オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 2pt | 4pt |
83pt
GOOD!
◆万全のキャスティング、ゲームデザイン
主演は元SMAPの木村拓哉。
21世紀の大河ドラマ常連・谷原章介。
無名塾出身の個性派俳優・滝藤賢一。
バラエティから映画までこなす熟練俳優・中尾彬。
幅広いファン層を持つ電気グルーヴボーカル・ピエール瀧(ただし新装版には未出演)
龍が如くシリーズおなじみの東京神室町を舞台にしつつも、これまでのやくざ社会とは一線を画す
探偵と法曹の世界観を描いたリーガルサスペンスアクションというジャンルの開拓とキャスティングの
力の入れようには頭が下がる。主題歌を歌う[ALEXANDROS]のアルペジオもまた
従来の龍が如くのイメージから一新させることにも一役買っているだろう。
◆全く新しいゲームデザイン
先述したように本作はリーガルサスペンスアクションである。
探偵・弁護士の二足の草鞋を履く主人公の仕事は、猫の捜索や浮気調査、殺人事件の弁護まで幅広い。
ゲーム界隈でのマンネリ化が叫ばれるいわゆる「おつかいクエスト」をそれらにあたっての
必要な証拠・証言・証人集めとして見事に転嫁させているジャンルであると評価する。
◆ドラゴンエンジンを利用して「あの木村拓哉」を操作できる。
バトル・ゲームデザインはおおむねこれまでの龍が如くシリーズのそれと変わっていない。
しかしプレイヤーはあの木村拓哉演じる「八神隆之」となって龍が如く特有の豪快で大味なバトルに、
バカバカしくも面白おかしいサブストーリーに、プレイスポットに興じることが出来るのだから、
90年代から彼を知る年代のファン層としては彼になりきったような感情移入ができるだろう。
◆新作でも光る作曲陣の仕事
BGMの担当は龍が如くシリーズに引き続いて庄司英徳氏。
これまでの極道たちの命のやり取りを表現した切迫感ある曲と違い、
大都市を駆け巡る一人の探偵による街のケンカや黒幕たちとの対決を表現した垢ぬけた作曲は一言でかっこいい。
BAD/REQUEST
◆ストーリーの詰めが甘かったように感じる。
リーガルサスペンスアクションというだけあってストーリー内では証言集めや法廷でのやりとりの場面が
多く見られる。犯罪の証拠を集めて法廷で立証するというプロセスは素人なのでよく分からないが
終わってみればストーリーの大半はラストに対峙するラスボスの正体を掴み、阻止することに
重きが置かれているようであった。そのためストーリーの発端と中盤に発生する、とある事件の
冤罪を証明する法廷での場面においてはその掘り下げが弱かったように思える。
◆いまいち盛り上がらないクライマックス
この開発陣のこだわり?としてラストは夜の高層ビルの屋上、ないしはそれっぽい場所でのバトルというのが
定番のプロットなのだが今作はそうではなかった。歴代作品のプレイヤーとしてはちょっと物足りなかった。
◆難易度が高い
当方ハードモードでのクリアにあたり、気になった点がバトルシーンでの難易度の高さである。
ハードなのだから難しくて当然なのかもしれないが、龍が如くシリーズの問題点として
多数の敵と遭遇すると否応なしにタコ殴りに遭う点が挙げられる。
今作は一度の通常戦闘に3~6人程度(もっといるかな?)の敵と遭遇するが、敵の攻撃が激しいと
対面している敵の対応をする間もなく背後からでもお構いなしに攻撃を加えてくる。
その結果、開始時体力バーが満タンでも戦闘が終わるころには半分ないしは瀕死、回復アイテムをガバガバ使って
ようやく切り抜けられた、という人も多いのではなかろうか。
◆今作一番の困ったちゃん「致命傷」システム
「致命傷」は敵の銃撃や特殊な攻撃方法を持つボスキャラの攻撃を受けると発生し、体力バーが減少する。
減少した部分の体力は回復アイテムや食事では回復せず、神室町の端っこにある闇医者の治療を受けるか、
彼が販売するアイテムを使用しないと治癒できない。このときの料金が2~12万円とやや高額であるため、
歯ごたえのある戦闘が味わいたいと思っても、致命傷のせいで思い切った戦闘が楽しめなかった。
◆プレイスポットをサブストーリーに組み込むのはやめてほしい
とあるサブストーリーには一部マージャンやポーカーなどのプレイスポットを行うものが存在する。
テーブルゲームが苦手な自分にとってルールの知らないこれらのギャンブルは大きな障害であった。
COMMENT
難易度:ハードモード
サブストーリー:すべてクリア済み
クリア時間:50時間程度
総評としてはリーガル要素薄めの「サスペンスアクション」であった。
長年とりあえず殴って進展、解決というキャラを描いてきたのでその辺を突き詰めることが難しかったであろうことは
作中の八神隆之の無茶な調査手法の端々にも現れていた。だがそんな一見、荒唐無稽でむさいところも
龍が如くスタジオの魅力であり、男が真似したくなる男、木村拓哉だからこそいい感じにさっぱりと見せてくれた印象がある。
ゲームとしての難易度は総じて高いものの、それもこれも主人公が探偵事務所という一個人事業主であることを勘案すれば
銃撃されてもピンピンしている極道の元組長の人外っぷりに慣れさせられていたことを実感するゲームとなった。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 4pt | 4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 2pt |
93pt
GOOD!
