【PS4】FINAL FANTASY XV(FF15) レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-11-29 |
価格 | 9504円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 セクシャル 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 ■ DELUXE EDITION版:13,997円 ■ PlayStationVR:対応 【ロイヤルエディション版】 ■ 発売日:2018/03/06 ■ 価格:8,424円 本編にダウンロードコンテンツのプロダクトコードを追加した商品です。 |
- 総合ポイント
- 60
- (難易度)
- 1.87
- レビュー数
- 46
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 3pt | 4pt | 3pt | 3pt | 2pt |
67pt
GOOD!
・グラフィック
町の外観やモンスターの容姿など綺麗です
・モーションやエフェクト
格好いいです。細かさは世界一かと
・アクション
一癖ありますが、ワープを使い魔法やアビリティ、仲間とアクションできるオープンワールドはないです。
・ダンジョン
イベントなども入り、モンスターの不気味さや強さがシリーズでもかなり光ってます
・キャンプ
仲間の撮った写真が面白い
かなり好きなんですが、ミニゲームできたらもっとよかったかも
・魔法合成
アイテムを使って経験値倍や連続魔を作れます
BAD/REQUEST
・APの消費量が多く中々溜まらない
・ジャストガードのキーン音がなくなってわかりづらくなった
・操作モードBがデフォルトじゃないので、ライト層は回避押しっぱなしが楽なことに気づかなさそうです
・オンラインマニュアルどこですか
・町の内容
もっと町でできることを充実させてほしい
ダンジョンの場所教えてくれるNPCが少ない気がします
・フィールド
釣りや採集だけじゃ広すぎるマップ。オンラインマルチのためかムダに広い。
せめて通常ポップしてるモンスターを増やしてほしい
COMMENT
10年待ったファンですが、町とマップだけは許容できないです。
ルシス探索が消えたのは痛いですし、町の少なさと建物に入れなさがひどいです。
FF11のが町が広いし面白いってどんだけですか。がっかりです。
フィールドも道路の印象が強く、クエストやモブハントでしか寄らない場所が多いのでせっかくのダンジョンや探索要素が死んでる。
パッチでどんどん強いモンスターでも配置していってほしいです。
シナリオも最初から盛り上がりに欠けてます。キングスグレイブ映画のが面白いですよね。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 2pt | 1pt | 1pt | 2pt | 2pt |
35pt
GOOD!
プレイ時間:約21時間(1周目のみ、サブクエは15個ほど完遂)
「キングスグレイブ」「ブラザーフッド(アニメ)視聴済み」
※良い点
【製品化されたこと、それ自体】
・ 難産の結果、ようやく製品化された。
【キャンプというものを表現した】
・ RPGにおいて、捨象される要素を敢えて表現した。
【自動写真撮影という新しい機能】
・ 物語の中でネガティブに働く場面も多かったが、この機能自体は良いものだった。
【数々の企業コラボ】
・ アウトドア用品のコールマンや、車のアウディなど、他業種コラボは新鮮だった。
【ATRによる開発状況の報告】
・ 一度、完全に信頼を失っただけに、対ユーザーコミュニケーションの努力は評価されるべきである。
BAD/REQUEST
【理解させることを放棄している統一性・一貫性のなさ】
祖国が襲撃され、父王が死ぬという緊急事態でありながら、観光気分が抜けない道中の旅。この中核設定にプレイヤーは混乱します。また、主人公たちは潜伏しているはずなのに、モンスター討伐で名を挙げて目立ったりもします。何がしたいのでしょうか。
別の例をあげると、途中加入する イリス です。この女性の描かれ方は狂気そのものです。
彼女は王都から別の2名と レスタルム の町に落ち延び、主人公たちと再会します。再会の直後、呑気に ノクト とお散歩しますが、さもヒロインの ルーナ がいなければ自分が ノクト とくっつけるのにという雰囲気を醸し出してきます。
さらに、この後、一緒に落ち延びた2名のうちの1人(〇〇〇 )が帝国に〇〇〇されます。その日は悲しい顔をするも、次の日には明るく一緒にドライブして、 ノクト のほうを何度も見ながら〇〇〇 の話題まで振ってきます。まるで 〇〇〇おかげで ノクト のそばにいられるのが嬉しいかのように。反社会性人格障害のそれです。
