【PS4】人喰いの大鷲トリコ レビュー
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-12-06 |
価格 | 7452円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクション・アドベンチャー ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 60
- (難易度)
- 2.10
- レビュー数
- 10
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 3pt | 4pt | 4pt | 2pt | 1pt |
69pt
GOOD!
※ICO・ワンダはPS3版が初見、トロフィーコンプリート済
※その他のパズルアクション等はPS3で風の旅ビト,rain,Cave
PS4/SteamでLIMBO,INSIDE,Swapper,Portal,Portal2,Witnessなどをプレイ済
■ストーリー・ゲーム内容的に全年齢向け
パズルアクションの操作性や年齢レーティングは、AADV・ARPG・FPS・TPSなどに比べるとハードルが低く、人にも薦められる作品が多いですが、PS4世代になってラインナップがちょっと減ってしまった感がありました。俺が知ってる中でお勧めとなると、どうしても暗くて重いものが多かったり、あとはちょっと高価な PS Now で PS3時代のを、というところ。
そこに、ようやくいい具合の作品が現れたと思います。
メジャーどころで言うとジブリのような、「キャラは可愛らしいが世界はちょっと禍々しい」という、ライトだが決して子供向け一辺倒ではない、という世界観です。過去2作にはまったファンならやってみて損はない内容ですし、全3作触れたことの無い方にどれかまず一つ、となると、ワンダは尖りすぎ重過ぎ、ICOは短過ぎ、という面があるので、この作品が一番いいかも知れません。
パズルとしての難易度は並です。ちょいちょい悩みましたが「良く似た別の操作をしないと思ったとおりに行かない」とか「カメラが遠くに引きすぎてよく見えない」など、ゲームからの説明やアシストが足らないのが原因だっただけで、「こんなん解けるか!」と思ったことは1度もありませんでした。観察と理屈できちんと解けます。
また、時間制限があったりせわしない場面もありますが、タイミングやスティックの向きにそれほど正確さを求められることも無いので、これも難しくはありません。
■トリコが可愛い
遠くのものを見つめたり、警戒したり、可動するものに興味を示したり、主人公に不意にちょっかいかけたり。
何かに飛び乗ったあと後ろ足が「ズリッ」となる危ない場面が、演出上予定調和として起こるのだとは分かっていても、モーションのリアルさでそれをつい忘れてしまいます。
ストーリー上重要なある場面では、演出も盛り上がってきたので「さあ頑張ろう!」と背中を撫でてたら、トリコがリラックスして演出がキャンセルされてしまいました。並の作品なら冷めてしまって「何じゃそら!」となるところですが、この作品ではただただニヤケてしまいました。
■自分の庭にしたくなる迷宮
ストーリーとステージ進行はADV形式で、ICOと同じです。しかし、見覚えのあるところが途中でチラッと見えたり、以前居た場所に舞い戻ってきたり、というのが再々あり、そのあたりがICOより顕著です。
存在意義のよく分からなかったギミックの正体をあとから知って、ああ、戻ってどうにかしたい! と強く思いましたし、クリア後トロフィー一覧を見て、かなりデカイ得物を2つばかり見落としていたことも知りました。2周目をすぐしたくなるような要素が多いです。
■操作性以外の快適性
操作性はBADに挙げたように悪いところが多いですが、ゲーム開始時もゲームオーバー時もロード時間が短く、リスポンポイントも細かめに設定されているなど、快適な要素もあります。謎解き自体に、あまり大仰に手順を踏むものがないというのも一因でしょう。操作しにくくて死んだりバグったり、のあとのやりなおしが、さほど苦になりませんでした。
BAD/REQUEST
■カメラが劣悪
特に、上下がとても見づらいです。旋回速度が左右に比べて異様に遅いし、勝手に補正されてしまいます。左右は、回転後惰性で余計に回ります。「上下カメラの旋回速度」「演出時以外はカメラ補正しない」という二つのオプションがあれば劇的に変わると思うのですがね。カメラを動かす積極的な理由が無い場合は、カメラを動かすことを完全に放棄することをお勧めします。そうすることで、ストレスは大分軽減されます。探索時など、カメラを動かさなければならない場面では、成す術無いです。観念してください。
たぶん開発者達は、自分達では初見の「見回しての探索」「景色の鑑賞」をもはややらなくなったから、このカメラ仕様がどれだけ障害になるのか、ちっとも気づかなかったんではないでしょうかねぇ・・・。
■「光を当てる」操作が左スティック。しかもカメラの反転オプションは一切無視
