【PS3】FINAL FANTASY XIII(ファイナルファンタジー13) レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-12-17 |
価格 | 9240円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ロールプレイングゲーム 【廉価版】 ■ 発売日:2011/07/21 ■ 価格:3,990円 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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3pt | 5pt | 4pt | 2pt | 2pt | 3pt | 3pt |
54pt
GOOD!
【グラフィックス】
キャラクター・背景・演出どれを取っても最高の品質です。
PCゲームを含めてもこの品質でグリグリと動かせるゲームはなかなか無いのではないでしょうか。
ムービーシーンと通常時の差も「あれ?これムービーじゃないんだ?」と見間違うほど
自然に切り替えられていたり、製作者側の努力を感じます。
【サウンド】
良くも悪くも、今までのFFシリーズには無いサウンドでした。
戦闘終了後のファンファーレが無くなってしまったのは少し寂しい気もしましたが
MAP上で流れてくる音楽は状況や背景にとても合っているように思えました。
【戦闘システム】
戦闘面ではFF12の難解なガンビットシステムを洗練した感じでしょうか?
敵に合わせてその都度ジョブ(ロール)を切り替えて戦うのは
シンプルながらも戦略性があり、それでいて爽快感も得られて良かったです。
そして中盤〜終盤になってくると通常戦闘ですら敵が強いです。
ただ○ボタンを押してるだけでは文字通り歯が立ちません。
作業的な戦闘は皆無で、常に緊張感を持って戦闘できるのは好感をもてました。
戦闘では逃げる事は出来ませんが、戦闘直前まですぐに戻れるリスタート機能があるので
難敵に出会ってしまってゲームオーバー→セーブポイントという事がありません。
何度でも戦略を練り直して再挑戦できます。これは親切な機能でしたね。
【快適さ】
MAPが切り替わる度にあると言っても言い過ぎではない位セーブポイントがあります。
ゲームに余り時間を掛けられない社会人でも安心してプレイできますね。
そして何よりロードの早さ、これにはビックリしました。
HDDへのインストールができないとの事だったので不安だったのですが
セーブデータを読み込んだ後は殆どロード時間を感じさせません。
BAD/REQUEST
【MAP】
多くの方も同様の指摘をしておられますが、序盤〜終盤の直前位までの間
ストーリーも一本道ですが、MAPも文字通り一本道です。
道なりに進む→戦闘→ムービー→道なりに進む→戦闘→ムービー・・・
これが通常プレイで20時間程続きます。
買い物は全てセーブポイントで行うシステムなので、RPGではよくある
街での散策や買い物といった要素は全く無く、ただひたすらに一本道を走ります。
終盤直前でようやく大きなMAPに辿り着けますが、ダンジョン的なものに入ると
またやっぱり一本道です。途中何度か分かれ道らしきものがありますが
それを含めてもこれはちょっと酷いなと思いました。
【ストーリー&キャラクター】
造語はそこまで気にはなりませんでしたが、結局最後の方になるまで
キャラクター達がやりたい事、信念と言ったものが全く見えてこないのが残念すぎます。
そのやりたい事っていうのも、コロコロ考え方が変わるキャラクターばかりなので
主義主張に一貫性がなく、感情移入し辛かったですね。
優柔不断な現代の日本人をリアルに表現したかったのかもしれませんが
セリフだけはいつもカッコ良い事を言いまくり、それすらすぐに撤回するので
まるで高校生の仲良しグループが冒険してるのを見ているようです。
【やり込み度】
終盤直前の大きなMAPに点在するミッションの発想は良かったとは思いますが
全てが敵の討伐というのは如何なものでしょうか?ただの作業です。
報酬もアイテムのみで、何のイベントも起きません。ただ戦うのみです。
せっかく美麗なムービーを用意したのだから、一度見たムービーは
どこからか見直せる機能もあったら良いと思うのにそれもありません。
(もしかしたら出来るのかもしれませんが、クリア後でも今のところできません)
COMMENT
プレイ環境はハイビジョンに対応していない20型のD端子接続でしたが
それでも文字が小さくて読み難かったです。
快適にプレイするならば32型HD程度のモニターは必要かもしれません。
総評として、期待が大きかっただけに残念な気持ちでいっぱいです。
映像は素晴らしい出来なのは間違いないのですが、それだけならトレーラーで十分な気もします。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 3pt | 2pt | 3pt | 4pt | 1pt |
64pt
GOOD!