=ストーリー=
殺人鬼を無罪にした八神、目を抉る猟奇殺人鬼、東西ヤクザの抗争…
新しい事件が起こり、裏を探る度に全ての事柄が真相に繋がるのが自分でも判るだけに止め時が見つからないストーリー
一章ごとの引きが上手く、殆どのサブクエストは無視しても問題なく進められるので熱中度に加点
収拾つくのか終盤でも不安だったが不快感なく綺麗に纏めたので満足感も高評価になってます
しっかりとした本筋があるからこそ探偵業パートが日常回として映えて、一つのドラマ作品の様な厚み
サイドケースやフレンドと呼ばれるサブクエストも充実しており、拠点で受注する真っ当な依頼もあれば街中で突発的に巻き込まれるアクシデントまで幅広く用意されている
一つ一つは小話程度だが解決した事件の依頼主が彼女になったり、仲良くなった住人が事件解決の手助けをしてくれたりといった繋がりが案外多いので後半になってくると街全体と信頼関係を気付いたかのような体験が出来る
フレンドが町人Aのような仮称ではなく全員フルネームが設定されている拘りも好印象
=キャラクター=
木村拓哉を始め、実在の俳優をキーパーソンとしてキャスティング
“声優”ではなく"俳優"としてゲーム内に落とし込まれている上に実力派ばかりなので"キャラクター"としても抜群の存在感、映画で見る豪華声優(笑)のようなガッカリ感は微塵も無い
木村拓哉が演じる探偵・八神隆之のキャラ立ちも絶妙で、一時の感情でヘマを犯すほど若くなく、かと言って不条理に屈するほど聞き分けが良い訳でもなく、実際にそれを跳ね除ける実力があるイケメンなのに嫌味が無いという驚異のアラフォー
おっパブに通って泥酔した帰りにチンピラに喧嘩売って自転車で殴り倒すキムタクとか中々見られないんじゃないでしょうか
これをやっても愛嬌すら感じてしまうのがキムタクの凄いところ
=街の作り込み=
裏道や複雑なビル内部など普通なら入れなそうなとこまで作り込まれてる
公園の工事現場から壁を乗り越えてヤニ休憩取ってる従業員を横目に裏口から喫茶店に入る流れがシームレスに行える
ビル一つとっても屋外用コンセントがあったり、警備室に防災発報装置が備え付けてあったり、そんなとこまで拘るのかと感心した
移動手段はファストトラベルのタクシーがあるものの基本は徒歩
最初は少し億劫に感じたが、道中に細かくサブイベントを配置してあるので苦にならない
サブイベントは基本的に幾つ並行して受注しても問題なく時限要素も無い為、安請け合いしても大丈夫なのも助かる
依頼などで街を巡る内に自然と土地勘がつき、変な名前で気になってた風俗店が後々になってイベントの舞台になったり、親しくなった人が街中で挨拶してくれたり、広いオープンワールドを乗り物や特殊能力を使って駆け巡るのに疲れた身には心地良い作り
舞台が一つの街だけだからこそ馴染み易く、没入感を高めてくれたように思います
>プレイスポット
街に散在するミニゲームが異様に豊富
ポーカーやバッティングセンター、麻雀に将棋など実在の遊戯から、自分でカスタマイズしたドローンを使ったドローンレース「Dリーグ」
同社作品から「バーチャファイター」「ぷよぷよ」、往年の名作「スペースハリヤー」などもゲーセンで遊べるのには驚いた
ある程度やり込むとスキルポイント貰えるのも嬉しい、ただ…
=他の主要要素=
>探偵要素
ドローンを使って猫を探したり、尾行した上で浮気の証拠写真を撮るまでを実際にプレイ
ピッキングやサムターン回しまで実際にやらされるのは驚いた
単なる設定の一つではなく、ゲーム的にもちゃんと作り込まれている