登場人物のほとんどがこのように行動に一貫性がなく、その場の空気にふさわしくない態度を頻繁にとるため、ストーリーを進めるたびに混乱します。
他にも、帝国が何をしたいのかわからないという展開が続いたり、携帯電話で連絡取れよ!とツッコミたくなったり、突如として話が飛んだりするので、その都度、プレイヤーが「きっとこういうことだろう」とストーリーを補完しないといけません。もちろん、その補完に根拠はありません。説明されてないのですから。
優れた映画や漫画が、セリフが少なくても省略が多くても伝わるのは、演技・表情・構図といった表現に加え、展開に統一感と一貫性があるからだと思います。しかし、FF15は、緊急事態に呑気に遊んでいるという状況で、根本的に狂っています。そこで要素を省略してしまったら、もはや何も残りません。ただ絵が動き、音が出ているだけです。
未完成品、駄作どころではありません。事故案件です。
【オープンワールドの空虚さを埋めただけのサブクエスト】
サブクエストは非常に多く、ぶらぶらしていたら突然開始するものや、完遂するとすぐに次のクエストに派生するものなど、寄り道の誘惑はあります。
しかし、これらのサブクエストのほとんどは経験値とギル・アイテム報酬のためにしか存在しておらず、サブクエストをこなしたから、この世界について深く知ることができるといった物語要素はありません。まともなものといえば、チョコボを利用可能にするためのベヒーモス討伐(エピソードダスカの焼き直し)程度です。
ただ広いだけのオープンワールドをごまかすために、スクリプトでランダム生成したのではないか?と勘ぐるほど中身のないサブクエストが大量に存在しています。何のためのオープンワールドなのでしょうか。何のための自由度なのでしょうか。
サブクエストとメインクエストの区別ができないほど物語リッチなWitcher3 や、サブクエストを通じて世界設定やキャラクターの背景を深く知れる DragonAge: Inquisition といった秀作と比較すると、FF15のサブクエストは「ただ存在するだけ」でしかありません。
大量にあるサブクエストは、おそらく旅のための「行き先リスト」という意味合いでしかないのでしょう。そうであったとしても、もう少し味付けすることはできなかったのでしょうか。
私はクエスト前後でNPCの会話が変わることを確認するタイプのゲーマーですが、2章の時点でFF15のサブクエスト群には失望しました。「開発陣は、この世界のことを愛していない」という絶望すら感じました。本当に残念です。
【スタイリッシュにしただけの戦闘】
戦闘に関しての問題点は大きく3つあります。(1)単調で戦略性に乏しいこと、(2)テンポを悪くする要素がたくさんあること、(3)その他操作やカメラの悪さ・魔法についてです。
(1)単調で戦略性に乏しい
戦闘が非常に単調です。アクションですが、基本的に2つボタンを押し続けるだけの戦闘です。カウンターアクションも1種類です。攻撃途中に武器を変えて、自作コンボを作ることを想定しているようですが、見た目の派手さ以上の意味を見出せませんでした。普通に「XHB(クロスホットバー)」的なものを使うスキルアクションベースの戦闘を期待していましたが、まさかオートアタックしかないとは思いませんでした。
リアルタイムに戦闘が進展しますが、クラウドコントロールする手段がストップしか見つけられませんでした。スロウやスリプルはどこにいったのでしょうか。スーパーアーマー状態になれる手段もありません。戦闘のペースに変化をつけることができません。
アイテムを使える(指示が出せる)のは ノクト だけなので、強敵相手では自然と、ノクト が安全な位置に陣取り、ヒーラー役・起こし役をするようになります。もしくは、ひたすら回復薬を浪費させる仲間を戦闘不能放置して、ノクト が単騎か耐久力のある グラディオ と二人で戦うことになります。何なのでしょうか。
(2)テンポを悪くする要素がたくさんある
ウェイトモードは ノクト を操作してない場合に自動で発動します。気を抜くと、意図せずに戦闘が勝手に止まってしまいます。何を考えてこのような形で実装したのでしょうか。開発陣は DragonAge: Inquisition をプレイしたことがないのでしょうか。
敵の攻撃による吹き飛ばしが頻繁に起こり、復帰までに時間がかかります。受け身や動作キャンセルができないのはアクションと呼べるのでしょうか。
仲間は ノクト と比べると弱いです。それ自体は良いのですが、ノクト の回避パリイやシフト移動を前提にバランスされているようで、仲間が頻繁に倒れます。回復手段はアイテムだけ。アイテム欄を開くたびに戦闘がとまります。戦闘がとまるだけではありません。さらにアイテム使用のモーションが入ります。この回復アイテムに関わる戦闘中断が4人分発生します。