・グラフィックス
グラフィックスは圧倒的です。ポリゴンの継ぎ目が全くわからず、マップ・キャラ・敵を含む画面全体の統一感があります。背景も非常にきれいで、文句なく5ptをつけられます。
・戦闘
不満がいろいろあるようですが、僕は好きです。
→各キャラの行動パターンを指示するだけで、具体的な行動はAIが決定する
→敵キャラの特徴がはっきりでている
→補助魔法を駆使しないと時間がかかってしょうがない
プレイスタイルにもよりますが、運の要素が多少強く、でも行動パターンとかキャラの選択で打開できるという点がいいです。負けたら負けた理由を考えようね!っと。
ついでに、負けてもすぐに直前からリスタートできるのもいいですね。
・キャラ
かわいいっす。個人的な趣味ですが。僕はセラに釣られて買いました。
BAD/REQUEST
・ストーリー
論外です。無理がありすぎます。選択肢は限りなく皆無であり、プレーヤーだけが置いてきぼりを食らって、画面の中のキャラはしゃきしゃき動いている印象です。自分が操作しているのか、ゲームに自分が操作されているのか、ときどきわからなくなります。これはもはやRPGではないように思う。
そういう意味で「オリジナリティ」です。
・マップ
マップもストーリーと同様の一本道です。これRPG的には致命的だと思うんですが。開発陣は誰か止めなかったのか・・・
COMMENT
いろいろ実験したなあ、というのが感想です。悪いところもよいところもあります。
このゲームはRPGではないなあとは思います。アクションゲーム?ちょっと違うな・・・RPGの戦闘部分だけを抽出したアクションゲーム、といった方がいいような。
とはいえ、一本道ゆえさくさくできるし、興味のある人はやってみるといいんじゃないでしょうか。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 4pt |
76pt
GOOD!
※殆ど前情報を集めずにプレイしました。長くなってすいません。
■オリジナリティー、熱中度
戦闘はFF12のガンビットを改良したシステムで緊張感のある戦略性が高いユニークなシステムです。どのキャラにどの役割を任せるか、どの組み合わせで行くかと試行錯誤が面白く戦闘は飽きません。
■グラフィックス
PS3になりさらに画質は向上しており、ムービーや通常画面共に間違いなく現時点で最高のグラフィックスです。空中を走るエアバイクや生物と機械を合わせた存在のファルシはFF6の頃から始っているサイエンス・ファンタジーの完成形に近づいている印象を受けました。
FFシリーズの売りとして高画質のグラフィックスがあります。そのグラフィックスで一度空を飛ぶ操作をしてみたいと思っているのですが未だに叶いません。別にサイエンス・ファンタジーは全然構わないのですが、ムービーで戦闘してるばかりで飛空挺操作はどこに消えたのでしょうか……。
全てにおいて美麗で、機械文明のコクーンから原始的なグラン=パルスまで実にFFらしい幻想的な光景が広がっています。巨大な遺跡が突き立つクリスタル化した地底湖、雨露煌めく幻想的な水郷で地面から生まれるハバネロっぽい面の野菜(敵)など序盤から印象的な場所が多く存在します。グラン=パルスの雄大さを初めて見た時はこれこそ皆が求めていた本当のファイナルファンタジーだと感動しました。一度進むと前のMAPに戻れないのが非常に残念です。
召喚獣も迫力があります。最初雑誌でシヴァの設定を知った時は顔のついたバイクが気持ち悪く感じましたが、スノウがシヴァを召喚して周囲を凍結させながら暴れた時は余りの格好良さに痺れました。その直後に仏頂面でバイクに張り付いているシヴァの顔に噴き、やはりシヴァだけは気持ち悪いと思いました。
一つ一つのMAPは細部まで作りこまれていますが次々と先のMAPへ移動する仕様で背景をゆっくり見る余裕はなく、プレイしていると段々とその映像美にも慣れ始めて人間って贅沢だなぁと実感しました。
■キャラクター
前情報からライトニングがクールな台詞を吐きながら超絶剣技で敵を蹴散らすライトニング最強伝説みたいな話を想像していましたが、実際は父ちゃんやバカが熱い姿を見せてくれる人情話の方が多く予想外に楽しめました。
