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【PS3】戦国無双3 Empires

発売元 コーエーテクモゲームスオフィシャルサイト
発売日 2011-08-25
価格 6090円(税込)
レーティング 【B】12才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:タクティカルアクション
■ プレイ人数:1〜2人
■ プレミアムBOX版:9,240円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 3pt 4pt 2pt 0pt 1pt 3pt
総合点
32pt

GOOD!

・初めての箱庭内政
今までのエンパイアーズではカード内政でしたが、今回まったく新しい内政システムとして箱庭内政が採用されましたが、施設を自由に配置して自分で作れる城下町というのはなかなか楽しく、またその城下町を歩いていたり、民家の庭で生活していたり、道場で修業したりする住民の姿も見られます。
また、その時に流れているBGMも心が和んできます。
またチュートリアルも分かりやすく、指示通りにやっていけば短時間で大方理解できました。

・新武将
これは、戦国エンパイアーズの前作との比較ですが、部位ごとにパーツ設定出来たり色が細かい単位で用意されていたりして自由度が増したと思います。
顔や体系も設定が出来るようになりました。
また、名前に読みも好きなように付けられるようになりました。
また、前作では使用できないモーションも非常に多かったですが、今回は風魔小太郎を除いて全キャラクターのモーションが使用できるようになりました。(知行獲得で50万石ずつ払ってロックを外していく必要がありますが)
戦国3からの新規無双武将や戦国2のエンパイアーズ後の猛将伝で登場したキャラクターがいる事もあり、モーションも大幅に増えています。
但し、悪くなった点やまだまだ足りない点もありますがそれはBAD/REQUESTの方で挙げます。

・イベント会話
戦国無双2版では、領地表示の上にキャラクターアイコンでの会話だったのが、今作ではキャラクターが直接動きながら会話して背景も状況に合わせたものが表示されているので見るのも楽しいです。

・その他
戦闘中敵武将を討ち取った時のセリフが複数になった。またモブ武将にも個性的なセリフを持つ武将がいる。

BAD/REQUEST

ここでは、大きく2つに分けて挙げます。

1.悪い点
・箱庭内政と戦闘の関連
今回の戦闘では兵力が戦局を左右しますが、敵勢力が優勢なのが大抵で最初の時点で敵より兵力が上回っているというのは稀です。
もともとエンパイアーズシリーズ全般に言えますが、自国以外の兵力規模や財政がどのように強化されているかや回復しているかは不透明で、今回の場合だと自国で内政で軍事面をどんなに頑張って強化しても公式チートといわんばかりにあっという間に常に敵勢力が兵力で自国を大幅に上回っています。
また、内政では「幸福度」というパラメータがあり戦闘をすると幸福度が低下して掘立小屋を何度も何度も建てられる始末です。
自国からだけでなく、他国から侵攻された時の防衛戦でも幸福度が下がってしまい、同盟しようにも同盟を断られることすらあります。
また酷い時にはその勢力が毎ターン侵攻してくることすらあり、幸福度に手がつけられず毎回掘立小屋の撤去をさせられる有様です。
個人的には、このゲームはシミュレーション以前にアクションゲームだから、アクションをもっと積極的にやっていく方が合っているのではないかと思いますし、それを考えると幸福度というパラメーターは必要ないのではないかと思います。

・戦闘
爽快感については人それぞれと思いますが、私は合格点をあげられるレベルだと思います。
しかし、今作は共闘感が全くありません。確かにプレイヤーの頑張りによって味方もだんだんやる気を出して、敵を討ち取ったり捕縛したり、拠点を制圧したりしてくれたりしますが大抵は弱く敵武将と交戦すればそれだけで救援に向かわなければという心理が働いてしまうほど頼りになりません。
しかも、今作は武将ごとの個別指示が出せなくなっており戦略的な戦いができません。
もっと自分の戦いに専念したいと思ってもできないのが少し苦痛になります。

・新武将
確かにエディットパーツはまだまだ少ないように思えます。また女性のパーツが3つしかないのは何とかならないかと思います。
それと、男性と女性で声が4種類ずつ用意されていますがこの声にも高さを3段階くらい用意してくれてもよかったんじゃないかなと思いました。
戦国エンパイアーズの前作では、モデルエディットに加え名前に苗字と名前に分けられることとそのキャラクターの家紋や無双奥義発動時の漢字を設定出来ましたが今回はそれがありません。
実は、これがこの次の項目「致命的な悪い点」に挙げることにもつながっています。

・同盟の意味
今回は、同盟は侵攻を自重させるためだけのもので、共闘という要素がありません。
そのため、援軍として助けてもらったり同盟勢力の戦闘に自国の武将を派遣して謝礼をもらうという要素もありません。
それが、戦闘の短調さに拍車をかけているように思えます。