64やゲームキューブのゼルダを思い出しました。この操作、今更古いと思うんだよなあ。この操作が必須な場面は、我慢できる程度の回数だけしか出てこないんだけど、多分、必須でない場面でもこれを活用できたと思うんです。でも何か億劫で使わないでしまった・・・。
■グラフィックを見ていられない
景色を眺めるときもカメラ操作がストレスなので、毎回「んぐーーんんぁあ、また今度!」で終わっちゃう。なので、グラフィックの美しさはたいした印象がありません。絶対「悪くはない」んですけど、良いという評価もできない。だってろくに見れないんだもん。
トリコの巨体が「どかーん」「どどーん」と遺跡を崩すようなシーンも、音と前後の文脈があるので迫力は伝わりますが、「絵作りの素晴らしさ」ということに評価点を絞ると、イマイチ。カメラ補正に任せていても大事な部分が画面から切れてしまうし、と言って初見なので、どう操作すればベストに楽しめるか知るわけないし。
■トリコの上での操作がぐちゃぐちゃ
△でジャンプして飛びついた後、背中に移動するなどしたあと、トリコの体からどこかに飛びつくとき△を押しても、「トリコの体からトリコの体に」飛びついてしまう。降りるときも、梯子を降りるときのように×で降りれるんですが、「トリコの体からトリコの体に」降りて、いつまでもへばりつく。×長押しだと多少スムーズに落ちれるんですが、ほんのわずかな高さでもずてんと転んでしまうので、降りた後がスムーズではない。すすすと滑り降りるとか、△をちょんと押して小ジャンプ+綺麗な着地とかできないかな・・・コツがあるのかも知れませんが・・・。
ワンダはR1でつかむ、R1押すのやめたら立つ、でしたが、トリコの主人公には「つかむ」も「立つ」も無いんです(何かの具合で立つけど、何かの具合でつかんじゃう)。これは多分 R1+記号ボタンに「トリコへの指示」を割り当てたからだと思うんですが、色々組み替えて、ワンダのR1だけはそのままでよかったんじゃないでしょうかね。
COMMENT
絶対に「いい」作品です。BADに挙げたように、開発者自らダメにしちゃってる部分があり、他のレビューも減点必至となると思いますが、こんなもの、大半はあっさり直せるはずです。なんだか雰囲気的にやらなそうではありますが、それでもアップデートしてくれることを期待します。カメラの挙動に囚われずに景色を楽しみたいもの。
オリジナリティ:4点。パズルアクションも「パートナーの居る作品」も他に幾らでもあるけど、トリコと遊べるのはトリコだけ! と言えるぐらい、トリコの存在感が大きいです。
グラフィックス:3点。じっくり見ることができなければ、どれだけ素晴らしくても無いのと同じ。
音楽:3点。普通です。
熱中度:4点。時間の制約がある中1週間ほどかけてやったのですが、そうでなければ1~2日で一気にやったと思います。
満足感:4点。ゲーム要素として「何が足りなかった」というのが思いつきません。この作品は、操作性以外はまったくもって完成・完結していると感じます。
快適さ:2点。カメラ。とにかくカメラ。探索ものでこれではだめですよ。
難易度:パズル難易度は簡単だし、操作がややこしいときは時間制限が無いときが多く、時間制限があるときは逆に単純操作が多いです。ワンダ、LIMBO、Portal2 のようなものを求めても、得られません。ICO、rain、INSIDE あたりを想定してください。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 3pt | 3pt | 4pt | 2pt | 2pt |
66pt
GOOD!
・トリコという実在する生き物
トリコは鷲にも犬にも色んな動物がモチーフとなった架空の動物であるが、
そこに、居た。
登れるし、触れるし、鳴く。
匂いまでもは感じないがまるで匂いまで感じられそうな実在感。
ゲームプレイ時から少年とトリコだけ存在する。
必要最低限なジェスチャーだけで塔を高く高く登ってゆく。
何故、そこに居るのか。何のために登るのか。
ゲームプレイ時にプレイヤーは全く知らされていない。
徐々に明らかになってゆくトリコのひみつ。
少年とトリコは互いを補い合い、大切なものを育んでゆく。
まるで映画の様な、いや、ゲームでしか味わえない興奮がそこにはありました。
BAD/REQUEST
・カメラワーク
せっかく良い雰囲気なのに、カメラワークが良くないので
長続き出来ませんでした。
トリコちゃんは可愛いのに勿体ないです。
まぁ、ちゃんと仕上げて世に出してくれたのはとても嬉しいことでしたが。
COMMENT
クリエイター上田文人氏の作品は独自性があり、前々から興味があった。
PS4で遂に発売されお祝いも兼ねて新品で購入。
氏の圧倒される世界観に私は途中でクリアを諦めたが
ハマる人にはハマるのだろうと思う。
これからのゲーム業界のためにもこういう唯一無二なクリエイターは
居ても良いと思う。ゲームでしか味わえない作品は、ゲームの価値になり得るのだから。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 2pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt | 2pt |
63pt
GOOD!
