■グラフィック キャラクターはアニメ調だけど街並みはリアル(実在する街をほぼそのまま)という、ともするとチグハグな印象になってしまいやすい構成なのですが、本作ではうまくまとまっています。アニメっぽい見た目のキャラクターがリアルな街を動き回っているのに違和感がありません。 また、メニュー画面や戦闘中・戦闘終了時のリザルト画面などが、モノクロを基調に赤が差し込まれている感じで統一されており、非常にスタイリッシュな印象です。 一部の画面はかなりキツい配色ではありますが、見づらいというほどではなく、大胆なように思えてRPGの老舗メーカーらしい気配りのされたメニューだと思います。 ■BGM 過去作(特に、類似点の多い『ペルソナ3』及び『ペルソナ4』)と比べると落ち着いた印象で、強烈に耳に残るというタイプではありません。が、主張しすぎていないというだけで、本作のやや暗い雰囲気にマッチした良曲が揃っています。 また、例外的に、オタカラを盗もうという時のBGMは、まさしく怪盗団といった趣きの爽快な曲で、ストーリーの盛り上がりと相まってプレイヤーのテンションを大きく盛り上げてくれます。 普段は雰囲気を崩さない落ち着いた曲で、ここぞという時はハデに盛り上げてくれる本作のBGMは、非常に優れていると思います。 ■ボス戦のシステム 本作のボス戦では、戦闘が始まった直後のボスはなにかしら強みを持っていて、そのまま撃破することは難しくなっています。 ではどうするかというと、戦闘中に、そのボスの強みを奪ってしまおうという作戦です。 例えば、そのボスが執着しているオタカラを奪ってしまえば、大きなショックを受けて一時的に圧倒的な優勢に立つことができる……といった感じです。 怪盗団ですから、単純な力押しよりもそういった搦め手で攻めるというのは似合ってますし、面白いです。 ちょっと残念なところは、指示に従ってれば基本的に成功するので、特に考える必要がないことでしょうか。 戦略がどうのというわけではなく、あくまで怪盗団"らしさ"を出すためのシステムです。
■ストーリー 序盤からたびたび出てくる、『怪盗団は正義なのかどうか』という作品の根幹といってもいいはずの部分が、非常に薄っぺらいです。 特定の正解があるような話ではありませんが、本作では、あまりにも都合のいい敵、都合のいい展開で誤魔化しすぎています。 中盤までは悪くないのですが、それ以降は主人公たちを唯一の正義にしたいがための強引な展開で、そこまで積み上げてきたものをすべてぶち壊しにしています。 正義とはなんなのか考えさせられるような、中身のあるストーリーを期待していると落胆すると思います。 ■敵役に魅力がない ストーリーの項目で触れたのとまったく同じ理由で、薄っぺらいキャラクターが多いです。 特に顕著なのが敵役で、まったく魅力がありません。主人公たちが正義であるとアピールするためか、ただの自分勝手なクズとしか描かれておらず、捻りもなにもありません。 敵役に信念があってしまうと、主人公たちの行為が正当化できないのでまずいのでしょうが……詳細はネタバレになるため伏せますが、唯一、主人公たちとは異なる正義として対立してくれそうなキャラでさえ、酷い扱い。 ■テンポの悪さ 発生頻度の高さから、特に気になるのは以下の三点。 ・戦闘終了時のリザルトにやたら時間がかかる ・次の日になる時のカレンダーの動きが無駄に凝っていて遅い ・ベッドに行って寝ることしかできないのに歩き回れる 特にきついのは三つ目です。 セーブするタイミングを与えている、と好意的に考えることもできるのですが、セーブをしたいタイミング(パレスへの侵入や、選択肢のあるサブストーリーを進める等)は限られていますし、寝るしかない状況でセーブする必要はありません。 「なにかできるのかな?」と思ってベッド以外のものを選択すると、相棒のモルガナから「もう寝ようぜ」と言われる。 数回くらいならまだしも、こんなことが3~40回くらいは発生するので、もの凄く無駄にテンポが悪いです。 他にも、特定のパレスのギミックを操作するたびにカットできない演出が差し込まれたりと、ボリュームがあるゲームなだけにもうちょっとサクサク進められないのかな……と感じます。
ペルソナは2~4プレイ済みです。ペルソナ派生の外伝作品はプレイしていません。 総合としては、ギリギリ良作なんじゃないかな、くらいの評価になります。 RPGでありながらストーリーの雑さが目立ち、ストーリーに引っ張られてキャラクターにも魅力を感じることができませんでした。 それ以外の部分については、随所で細かなテンポの悪さが積み重なってはいるのですが、それでも良作の範疇なんじゃないか、と思います。
GOOD!