ちなみに回復アイテム使用モーション中は無敵です。ダークソウルのようにアイテム使用にモーションがあって、それ自体が隙になるという真のアクションゲームなら、モーションがあって良いと思います。でも、FF15は無敵じゃないですか。モーションが無意味すぎます。FF13でオプティマチェンジ時に余計なカットインが入ることが不評で、FF13-2でカットインが廃止されたじゃないですか。何を学んできたのでしょうか。
(3)その他操作やカメラの悪さ・魔法について
ファントムソード召喚のL1R1同時押しの発動が難しいです。同時押し判定が厳しいのか、優先順位の問題なのか、考えるのも嫌になります。
本作の召喚は、ピンチになったときに、確率で発生し、L2ボタンを長押しすることで発動します。しかし、このL2ボタン長押しですが、長押ししても画面上は何も変わらないのです。召喚には時間がかかるため、本当に召喚が実行できているのかどうかがわかりません。ボタンを押したらレスポンスがある。ビデオゲームの基本だと思いますが、基本すらできていないのはどうかと思います。
ダンジョン内の戦闘は狭い場所が多く、カメラが暴れまくります。途中から諦めて、画面は見ずにHP・MP・コマンドゲージだけを見て戦闘をしていました。それで問題ないのです。雰囲気だけのアクション戦闘なので。
また、ダンジョン内ではダッシュが制限されたりします。そのため、ジャンプ移動や前転移動のほうが速く移動できます。当然、使いますよね、ゲーマーならね。ダッシュのスタミナ制限なども勘案すると、間が抜けてますね。
魔法は非常に強く、「ピーキー」といったほうが良いかもしれません。今作における攻略の救済手段、あるいは低レベルやりこみ用の要素のひとつだと思いました。しかし、非常にめんどくさく、制限もきついものです。フレンドリーファイア(仲間にもダメージ発生)は作風として認めましょう。しかし、標の付近に微妙に離れて置かれているエレメントスポットには悪意しか感じませんでした。しかも、すぐに枯れます。マジックボトルの数で持てる魔法が制限されるのだから、エレメントスポットは無限供給で良かったのではないでしょうか。
【RPGの面白さを破壊してしまった料理】
ノクト は、王の力を継承するため、歴代王の剣「ファントムソード」を探すように求められます。ところが、このファントムソードが「王の力」というには失笑レベルで弱いのです。ファントムソードだけではありません。装備全てが相対的に価値を低下させられています。料理というドーピングによって。
高い料理は、HPが1000上がったり、攻撃力が400上がったりします。料理の効果は破格なので、装備を更新するのがバカバカしくなります。王の力も料理の前では霞みます。酷いバランスです。レベル上げすらバカバカしい。RPGの醍醐味である成長デザインが根本的に狂っています。
常識的に考えれば、ファントムソードを継承するたびに ノクト のステータスが大きく上昇したり、仲間に自動でバフが掛かったりするのだと思います。そういう形であれば、王の力を継承するたびに王としての自信と自覚も芽生え、プレイヤーは ノクト との一体感を強められたのではないでしょうか。実際は、ファントムソードはトロフィー要素でしかありませんでした。
料理というキャンプ要素を出すために犠牲にした、世界設定と、RPGの醍醐味の成長要素。本当に虚しい。
【過剰なPRと、それに見合わないクオリティ】
同時期に発売された Watch Dogs 2 と比較するとわかりますが、向こうは自動車がたくさん通っています。車線変更もしますし、信号待ちもします。極上のはずの FF15 はたまに自動車にすれ違う程度です。海外がサクッと続編を出してくるのこととの差を痛感しました。
オープンワールドでどこにでも行けるはずが、見えない壁が多く、またオブジェクトを移動させて踏み台にして高所に登るみたいということも当然できません。また、そのマップも同じようなロケーションで代わり映えがしない。王都、オルティシエ、テネブラエ、帝国……一体何だったのか。
分量的なものは作り直しというハンデがあったので、ある程度想定していましたが、一番衝撃だったのがマップ上に表示される宝箱マークです。てっきり、文字通り宝箱があったり、壺があったりするのだと思いました。色の違う、光の玉でした。隠しダンジョンに凝るぐらいなら、こういうメイン部分をもっと凝ってほしかった。
「ここまでするのがFF」と喧伝されていましたが、実態は何から何まで「その程度」でしかないのです。バグについてはことさら述べません。1つのダンジョンにつき、数回仲間が戦闘に参加しない棒立ち現象が発生しましたし、仲間連携時にあらぬところにワープすることも何度もありました。でも、このゲームの問題はバグではないんです。そんなものは些細なことですよ、もっと根本的なゲーム性や物語性の部分に比べれば。
COMMENT
【総評の前に:グラフィックスとサウンドについて】
