【PS3】The Last of Us(ラスト・オブ・アス) レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-06-20 |
価格 | 5980円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サバイバルアクション ■ プレイ人数:1人(オンライン:2〜8人) |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt | 3pt | 3pt |
66pt
GOOD!
本作はゾンビのような人間や盗賊と戦いながら逃げるTPSです。
今ではそんなに珍しいジャンルではありませんがステルス要素とサバイバル要素が良く作られていると思いました。難易度が普通程度だと本作の魅力であるこの二つの要素はなかなか味わえません。というのも、道具や弾薬が割と豊富に入るため隠れながらできるだけアイテムを消費しないように戦略を練らなくても敵をせん滅できてしまうからです。最初にプレイした時は物足りなさを感じましたが難易度をあげると弾薬や道具がなかなか入手できなくなり、サバイバルステルスゲームとしての面白さを存分に味わえました。グラフィックが綺麗なのもホラーアクションには迫力と臨場感が出てとても良いです。
BAD/REQUEST
3周する中でバグに3回あいました。敵が地面にめり込んで動きまわるバグが一回、視点が主人公の足元に固定されて戻らなくなるバグが二回です。後者はほとんど進行不可でロードしなおす以外回復しませんでした。
味方を連れて動くことが多いのですが味方は敵に見られても発見されず、こっちは慎重に行動してるのにアクティブに動き回るのがどうにも気にかかります。ゴーストリコンのように指定した場所に動くように指示して待機させるくらいのシステムは欲しかったです
チェックポイントを何度かやりなおしているとマップに弾薬が追加配置されるなど、難易度は変わらないのに徐々に簡単にするのはやめてほしいです。親切心なのかもしれませんが何度もプレイして上手くなって攻略するのが面白いのに、勝手に徐々に簡単にされてクリアできたというのではやり込みがいが失せます。セーブデータからロードすればいいじゃないかと思いましがロードしようとすると勝手に現状で使っているセーブデータの上にオートセーブされるためあらかじめ新しく別のセーブデータを作らなければなりません。このゲームのセーブとロードは少し長いのでロードするたびに毎回この作業をするのはストレスです。
COMMENT
マップの探索はあまりせず難易度イージーで初回プレイはリトライ時間なども含めると13時間ほどでしたそれほど長くはないですがムービーはちょくちょく入ってきます。このゲームに限りませんがステルスゲームは醍醐味を味わうために高難易度でプレイすることを是非お勧めします
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 2pt |
94pt
GOOD!
このゲームは現代文明が崩壊したあとの世界を舞台とするアクションゲームです。
ゲームシステムは同じ会社が作ったアンチャーテッドシリーズや、メタルギアソリッドシリーズなど、近年のアクションゲームの流れを踏襲しています。
このゲームで傑出しているのは何といっても映像です。リアリティがあり、なおかつ美しい。人物描写は不気味の谷を越えていて驚きましたし、風景は文明崩壊後、人間の創造物が自然に飲まれていく荒廃の美を描いています。ゲーム内の風景に見とれるということはそうないと思いますが、このゲームでは何度もそんな場面に遭遇します。
私が特に印象的だと感じたのは、風景に物語があることです。ゲームの背景というのは単純に遊ぶための舞台であることが多いのですが、このゲームはそうではありません。
例えば探索をしていると、文明崩壊を生き延びた人々が身を寄せた地下道に出くわしたりします。その地下道には人々の生活の痕跡があって、よく見るとその人たちがどんな末路を辿ったのかが分かります。また、原野を歩いていてちょっと脇道に逸れると、ひっそりと隠れるように墓が見つかったりします。それをよく見ると、まともに死者を弔えないような状況のなかで、精一杯の気持ちで愛娘を埋葬した様子が感じられたりします。
そのような場面も山のようにあります。ですから、ゲームへの没入感が尋常ではありませんでした。
また、シンプルな音楽や音響効果も映像美に合っていてとてもよいと思います。
もうひとつ傑出しているのがシナリオです。物語の設定自体は、パンデミック物というよくあるパターンで、話の大まかな流れもありがちといえばありがちです。しかし、主人公と同伴者の心理描写がとにかく素晴らしい。そして、物語の引き際も見事でした。
