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【PS3】シャリーのアトリエ ~黄昏の海の錬金術士~

発売元 ガストオフィシャルサイト
発売日 2014-07-17
価格 7344円(税込)
レーティング 【B】12才以上対象 セクシャル (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:旧約錬金術RPG
■ プレイ人数:1人



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 2pt 4pt 2pt 2pt 2pt 2pt
総合点
46pt

GOOD!

「戦闘」
 今作では、チェイン、というPTメンバー全員による連携攻撃が非常に重要なファクターとなっている。
 というのも、これがなければ中盤から終盤の固い敵を倒すのにものすごい時間やアイテムが必要になるので、ほぼ必須の過程と言える。
 小さな連携を重ねて早くチェインを組み上げるか、それとも大きくチェインを高めうる範囲攻撃で一気に攻めるか、など、それなりに戦闘時の選択の幅ができていて、なかなか面白い戦闘になっている。
 ただ、「チェインありき」でしか戦闘が回しづらく、それ以外の戦闘手段だと、とたんにゴリ押し一択となるのがちょっとアレといえばアレ。


「日数制限がない」
 これはなかなか思い切った方針転換かもしれない。
 日数制限がないことで時間に追われることも当然なくなり、採取だろうが調合だろうが好きなだけできるようになっているので、のんびり寄り道することも気軽にできるようになった。
 ただ、メインシナリオ中に好きに採取などをやり過ぎるとやる気ゲージが下がって採取効率などがガタ落ちになってゲームテンポが下がるし、自由行動中に好きな行動をとっていると、そう間を置かずに次のシナリオに到達してしまう。(別に、すぐに次のシナリオに行く必要はないのだが、調合部屋に入るたびに次のシナリオに行きますか、とメッセージが出てくる)

 日数制限をなくすのが悪いというわけではないが、自由なプレイを結局阻害するなら、きちんとシステム側が日数管理を計算に入れた上で日数制限があったほうが良かったし、日数をなくしてしまうならおかしな縛りもなくしてしまうべきだったと思う。

BAD/REQUEST

「シナリオ」
 頑張ってはいたと思う。文章量、数、イベント発生のタイミングなど、それなりに考えられていたとは思う。
 が。シリーズ通しての主題である「黄昏」について、未解決どころか非接触なのはどういう事なのか。

 前作では黄昏色の空に終末らしい雰囲気だけは感じていたのだが、今回の舞台は超青空。こうなってくると黄昏ってなんぞ、と不思議に思う。謎の解明どころか黄昏という言葉の指す事態が、その世界観にあってはどういう現象を指すのか、という説明自体が存在しない。
 はっきり言ってしまうと、説明なしでは言葉通りの理解をしてしまうのが普通。黄昏=夕暮れ。その理解でいいなら説明なんぞ不要だが、そうじゃないならしっかり、はっきりと「これがこの世界における黄昏、という定義である」と説明しないと、まず世界観が不明瞭になる。
 どうして呼称が「終末」ではなく「黄昏」なのか? 見ればわかる作りではないのだから少なくともその情報は必要だったと思う。

 この他にも、黄昏シリーズで語られてきた様々な伏線すべてがほったらかし。
 答えをあえて出さないことで作品の深みを引き出す、という手法もあるにはあるが、それは今作のように、貼った伏線を回収せずにエンドマークをつける、というのとは違う。

 これまでのアトリエシリーズの大半は一作完結が前提で、世界観を同じくしていて、過去作のキャラが出演していても、その一作だけでお話自体は完結していた。だから、ある程度未完結の要素があってもさほど気にする必要もなかった。
 が、今回のシリーズは「黄昏」という主題が揺るがしがたく存在し、その前提のもとで話が進んでいっていたはず。なのにその主題が全く語られないまま「おしまい」では納得のしようもない。

 どう見てもストーリー上、重要イベントのはずのウィルベルイベントが結局エンドになんの関係もない。キャライベントがイマイチ中途半端。キャラエンディングが存在しなくなっている。と、総じて結論の部分が雑で未完成品っぽい。