グラフィックスについては Good/Bad のどちらでも触れませんでしたが、グローバル市場向けのAAAタイトルとしては、褒めるほどでないし、取り立てて悪いわけでもないといった印象でした。
また、サウンドは声楽を使った印象的な曲もありましたが、「スタンド・バイ・ミー」で往年の映画の思い出を汚された気分になったり、ドライブに全くそぐわないのに過去FF曲をカーステレオで流す仕様にしたりと、不満がありますが、それ以上に言及しなければならないことが多かったので省略しました。
【総評の前に:かつてのPVから失われた最も重要なもの】
FF15に生まれ変わることが発表された2013年E3の映像をみると、使われなくなったシーンや設定などが多く目につきます。もちろん、製品にするにあたり、要素の削除改変が必要であることは理解してます。しかし、最も重要な「魂」の部分まで捨ててしまったのは非常に残念です。
2013年E3の映像では、当然ですが、登場人物たちはヴェルサスの頃から依然として「ホスト」でした。しかし、同時にとてもかっこよく、使命感や背負っているものが伝わってきました。そこに血がたぎる「熱さ」がありました。
製品になったものは……本当に残念でなりません。
【総評:見かけ倒し】
ゲーム内容に関しては褒められる部分はほとんどありません。それよりも、欠点が非常に目立つというのが総評です。逆に、欠点を覆い隠すほどの、素晴らしいものがあるのか?と問われると「ない」というのが私の実感です。
このゲームは「あばたもえくぼ」というように、このゲームに恋をしてしまった人以外は高評価ができない凡庸な作品です。何もかもが見かけ倒しで中途半端です。これの一体どこが「極上」なのでしょうか。「理想とはいえないけど、まあまあの出来だった」なんてレベルの話ではありません。「凡庸」を「極上」と言わなければならない現実は、哀れでしかありません。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 1pt | 2pt | 2pt |
50pt
GOOD!
本筋のネタバレには配慮をして記述します。
■グラフィック
和ゲーとしてはかなり良かったと思う。戦闘で転げ回ったあとは衣服に汚れが付着する、雨が降れば服が湿り気を帯びるなど、メニュー画面にも反映されるそれらの描写は細かくて素晴らしかった。3章で行くことになるダスカ地方などの自然描写も美しい。ドライブしながら景色を眺めるだけでも楽しめる。
■戦闘
シフトを軸にした爽快感のある戦闘で、個人的には楽しめた。序盤はノクトの能力も足りず、MPを消費するシフトの連発はできないが、物語が進みレベルが上がるとシフトブレイク→シフトで離脱→シフトブレイクといった具合にスピーディーな戦闘が楽しめる。
戦略性もある程度ある。例えば遠距離から銃撃してくる敵をシフトで急接近して優先的に倒すと楽になる、強敵は攻めより守りを重視してカウンターを狙うなど、色々な戦法を試せるのが良い。
また、武器種が複数ありそれぞれモーションも違うので自分に合った武器を探す楽しみがあるのも良い。13から続きバトル担当のスタッフには賛辞を贈りたい。
■音楽
下村氏が手掛けただけあり、記憶に残る名曲が多いと感じた。有名なタイタン戦の曲やイフリート戦などのボス曲も良いが、通常戦闘曲も個人的に気に入るものが多かった。特に、大陸西側での戦闘曲が変わった時は「おお!」と驚きの声をあげたほど。サントラを買うに値すると思っている。
■写真
今作で一番評価したいのはこの部分。情報が出た当時は「そんな機能いるか?」と思っていたがコレが実に楽しい。
仲間のプロンプトくんが冒険中の写真を(戦闘中ですら!)撮影してくれて、キャンプなどEXP精算時に見せてくれるのだが、プレイの振り返りとして上手く機能している。グラフィックの美しさも相まってPCの壁紙に使えそうなものすらチラホラ出て来る。閲覧時にノクトらがコメントをするのも楽しい。
BAD/REQUEST
■シナリオ
本作最大の問題点。新人に近いライターが担当したそうだが明らかに実力不足。シナリオの点数の項目があったら間違いなく0点をつけたい。
全般的に説明不足、キャラクターの背景や関係性などの描写が足りない。自分は映画キングスグレイヴとアニメを見た上でプレイしたが、それでも確実に描写が不足している。特に後半の一本道展開に入ってからはシナリオの雑さが目立つようになり、プレイヤーが置いてけぼりのままエンディングを迎えることになる。世界観の説明などはロード中に表示されることもあるが、そんなのは本来ゲームの中でするものではないだろうか。
伏線もなく唐突に出るキャラ設定、描写が不足しているためヒステリーを起こしたように思えてしまうキャラ、いつの間にか死んでいく人々。恐らくライターの頭の中には素晴らしい物語が広がっているのだろうが、それを伝えられないのならば意味がない。プロの仕事ではない。