ライトニングも高圧的で人の話を聞かず、主人公なのに共感出来ない発言も多々ありますが、年上のお姉さんとしての柔らかい顔を見せ始めると非常に魅力的だと思いました。でも、へそピアスは止めて欲しかった。へそピアスは止めて欲しかった。
主人公としてはスノウの方が相応しい気がしますが、人情話のスノウと牽引役のライントニングで分担してる感じですか。
不満点として、キャラに似合わない説教臭い発言が時々気になりました。
『現実(リアル)が怖いの?』『現実(リアル)が怖かったら逃げても良いんだよ』
製作者のリアルを物語に持ち込むのは大抵は自己満足にしかならないと思います。
■テンポ・MAP
基本的にテンポが良い。ムービーで5〜20分→探索で30〜60分→ムービーの繰り返しで、中盤までサクサク進める事が出きます。MAPも右上にミニマップが表示され迷うことはありません。今回はジャンプポイントとして瓦礫などを飛び越える場所があり、ポンポンとジャンプして進むのは地味に快感です。
ムービーも召喚獣の召喚もスキップは可能です。
■難易度
MPの概念はなく、HPも戦闘終了後に全回復する為か非常に難易度は高くなっています。今回の戦闘はウェイト(選択中時間が止まるシステム)はなく、全てアクティブで進行します。速度の調整はできますが、頻繁に作戦を切り替える戦闘はRPGが苦手な人は辛いかもしれません。終盤の敵は補助を有効に使わなければ中々勝てない難易度で、個人的にはやりごたえがあったので良かった点に入れさせて頂きます。
全滅すると戦闘直前からやり直しになるだけでデメリットはなく、戦闘中でもいつでも戦闘直前からリスタート出来る親切設計です。ゲームオーバーはありませんが、全編通してサクサク全滅させられます。
■システム解禁
話を進める毎にシステムが解禁されます。今回の難易度はFFシリーズよりもサガよりなので、一つ一つ覚える事ができるのは初心者には優しい配慮だと思います。序盤は単調ですが中盤から異常に忙しくなります。レベルにも寄りますが終盤では二、三秒で状況判断しなければサクっと死にます。完全に死にゲーです。
■戦闘人数について
物語の主人公はライトニングですが、話の流れで操作するキャラクターは変わります。プレイヤーキャラ以外の仲間二人はオートで戦いますが、最終的にプレイヤーキャラもパーティも自由に編成できます。
■オプティマ(作戦)とロール(役割)
今回の戦闘は、アタッカー、ブラスター、ディフェンダー、エンハンサー、ジャマー、ヒーラーと六つのロール(役割)を作戦として設定し戦わせるシステムです。非常に奥が深く、どの組み合わせで戦うか悩みます。
アタッカーは物理攻撃中心、ブラスターは魔法攻撃中心、ディフェンダーは囮と全体攻撃の軽減、エンハンサーは強化、ジャマーは弱体化、ヒーラーは回復。さらに各キャラは初期ロールと覚えられるアビリティが異なります。同じエンハンサーでも攻撃力UPを覚えているキャラを優先するか、属性付与のキャラを優先するかはプレイヤーの自由です。
作戦は六つまで登録でき、例として
A(アタッカー)B(ブラスター)H(ヒーラー)で物理攻撃と魔法攻撃を行いながら回復で長期的に戦えます。
HHHで緊急回復、HDHでディフェンダーを囮にしながら安全に回復できます。
敵の全体攻撃を軽減するのが目的ならDDDをセットして、攻撃の予兆を感じたら切り替えるのも効果があります。
EJで強化&弱体化してから戦うのも良いでしょう。ジャマーで属性の耐性を下げたり、状態異常で敵の行動を阻害できます。
今作のオプティマシステムは、パーティのアビリティと敵との相性を考慮しつつ好みで戦える懐の広いシステムだと思います。
■ブレイク
攻撃を繋げ続けるとチェインゲージが上昇し、MAXに達すると敵をブレイクさせる事ができます。ブレイク中はダメージが10倍近く上昇するので、ブレイクさせて一気に攻めるのが基本戦術になりますが、時には削り殺す方が早い場合もあり戦略を考えさせられます。
中にはゲージが上がりにくい敵もおり、アタッカー、ブラスター、ジャマーのどれで攻めるか悩みます。ブレイク中は敵を打ち上げてお手玉の要領でフルボッコにできるので、強敵相手にブレイクした時は(殺される前に)一秒でも早く叩き殺せと脳汁が溢れます。