この物語のテーマは極限状態での選択ということになると思いますが、ここまで考えさせられる回答を突きつけられたのは、ゲームでは初めてです。映画でもここまで余韻が残るものは珍しいと思います。
BAD/REQUEST
欠点としては、というより、欠点なのかどうか微妙なところですが、傑出した映像やシナリオにゲーム性が追いついていないことを感じました。
戦闘はよく作り込まれているものの新鮮味がなく、全体を通じてやや単調です。戦闘が単調になる最大の原因は、敵の種類が少なく、行動がワンパターンなところにあります。
戦闘場面が減ってもよいので、もっと一つひとつの戦闘にバリエーションがあったらよかったと思います。
あと、主人公がでたらめに強く、エンディングに至るまでに殺戮といってよいほどの数の敵を殺すことになります。ゲームではよくあるパターンなのですが、映像やシナリオにあまりにもリアリティがありましたので、ここだけいかにもゲームらしい主人公の姿に違和感をおぼえました。
爽快感とのトレードオフになるとは思いますが、主人公はもっと弱く、殺す敵ももっと少なくてよかったと思います。最も高い難易度でプレイしても、そのように感じました。
COMMENT
私はゲームに没入感を求めるタイプで、現実を忘れる瞬間があるととてもうれしくなります。その意味では、このゲームは突出した出来映えだと思います。映画の世界に入り込むことができたような錯覚を覚えました。
その一方で、ここまでゲームがリアリティをもってくると、娯楽としてのゲーム性にもリアリティが求められるような気がしました。しかし、本当にリアルな状況がゲームとして楽しいかといえばそんなことはありませんので、これからのゲームは、リアリティと娯楽性の両立という難しい課題を解決しなければならないのではないかと思いました。
何はともあれ、買ってよかったと心底思えたゲームであることは間違いありません。このゲームの製作に携わった皆さんには、素晴らしい体験をさせていただいたことを感謝したいと思います。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 2pt |
94pt
GOOD!
・グラフィック
あの「アンチャ2」製作チームだけあってとにかくグラフィックは素晴らしいです。
廃墟の造り込みやオブジェクト等もセンスは抜群です。
・演出
製作元のノーティドッグは「アンチャーテッド」の頃よりプレイする映画を
コンセプトに演出を重視したシネマライクなゲームをPS3に作り続けていますが
このラストオブアスは更に演出が豪華になり、より映画に近づいたゲーム体験が出来ます。
個人的に、演出では「アンチャーテッド」シリーズを超えていると思います。
・サウンド
基本無音で、不協和音やノイズが混じった世界観にピッタリなBGM
クリッカーのクリック音と合わさって滅茶苦茶雰囲気が出ます
途中の重要シーンで流れるメインテーマのアレンジ等も素晴らしいです。
・キャラクター
ジョエルとエリー、その他キャラが織り成す掛け合いも素晴らしいです。
ここまで細部にこだわる必要があるのかという感じもしますが
・熱中度
前述の通り、プレイする映画を極めてる作品なので
一息つけるシーンがあまりありません。
ストーリーも先が気になる造りなので中々手を休める暇が無いと思います。
・探索
本作品では探索で集めたアイテムを使用して新たなアイテムを生成(工作)する事が
出来ますが、これが中々楽しいです。
廃墟の造りが素晴らしいせいで、景観を楽しみながらの探索も苦になりません。
BAD/REQUEST
・操作性
武器(銃)を選択する際にゲームがある程度進んでいくと
選択する数が増えるアイテムを作ることが出来ますが、それでも最大2つしか選択できないので
他の武器(銃)を選択するには×ボタン長押しする必要があり
この点については瞬時に取り出せないので不便だと感じることがあります。
COMMENT
アンチャシリーズで注目する人も多くなったノーティドッグですが
個人的には最高傑作であるとされる「アンチャ2」を超えた出来なのではないかと思ってます。
ゲーム性の違いもあるので一概には言えませんが
ラストオブアスではとにかく心情描写関連の演出が凄まじいです。
ムービーもアンチャとは違い、プリレンダムービーを多く採用し
よりシネマライクに特化した作品になってます。
ジョエルとエリー、その他キャラも人間味に溢れていて
絶望的な世界で生きていく2人の描写が痛すぎるほどに描かれます。
そのせいで、ストーリーは重めです。
ストーリーの長さは程よく、クリアタイムは16時間でした。
PS3最後の大作に恥じない出来で次世代機でどんな作品を作ってくれるのか本当に楽しみです。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-03-25
いやぁ,おもしろい。4回はやり直したね。
GOOD!