とはいっても話の大筋がダメというわけではなく、もっとしっかりとした描写・演出があれば「FF」として十分な名作になれたもの。故にクリア後の感想としては「なんて勿体無いことをしてくれたんだ」と、ただただ悲しい気持ちになった。
■サブクエスト
オープンワールドでもあるため、世界中にサブクエストが転がっていてそれを受注することで様々な報酬を手に入れることができる。だが、自分は報酬を手に入れるため「だけ」のものだと感じた。
ウィッチャー3やゼノブレイドクロスなどはサブクエストにも物語があり、キャラの考えがありと多くの魅力があるものであったが、FF15のサブクエストは基本「○○を取ってくる」 「○○をしてくる」だけのお使いであり、達成しても10数秒の会話の後に報酬ゲット、といったものが殆どである。
作業工程が多くなりすぎるため簡素にならざるを得なかったのかもしれない。だが、それでも例えば旅行記などの形を取って、各キャラの記述したクエストの感想をテキスト表示で読めるようにするなど幾らか方法はあったのではないか。世界やキャラの魅力を広げるせっかくの機会をただの経験値稼ぎにしかできなかったのは本当に勿体無い。
■カメラ
基本的には問題ないのだが、木々が生い茂る場で戦闘が始まると木に画面が覆われキャラが見えない状態が多々発生した。慣れればガードなども勘で行えるが、やはり嬉しいものではない。
■戦闘
GOODで褒めたが悪い点もいくつか。
顕著なのは体力の回復について。基本体力の回復はアイテムの使用で行うのだが、使用のためには毎回R2ボタンでアイテムを選択→使用となるのでテンポが悪い。特に強敵相手では味方含め何回もポーションなどを使用することになるので爽快感が消え去ってしまう。また、回復アイテムが切れなければ余程のことが無い限り負けることもないので緊張感があるわけでもない。この点はもっと洗練できたのではないかと思う。
それと、仲間AIがあまり良くないのも気になる。今作の魔法は範囲指定型でその範囲内に炸裂するのだが、仲間まで巻き込まれる。ダメージは仲間にはほぼないが、しっかり「うぅっ……!」と辛そうな声をあげるので、やはり気分が良いものではない。回避行動を取るようにAIを組もうと思わなかったのだろうか。せめて仲間に指示を出すなどできたらよかったのだが。
■ボス戦
ストーリー上で戦うボス戦はイベントバトル的なものも多く、プレイヤーの力で勝利した感になれないものが多い。
特にラスボスは不満。ネタバレになるので詳しくは避けるが、本来第3形態でやるようなバトルがすぐ始まってしまった感じである。
■オープンワールドとシナリオの相性の悪さ
今作の魅力はオープンワールドの探索に尽きると思うのだが、なにせシナリオの本筋が「王子が国を取り戻すための旅」である。国には国民が残っていることは物語中でも明記されるため、本来は釣りをしたり観光名所で写真を取っている暇など無いはずなのである。だがそれをしなくてはゲームを楽しめない。自分は途中で気にしないことにしたが、やはり相性はよろしくない。
■街の少なさ
実際にオープンワールドの中にある「街らしい街」は1つと言ってしまっていい。それ以外は宿泊施設やショップがついた大きめのガソリンスタンドみたいなものである。海外のモーテルが思い浮かぶ方はそれが点在してると思っていただければよい。
■噂の13章
ただのプレイ時間の水増しだと感じた。オープンワールド部分を楽しんだ人ほど、クリアのためにこの章を遊ぶ際に絶望に打ちひしがれると思う。
COMMENT
映画「キングスグレイヴ」とアニメ「ブラザーフッド」を観て、今回のFFは物語も期待できるのではないかと思っていました。見事に裏切られました。今作の前にペルソナ5やポケモンサンムーンとシナリオの良さに驚くものばかりだったのも落胆を強めた一因かもしれません。だが、どれだけ甘く見ても今作のシナリオの出来はよろしくないです。
バトルや世界の美しさは十分良いだけに、シナリオが全ての足を引っ張ってしまったのが残念でなりません。
コレを書き始める直前、13章の改善やイベントシーンのアップデートでの追加がアナウンスされました。発売日に買ってもうクリアした自分にはほぼ関係ないことですが、これからプレイする皆さんはぜひアップデート後に楽しんで頂きたいと思います。
Amazonレビュー
レビュー日: 2016-12-06
・ATR全視聴、アンカバードもリアルタイムで視聴。
・映画は初日に劇場で観て、勿論アニメ作品も観ました。
・かつ、本作を50時間以上プレイのうえ既クリアです。
・なおFFはナンバリングを、11と14を除きすべてクリア済み(続編含む)。
・ヴェルサスから情報を追い続けてきた大ファンです。
・すべてのトレーラーを各10回ずつ以上は視聴しました。
・ネタバレを回避してクリアをし、それまでなぜ酷評なのか疑問でしたが今は納得です。