■ATB(アクティムタイムバトル)ゲージとオート戦闘
今回の戦闘画面では四つの選択肢が存在します。こうげき、コマンド、TPアビリティ、アイテム。”こうげき”を選択するとATBゲージ限界までコマンドが自動で設定されます。
”戦う”コマンドはATB消費1なので、ATB限界が3までだと『戦う/戦う/戦う』が自動でセットされます。
”エリアブラスト(周囲攻撃)”は消費2なので、複数の敵を巻き込める状況なら自動で『エリアブラスト/戦う』とセットしてくれます。また、ライブラで弱点が分った場合は『ファイア/フレイムブロウ/ファイア』と自動で選んでくれるので、基本は”こうげき”を選択すれば問題ありません。
コマンドはその名の通り自分でATBをセットしたい場合に使用します。ケアルよりレイズを使いたい。仲間の体力が減っているが、自分の状態異常回復を優先させたい。そんな場合に使用します。
”こうげき”を選ぶとオートで戦術を組んで貰えるので従来よりライブラの存在が重要になり、作戦(役割)を切り替えて戦う戦闘は既存のRPGにはない楽しさがあります。
コマンド選択は若干もたつきを感じますが、最高6秒もあればATBが再充填される異常に忙しい戦闘のせいもあると思います。6秒で行動一回分(正確にはATBゲージ回数分)、15秒あれば二回分。つまり10秒も考えるのは大幅な時間の無駄になります。
ケアルなら20秒もあればで最高12回まで発動できます。ヒーラーが3人なら36回。常に秒単位の戦いになり、味方が連続で大ダメージを食らってる横から必死にケアルをかけて延命する戦闘はマザー2を思い出します。
TPアビリティやアイテムは時間を消費しないので、召喚(による全回復)や回復アイテムにより即座にカバーする事もできます。
■強制行動と行動キャンセル
ATBゲージにセットした行動は通常はゲージが貯まり終わるまで行動に移りません。ATBが5あれば『戦う/戦う/戦う/戦う/戦う』の五つ分が貯まるまで待機していますが、△ボタンで途中で行動に移すことが出きます。あと一、ニ発でブレイクする、倒せる場合に便利です。また、敵の攻撃にかぶせて攻撃を(ほんの少しの間)潰すことや、自キャラを攻撃で移動させて敵の攻撃を回避する事も可能です(ちょっとした小技ですが)。
×ボタンを押せばセットした行動をキャンセル出きます。攻撃している途中で仲間が瀕死になればキャンセルしてゲージを他の行動に当てるのも一つの手です。上記のケアルよりレイズの場面でも非常に有効で、ヒーラーなら”こうげき”を選び直せば自動でレイズがセットされます。
■スコアとTPアビリティ
戦闘終了後に目標時間とスコアが表示されます。目標時間は報酬に関係するだけで過ぎても問題はありませんが、スコア(★ランク)に応じてアイテムが貰える確率が決まります。こちらの戦力に併せて目標時間は制限されるので、必ずしも攻撃力を上げる=稼ぎが楽になると言うわけではありません。人によってはこれは欠点に感じると思います。
終盤のHP百万超えの敵でも目標時間は4分前後で、★五つを獲得するには2,3分で倒さなければならず、ブレイクやその他のシステムを活用しきらなければまず達成できません。やり込み派には嬉しい難易度ですが、やはり初心者の方には難しいと思われます。
TPは召喚獣やライブラなどのTPアビリティに必要なポイントで、スコアはアイテムの入手確率以外にもTPの回復も兼ねてありますが、雑魚戦=作業と考えている人には少々面倒臭いシステムかもしれません。
■スモーク
フィールド移動中に使用できるパワーアップアイテムです。パワースモークにより戦闘前からブレイブ、フェイス、ヘイストをかける事ができたり、スニークスモークでいきなりブレイク直前から始める事ができます。尚且つイベント戦闘でも使用可能です。普通に勝てない敵にもスモークを使って優勢に戦えるバランスは素直に面白いと思いました。
■フィールド場での敵同士の争い、先制攻撃
敵に気づかれずにそっと接触すれば先制攻撃としてブレイク直前から始められます。非常に優位な状況で、場合によっては4秒で戦闘を終わらせる事が出きます。スニークスモークを使う以外に別のルートから飛び込んで戦闘を仕掛ける事でも狙えます。