 あと、特定のイベントで他のイベントとの間に不整合があったりする。

 結論としては「頑張ってはいるがそれだけ」としか言えない。


「システム」
 セーブできないとか、電源がきちんと切れないとか、最悪セーブデータやHDDに破損が発生するとか。
 軽微なところでは「行動指針を示すフレーバーテキストと実際要求される行動との間に齟齬がある」なんてバグもあった。(Aという地点で採取したいな、と一枚目に書いていて、作業現場が書かれた二枚目に指示されているのはB地点、なんてふうに)

 なんていうか、パッチ前提の作りに甘えるのはPCゲームだけでいいと思う。
 ド高い金を取る固定機でしか遊べないのに、PCよろしくネットワークからパッチを、なんて話になるなら、なんのための固定機なのか。


「グラフィック」
 シリーズ通して、ということになるが。前作から敵キャラとか使い回しが多すぎ。使い回しやモーション削減で作業工数を減らし、相対的に制作費を削っているのだろう。それ自体はシリーズなのだから別にいい、という側面もないではないが、そのためだけにシリーズという体裁にしてやしないか?
 シリーズにするなら、シリーズでしか語れない長大なシナリオや、キャラクタ同士の交流を描いてほしい。
 そうでなければ単に楽してるだけじゃね? と思えてしまう。

 あとこれはシステム周りの問題とも言えるが、今作ではカメラビューが上方からの見下ろし固定。階段などで上下移動を必要とする特定のマップでは敵の位置が掴みづらく、周囲の環境を捉えづらい。
 せっかくフリーカメラで周囲を見渡せる作りにしているのになんで見下ろし固定にしたのだろう……?


「調合」
 今作の調合は、上級の素材(特に自分が作った薬や宝石など)を調合素材にしようとすると、鬼のような高コストを要求されてしまう。そのため、作成にはスキルや調合手順の組み立てがいちいち必要で、回数をこなすのが極めて面倒。
 言い換えれば普通のものを作りたくてもスキルをいちいちセットする必要があったりする。

 何もしなくても標準的なものはできるが、スキルを使えば高品質な物を作れる、というバランスのほうが良かった。

 また、採取代行や作成代行、製作品の複製などの調合補助要素がなくなっているので、移動・採取・調合をかなり高頻度で行う必要があり、煩わしい。こういった作りにするなら、量産が必要ないバランスにするか、あるいは基礎生産品などを量産しやすいシステムを構築して欲しかった。

COMMENT

 意欲的に様々な要素を追加・変更しているのは好印象。おそらく、ユーザーの声を聞いてくれたのだろう、と思いたい。
 が、不整合やバグが量産されているのはいただけないし、シナリオの主題が蔑ろになっているのもダメ。
 
 現代に残された旧文明の施設、前作のストーリーボスその後、精霊と人間とのあいだにあった諍い、何よりも黄昏の真実。そういった明かされてしかるべきお話をすべて明かした完結編でも作ったほうがいいんじゃないだろうか、と思う。

 つまらないわけではないが魅力がない。面白くはあるのに引き込まれるものがない。

 黄昏や水涸れのように世界や土地全体規模の大きなストーリーを扱うなら、錬金術や調合よりもストーリーメインの制作にするべきだし、あくまでも錬金術や調合、といった「錬金術士にとって身近なもの」をメインに据えるなら、ストーリー自体は小さく、身近な目標としたほうが良かったように思う。「世界を救うのはもうやめた!」みたいに。

 総評としては「あっちこっちに手を伸ばしてみた結果、全てにおいて中途半端な印象」というところ。

   
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
kokoさん  [2014-09-11 掲載]

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総合ポイント
64
(難易度)
1.75
レビュー数
16
スコアチャート シャリーのアトリエ ~黄昏の海の錬金術士~レビューチャート


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60-69
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70-79
0%
80-89
0%
90-100
【60点以上】
56.3%
【標準偏差】
12.38