ストーリーモードで第三弾DLC「Grounded」以外の全難易度クリア、マルチは120週分やっています。DLC第二弾「LEFT BEHIND」プレイ済み。米国で発売されたコミック版の前日譚も買いました。
<素晴らしいストーリーテリング>
剣と魔法の世界でも、遠い国の戦場でもなく、2013年夏に崩壊した現代アメリカという生活感のある世界設定。オープニングからぐいぐい引きこまれます。
表情や演技、世界の見せ方がこんなにも合致していれば、台詞が少なく、省略が多い脚本でも伝わるという好例だと思います。ありきたりな題材なのに、面白い。
そしてBGM、すごい。雰囲気出してる。たぶん、プレイ中はストーリーに夢中で気が付かないと思います。それぐらい裏方に徹しています。それなのに、ラストシーンが終わってスタッフロールに切り替わったら、プレイヤーが感じるであろう複雑な思いを表現する旋律が……!
<メリハリのあるグラフィック>
遠景は低解像度でぼかし、自然に目が行ってしまうポスターや写真立ての写真は高解像度になっており、グラフィックにメリハリがあります。
人物の表情は、CGアニメーターが手作業でつくっていったそうです。非常に自然。主人公たちとその他大勢で、力の入れ具合がぜんぜん違うというゲームが目立つ中、ほとんど違和感がありません。敵の出現数、NPCの出現数が必要最小限に絞られているからだと思います。
<バラエティがありながらも統一感のある雰囲気>
夏から始まり、春までの一年間で、アメリカを横断する物語です。放棄された街、雪山など、風景の変化はバラエティに富みます。同時に、風景の移り変わりや季節の移り変わりが、物語の中でしっかりと表現されており、全体的な調和が失われていません。雰囲気が本当に良く出ています。ゲーム全体としての統一感があります。
<アクション周りの細かい芸>
壁際に身を潜めるときの動きや、走りながら物を拾ったり、銃をリロードしたり、吹雪の中を移動したりなど、どれも動きの芸が細かい。細かいだけじゃなくて、そのアクションひとつひとつが自然です。没入感を高めてくれる要素だと思います。
<パターン攻略も可能だが、ちょっとしたミスで乱戦になる>
戦闘パートは、基本的に、ステルス状態から始まり、発見されると乱戦になります。どれだけ気付かれずに敵の数を減らせるか、乱戦になったときにちゃんと逃げ切れるか、各個撃破できるか、といった要素があり、緊張感ある戦いが強いられます。
ステルス状態では定石的な攻略ルートがありますが、ちょっとしたミスで乱戦状態になります。この切り替わりは燃えます。アツいです。ゾンビとなっている「感染者」の習性を利用して、一箇所に集めて一気に火炎瓶で焼くなど、少ない物資をやりくりする緊張感もたまりません。
「感染者は、その症状の進行によって、だんだん目が見えなくなる代わりに聴覚が発達する」という設定も、ステルス/乱戦という戦闘部分のゲーム性とマッチしていて非常に良いと思いました。
<一本道なのに「やらされている感」がない>
戦闘パートでは少ない弾薬や物資をどのようにやりくりしていくかはプレイヤーに任されています。同じようにプレイしているつもりでも、弾薬消費量の違いなどで展開が毎回異なります。また、ムービーシーンは必要最低限であり、ストーリーの大半がキャラクター操作中に進展するため、「やらされている感」がほとんどありません。逆にいえば、コントローラーから手を離して一息する暇がほとんどありません。疲れます。
「1周目はエリーのほうを見ずに会話が進んでいたけど、2周目はエリーの表情や動きを確認しながらストーリーを進めていた」
これができるということがどれだけすごいことか、理解していただけますでしょうか……!?