また、時々異種族同士が争っている光景があります。乱入すれば漁夫の利を得る事も可能ですが、ごく稀に両者が結託して攻撃してきて死にます。
お前との決着はまずはこいつ(俺)を片付けてからだ! ですか……。
■召喚獣戦
死の宣告をかけられ制限時間内にクリア条件を満たす戦いは普段の戦闘とは別の緊張感が楽しめました。限られた条件下でクリア条件を満たすのは若干パズル的な楽しさがあります。
■武器改造
いくつかの系統の武器を改造していくタイプで、最強の武器と言うものがありません。物理特化、魔法特化、状態異常持続……etcで自分のプレイスタイルに合わせて選べる点は好みです。
BAD/REQUEST
■従来のRPGとの違い
シナリオ上の理由もあるのでしょうが、ゆっくり休める街は殆どありません。店はCCFF(PSPのクライシス コア)形式でセーブポイントと兼用し、話を進めると店と品揃えが増えていきます。
この為従来のRPGの『街を拠点に装備を整え、経験値を稼いで強化してからダンジョンに挑む』楽しみはありません。RPGにおいて新しい街や出会いは面白さの半分近くを占めている以上、批判は仕方がないと思います。個人的にはADV+RPGみたいに感じました。
■用語(造語)
FF13の情報を集めている人がまず最初に不安に思うであろう固有名詞群です。『コクーン』『パルス』『(コクーン)聖府のファルシ』『聖府のファルシのルシ』『パルスのファルシ』『パルスのファルシのルシ』。これを同時に会話に混ぜられるととっさに理解ができません。
■Tips
上記の用語の説明について細かに載っていまが、プレイ上で語られる事は殆どありません。ファルシとは何か、機械化されたモンスターたちは何者なのか等々の疑問についての答えも書かれてはありますが、個人的にTipsで世界観の説明をするのは余りに不細工だと思うので欠点に入れさせて頂きます。内容自体はこの世界を一通り理解できる説明で補足としては悪くなく、話が進む毎にキャラクターの紹介文が書き換わる点は好印象でした。
■シナリオ
評価が難しいところです。キャラ同士の掛け合いはかなり好みで、つい先を見たくなる魅力はありますが、キャラの葛藤が現実的な悩みで浅く冗長なだけに感じる時もありました。他にも主人公たちと敵との関わりが薄く、もっと関係性の変化や掘り下げが欲しかったと残念です。話も雰囲気もドラマ的で、聖府との戦いよりも主人公たちの内面の葛藤に重きを置いており、ゲームやアニメみたいな痛快な展開を望む人には合いません。コクーン市民の内情や、軍部とファルシと市民の関係ももっと描写があっても良かったと思います。
最大の問題点は情報提供者の少なさ。ムービーでしか話が進まず、住民との会話も殆どないので致命的に情報量が不足しています。Tipsで補完されるとはいえ、あくまで補足。新しい場所で会話をし、サブシナリオで世界観を広げるのがRPGじゃないでしょうか。
ファルシとルシ、コクーンとパルスの物語、ラスボスの真意もTipsから裏を考察すれば面白いのですが、大半の人はゲーム内で説明が欲しいと考えているはずです。1から7までしか説明がなくとも考察好きな人なら十分楽しめると思いますが、1から9まできっちり説明するべきだと考えている人には意味不明な物語に思えるでしょう。一度クリアしてから最初からやり直すと各キャラの行動の真意が分かって成程と頷けますが、普通の人は二週目プレイなんてしませんし、特に今回は戦闘が大変なので二週目を始めるの躊躇われます。
そして従来の(と言ってもかなり昔の)FFシリーズは誰にでも理解でき、誰でも楽しめる後者の作品でした。大作RPGって本来そんなゲームが望まれているのだと思います。
と、不満も多いシナリオですが、スノウやサッズの燃える場面もあり、最初は嫌いだったライトニングやホープも終盤では微笑ましくなり、エンディングを見るとこれはこれで有りかなと思います。
総括すると惜しい作品だと思います。設定は個人的には好みですが、情報量不足ということもありドロドロしている内容の割にはあっさりしている印象を受けます。システムもシナリオの見せ方ももう少し練れたのではないのでしょうか。
