タイムバーを直接使用する戦闘は新しいと感じたが、しかしコマンド選択中に敵の行動を停止できないというのは少々気になった。
リアルタイムバトルは良いと思うのだが、直感的な戦闘ではなく相変わらずのコマンド選択形式であるため(これまで通りの戦い方をしようとすると)短い時間で「コマンド→スキル選び(最大6回)→目標選択」と最大で8回も○を連打しないと攻撃が始まらない。
しかも複数の敵を同時に選択は出来ず、仲間は全て作戦任せのCPU操作であるから、お世辞にも自由度が高い戦闘とは言えないだろう。
また上記理由からオートでコマンドを選んでくれる「たたかう」を使うことが多くなるが、そうなると戦闘中に行うことは状況に合わせての「作戦変更」と「たたかう」を選ぶ二つだけになり、頭も殆ど使わない単なる作業を延々と「させられている」という感覚に陥ることもある。
そして戦闘後の評価も毎度繰り返されることでやがて面倒臭くなってくる。
「評価→アイテム入手(手に入れなくても表示)」と二種類の表示が戦闘終了後に3〜5秒はさまれることで、戦闘開始や戦闘中のスムーズな動きが狂わされ、特にやり込もうとすると邪魔臭く感じられてくることになる。
戦闘は「もう少し頑張りましょう」というくらいだろうか。
3)演出はB級
Goodで書いたとおり映像自体は非常に綺麗に仕上がっていると思う。
しかし映像を如何にして見せるかという点については評価を下げざるを得ないと思う。
特にムービー中及び戦闘中のカメラアングルは「最悪」だ。ぐるぐるとカメラが弧を描いて回転したり、めまぐるしく映像が移り変わったり、激しいシーンは何が起こっているのか理解できないという部分も幾つかあった。
凄い映像を作ったらしいことは分かるが、あくまでも「作ったのが凄い」のであって、映像として素晴らしいかというと微妙なものが多すぎる。
4)音楽は軽快というより軽薄
今回の物語は世界の構造やら陰謀やらが(中途半端に)内包されているわけだが、その世界観を盛り上げるはずの音楽に、それらを印象付ける重厚さが無い気がした。
特に通常戦闘音楽は軽すぎる。最終ダンジョンですら遊びに行っているかのようなノリである。
5)寄り道要素はほぼ皆無
ミニゲームのような遊び要素は本作には全く存在しない。
せいぜいミッションと称した普通と変わらないバトルがあるだけで、物語要素も殆ど無いために面白み、またゲーム性に欠けている。
COMMENT
正直言ってゲームと呼ぶには余りにも荒削りというほかはなく、かと言ってシナリオやカメラアングルの所為で、映像作品として素晴らしい出来ということもない。
映像作りに手を加えすぎて開発時間が足りなくなってしまったのかと考えてしまうこともある。
通販ショップ、成長システム、改造システム、各種インターフェースの文句を言えばきりがないわけだけど、とりあえずFF7のゲームセンター、FF8のカードゲーム、FF10のブリッツボールのように、ミニゲームが一つでもあれば「移動と戦闘だけ」とは言われなかったに違いない。
例えば折角広い草原をモンスターが歩いているのだから、アフリカよろしくモンスターの写真を撮るような平和なミニゲームが在っても良かったと思う。モンスターの巣に何か取りにいってもいい。
こうして少し考えるだけでも遊び要素は幾つも産まれてくる。だから本作はやりようによっては全く違う成長を遂げただろうと思うし、それがまた私は残念でならない。
まあ、詰まるところ「それはゲームである」という本質を忘れてはいけないのだ、ということだろう……。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 3pt | 4pt |
93pt
GOOD!