単調になりがちな尾行がショートカットの紹介を兼ねていたり一工夫の配慮が感じられるのも〇
>戦闘
スタイリッシュなカンフーと泥臭い喧嘩殺法を混ぜた流派
集団戦に強い「円舞」とタイマンに強く派生技も多い「一閃」の2スタイルをスイッチして戦う
これに加えてカラーコーンや看板など、そこかしこのオブジェクトを武器として使う事も出来る
ゲージ消費で出せるEXアクションは荒々しくも格好よくて無駄に使いたくなるし、「相手に走っていき馬飛びがてらにDDT」みたいな体術から「押し入ったコンビニの電子レンジに敵を突っ込み店員にチンさせる」ネタ技まで豊富に用意されていて探すのも楽しい
戦闘自体は大味だけど程好い暴力性とガラスぶち破って店内で乱闘出来る自由さで楽しめるものになってる印象
=その他
・音楽が4点なのは主題歌やチェイスのBGMが耳に残ったのとミニゲーム含めてSEが豊富だから。
・選択肢を選ぶ際に一度スティック入力が要るので誤爆が減る
・金稼ぎの明確な方法が用意されている
・一部のミニゲームはイカサマ用のアイテムが割高だが用意されている
・有料DLCがやたら出てるが本編に必要なものが無い
「事務所に猫が置ける」とか「どうしても戦闘勝てない人の為のチート技」みたいな本当に欲しい人だけどうぞといったものだけ
・アプデで細かい改良がきた
バグFIXは勿論だが「助っ人がいる状態で戦闘が終わると一々ウィンドウ表示が出てテンポが崩れる」という不満点があったが最新のアップデートで改良された
余程要望が届いたのかもしれないが販売後に細かい改善を加えてくれるのはありがたい
BAD/REQUEST
・致命傷
ボス格の特別な攻撃や銃撃を食らうと最大体力が減らされるシステム
基本的に自然治癒はせず、治療手段を得る場所が一ヵ所しか無く不便
終盤から定期的に湧く一部ボス格と雑魚も致命傷攻撃を持つ為、事故った時の対処が面倒
・変装が一部イベントでしか使えず勿体無い
PVでも紹介されてたけど実際は特定のイベントで必要になった時のみ選択出来るだけで普段は着替える事が出来ない
スーツ姿も決まっているしクリア後でも良かったから開放してほしかった
=トロコンが難しい=
先ず書いておきますが普通にプレイする上では全く問題ないので、この項目は減点対象にしてません
プラチナトロフィーを取るにはゲーム内トロフィーを100%にする必要があり、これがGOODのプレイスポットで言葉を濁した理由です
これにはプレイスポットも含まれており、レースや格ゲー、麻雀に将棋など多岐に渡る内容なので地力と根気が試される
凝り性というか義務感でトロコン狙ってしまう人には辛いかも
麻雀や将棋は下手なりに覚えて最悪イカサマアイテムに頼るのも有りですが鬼門なのが「ぷよぷよ」と「ドローンレース」の二つで”ミニゲーム”の枠をちょっと超えてる
もしトロコン前提で評価するなら熱中度と満足度は2、難易度は4
・ぷよぷよ
チャレンジに直接書いては無いが実際は30連勝近く必要
軽く遊んだ事がある程度だと歯が立たず、20連勝も大分つらい
個人的には格ゲーのオンライン連勝トロフィーと同じくらいのしんどさ
・ドローンレース(Dリーグ)
最初の内は徐々に解放されるパーツや賭場で手に入れた強力なパーツで順調に勝ち進めるんですが最後のグランプリで相手選手のスピードが突然跳ね上がる
よしんばグランプリを全て制覇しても優勝したタイムじゃ全く及ばないようなタイムアタックが全コース用意してある