<ロードのなさ>
起動後に長めのロードをしたあとは、ずっとロードなし。すばらしい。没入感すごい。映画の撮影技法である「長回し」を意識しているそうです。やめどきがまったくわからない。
<空気を読んだ自然な翻訳と声優陣の演技>
いかにもティーンなエリーの言葉遣い、多くを語ろうとしないジョエルなど、雰囲気も含めて自然に翻訳している上に、声優陣との連携も素晴らしい。英語の発声に合わせて、日本語をしゃべっているので、口の動きに違和感がない。
日本語音声・英語音声を両方プレイすると、日本の吹き替え技術の凄さみたいなものを感じます。吹き替えが素晴らしいです。吹き替えにお金かけてくれたことに感謝します。
そして、山寺宏一さんですよ。ジョエル役の声優の熱演がすごい。
一周目を終えたあとに、二周目のオープニングをもう一度だけやってみてください。オープニングとエンディングの一部のシーンが綺麗な対比になっていることに気づくと思います。山寺さん演じるジョエルの声に年齢差があることも、はっきりわかります。もう、号泣です。
<苦手な人も頑張れるアツいマルチプレイ>
海外のゲーマーがマルチプレイ動画内で「これって、本当の意味でTPSじゃないよね。ステルスゲームでもあるし、格闘ゲームでも、物資集めゲームでもある」と語っていましたが、そのとおりだと思います。
手に入るものを工夫して使って何とかして生き残るというこのゲームのコンセプトを活かした作りになっています。
そうしたコンセプトが活かされているから、FPSやTPSが苦手でも、それなりに頑張れて面白い。もちろんそうしたシューターゲームが得意な人には勝てませんが、立ち回りを工夫することで一矢報いることができるのがいい。味方にいる上手い人のサポートに徹することもできます。プライベートルームでフレンドとワイワイやるのにも向いています。(※当初は、格闘や火炎瓶・爆弾が非常に強かったのですが、アップデートで徐々に弱体化され、より銃撃戦で勝敗が決まりやすいバランスに変更されています)
追加のDLCマップは、既存マップに比べると、凝られた作りになっており、若干蛇足感がありました。逆にいうと、既存マップだけでも十分楽しめます。一方で、追加のDLCマップはストーリーで訪れた場所がアレンジされたものなので、既存マップにはない感慨深さがあります。「郊外」は、ストーリー内での会話とその後の展開を思い出してしまい、ちょっと切なくなりました。
BAD/REQUEST
・絶対見つかってるだろ?という味方NPCのお粗末な動き
・表示のバグ、フリーズは他のソフトより多め
・イベント発生フラグがシビアで気づいたら通りすぎて無効になってしまっている場合が多く、意識しないと会話イベントなどの回収ができない
などなど、非常に丁寧に作られてはいますが、やはり気になる点はあります。
COMMENT
<エンディングの満足感>
このゲームが好きで好きで、開発者のインタビューもチェックしていますが、インタビューの中で興味深い話がされていました。
テストプレイで難易度を調整していた時に、簡単な方向に設定すると、エンディングの満足度が上がったそうです。確かに、高難易度で苦労しながらクリアした場合、「あれだけ苦労したのに、このエンディングはちょっと……」と思う気持ちはよくわかります。
当初の設定では障害物を透視して敵の行動を見えるようにする「聞き耳」がなかったそうです。クリア後に選べる最高難易度のサバイバルモードと同じ状況です。サバイバルモードは2周目以降で敵の配置と行動パターンを知っているからこそ成立する難易度なので、相当難しかったのだろうと思います。
話を戻します。エンディングです。たしかに、スッキリしないエンディングです。しかし、納得感はあります。「ベストじゃないけど、あれ以外、ないだろう」と思えるものでした。最後の二人の会話後に入るエンディングテーマ「The Path(A New Beginning)」の余韻が素晴らしいのは、あの終わり方だからこそだと思います。
難易度調整も含め、ほんとうにうまく作ってあります。「PS3時代の有終の美を飾る最高傑作」というメディアの評価に異論はありません。
最初にプレイしたのは、ほぼ1年前ですが、こんなにも長くプレイ後の美しい余韻が残るゲームは初めてです。おそらく10年後になっても、この余韻を思い出せるでしょう。素晴らしいゲームです。このゲームをやるためだけにPS3を購入してもいいぐらいだと思います。そして、今後、プレイするゲームの評価のハードルを高めてしまった罪作りなゲームでもあります。