かつてスクウェアからは万人向けのFFシリーズ、マニアックな方面に走った実験的なサガシリーズで差別化というスタイルがしばらく続いていましたが、
そのサガの新作が久しく出ておらず、所謂「通好みのメジャータイトル」が空位の状態でした。
で、その穴を埋める為に万人向けのドラクエとの差別化という意味も込めてFFがサガよろしく実験作に起用された、つまり「FFの皮を被ったサガ」と。
ベタ褒めこそすれ真似しろとは一切いいませんが。
【オリジナリティー】
ん、ロマサガシリーズみたいな自由度があるわけではありません、寧ろフリーシナリオの精神とは真逆。
今回はステージクリア型みたいなゲームになっておりファブラ・ノヴァ・クリスタル神話を俯瞰する、がテーマ。
空想神話小説の読解というのが適切だと思います。創られた神話の中の一つの話を見るといった感じです。
ドラクエを冒険と例えるなら、FF13はツアー旅行。
フィールド内での移動における融通は無いに等しい、買える店もセーブポイントでのネットショッピングと必要最小限。
挙句、シナリオを追って動く為に、プレイヤーが「ここであの町へ行きたい」と思っても無い。あのダンジョンで戦いたいと思っても戻ることが出来ない、一度クリアしたらもう入れない。ゲームならではの娯楽は「無い」(「乏しい」ではない)。
従来のRPGの殆どの作品で出来て当たり前の作りをしていたことが、このFF13では出来ない。
この敢えてお約束を無視してまでプレイヤーにゲーム部分で進行に迷わせず複雑な神話を見せる姿勢は、
それまでサガシリーズがウリとした自由度を突如かなぐり捨て歴史物を体験させていくテーマに徹したサガフロ2の姿勢や、
テーブルトークRPGの様な雰囲気を出そうと全てをリール形式の進行に徹しRPGの仕組みそのものに反旗を翻したアンサガの破天荒ぶりに通じるものがあり、
両作のファンでもある拙者としてはFF13に拍手を送りたい。
【グラフィックス】
ある意味雰囲気ゲーとしてFFの面影を残している唯一の部分
機械的でシャープな世界観、幾何的タッチの冷やかなグラフィック
丁寧に描かれた3Dの背景を使用しており、まるで映画の中を移動する気分を味わえます。
やっぱりパルムポルムの街中とかノーチラス歓楽街エデン内部とか(たとえ街=戦場であっても)摩訶不思議空間的なラストダンジョンとか見惚れてしまいますね。
サガフロ2やアンサガにある水彩画的タッチの温かみのある2Dのグラフィック(むしろそっちのが好み)とは対極にありますけど、こっちはこっちで徹底的にこだわりを感じさせる点では同じです。
【音楽】
ゲームを始める前にタイトル画面の曲をじっくり聞きいって下さい。
フィールドBGMはタイトル曲のメロディを複数のアレンジで聞かせるスタイルも随所に見られ、どちらかと言うとメロディよりもアレンジの素晴しさが勝っています。
また、メディア峡谷で流れる曲はブレイズエッジのアレンジです。
しかも、バラード調からノリのいい曲までふんだんに盛り込まれており、浜渦氏の器用さには驚かされました。
そして、戦闘シーンの音楽は一度聴くと頭から離れない。
ボス戦の音楽は何種類かある。通常ボス戦(ブレイズエッジ)、ミッションボス戦等(死闘)、召喚獣戦1(ルシの試練)、召喚獣戦2(召喚獣)、バルトアンデルス戦(宿命への抗い)
どれもかっこいい。とくに演出とあいまってバルトアンデルス戦の音楽などは鳥肌物。
【熱中度、満足感、難易度】
「よくゲーム業界などで言われておりましたように、従来スクウェアのゲームはとにかく難しくて、
そしてそれが『スクウェアっぽい』、だとか『FFらしさ』、だとか勝手なことが言われておりましたが、プレステに移ってからは標準的だった。
というのも、やはりゆとりの影響といいますか、昔の難易度だとゲームにならない。
DSで出されたドラクエ4,5、FF3,4のリメイクを境に難易度的にも分けて、それをそれぞれファンのニーズに合わせて選んでもらうことにされております。
知っての通り、前者は所謂、従来のスクウェア・エニックスどおりの標準的な路線で、そして後者には骨のある、つまりちょっと前のスクウェアっぽいハードな内容を出題されています。」
(FF3リメイクは原作FC版よりはマイルドでしたけどね、あくまで)
「本作のFFについてでありますが、既に業界、ファンの間で、賞賛ととればよろしいのか、批判ととればよろしいのか、わかりかねますが…
色々言われておりますように、FF13のほうは、周囲の評価ではかなり難しい。
DS参入辺りから、ドラクエやKH、FFCCは標準的、FFは難しめ、というのが続いておりますし、今作につきましては、