グリップやターボの他に耐久力(HP)があり、0になると脱落扱いになるがタイム更新の為には耐久を捨てて速度全振りにせざるを得ないので狭いビルを蚊トンボで全速力で駆け抜けるような心を削るレースになってしまう
COMMENT
「龍が如く」シリーズは未プレイ、体験版やプレイ動画を見て面白そうなので購入
龍が如くは初代から気になってたものの、キャバクラなど興味の無い要素が見えてたので避けてましたが顔をキムタクに変えての新作という事で手を出してみたら真っ当に面白くて驚きました
何したらいいか判らないくらいの広大なエリアに放り出されるのに疲れ、そこそこの広さの島を特殊能力で暴れ回るのは楽しいけど建物がただのオブジェクトに過ぎず生活感が無いのが寂しいと思ってたので今作がとても刺さる
箱庭ゲーというよりオープンワールドと呼ばれる事が増えた昨今、日本だとこういう方向の「街ゲー」に行き着くんだなという良い経験が出来ましたのでオリジナリティが5点になってます
特に意味の無い作り込みや多種多様なイベントの積み重ねなど、RPGで無駄に探索した民家で何気ない発見をしたような遊び心を思い出す、どこか懐かしさも感じるゲーム
1章丸々プレイ出来て引継ぎも出来る体験版が出てるので何か少しでも興味が惹かれたならプレイしても損は無いかなと
ただ、どうしてもトロコンが気になる人だけは覚悟した方がいいかも…
余談ですが芸能には疎くても戦えば「キムタクかっこいいな…」となり、レースで優勝してはしゃいでは「キムタクかわいいな…」と何やってもサマになる辺り、本物はゲームになっても輝くんだなと。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 2pt |
96pt
GOOD!
■キムタクがキムタクしてる
細かな動作や癖もキムタク!って感じで、オリジナルキャラではなくキムタクがそこにいるように楽しめる
■メインストーリーがフルボイス
たったそれだけの事だけど、音声があると臨場感が増します
■素晴らしいシナリオ
ドラマや映画だとチープな内容になってしまった可能性が高いが、ゲームという世界においては素晴らしい内容だと思う
「こんなこと無いだろ」ってのが「ゲームなので許せる」
■サブクエ含め、豊富な遊び要素
サブクエも50種類?
ミニゲームに至っては数えきれない(バーチャファイターやぷよぷよまで遊べる)
まさに「ゲームアーカーブ」状態
クリア後も、それだけでしばらく遊べそう
BAD/REQUEST
■街中で絡まれる頻度が高い
ストーリー中にヤクザと抗争しているタイミングでこちらが見つかってしまい戦闘になるのは理解できるが、
街中のチンピラの出現頻度が高く、戦っても得られる経験値等が少ないため中盤からは無視していた
出現頻度を減らせるサブイベントでもあれば良かったと思う
■経験値で売買するアイテムが高価すぎる
経験値を稼ぐ方法が少なく、能力値(スキル)を上げる他に特殊アイテム購入にも使えるが必要な経験値が高いため買うまで苦労する
COMMENT
ラスボス戦の盛り上がりがイマイチだったかな?というのがある以外、すべての面において素晴らしい作品だと思いました
最初から最後まで丁寧に作られており、序盤は楽しいけど中盤以降は惰性で遊ぶことがなかったです
トロフィーコンプがやること多くて面倒ですが、攻略情報と合わせれば楽に取れると思います
繰り返し何度もプレイするゲームではありませんが、1度だけのプレイでも十分な満足感を得られる名作だと思います
次回作というのも難しい気もしますが、是非とも続編に期待したいです
GOOD!