・「アンチ」や「ネガキャン」といった次元を超えた(勿論、そういう人達にネタにされている側面もありますが)、もっと根本的な次元で問題があります。その意味で、厳しいレビューをさせて頂きます。
【良い点】
・自由度、音楽、映像美、ミニゲーム、料理(正直、画像じゃダメだったのかとは思うが)、写真。
・オープンワールドで爽快なバトル(まだ荒削りではあるが。)
・過去のサントラ
【言いたいこと(ネタバレ(質バレ?)含む)】
・明らかに未完成品です。
・未完成と知りながら散々に嘘と誇大広告で期待を煽って、多数の特典商法で新品を買わせ、あとは売り逃げする気マンマンの、性根から腐った、ファンを馬鹿にした汚い商法。この企業、何も反省していません。まぁ一人のサラリーマンとしての田畑氏も、色々と思うところはあるのでしょうが…
・膨大にあったはずの設定はどこへ。
・ファントムソード集めの意味は?集め終わっていないのにラストのトドメQTEで13本ありましたが…。王の墓所めぐりは?シヴァ・ラムウ・バハムート戦や神話の設定は?イフリートとバハムートの通常召喚は?オルティシエ周辺のオープンワールドは?テネブラエは?テネブラエ周辺のワールドは?ガソリンスタンドとショップとトレーラーハウスのコピペじゃない他の街は?ラスボスの変化形態は?ノクトにとっては一瞬(寝て覚めたら10年)のはずなのに人として成長?久々に会った?あんなに倒してやりたかった帝国は?FFで寄生虫?ホラー?指輪をはめたら歴代の巨大な王の霊と謁見するんじゃなかったっけ(ニックスのように)?準備完了…?
・納期の関係で数々の演出等を削除するなら、せめて13のように任意で読めるテキストでストーリーや設定を補完させてほしい。アルティマニアで補完しろ?絶対に嫌です。
・モブハント(サブクエストもだが)のロード地獄。受注→車へFT(ファストトラベル)→ロード→車に乗って目的地設定してFT(ロード)→モブまでチョコボ→討伐→車へFT(ロード)→車で目的地設定してFT(ロード)→報告→受注…(以下同様)。車があるせいで不要なロードが格段に増えてしまっています。討伐時間<ロード時間と言っても過言ではなく、更にダメ押しの「1件ずつ受注」。クエストランクを上げても、受注種は増えますが受注枠は結局増えませんでした。
・トレーラーを何度も見ては想像を膨らませた主要キャラ(敵キャラ含む)に対する扱いの酷さ。FFってある種のキャラクタービジネスでしょうよ…
・結局、あんなに「入り口にすぎない」と発言しながら、映像作品を観ておくことは必須レベルの事前知識だった。
・具体的には、ルーナやルーナ兄の人物像、指輪の設定や重み、王の剣、王の盾、レギスの力や王の使命、インソムニアの生活様式、世界観。
・「インソムニアをマップとして制作するのが現実的に難しいから、映像作品とアニメに落とし込んだ。あとはユーザーが各自で見て脳内で補完してね」ということでしょうね。
・ATRでは「こんなに情報を出してくれてもいいのか?まぁ製品版にはまだまだ明かされていないマップやロケーション、街が待っているからこそできるんだよな」と思わせてくれたものだが、事前に公開したものがほぼ全てであった。(13章の前時代的ダンジョンは論外)
・「ネタバレでは?と気になる人は、ATRを見ないという選択肢もあるんですからね」とDが話していたが、そりゃ無理な話でしょう。それぐらい待っていたし、公開されるのが全てだなんて思わないから。
・イベントの度に追加された新情報は、その都度実装したばかりの「手の内」を公開していたのですね。
・ストーリーの本筋は良さそうなのに、もはや怒涛の展開どころじゃない。「こういうシーンを見せたい」という部分が先にあったのだろうが、それらをうまく論理的に結べていない。本当に無理やり繋ぎ合わせただけ。
・D曰く、「開発スタッフには失敗してもいいと言い聞かせた。とにかく挑戦しよう」、だと。チャレンジ精神は結構だが、フルプライスで買ってもらう客商売であることに加え、FFの現状からすれば失敗しちゃダメでしょうよ。ただでさえFFの名前を冠しただけの粗末な類似品で、スクエニはFFを安売りしすぎて、そのブランド力が低下しているのに。
・ここにきて「海外病」をFFが発症するとは…
長々と書いてしまいましたがつまり…
例えば高級ブランドが、ファンに向けて、
「極上の新作ができました。勿論本皮、約束された品質です。
すべての過去製品を遥かに上回る逸品です。」
と大々的に宣伝して、安くない金額で何百万個も売りつけて、
実際に購入してみたら、見栄は良いがただのペラペラの合皮、
しかも内側は酷いツギハギだらけであった場合、
そのブランドイメージは地の底まで堕ちると想像できませんかね。
(それでいてメーカーは「俺たち頑張った!」とご満悦)
当初は大層な期待と応援をしていたんですよ。
FFが、リアル路線で世界標準「オープンワールド」に挑戦する。
ゲームの頂点を目指すだと?!がんばれ!!!