開発側からしたら、きわめて高度なものを含む、という思いでしたので、周りから難しいと評価されるのは、それはシメシメ、してやったり、ということでありましょう。」
既存のRPGだとダラダラプレイも問題無いですがこれは無理。真剣勝負を強いられます。それが悪いとは言わない。古き良きRPGの香り漂う骨太のゲーム。
FF13の素晴らしい所はやはりバランスの良さにあると拙者は思います。
最近のRPGによくある、適当に戦闘をこなしてその時点での装備やスキルを集めれば初見撃破当たり前のボスなどボスではないと思っているので。
またそこら辺にはびこるバランスブレイカーがいとも簡単に手に入り、鎧袖一触で一蹴される雑魚ボスにも辟易していたところだ。
戦闘後全回復、一回一回の戦闘ごとにリトライ可能のゲキ熱バトル、これはスーファミ時代のロマサガを始めとするサガシリーズではおなじみの内容。
ここにこそかつてのサガシリーズのエキスがこのFF13にどっぷり含まれており、かつてロマサガをプレイした方なら懐かしさすら感じさせられる。
強くても死ぬときは雑魚相手でも一瞬でゲームオーバーになる理不尽な戦闘もサガらしい、むしろFFでなくサガとして見ればこれ位が普通のレベルですね、むしろまだ易しい部類かも、
ちなみに戦闘難易度はロマサガ3以上ロマサガ2未満、又はゼノブレイド以上ストレンジジャーニー以下です。
後半にいくにつれ敵の強さは凄い事になっていくし、ラスト近くの敵やボスのある意味ムチャクチャとも言えるブッ飛んだ面もサガらしい。
それでも「こういうゲームなんだ」って受け入れられるようになったのは、進行具合と丁度良く適度にキャラクターの強化が出来たからかなぁ?
大事なのは膠着状態をものともせず何度形勢不利に転じても最後まで戦い抜く精神力、オプティマという基本を臨機応変に使いこなせるまでの基礎力。
そして、最近のFFやドラクエ8,9辺りのお約束とは打って変わってラスボスも非情なまでに強い、全13作品中でも最強を謳われている程(正直、セーブポイントからの距離を考慮せずラスボス単体の強さならFF2,3を上回る)。
でも、やはりサガならこれ位が普通ですね。体感的にはロマサガ3の通常破壊(魔貴族撃破後)以上真破壊(魔貴族未撃破)未満といったところ。
【快適性】
やはり、極限なまでに削ったロードの長さによるスピーディーな戦闘。
先ほどにも挙げたリトライの快適さ。
これにより強大でタフな敵やボスという矛盾する要素との見事な両立ぶり。
BAD/REQUEST
【快適性】
敢えて苦言を呈しますが、
ウリの一つである複雑なストーリーの大まかな部分をポンポン出してきて、細かい部分はプレイヤーで詳細を見て補完してくれと言わんばかり。
攻略本には細かいことが書かれているようですが、自分からよく理解しようと能動的にプレイしなければ進めれば進めるほど何がなんだか分からなくなります。
置いてけぼりをくらうこと請け合いのストーリーの今一歩の突き放し感もこれまたサガらしいといえる。
COMMENT
ここ最近うすうす感じていたことが、今回確信に変わりました。
「ドラクエのFF化、FFのサガ化」
このところスクウェア・エニックスから出るRPGはその内容においても難易度においても変動が激しい。
今回のFFは大幅に難化し、ドラクエは激易化しました。
実際、ドラクエ9は多くの人々になじんでもらうために、伝統的に堅持されていた「初心者に難しすぎず甘すぎず」の精神は消え失せ、プレステ以来永らく続いていたFFの難易度に限りなく近いものとなりました。
同時にドラクエにおいて本編の延長上だった裏ボスが天井知らずに強化されたり、クリア後のやりこみ要素に重点を置かれた内容になっているのも「ドラクエのFF化」の表れでしょう。
ちなみに、元々FFはドラクエとかに比べて難解でマニアックな内容がウリじゃないかとかいう声が入りますが、それはせいぜいスーファミ時代までの話、
プレステに移籍してからつい最近までは「新規、ライトユーザー専用のFF、古き良きバランスのドラクエ」と言われ続けていたようにFFの方がドラクエより遥かに簡単でした。
10年前にFF9とドラクエ7がほぼ同時に発売されましたけど、当時のFFは難易度の低下が著しく「ドラクエをもう少しやり易くして、FFをもっと難しくしてくれ」という丁度FF13とドラクエ9を逆にしたような構図だったのはプレイされた方なら御存じの通り。
誰にでも出来る最大公約数的な(良く言えば王道)RPGにドラクエが収まった以上、FFも「誰でも簡単にクリア出来、誰でもそこそこ満足のRPG」にすれば金太郎飴になってしまいます。
