【PS3】The Last of Us(ラスト・オブ・アス) レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-06-20 |
価格 | 5980円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:サバイバルアクション ■ プレイ人数:1人(オンライン:2〜8人) |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 4pt | 5pt | 4pt | 5pt | 3pt |
90pt
GOOD!
クリア後の余韻が物凄くていてもたってもいられず、感想を書かずにはいられませんでした。
昨今のゲームでは久しく味わう事のできなかった、物凄い没入感がありました…!
朽ちた廃屋に差し込む淡い陽光、人工物と自然が織り成す景観、
どこもかしこも見ていて思わず溜め息が出てしまうくらい美麗なグラフィックでしたが、
その景色すら霞ませてしまう破壊力を持つ、ストーリーが素晴らしかったです。
ジョエルとエリーの徐々に縮まる距離感、擬似親子関係を彷彿とさせる二人のやり取りは
ぎこちなく、微笑ましく、切なかったです。
二人の行き着く先が気になって仕方がなく、やめたくてもなかなか中断できませんでした。
見せ方、というか演出も物凄い秀逸で、キャラの口は動いているのにあえて音声を入れずBGMだけ流してプレイヤーに会話内容を想像させたりとか、表情で何となく心情が読み取れてしまう描写の細かさとか、感嘆と魅入ってしまいました。
本当に映画のような作品でしたが、あえてゲームで良かっと思います。
自分で操作するからキャラクターへの感情移入が凄いし、愛着が湧きました。
今では登場人物一人一人が愛おしくて仕方が無いです。
ああでも鉈を持ったあの人だけは未だに好きになれませんw←
BAD/REQUEST
一部ムービー箇所やらが日本版だとカットされているせいか、よく分からない場面がありました。
プレイヤーに解釈を一任するという作り手側の趣向であるならば良いのですが、
伝わるものも規制によって阻まれてしまったとなると非常に残念です。
作品内容を抉っておいてなおR18。一体何の為のCEROなんですかと声を大にして言いたい。
あともうちょっと字を大きくして欲しかったかなあ、と。…すいません大きいテレビに買い換えます。
COMMENT
どうせグラフィックが綺麗なだけのドンパチゲームなんだろうなーと、洋ゲーに対して偏見を持っていたせいで本作品をプレイするのが遅れた自分をぶん殴ってやりたいです。
昨今のゾンビゲームといえばバイオのもはや何番煎じだか分からんネタばかりで、正直うんざり気味wでした。
しかし本作は世界観こそ謎の菌の爆発的な広まりから始まるというありがち設定でしたが、
そこから20年後の世界、感染者を倒す事ではなくあくまで人間ドラマを主軸にした点が斬新でした。
道理で中古価格が全然下がらないはずだよ←
今年一番、否、PS3史上最高の作品です!
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 5pt | 4pt | 3pt |
89pt
GOOD!
※ネタバレをしないよう心がけてレビューしています。
◯オリジナリティ(独自性)/4点
基盤となる世界観は「ウイルスによって荒廃した世界を生き延びる」というサバイバル系、ホラー系としては王道的な世界です。
『サバイバルホラー・アクションアドベンチャー・TPS』に分類されます。
PS3、Xbox360世代となりこのようなジャンルのゲームは幾つかありますが、
今作は「プレイする映画」と言われ、そのストーリーはこれまでのどのゲームとも当てはまらないと思います。
物語だけに対する評価では5点ですが、ゲーム性も含めると4点といった感じです。
◯グラフィックス(ムービー、キャラクター)/5点
「アンチャーテッド」に代表するノーティドッグのグラフィッククオリティは今作も健在です。
「綺麗さ」で言えばプレイ中もムービー中も文句なく綺麗で数々の場面作りにはこだわりが感じられます。
これまでのノーティドッグ作品でも十分すぎるほどの綺麗さでしたので大きな進化はないですが、
フェイスモーション(表情)はかなり進化していると思います。