国産CSが元気のない中で、FFしかそれをなし得ない!
再び、「ぶっちぎりの」「極上の」RPGを!!
日本のメーカーがまだやれるってことを世界に見せてくれ!!
結果、未完成品の売り逃げ。
事前の広報活動はウソまみれ。
海外では高評価ですよ!は?
カップ○ードルのクソコラ動画(公式)でゲラゲラ?は?
FF9とコーラのコラボCM見てよ。
というか発売1週間で出て来るニュースがほとんどそればかり?
アクセサリーのステアップ説明「まぁまぁあがる」「そこそこあがる」?は?
リヴァイアサンの意味の通じていない難しい「っぽく」見えるだけの発言…
FFって、もっと威厳あるものじゃなかったんですかね。
格式の高い、せめて国内RPGの中では、FFナンバリングは
頂点であり続ける存在、品質保証であってほしいと願うのはダメなことなのですかね。
たかがゲーム?されどゲーム、客商売でしょうよ。
ファンへの数々の嘘、売り逃げ上等の酷い裏切り行為。
FFは、終わったんですね。
この会社に舐められて食い物にされているのが癪に障ったので、
FF関連アプリもすべてアンインストールしました。
FF7Rは予約は絶対にしません。
それよりも早く、坂口氏と植松氏らがしたFF6スタッフ決起集会の続報を。
【どうすべきだったか(ネタバレあり)】
★9月に間に合わなかった時点で正直に「本当にすみません。オルティシエまでしか完成できませんでした。11月末の発売までに、9章のクライマックスであるオルティエのボス(リヴァイアサン戦)までは完成させます。ひとまずそこまでを15-1とさせてください。続きものになってしまうため、その分、少しでもお安くします。」と発表すべきでしたね。ノーマンズスカイは正直に打ち明けて対応していますね。
★そして1~2年後に、15-2として、広いテネブラエのオープンワールドと壮大な帝都戦であるべき13章、バハムート戦、ノクトが眠りにつくまで。ルーナの故郷で感動的な演出もできたでしょう。
★最後に、15-3として、それまでのマップすべて+ラスダンインソムニア。
FFがブランドイメージを回復しつつ、高評価を得て、新たに16を制作したいのであれば、どんなに時間がかかっても最低限、素人が「この程度は作ってあるだろう」と想像する程度のことは作っておかなければならなかった。
それを強引に、限られた時間で1作にまとめてしまったため、支離滅裂になり、続編も作れず、すべての超一流の素材が、それぞれの良さを1割も発揮できないままに(下村さんや声優がかわいそう)、ズタズタにされてケチャップでファストフード風に粗末に料理されてしまった。
悲しい。
GOOD!