というわけで、FFには同社のソフトとして変化球的な(サガ的な)内容が求められるようになった訳です。
拙者はFF7やドラクエ3は出るべくして出た「秀才型ゲーム」だと評価してます。
そしてこのFF13は、奇跡的に産出された「天才的不良型ゲーム」だと評価してます。
ここでいう「不良」という形容は、決して「悪い」という意味ではなく、常識を打ち破ろうとするパワーの現れ、
それが たまたま「普通の名作と言われるゲームの条件に外れている」だけのことから、「不良」と形容しています。
FF13は確かに「一本道・街や店無し・説明不足的置いてきぼり感・最近にあるまじき大味な難度(真女神転生のそれは緻密で計算された難度という)」というRPGとしてダブーな要素をほぼ網羅しています。
ここまで網羅して罵声を浴びせられたのは史上でもアンサガぐらいと言わんばかり。
このように客観的な目で見ると、全体的な完成度が疑問視されるゲームなのだが、
実際やってみると、ここまで奥の深くて魅力的な内容だったのかという事をを思い知らされる。
ここまで評価し絶賛するのは、FF13という作品自体が「ここまで普通に考えて「ダメゲーム」と定義づけられる要素を保持しているゲームでも、ゲーム自体の自己主張がここまで高ければ、それで十分評価に値する。」と考えているからです。
それは、「一般的に名作とされるファイナルファンタジー7やドラゴンクエスト3の評価すらも覆す程の凄まじき魅力がファイナルファンタジー13にはある。」と拙者はプレイしてみて確信しました。
「人に伝えること」がなおざりな作品だったから、不備が少なくなかった。
まず「創ること」ばかり考えていたからこそ、これほどの濃い作品が出来た部分もあると思う。
難解さ、独りよがりな自己主張はあるが、安っぽさや愚かさは感じさせない。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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5pt | 4pt | 4pt | 5pt | 4pt | 5pt | 4pt |
91pt
GOOD!
自分はこれをやって、「ああ、FFが帰ってきた!」と、喜びに震えました。
難しさ、長さはFF3,4,5が帰ってきたのであり、これが本来のFFのあり方であると思いました。
6も簡単ながらキャラやストーリーが素晴らしく、名作でしたが、 7,8,9と、段々難易度が下がり、特に12はMMORPGの全盛期のせいなのか、システムにMMO色が入り、世界観も洋風っぽくパッとせず、FFらしくなかったのであまり好きでなかったのでした。
そこに13の登場ですから、FF3や5を最大の名作としていた私は小躍りでした。
13のオプティマ、ロールを駆使するATBは従来のそれとは一味違った斬新さと同時に、当時のFFで提出してきた、坂口氏の頃の「ジョブやアビリティによる自由なカスタマイズ」と言う概念を発展させたシステムです。
プレイヤーは、各キャラにいちいちコマンドを入力して戦っていくのではなく、
戦闘に入る前に作戦を組み立てておき、プレイヤーはそれを臨機応変に切り替えていき、そしてその結果を、スピーディに「見る」と言うことになる。
ATBから生まれる緊張感と、うまくチェインを繋いでブレイクさせたときの爽快感との、 矮小な人間が協力し合って強敵を打ち倒していく素晴らしさをリアルタイムで見る、人と人の大スペクタクル。
そして自分の綿密な作戦が戦況を大きく左右する。
これは我々の実生活も同じで、例えばビジネスの駆け引きにしろ、スポーツの勝負にしろ、
大局的に計画しておくことが、個々の活躍と同じぐらい重要なのだ。
そう言ったことをしみじみ考えさせられるオリジナリティー溢れる素晴らしいシステムです。
BAD/REQUEST
特に8や10の様にムービーが流れてそれから物語が進行して…という感覚でプレイすると、とにかく面倒だからです。
演出や戦闘以外のシステムは、サッパリなまでに無味乾燥で殺伐して、それでいて長いので時間の無い人には面倒でありましょう。
武器の改造、作成は、やり方を調べねば要領がわからないので、ネット検索or攻略本が必要だし、やり方も単調。
そこはちょっとなあ。
COMMENT
実は物語面でもセラ等他人はあのときどう考えてたか、果たして助けることが出来るのか、世界はどうなるのか、真相はこうだったなあ…。と、感情移入三昧で、
本当に長い冒険をしてたくさんのボス(=ライバル)を乗り越え、クリア出来た感を感じたものです。
ほんとうに面白かった!!