設定自体は従来のシリーズとそこまで大差があると思えませんが、ムービー”だけ”でイベントを進行させられると話に参加している気がせず時折置いて行かれる気分になります。今回は特に住民との会話も近寄ると自動で喋るだけなので、やはり○ボタンを押して進めるポリゴン劇は結構重要だと感じました。
■召喚獣
見ての通りの乗り物です。話的には要所要所で活躍するし、戦闘では便利な存在ですが、機械化する意味があまり感じられません。別に機械化する事に不満はありませんが、軍用獣やエアカーに比べて個性があるとは言い難いですよね……。
戦闘でもプレイヤーキャラの召喚獣しか呼び出せないのは残念でした。呼び出した召喚獣と二人で戦うシステムだから仕方がないんでしょうが、未だにサッズとホープの召喚獣を見る機会がありません。
■自由度
戦闘に次ぐ戦闘に次ぐ戦闘と、戦闘中心のゲームです。戦闘に関しては自由度が高いシステムだと思いますが、窮屈なゲームであるのは間違いないと思います。さらに殆どのMAPには戻れないので、何故10みたいに最終的に戻れる仕様にしなかったと惜しまれます。
一本道のMAPと多数のミッション、戦闘の楽しさはCCFF系統ですが、今回ミッションを受けられるのは終盤頃なのでそれまでは息抜きが出来ません。例え敵が強くて心が折れそうな時でも先に進める以外の選択肢がありません。
終盤になれば世界も広がるのですが、如何せんそこまでの道のりが長い。
■カメラ操作
すぐに慣れましたが最初は動作が重く感じると思います。元々遠くを見渡す為の調整だと思いますが、序盤はMAPが狭いので取っ付きが悪く、これが壮大なクソゲーの始まりかと別の意味で胸が高鳴りました。主人公を眺める視点に変更する事も出来ますが、自由な距離で眺めれないので余り意味を感じません。主観視点があればイロイロと完璧でした。
■MAP
自キャラの向きを変えるとミニマップだけでなく全体MAPまで回転するので、全体MAPを開くと方向を見失う事があります。一体何の為の地図だと頭も捻りました。
イベント発生場所と方向も表示されているし、分岐が少ないMAPのおかげでそれ程困るわけではありませんが、慣れるまで時間がかかります。
■金欠
敵を倒しても金は入手出来ず、素材アイテムしか拾えません。武器を頻繁に買い換えるゲームではないとはいえ終盤近くまで金欠すぎて泣けます。敵を倒しても金を貰えないのであれば、もう少し換金アイテムを落とすべきなのではないでしょうか。恐らくこのゲームの間口を狭めている原因の一つです。
フェニックスの尾なんて換金アイテムですよハハハ。
■イベント終了後のオプティマのリセット
メンバー変更時に必ずリセットされるのは習得ロールの違いでまだ許せるとして、パーティが切り替わる等々でイベント終了後にデフォルトの作戦指定が解除されている事があります。FF8のジャンクション解除ほど酷くはありませんが、デフォルト解除に気付かず戦闘に突入して少し煩わしく思いました。
■アビリティの優先順位を指定出来ない
仲間は全てオートで戦うので、エンハンサーで強化したい場合に使って欲しい順番を指定出来ません。ライブラを使用していれば敵にあった攻撃、補助魔法をかけてくれますが、FF12みたいに条件指定ができればと不満が残ります。それなりに賢いので痒いところに手が届かないという程不満があるわけじゃないですけど。
■ミッションとチョコボ
ミッション開始が遅い事は言わずもがな、遠い場所に目標が出現すると若干移動が面倒です。チョコボの移動は快適ですが、騎乗場所も限られている上に一定の場所より外には移動出来ないのが残念です。
メニュー画面のチョコボは無駄に凛々しすぎて笑いました。
■ムービーシアターがない
ムービーを見返す為にはセーブを残しておくしかなく、ボス戦後のムービーを見る際はかなり面倒です。セーブポイントは100個までありますが、セーブ名=クリアしたイベント名なので、勘違いして一つ先のセーブをロードする事があります。
■強くてニューゲームがない
クリア後も引き続きそのままプレイは出来ますが、やり込みやムービーを楽に見る為にもやはり強くてニューゲームが欲しかったと思います。
■音楽
単品では好みの曲が多いのですが、イベントは全てムービーでさらっと流されるのでゆっくり聞く場面が余りありません。
COMMENT
