Amazonレビュー
レビュー者: FSS
レビュー日: 2015-11-27
レビュー日: 2015-11-27
大きく分けて今作の失敗点は三つ。
・「流行り神」シリーズの特徴である、「オカルト」ルートと「科学」ルートのシナリオ分岐がない。メインの「ブラインドマン」編から新シナリオが出現する「かまいたち」パターン。毎回、シナリオ毎に登場人物の役割や設定がコロコロ変わるので感情移入しにくい。
・新システムの「ライアーズアート」が未完成品。選択の制限時間が4~5秒くらいしかなく、選択肢を読むのに精一杯でほとんど考える暇がない。しかも正解などあって無いレベルで、どの選択肢が正解かを会話の流れや状況から推測する事が出来ない。ライアーズアート時のアップテンポなBGMも状況にまったく合っていない。
・どのシナリオも安っぽいB級スプラッターホラー。これも多くの人が指摘されているように、どのシナリオも「グロい」だけのB級ホラーでチープ。「怖さ」の意味を根本的に履き違えている。「ブラインドマン」編からして主人公の活躍が無く、ただ状況に流されているだけの展開。他のシナリオもSランククリアしても後味の悪いバッドエンドのような終わり方ばかりで、プレイしていてカタルシスを感じられるシナリオが一本も無い。
その他も「推理ロジック」やカレッジポイントの無意味さ、立ち絵と挿入CGの絵柄の違いなど、マイナス要素が多い。
分岐ツリーの使いやすさや読み飛ばしなど、ノベルゲームとしてのシステムは完成度が高いし、最近めっきり減ってしまったホラーAVGを出してくれた事には感謝しますが、これは…。
・「流行り神」シリーズの特徴である、「オカルト」ルートと「科学」ルートのシナリオ分岐がない。メインの「ブラインドマン」編から新シナリオが出現する「かまいたち」パターン。毎回、シナリオ毎に登場人物の役割や設定がコロコロ変わるので感情移入しにくい。
・新システムの「ライアーズアート」が未完成品。選択の制限時間が4~5秒くらいしかなく、選択肢を読むのに精一杯でほとんど考える暇がない。しかも正解などあって無いレベルで、どの選択肢が正解かを会話の流れや状況から推測する事が出来ない。ライアーズアート時のアップテンポなBGMも状況にまったく合っていない。
・どのシナリオも安っぽいB級スプラッターホラー。これも多くの人が指摘されているように、どのシナリオも「グロい」だけのB級ホラーでチープ。「怖さ」の意味を根本的に履き違えている。「ブラインドマン」編からして主人公の活躍が無く、ただ状況に流されているだけの展開。他のシナリオもSランククリアしても後味の悪いバッドエンドのような終わり方ばかりで、プレイしていてカタルシスを感じられるシナリオが一本も無い。
その他も「推理ロジック」やカレッジポイントの無意味さ、立ち絵と挿入CGの絵柄の違いなど、マイナス要素が多い。
分岐ツリーの使いやすさや読み飛ばしなど、ノベルゲームとしてのシステムは完成度が高いし、最近めっきり減ってしまったホラーAVGを出してくれた事には感謝しますが、これは…。
GOOD!