・ICO、ワンダに続く雰囲気ゲー
画面に余計な情報を出さないことで雰囲気や空気を味わえる。
大空に浮かぶ建造物の浮遊感がいい。
・トリコの動物らしさ
動物っぽい挙動がうまく表現されている。
BAD/REQUEST
・フレームレートがガクガク
PS4に最適化されていない感じ。
・ジャンプボタンが×じゃなく△
×じゃない理由がわからない。
・カメラが勝手に動く
どこから行けるんだろうってあたりを探していてもカメラが必ずトリコへ戻ってしまう。
・リトライの際の意味不明のボタン連打
演出なんだろうけど必要ない。
・トリコが指示通り動いてくれないことがある
正規の手順のルートじゃないと、いくらトリコに指示しても動いてくれない。
製作者の意図した手順じゃないと先に進めないので、やらされてる感がある。
・ラスト手前あたりのムービーでプレイヤーが疑問だった部分を一気に説明してしまう
少しずつ種明かししてほしかった。
・ギミックが少ない
鏡のギミックはおもしろいと思ったけど、なぜか途中から使用不能になったのが残念。
COMMENT
グラフィックはPS4レベルではなく、PS3なら「すばらしいレベル」だった。
もともとはPS3で発売される予定だったのでPS3でプレイしたかった。
ストーリーやグラフィックや操作性が足を引っ張って
ICOやワンダを超えられなかったという残念さが残る。
発売は延期するべきではなかった。
延期すればするほどハードルが上がるだけなので。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-07-09
しかしこんな私でもクリア出来たのは全てトリコが一緒にいてくれたからです。
トリコのためなら頑張れました。
トリコも感謝しきれない程たくさん救ってくれました。
色々な攻略サイトでここでこう指示を出すと載っているところでも、私のトリコは指示なしでも不思議と自分からそう動いてくれたり、まさに自分だけのトリコでした。
とても愛おしく何度もしばらく撫でていたりしました。
皆さんも皆さんだけのトリコと冒険出来ると思います。
エンディング後はしばらく涙が止まりませんでした。
プレイしていたのは5日程でしたが本当に濃い5日間で、終えてしまうと現実世界の自分の近くにトリコがいないことに心にポッカリ穴があいた様なトリコロスの感覚に陥りました。
ファミコン時代から今までかなりの量のゲームをこなして来ましたが、ここまで強く深く心に染み入るゲームはそうありません。
ぜひ自分だけのトリコを体験してください。
GOOD!
【トリコのリアリティ】
今作の要となる「トリコに魅力を感じられるかどうか」においては、しっかり成功していると言えます。
過度に可愛い表現をしていない事がリアルさを生み、逆に可愛いと思えるように作られています。
コリジョンの処理にも気を使っていて、耳や尻尾がマップにめり込むような事もなく、本当に生きたトリコが画面の中にいるような感覚でプレイできます。
【前2作を超える上質なストーリー】
ICO、ワンダでも言語表現を削りに削ったシンプルながらも心に響くストーリーが特徴でしたが、今作でも健在。
見せ方の面では前2作を上回っており、それでいて抑えも効いているので自然に感動できる点も〇。
【全ての場面が絵になるグラフィック】
グラフィックの精緻さでは昨今のAAAタイトルには及びませんが、建築物のデザインや陰影の使い方でそれらにも負けない印象的な画面作りがされています。
特に夕焼けの描写が素晴らしく、スクショを何枚も撮りたくなりました。
BAD/REQUEST
【カメラの挙動】
カメラの操作性は悪いです。反応が鈍く、最近のゲームに慣れているとストレスを感じる事も多々ありました。
狭い場所が多い+巨体のトリコが常に側にある、という要素のせいもあり、カメラが自動で接近し過ぎて何が何だかわからなくなることがしょっちゅう。
【トリコへの指示が伝わらない】
ゲームの大部分はトリコと少年の共同作業ですが、トリコへの指示がなかなか伝わらず、攻略がわかってもそのせいで進めない時間がかなりあります。
コツを掴めば割と素直に指示を聞いてくれますが、ゲーム内での指示の出し方のTIPSが抽象的なので終盤でようやくなんとなくコツを掴める程度。
トリコとの連携のコツをプレイヤーが少しずつ理解していくのもゲームデザインのうちかもしれませんが、もう少し親切でもよかった気がします。【パズルが単調】
基本的にはパズルを解いて先に進む、ICOと同じタイプのゲームですが、パズル部分はかなり単調です。
ギミックを解くよりも「どこから先に進めるのか」のルート探しがメインで、少年を操作する場面なのかトリコを操作する場面なのかゲーム上の情報で判別しにくく、総当りでやることになるため、先に進んでもスッキリできません。
ギミック部分もかなり易しいため、解けた時の達成感はほぼ皆無でした。
COMMENT
総評としては、ICOワンダよりさらに尖っていますが、前2作にハマった人なら満足できる出来です。
逆にそれらが合わなかった人にはおすすめできません。
気になる点は少なくなかったものの、世界観とストーリーがとにかく秀逸なので、エンディングを見た後は「何だかんだでいいゲームだった」と思える作品です。