最初ムービーゲーかと思ったらガチガチの戦闘ゲーでした。ムービーは飾りです。休憩時間です。
FFかどうかと問われたらFFではないと思います。システムを理解しないと面白さが分からない点や、最初から最後まで戦闘中心で、戦闘が合うか合わないかで評価が二分するゲームです。ライトユーザー向きではありません。
ただ、良かった点も大きいと思います。普通のRPGならアタッカーなどの前衛が重要になりますが、FF13では補助やディフェンダーの使い方=プレイヤーの技量となり、従来のFFよりも戦略性の高いゲームになっています。
RPGやFFを求めている人にはお勧めはできませんが、CCFFやグランディアエクストリームみたいな戦闘重視のゲームが好きな人には是非プレイして欲しいと思います。もしくはゼノギアスDisc2を許容出来る人やパトるのが大好きなメガテニスト、心の折れないソウルの持ち主にも合うかもしれません。
クリア時間は60時間ちょいで、ミッション無視でクリアするなら40時間ほどだと思います。まだこれから残りのミッションを攻略する予定なのであと40時間はやり込めそうです。
一本道のMAPやら情報量の少ないシナリオなど結構不満を書きましたが、11章の世界の広さには感動しました。大作FFシリーズとして期待を裏切られた感がないとは言いませんが、悪くない作品だと思います。
個人的にはグラン=パルスを舞台にした新作を出して欲しいと思います。公式ブログの発言から何かまだ仕掛けがある気がしますし、ミッション配信や成長限界解放などのDLCだと嬉しいんですけどね。
Amazonレビュー
レビュー日: 2016-12-18
女性主人公ですがとてもカッコよかったです。ただOPからいきなり専門用語で始まるのはいただけないかな・・・操作できるようになってからメニューで用語解説があるんで読めばすぐに解かりますが、説明を読まない人にはつまらないかもしれません。
GOOD!
自分はFFは1、7、12のみプレイ済みです
グラフィックは凄い。
キャラクターやオブジェクトの画質は普通です。が、背景がおかしいぐらい綺麗です。まさかPS3のゲームで実写に匹敵するぐらいのグラフィックを見られるとは思いませんでした。11章の最後に訪れる場所では景色が綺麗すぎてしばらく見入ってしまったくらいです。
一本道だと良く批判されますが、逆にそのおかげで遠くの景色の見え方が固定されて空間の広がりをうまく表現できていたように思います。
全体的に色彩が鮮やかで心地のいいグラフィックでした。
ATBゲージをためてその数に対応したアクションをとるという手法のアクティブタイムバトルというのは斬新ですね。コマンドバトルの最高峰と言えるシステムではないでしょうか。
ステータスの簡略化も個人的には嬉しかったです。
ストーリーも雰囲気だけは好きでした。
BAD/REQUEST
はっきり言ってこれは未完成品です。あらゆる点で練りこみが足らなすぎる。
まず戦闘。
システム自体は秀逸ですが、細かいところを見るとまだまだです。
範囲攻撃を使ってくる敵がいるのですが、キャラクターを動かすことができないのでキャラが密集していると余計なダメージをくらいます。なぜ空いているはずの左スティックで動かせるような仕様にしなかったのか疑問。せめてリーダーを中心に散開、密集ぐらいのコマンドは出せるようにしてほしかったです。
戦闘自体のテンポはいいのですが、敵が硬すぎて戦闘が終わるまでの時間がものすごく長いです。こういう方法でプレイ時間を水増しするのは本当にやめてほしい。
リーダーがやられたらゲームオーバーという仕様はストレスにしかならない。残りの二人がピンピンしてるのにやり直しというのは違和感ありまくりです。
奇襲システムはマイナス要素でしかない。
バトル前に敵の背後をとるとバトル開始直後にブレイクできるという超重要なシステムなのですが、このゲームではキャラクターの移動操作に妙な慣性が働くので微妙な移動がしづらい上に、ローカルマップに敵の視界が表示されず、さらに「どっちが前だよ!!!」ってつっこみたくなるようなデザインの敵が多いのでスニークスモークでも使わない限り安定した奇襲はできません。で、結局リスタートで何度もやり直し。
こんな中途半端なシステム、無いほうが良かったのでは?