龍が如くスタジオの最新作です。龍が如く6の出来がアレすぎたので極2は余裕でスルーだったのですが、体験版をプレイしたら楽しかったので購入しました。
〇キムタクを始めとしたキャスティング
まずはやはりここに触れなければならないでしょう。
本作の主人公であるキムタク演じる八神探偵は元弁護士で頭も切れる、喧嘩も強いし度胸もある、しかも男前という超ハイスペック。特に喧嘩は桐生ちゃんのように完全に人間離れした強さです。しかしまぁ、キムタクなんだし、それくらい当然だよなぁ?と、「主役がキムタクである」というだけで納得してしまえるだけの強烈な説得力があります。DLCを導入するとバトル中に気弾を撃ったりパワーゲ〇ザーを出したり更に人間離れしてしまいますが、キムタクならカメ〇メ波くらい出せてもおかしくないので問題なし(?)。
また悪役のピエール瀧さんが非常に良い。凶悪で強力、恐ろしくて憎たらしい奴なんだけどどこか憎み切れないところがある……みたいなキャラを演じますが、本当にいい味を出しています。ピエール瀧さんだけでなく本作の俳優さんは全員素晴らしいです。
ちなみに本職の声優でないかたが声を演じると、特に戦闘中の掛け声とかが微妙になることが多いですが(例:大誤算)、本作ではそれも全く問題ありません。
〇バトル
桐生ちゃんは腕力に物を言わせたパワースタイルでしたが、本作の八神はカンフーを基本にしたアクションスタイルとなります。壁を蹴っての三角飛びや相手を飛び越えて背後に回るなど、桐生ちゃんで実現するのは難しかったであろう軽快なアクションも多数搭載されています。個人的には「発勁」が気に入りました。威力も高いし命中時のエフェクトが気持ちいい。ヒートアクションにあたるEXアクションも、一部過去作からの使いまわしはありますがそれも微々たるもので、どれも派手で良いです。
そんな主人公の高いポテンシャルに合わせて本作は敵もやや強めです。雑魚敵が攻撃を食らいながら反撃してこちらのコンボに割り込んでくるのは当たり前。序盤は精々金属バットや鉄パイプくらいだったのが、終盤では当然のように日本刀や銃で武装して襲いかかってきます。それに対して我らが八神は基本素手(または自転車、看板など)で戦います。武器の携帯はできませんし、バットなどはともかく敵の落とした刃物や銃は拾えません。さすがにキムタクが刺したり撃ったりするのはまずいという判断でしょうか。その割にはビルの屋上から投げ落とすEXアクションがありますが……。ま、まあ、技の説明にも「死んでない」って書かれてるし、セーフです、セーフ(錯乱)。
またデモ中でもカンフーアクションを色々とやってくれて、そこも面白かったです。
〇サイドケース等
メインストーリーは大真面目ですが、ケツに針を刺されて「ふぬーっ!」とか言ったり、裸の大男を追いかけて街中を走り回ったりと、サイドケースは大分ギャグに振りきってます。キムタクもよくここまでOKしたなと思うくらい。さすが被り物をしてコントをやったりしてただけのことはあります。桐生ちゃんはとにかくぶっ飛ばして解決、終わり!って感じのが多かった印象ですが、本作では依頼の解決方法のバリエーションが豊かでそこも良かったと思います。
〇フレンド
仲良くなった住人と街中ですれ違うと挨拶してくれます。その際に立ち止まるとこちらも軽く手を挙げて挨拶できます。欲を言えば「よう」とか「こんちわ」とかの一言でいいので何か喋ってほしかったですが、「街に根差した探偵」というのを表現するのに一役買ってると思います。
BAD/REQUEST
〇偏りすぎな探偵アクション
変装、潜入、尾行などの探偵アクションが楽しめますという謳い文句ですが、変装や潜入は数えるほどしかありません。その代わりに尾行がとにかく多い。そしてこの尾行があんまり楽しくありません。単調で微妙です。
〇部屋の模様替え等
クローゼットの上などにUFOキャッチャーで取ったぬいぐるみや質屋で買ったアイテムを配置して模様替えができる……のですが、自由度があまり高くないです。ていうか入り口近くはともかく、クローゼットの上は高すぎて配置したアイテムもあんまり見えません。模様替えができること自体は決して悪いことではないので、もうちょっと練り込んでほしかったです。
〇ガールフレンド