前述した「プレイする映画」の通り、本物の人間が演じる映画のようにリアルな表情が、
声優の演技力も相まってキャラクター達の感情を痛いほど読み取らせてくれます。
この綺麗さはキャラクターへの感情移入を容易にし、より物語を楽しむ要因になっています。
◯サウンド(音楽、効果音)/5点
本編中、様々な演出がありますがその際の音楽は的確に感情の起伏を現していて、
この物語をより印象深いものにしています。
感染者や人間と戦闘を繰り広げている時以外の場面では音楽はなく環境音のみで、
鳥の鳴き声や風や水の音で雰囲気作りは徹底されています。
そしてベストな場所でベストな音楽が流れだす、といった感じです。
余談になりますが予約特典でサウンドトラックがあるのですが、
プレイするまでは「あってもなくても」という感覚だったのが、
プレイしているうちにサウンドトラックがあって良かったと凄く思いました。
◯熱中度(ゲーム性、やり込み)/4点
上記の通りの演出力で「本当にその世界にいる」という錯覚を覚え、世界観に熱中できました。
ゲームとしてはスキルポイントで自分を強化したり、部品を拾いそれで銃を改造したり、
本を拾って装備を強化したりと成長要素は楽しいです。もちろん二週目への引き継ぎもできます。
ステルスアクションなので発見されずに敵を全滅させた時の達成感もあり、
「発見されない=アイテムを無駄にしない」ということは生き延びるためには欠かせないことなので、
戦い方を工夫する楽しみがあります。特に感染者に見つからないように進行するドキドキ感は中々です。
◯快適さ(操作性、難易度)/4点
インターフェースや操作性はシンプルでわかりやすい方だと思います。
慣れは個人差ですがチュートリアルもしっかりあるので快適にプレイできました。
難易度設定は4段階ありますが、最初のうちは「死んで覚える」ということが多いと思います。
なので一番簡単な難易度を選んでも死ぬときは死にますが、チェックポイントはかなり細かく設置されており、
死亡によるペナルティは「ちょっと前に戻される」程度です。
ちなみに最高難易度は相当な歯ごたえです。
そしてなにより快適なのがプレイ中にロードがないことです。
毎回ゲームを起動する際の少し長めのロードを一回してしまえば、
オープニングからエンディングまでプレイしてもロードは一切なしです。
もしロードが入ったらそれはPS3の読み込み不良、つまり軽い故障ということです。
◯マルチプレイ/3点
面白いです。本編の要素をうまくマルチプレイに反映させていると思います。
最大4vs4と少なめですが、ワンマンプレイではなくチームプレイを要求される作りになっていて、
うまく味方と連携できたり、敵にステルスアクションを決められるととても楽しいです。
◯その他GOODな点
一度見たムービーはいつでも見ることができます。映画を巻き戻す感覚ですが地味にうれしい点です。
またコンセプトアートのギャラリーがあり、この世界を好きになれた人には見応えのある要素だと思います。
BAD/REQUEST
◯オリジナリティ(独自性)/マイナス1点
前述しましたがゲーム的なオリジナリティとしては、デッドアイランドやバイオハザード(1.2.3)と似ていると思います。
むしろこのゲームが好きな方には「とてもオススメ」と言え、BADであるかどうか微妙ですが・・・。
◯熱中度(ゲーム性、やり込み)/マイナス1点
ゲーム性の部分で減点要素が幾つかありました。
しかしストーリーには熱中したので悩みましたが相殺して結局マイナス1点に。
・「味方は敵に見つからない」
敵は主人公を発見していない限り、敵の視界にいくら味方が入ろうと戦闘にはなりません。
・「敵の持っていた銃が、敵を倒した瞬間に消える」
直前まで銃をドンパチしていた敵が絶命した瞬間、手に持っていた銃はどこかへ消えてしまいます。
これらの要素によって丁度いい難易度になっていることは重々承知ですが、違和感は拭えません。
・「コレクターアイテムが何度も取れてしまう」
一周目をクリアして獲り逃したアイテムを二週目で回収しようとすると、
取ったはずのコレクターアイテムも復活しています。
プレイしていて「これ前に取ったっけ?初めてだっけ?」というのが何度もあり、
一周ですべてを取る必要がある仕様ではないものの、少々やきもきします。