・パーティーリンク
最初は邪魔かと思ったけど、いざ触ってみると、短い演出で大ダメージがサクサク出て気持ち良かった。
・キャラの趣味
釣り、キャンプ、料理、写真。
まったく期待していなかったけど、写真が案外よかった。上手くいけば、まるで公式サイトにあるようなスクリーンショットを撮ることができる。Twitterで流行ってるようなネタ画像も面白い。
釣りもよかった。コンプリートまでは根気が持たなかったけど、黙々と釣ってた。料理もおいしそう。
・曲
雑魚戦に、やたらかっこいい曲が多い。クレイン地方あたりで流れるBGMや、ニフルハイム帝国との雑魚戦が個人的にかっこよかった。下村陽子さん。
・女性キャラ
美人、かわいい。たしかに彼女らがパーティに加入すれば、と思わなくもない。
・フィールド
序盤は、シナリオを進めていくごとに世界が開けていく感じはよかった。PVで見たところはどういうところなんだろうと想像が広がった。オルティシエおしゃれ、カエム爽やか。
・ダンジョン
全体的にあっさりとしていて、面倒な部分がすくなかった。また、ダンジョン内でもキャラクターがそのときに合った台詞を喋ってくれるのも面白かった。また、森や火山など思ったより種類があった。
・アップデート
いろいろあるけど、ほったらかしじゃないだけよかったと思う。期待したい。
BAD/REQUEST
全体的に不自由、中途半端。
ひとえに簡単操作だとは言えない。たしかに簡単ではあるけど、それゆえに操作性に不自由を背負っている。
・アクションとRPG
プレイしていて一番感じたのが、このあたりのチグハグなところ。ノクトのアクションには不自由が目立つ。たとえば攻撃の隙が異様に大きかったりと、ボタン入力そのままに動いてはくれない。だけど、それはRPG色の強い側面があるといわれれば、ある程度は納得ができる。
しかし、じゃあ全体のバランスがRPGに徹底した調整かと思えば、そうではなかった。「乱戦における敵の攻撃頻度」「同レベル帯だと弱攻撃でも受けると怯む」「不意のガード不可攻撃」などなど、あげればほかにもあるけど、このあたりが不満だった。
今作は簡単操作をうたってはいるが、「ダメージ覚悟で殴り合う」ようにはできていない。レベル差がない限り、敵の攻撃は回避するのが前提。なのにアクション性は薄い。RPG寄りなのか、アクション寄りなのか、どっちつかずの中途半端。
・戦略
戦闘中にやれることが少ない。仲間はどこでどう戦っているかはっきりとせず、共闘感もない。RPGの良さといえば、戦闘前に戦略を練って準備をするというところにもあると思う。けど、今作にはその要素が薄い。
・ロックオン
いくつか不満がある。まずは思った通りにロックオンしてくれないこと。カメラの真ん中に収めている敵しかロックオンしてくれないので、周りの様子を確認しながら戦うことができない。しかもロックオンをすると、右スティックでのカメラ操作ができなくなる。具体的いうと、近くに敵がいるのにもかかわらず、馬鹿正直にカメラの中心に近い遠くの敵にフォーカスを合わせたりする。
また、ガードとロックオンがべつべつのボタンというのも、プレイ当初は混乱した。あとから思えば別のボタンでよかったが、それは操作性の不便ゆえであって、本来は同じでよかったはず。
・ストーリー
ニフルハイム帝国のキャラクターの扱いが全体的に雑。なかでも優遇されているアラネアでさえ、二度目に会った時点でかなりあっさりとしていた。「え、こんなんでいいの?もうすこし帝国内での確執とかないの?」みたいな。なにがあっさりしているのかは、実際にプレイしてみてね。
また、いうまでもないかもしれないけどチャプター13。レベル70程度で挑んでもなお、自分は長いと感じたのだから、適正レベルで挑んだ人たちはどれほど苦戦したことか。
・主人公勢
個人的にはイケメン許容派だったけど、いざプレイしてみるとキャラクターに面白みがなかった。全体的に地味。ノクトはそういうコンセプトだとして、ほかのキャラも地味なのはおかしい。もっとノクトを振り回すか、あるいは友情を描いてほしかった。
・ダンジョン
悪い部分もあった。下水道とコースタルマークタワー。前者はハシゴ、壁伝い、パイプ渡りの演出が長すぎる。後者はノーヒント。てっきり謎解きがあるのかと思いきや、あとで攻略サイトを覗いてみたらただの迷路だった。
・フィールド
平坦だった。同じ店が多く、イベント進行を除き、大きな街がひとつだけ。海を渡る際、船に車を積んであると聞いて新大陸かと期待したけど、そんなことはなかった。
以下、小さな不満、要望
・回避不可の攻撃には、わかりやすい警告がほしかった。
・戦闘中、仲間の行動がわかりづらい。
・それゆえ共闘感が薄い。
・瀕死の仲間の位置がわかりづらい。
・戦闘中、やれることが少なく戦略性がない。
・モーションがプレスチックのおもちゃを振るうようなリアルさ。
・また不自然な隙がある。
・サブクエストが単調。
・パーティに加入するモブとかいてもよかった。
・歴代王の武器が、個性はあるものの実用的でない。
COMMENT
全体的に中途半端。ストーリーも戦闘もオープンワールドもキャラクターも。
戦闘に関しては、制作者がどのように遊んでほしいのかが見えてこない。
微妙な作品。
ただ、面白くないわけではなく、一概に悪いとは言い切れない。また、発売中止とも思われたヴェルサスを発売にこじつけたところもあり、功罪の余地がある。
今後のアップデートに期待したい。