7,8,9と、3,4,5に比べて、段々安易になってきていたシステムや、戦闘。 全滅して悔しい思いをしながら自力で困難を乗り越えていく達成感の物足りなさを感じていた人には、最高の作品。それがFF13です。
Amazonレビュー
レビュー日: 2016-12-18
女性主人公ですがとてもカッコよかったです。ただOPからいきなり専門用語で始まるのはいただけないかな・・・操作できるようになってからメニューで用語解説があるんで読めばすぐに解かりますが、説明を読まない人にはつまらないかもしれません。
GOOD!
物語はノンストップで場面や展開が変わり、そのなりゆきでパーティもどんどん変化していき、核心に入る7章以降からが本当に面白い。
パーティが途中でライトニング・ホープ組とヴァニラ・サッズ組の2手に別れて両方の目線で話が進むというのも面白かった。
グラフィックについてはハードが進化すると飛躍的に変化するようで、VI→VII以来の衝撃。
ここまでくるとムービーも通常画面も戦闘画面もほとんど区別なく、シームレスなゲームをプレイしている様。戦闘自体はシームレスじゃないが
それもさることながら、うまいのはそのムービーのクドくない使われ方。アクションシーンでも感動的なシーンでも話の要所要所で効果的に使われ、盛り上げ、熱中させるのが凄く巧いなと思った。
実はクリアまでのプレイ時間に対するムービーつまりイベントシーンの比率は1/10強と推測されむしろ小さい方なんだが。
BGMはX同様に非常に素晴らしい。戦闘音楽を筆頭に、その場その場のシーンにピッタリ
フィールド場面も所々ヴォーカルの入った耳によく残るいい曲ばかりでした。
主題歌「君がいるから」も名曲で感動的ですね。歌は勿論の事、歌詞の内容も良すぎます。。
更にこの作品はストーリーや演出だけでなくゲームのシステムやバランスもかなり完成度が高く、難易度もファミコンやスーファミあたりのFFを彷彿とさせるような程よいレベルになっている。
プレステに入ってからの一時期と違ってきっちり育成しないときつい程度。やり応えは十分。
キャラのオプティマつまり役割やパラメータもキチンと個別化されてより個性が際だっている。
そしてやりこみ要素であるグラン=パルスの舞台は自由度が高かった。隅々まで目を行き届かせればそれだけ色々と発見があり、見返りも返ってくる。
その時点で手頃なレベルのミッションに挑戦しても時期的には上位ランクのアクセサリが早くから手に入ったり、見返りが大きかったりしてやり応えがあるのが嬉しい。
BAD/REQUEST
序盤からメリハリのある展開にしたつもりだろうけど、そういう意味で前半は淡々としているように見えてやや空回りしてしまった感がある。
女性中心で色んな面で女尊男卑が見られるところ
カッコイイ見せ場を作り先導するのはライトニングやファングといった女性陣の役割で、
逆に弱音、不平不満、言い訳といった情けない台詞はスノウやホープに集中している。
性能的にも女性キャラの方が上というのも作ったスタッフが女性贔屓しているのではととことん勘ぐりたくなる。
COMMENT
改めてこのXIIIを見ているとバトルシステムや成長システム等色々な面で過去のFFの良い所を取り入れて、更にそこから新しいXIIIのオリジナリティーをうまく融合させ
戦闘におけるゲームバランス、キャラの個性、、戦略性といった要素をうまく調和させることができているように思う。
FFのゲームのシステムは前作で折角作った土台をあえて壊して新しく作り直しているんだ。
と、どこかでスタッフのインタビューを見た覚えがあるが、新しい物を短期間で煮詰めるのは簡単ではない。
FFクラスの大きなプロジェクトなら余計にそうだ。それで結果がXIIみたいな全然洗練されていない半端な完成度のライセンスボードや非難轟々だったVIIIのジャンクションみたいな形で現われてくる様なら本末転倒だ。
結局ATBやXのスフィア盤の良い所も生かされオプティマやクリスタリウムといったシステムに一新されているXIIIが一番システム的に完成度が高いのは必然なんだろうなって思う。