クリスタリウムは成長システムとしては完全に失敗。自由度のない成長システムなのに手動っていったい何を考えて作ったんでしょうか。戦闘で経験値を取得して戦闘後にメニューで再取得するという謎の二段構え。
マップデザイン・・・・・・最悪です。
とにかく極端すぎる。マップデザインがゲーム的すぎてリアルさが全く感じられません。グラフィックは過去作に比べて飛躍的な進化を遂げているのに、マップデザインはファミコン時代のFFより劣っていると言っても過言ではないです。
一本道なのはまあ別にいいんです。が、これはレースゲームのサーキットか?とつっこみたくなるぐらい異様に道が細長くてまっすぐです。
しかもプレーヤーの移動可能範囲と移動不可能範囲の分かれ目のほとんどは異様に高くそびえ立った壁か、もしくは底が見えないような谷です。
GOODで述べた開放感のある綺麗な背景が拝める場所は極一部。
閉塞感MAX。
で、逆に力を入れて作った肝心の大平原は凄いのかというと、別にそんなことはない。むしろこっちは無駄に広すぎて逆にプレーヤーのやる気を削いでくれます。
ただ広いだけで何もないのでステージの面積を有効活用できていません。
海外製箱庭ゲームをやったことがある人なら、この平原がどれだけ無意味なものなのかがわかるはず。
ストーリー・・・理解不能。
ネタバレなので詳しくは書きませんが、終盤の主人公たちの行動が意味不明です。
というか、ストーリー全体を通して主人公たちの行動に一貫性がない。
結果、プレイヤーは置いてけぼり。
GOODで書いたとおり雰囲気だけはよかったんですがね。
音楽は単品で聞くとなかなかいい感じなんですが、残念ながらゲームと噛み合っていません。
歴史を感じさせるような趣のある廃墟で喫茶店のようなBGMを流す製作者の感性を疑います。
全体的に自由度が無い。これでもかというくらい不確定要素が排除されています。
デバッグが楽になってよかったね♪
あと細かいところを挙げるとすれば、武器のグラフィックがリアルレンダムービーやフィールドで反映されないことでしょうか。技術的には可能だと思うのですが・・・。
それと、開発年月の割にボリュームがなさすぎです。
COMMENT
発売から3か月以上たって冷静になってこのレビューです。
なんというか、あまりの酷さに怒りを通り越して、悲しくなりました。これがあのFFかと。
とにかく自己主張が強いゲームです。
こんなものをRPGだけで生きてきた会社が作ったとは思えません。スクエニは今まで何を学んできたのでしょうか。
たしかにモノとしてはそれなりに良くできています。ですがこのゲームからは「ユーザーに遊んでいただく」という意識がほとんど感じられません。
作りこみ相応の面白さがないんです。
一概には言えませんが、「製作者の感性のズレ」というのが最も大きな原因ではないでしょうか。
FFの正式ナンバリングということで莫大な開発資金を会社から提供されたのでしょう。そしてはしゃぎすぎてしまったのでしょう。いや、実際に原因となったの極一部の人で、プログラマーの方々は本当に苦労されたのでしょうが。
スクエニは会社を実力主義の体制に変え、二度とこのような作品が世に出ることがないようにするべきです。製作者の顔ぶれを見る限り、言っちゃ悪いのですが、キャリアだけで選ばれたような人がいるようなので。
一ユーザーの立場でこんな口出しをするのはやりすぎかもしれません。しかしそれは、急速に勢力を伸ばしつつある海外のRPG勢に対抗できる和製RPGはFFだけだと信じているからです。
製作者の方々へ
もしこのレビューを見られたら、「FFをかじったような奴が偉そうなことを言うな」と思われることでしょう。実際偉そうなことを言ってますし、僕の書いたこんな稚拙な文章など無視してもらって構いません。
ですが、最後にもう一つだけ偉そうなことを言わせてもらいたい。ここで他の方が書いたレビューを見てください。ここでこのゲームを酷評している人たちの中に、俗に言う「アンチ」なんていうのはほとんどいませんよ。みなさんFFの「ファン」なんです。中にはFF全作品をプレイされたコアなファンの方もおられます。
そういう方々からの批判に真正面から向き合って、自分達がなぜ失敗して、これからどうするべきかを真剣に考えてみてください。失敗を失敗で終わらせることだけはしないでください。
FF15には期待しています。
駄文長文失礼しました。