■グラフィック
キャラクターはアニメ調だけど街並みはリアル(実在する街をほぼそのまま)という、ともするとチグハグな印象になってしまいやすい構成なのですが、本作ではうまくまとまっています。アニメっぽい見た目のキャラクターがリアルな街を動き回っているのに違和感がありません。
また、メニュー画面や戦闘中・戦闘終了時のリザルト画面などが、モノクロを基調に赤が差し込まれている感じで統一されており、非常にスタイリッシュな印象です。
一部の画面はかなりキツい配色ではありますが、見づらいというほどではなく、大胆なように思えてRPGの老舗メーカーらしい気配りのされたメニューだと思います。
■BGM
過去作(特に、類似点の多い『ペルソナ3』及び『ペルソナ4』)と比べると落ち着いた印象で、強烈に耳に残るというタイプではありません。が、主張しすぎていないというだけで、本作のやや暗い雰囲気にマッチした良曲が揃っています。
また、例外的に、オタカラを盗もうという時のBGMは、まさしく怪盗団といった趣きの爽快な曲で、ストーリーの盛り上がりと相まってプレイヤーのテンションを大きく盛り上げてくれます。
普段は雰囲気を崩さない落ち着いた曲で、ここぞという時はハデに盛り上げてくれる本作のBGMは、非常に優れていると思います。
■ボス戦のシステム
本作のボス戦では、戦闘が始まった直後のボスはなにかしら強みを持っていて、そのまま撃破することは難しくなっています。
ではどうするかというと、戦闘中に、そのボスの強みを奪ってしまおうという作戦です。
例えば、そのボスが執着しているオタカラを奪ってしまえば、大きなショックを受けて一時的に圧倒的な優勢に立つことができる……といった感じです。
怪盗団ですから、単純な力押しよりもそういった搦め手で攻めるというのは似合ってますし、面白いです。
ちょっと残念なところは、指示に従ってれば基本的に成功するので、特に考える必要がないことでしょうか。
戦略がどうのというわけではなく、あくまで怪盗団"らしさ"を出すためのシステムです。
BAD/REQUEST
■ストーリー
序盤からたびたび出てくる、『怪盗団は正義なのかどうか』という作品の根幹といってもいいはずの部分が、非常に薄っぺらいです。
特定の正解があるような話ではありませんが、本作では、あまりにも都合のいい敵、都合のいい展開で誤魔化しすぎています。
中盤までは悪くないのですが、それ以降は主人公たちを唯一の正義にしたいがための強引な展開で、そこまで積み上げてきたものをすべてぶち壊しにしています。
正義とはなんなのか考えさせられるような、中身のあるストーリーを期待していると落胆すると思います。
■敵役に魅力がない
ストーリーの項目で触れたのとまったく同じ理由で、薄っぺらいキャラクターが多いです。
特に顕著なのが敵役で、まったく魅力がありません。主人公たちが正義であるとアピールするためか、ただの自分勝手なクズとしか描かれておらず、捻りもなにもありません。
敵役に信念があってしまうと、主人公たちの行為が正当化できないのでまずいのでしょうが……詳細はネタバレになるため伏せますが、唯一、主人公たちとは異なる正義として対立してくれそうなキャラでさえ、酷い扱い。
■テンポの悪さ
発生頻度の高さから、特に気になるのは以下の三点。
・戦闘終了時のリザルトにやたら時間がかかる
・次の日になる時のカレンダーの動きが無駄に凝っていて遅い
・ベッドに行って寝ることしかできないのに歩き回れる
特にきついのは三つ目です。
セーブするタイミングを与えている、と好意的に考えることもできるのですが、セーブをしたいタイミング(パレスへの侵入や、選択肢のあるサブストーリーを進める等)は限られていますし、寝るしかない状況でセーブする必要はありません。
「なにかできるのかな?」と思ってベッド以外のものを選択すると、相棒のモルガナから「もう寝ようぜ」と言われる。
数回くらいならまだしも、こんなことが3~40回くらいは発生するので、もの凄く無駄にテンポが悪いです。
他にも、特定のパレスのギミックを操作するたびにカットできない演出が差し込まれたりと、ボリュームがあるゲームなだけにもうちょっとサクサク進められないのかな……と感じます。
COMMENT
ペルソナは2~4プレイ済みです。ペルソナ派生の外伝作品はプレイしていません。
総合としては、ギリギリ良作なんじゃないかな、くらいの評価になります。
RPGでありながらストーリーの雑さが目立ち、ストーリーに引っ張られてキャラクターにも魅力を感じることができませんでした。
それ以外の部分については、随所で細かなテンポの悪さが積み重なってはいるのですが、それでも良作の範疇なんじゃないか、と思います。