快適な操作系
普段は「2周目要素いらねー」と思うが、(あえてこう書くが)サウンドノベル系は本筋を楽しむのと同時にバッドエンド回収が楽しむポイントだと思う。
そうなった時に一番力を入れるべきポイントは「一度通った箇所がどれだけ飛ばせるか」だと思うが、このゲームの高速スキップ&選択肢までスキップはぜひチュンソフトに爪の垢を煎じて飲ませたいぐらい素晴らしい。
片手操作は十字キー上でメニュー開く、十字キー右で決定だったりで誤選択もたまにやらかすが、本当に片手でストレスなく操作できるのはいい。
グラフィック
100%自分の偏見だと理解した上で書くが、どうしてもホラー(というかこの手のアドベンチャー)はギャルゲータッチの絵&美少女のグロ描写!なんて個人的に虫酸が走るパターンが多いが、グロ描写は別にしてキャラクターが流行り神独特の描かれ方なのでそれだけでも良しと思う。
あくまで自分が合わないだけでそれらを楽しむ人やそのゲーム自体が駄目だ!というわけではありません。
サウンド
これも個人的な好み。ライアーズアート(時限4択)の時に掛かる2曲がものすごく気に入った。
トロフィー回収
楽。比較対象としてタイトルを出すのはアレだが、真かまみたいにただただうざく、めんどくさい仕様がない分、シナリオを普通に楽しめば最後はプラチナ…と、鬱陶しい「○○を100回こなせ!」とか「オンラインで…」と初っから取る気が失せるトロフィーがない。
むしろブロンズトロフィーは笑ってしまった。
BAD/REQUEST
正直BADはあまり感じない。しいて言うなら、評価を下げる直接な原因はこれだ、というものじゃない微々たる内容として…
隠しシナリオ&開放順
これはもしかしたら自分がたまたまそういう順番で開放させてしまったから、なのかもしれないが、最初のシナリオがグロシナリオ。で、条件を満たして解除されるシナリオがまたグロ系シナリオ。と、CERO区分「Z」を意識しすぎたか、とにかくグログログロ…とパターンを変えてグロが続く。
で、「え?これがラスト?」とがっかり…でこそないが、これは序盤、中盤、終盤で言えば序盤のラストぐらいに持ってくるシナリオじゃない?と思う。
スケベ根性な続編意識
最近は攻略wikiやらゲーム実況などが蔓延してしまい、アドベンチャー系は露骨に完全ネタバレされて商品寿命が花火並に一瞬で散ってしまうのでエロゲーぐらいしか新作は出ないが、一旦は打ち止めか…と思われた作品が新たに出てくれたのは嬉しい。
が、最後の最後に露骨に「続編あるかもね…?」な引っ張りはもうそろそろ入らないと思う。(と書いてますが、このゲーム中に起こる事件はちゃんと全て解決はします。映画にありがちなちょい謎残しで次作に繋がれば・・・みたいなもの)
シナリオ文体
ちょっと気になったのが官能小説じゃあるまいし…な、露骨な言い回し・小難しい熟語など、読み物としてパッと頭にイメージしにくい文体はいちいち躓くので読むテンポが悪くなる。
その反面、文字に起こしたらちょっと間抜け感が出る残酷描写台詞「うぎゃあぁぁぁ!ぐげぇぇぇ!」などが、まぁ声優さんに声入れてもらってスピーカーで流れる…と昨今の事情から警察呼ばれかねない(笑)のでなくて正解だと思うが、もう少し書き方なかったのかな…?とも思った。
タイトル
これはかまいたちの夜の時にも書いたが何故に「真」なのか?
別機種のレビューにも書かれてますが、ゲームシステムがかなりかまいたちの夜っぽい(というかほぼまんま)感じにかなりシフトしたのに、「新」ではなく「真」。
オタク的変なこだわりだと笑われるかもしれないが、「新・流行り神」なら、『ああ、新章突入なんだな。また別の場所で新しい物語が始まるんだな。もしかしたら前作のキャラがどこかで…!?』と思えるが、「真」とつくと、『じゃあ過去の流行り神3作は何だったの?』と思ってしまう。
COMMENT
流行り神と言えば元々は自分の選択によって「科学的解明ルート」と「オカルト的解明ルート」に別れ、それぞれにエンドが用意されるというオリジナルシステムだったが…まぁどこも真似しない(そもそもADV自体あまり新作が出にくい)ので、馴染みやすいかまいたちシステムは個人的にはありな気もします。
ライアーズアートもようは時限4択(選択肢3つに無選択で計4択)数問なので攻略ページ頼ることなく自分で記録つければ簡単に抜けれますし。
なのでシステム的には初心者におすすめ!と言いたいですが、変にCERO「Z」を意識したのか、ホラーを意識しすぎたのか、変にグロ展開が多すぎてそういう意味では初心者にお勧めしづらいなぁ…&ホラー映画や海外ドラマの露骨なグロ描写に慣れた人なら「対してグロでもないしなぁ…」な感じなのでどっちつかずな感じかと。
ただただグロが続くのでそういうのに耐性がある人で、お手軽にテキストアドベンチャー(というか、ほぼサウンドノベルっぽい)やってみようかな、な人にはオススメできると思います。
しかし、「流行り神とはこういうものだ!」「俺の思う流行り神こそが真の流行り神なのだ!」という強い思い入れがある方は、かなりごっそり変わってるのでちょっと様子見、でもいいかもしれません。
個人的には極々久々に発売日買いで1mmも損した感がない良作でした。