・戦史演武の必要性
発表当初は、演武に新しいものが加わるということでわくわくしていたのですが、実際考えてみると自由な国盗り要素がメインのこのエンパイアーズで史実を再現する必要があったのか疑問に思いました。
エンパイアーズでやるのなら、プレイヤーの考えたアドリブ的なものが入り込む余地があっても良かったのではないかと思いました。
例えば、ストーリー上では登場することはなくても新武将を配下として一緒に戦闘に参加させられるとか。
また、前作では3か所にセーブ出来たのに今作はセーブが1つしか出来ず、戦史演武と争覇演武は同時にプレイ出来ないため途中でもう片方のモードをプレイすると石高以外の進行状況がチャラになるのでとても不便だと思います。


2.致命的な悪い点(満足度0点の理由と修正バッチの配信を要望)
エンパイアーズシリーズの第1作である「真・三國無双3Empires」では、エディットした武将をプレイヤーだけでなく、プレイヤー以外のNPCとして戦闘に参加させられたり、敵として登場したり、自国や敵国の君主になることも可能で当時はこれがセールスポイントの1つでもありました。
以来、私はこのエンパイアーズシリーズが出るたびに元が十分取れるほど遊びました。
武将の配置などが常にランダムでかつ、自分で作ったエディット武将がその中に参加して史実勢力の枠を取っ払って多くの武将が入り乱れた戦闘は何度やっても飽きが来ませんでした。
総合的なエンパイアーズとしての前作である「真・三國無双5Empires」は不満点こそ多かったとはいえそんなシステムを最も楽しめたゲームでもあり、ROMが壊れて一度買い直したくらいでした。
前置きが長くなりましたが、これはこれから挙げる点を語る上でどうしても必要だったので書かせていただきました。

・争覇演武における新武将の扱われ方
無双シリーズ内で過去4作発売されたエンパイアーズに共通していた「新武将をNPCとして戦場に出す」ことができません。
また、他勢力武将や自国他国の大名になることもできません。
戦国のエンパイアーズでは、支配勢力の表示に家紋を用いていますが、今作ではエディットに家紋を決めるという項目がありませんでした。
今回は、戦国無双3Zで既に採用されていたものを使用しているようですが(ちなみに戦国無双3Zは未プレイ)、家紋や新武将の名前の区切り位置を決められる要素が追加されても良かったはずです。
エンパイアーズ初代の「真・三國無双3」時代でエンパイアーズに発展した時にエディットに声を決める要素が新しく実装されていることで同ナンバリング内でのエディット新要素追加が可能なのは実証されています。
自戦力支配した国に武将を配置する場合、新武将が出陣時に唯一プレイヤーが操作するスロットにしか配置できないことを考慮して配置しないと出陣時に思わぬ兵力低下を招きかねず、事実上自由に配置できないことにつながっています。
勿論、通常の無双武将やモブ武将をプレイヤーが操作する時はその戦闘では新武将は1人も参加できません。
これでは新武将を20人作る意味がありませんし、1つの戦場に新武将を複数含んだ戦いは出来ないのでエンパイアーズの醍醐味がぶち壊しです。

・オリジナル勢力を作れない「無双集結」シナリオ
争覇演武で無双集結というシナリオがありますが、登場キャラが予め史実の設定に基づいた位置に固定されています。
大名も予め固定されていて、新武将勢力はもちろん、ガラシャ、お市、直江兼続、竹中半兵衛といった武将を大名にした勢力すら作ることができません。
初期配置ランダムで何度も違ったパターンで繰り返し遊べるというのも魅力のはずなのに、何故それを最初から最後まで初期設定を固定するのでしょうか?

ということで、新武将の複数のNPC参戦や大名化を可能にできる修正バッチと争覇演武の群雄割拠シナリオの配信を要望します。

COMMENT

使用環境は26インチHDTV・5.1ch

総じていえば、今作は新しい内政の箱庭内政に重点が偏ってしまい、無双というアクションゲームの重要性を疎かにしたという印象があります。
確かに、箱庭内政の導入はこれまでのエンパイアーズがカード内政だったことを考えればマンネリ感を打破するという意味ではとても高く評価できます。
しかし、このゲームは「タクティカルアクション」です。アクションゲームなのです。
内政はアクションに何らかの影響を与える一要素にすぎません。
なのでいくら内政面を作り込んでも肝心のアクションがしっかり出来ていなければ意味がありません。
今回、新武将の扱いにNPC化不可という理不尽な制約をつけているのは「マンネリ打破」ではなく良作になる可能性を自ら否定した「ただの退化」でしかありません。
キャラクターやグラフィック、サウンド、シナリオや演出など、どれをとっても良いだけに、ここまで酷評するのはこちらとしても残念でなりませんがエンパイアーズファンとして、今回はあえて酷評した次第です。

   
プレイ時間:わからない(クリア済)
夢永美朱さん(Webサイト)  [2011-09-01 掲載]

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総合ポイント
46
(難易度)
2.00
レビュー数
8
スコアチャート 戦国無双3 Empiresレビューチャート

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70-79
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80-89
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90-100
【60点以上】
25%
【標準偏差】
18.07