依頼の中で知り合った女性と恋仲になることができますが、どこぞの屋根ゴミほどではないにしても四股ができてしまいます。四股かけるかどうかはプレイヤー次第なのでそれは別にいいんですが(良くない)、問題はそうして彼女になった後です。こっちから連絡して一緒にプレイスポットで遊べるだけで、他に何もありません。こちらからしない限り向こうからは一切連絡してくれません。本当に付き合ってるの? ……ビルの管理人さんから探偵事務所の冷蔵庫に料理の差し入れを貰えるという要素があるんですが、それをガールフレンドからってことにすれば良かったのではないかと思います。正直、こんな仕様ならこのガールフレンドの要素はいらなかったです。
〇トロフィーコンプを阻む敵
過去作でもありましたが本作でもあります。「ぷよぷよでライバルを全員撃破する」。本っっっ当に腹が立つ。本編中の要素やミニゲームでならまだしも、ミニゲームですらない「別ゲーム」でどうして本作のトロコンを阻まれなければならないのか。ならばせめてもっと条件を緩めてほしい。ていうかせめてコンティニューさせてくれ。私は幸い突破できましたが、このぷよぷよのせいでトロコンを諦めてしまった人も中にはいるでしょう。
もうぷよぷよは二度とやりたくないです。ていうかスペースハリアーとかファンタジーゾーンとか、過去作で収録したことがあるゲームはもう全部いらない。
〇QTE
チェイスと一部のボス戦にしかなく、また入力の猶予もかなりあって簡単なのですが、そもそもいらないです。
〇ストーリー
BADに書くほど悪いというわけでもないんですが、GOODに書いた要素と比べると見劣りするレベルなのでこちらに。
殺人事件の調査から始まり、次第に過去の事件まで含めた大きな事件に発展していく……という内容ですが、次から次へと事件が起きて先の展開がとても気になります。ですが強引な展開や無理矢理に感じる部分があったり、実際の死因と検死結果に齟齬があったりと、ミステリーやサスペンスとして考えるとかなりお粗末なところがあるのが残念です。といってもいつもの如くシリーズからすればかなりマシな部類に入るので、あくまでもサスペンス「風」のストーリーとして楽しむ分には問題ないかと思います。
それと別に本作だけの問題ではないのですが、発売前に公開されたPVで終盤はおろかエンディングの場面まで流してしまっているのはどうかと思います。実際にその場面まで辿り着かなければそれがエンディングの場面だとはわからないから問題ないという意見もあるでしょうが、実際私は初見プレイで「そういえばPVのあれとあれの場面を見てないな、多分あれがエンディングだから、ここから先はこんな流れになるんだろうな」と予測できてしまっていました。またPV中に、黒のレインコートの人物が殴られて呻き声を出す場面があります。この人物の正体がストーリーにおいて非常に重要で、私はわからなかったですが、耳の良い人ならその声だけで正体が予想できてしまっていたのでは? これがストーリーなんかどうでもいいアクションゲームなら別に構わないのかもしれませんが、一応サスペンスを名乗るならもっと気を遣ってPVを作成するべきではないかと思いました。
〇「こりゃうまい」
料理を食べたときのボイスですが、全然うまそうに聞こえないというかむしろまずそう。唯一、ここだけは録りなおしてほしかったです。
COMMENT
〇味方
戦闘中にサイドケース等で仲間になったキャラがランダムで加勢に来てくれるという要素がありますが、そいつが戦闘終了後に毎回同じ台詞を言ってから立ち去ります。結構な頻度で加勢に来てくれるのですが、そのたびに戦闘後に5秒ほど余計に待たされることになるので、これが結構ウザいです。……が、アップデートで改善されました。これからプレイする予定の人はアップデート推奨です。
全部入りのDLC購入済み。サイドケースも全てクリアして約80時間かかりました。不満もありますがそれを差し引いても満足できる出来でした。
クリアするだけなら簡単ですが、トロコンを目指すとなると難所がいくつかあるので(個人的にはドローンレースのタイムアタックとぷよぷよの二つが壁)、それなりに時間をかける必要があると思います。逆に言えば数少ない難所さえ乗り切れればあとは時間をかけるだけでトロコン可能だと思います。
ストーリー等を追加するDLCは難しいそうなので、それならば是非ともジャッジアイズ2を制作してほしいです。そう思える良作でした。