◯快適さ(操作性、難易度)/マイナス1点
・「場面ごとに調節される移動スピード」
演出上仕方がないですが、どの場面でも探索を怠らない自分にとっては結構辛い点でした。
戦闘パートがあるMAPでは全力疾走できるのですが、戦闘に入る前だったり探索のみのMAPでは最大でも小走り止まりで、
探索に時間がかかることが多かった印象です。
・「MAPの形状でわかってしまう今後の展開」
プレイしてすぐに気づいてしまったのですが、戦闘があるMAPは身を隠せる壁が多く設置されていたり、敵を欺くレンガや空きビンが多かったりと、
敵が現れる前に「あっここで戦うんだな」と察してしまいます。
◯マルチプレイ/マイナス2点
まず説明不足です。マルチプレイの要素をまとめた物は説明書にはなく、
マルチプレイのみの操作や要素はロード画面の間だけしか説明されず、
最初のうちは混乱しっぱなしでした。チームプレイが要求されるゲームだけあってとても残念です。
現在は2つのプレイモードがありますが、そのどちらもが人間同士の銃や火器での戦闘で、
感染者の要素は今のところなく、押し寄せる感染者をみんなで協力して倒すといったマルチプレイを期待していたので少し残念です。
(DLCの存在もあるので今後のアップデートに期待しています。)
COMMENT
※難易度中級で一周目クリア(アイテム収集率80%弱で20時間程)
【満足感(総評)/4.7点】
正直なところ発売前から海外のレビューでは大々的に評価され、ハードルはかなり上がっていました。
自分もかなり高得点を付けたかも知れませんが、そんな自分でも発売前の評価点は過大な評価だったと思います。
と、言うのもプレイし終わって久々に「レビューが書きたい」と思った作品で、
エンディングを見た直後の勢いで感情的に書けば「100点満点中120点だ」と書いてしまいそうでした。
なので海外の評価には酷く同感で納得な反面、「冷静にレビューしよう」と思いました。
でもこの得点になってしまったのは「プレイする映画」だからなのか、
ストーリーという前提があれば、少々のゲーム性の粗は無視できてしまうのかどうか。
わかりませんが、映画を観ている感覚で言えばこれ程のゲームはそうありません。とても良い作品でした。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 4pt | 5pt | 5pt | 3pt | 3pt |
89pt
GOOD!
現行機最高クラスの圧倒的なグラフィックで、特に窓から漏れる日差しや太陽で照りつく建造物など、「光」の描写は驚異的。この点においてはアンチャーテッドシリーズを凌駕する素晴らしい出来だった。崩壊した都市やそこに生い茂るたくさんの木々、キャラクターの細かく作られた表情など思わず見とれてしまうほど美しかった。
ゲーム全体を通して四季があるので、季節によって非常にキレイな映像を体験できる。
アンチャーテッドのように戦闘はオマケ扱いなのかとおもったらそんなことはなく、何も考えずに突っ込んだらまず死亡するバランス、噛み付かれたら即死のクリッカーの存在などがあって考えながら戦う必要がある。
常に物資が不足しているので、地形・所持品・周りに落ちているアイテムなどから戦術を組み立てていくのが面白かった。
基本的には隠れて敵を伺い、チャンスがあったら背後から即死攻撃といった具合で、ステルスメインの戦いはサイレンを思い出した。かなり緊張感がある作りなので初代バイオハザードとも似ているかもしれない。
主人公の能力を上げたり、素材を集めてナイフや火炎瓶を作ったりなどのサバイバル要素が良かった。一本道だが開けたマップもあって、いろいろ探索するのが楽しい。日誌やメモ帳などを見つけた際にジョエルがその内容に対して自分の意見をいうのが面白い。
各キャラのモーションが非常に作りこまれており、例えば格闘攻撃を仕掛けた際に周りにある壁などによってアクションが変化したり、エリーがその辺に座って足をブラブラさせていたりと細かい部分にも力が入っている。
ハリウッド映画顔負けの素晴らしい完成度のストーリーで、最初はお互いビジネスライクな感じだったジョエルとエリーが旅をしていくうちに徐々に絆を深めていく描写や絶望的な状況の中で生き抜く人間の葛藤、生きるか死ぬかの非常にハードな世界観と色々と考えさせられる人間ドラマが繰り広げられる。おかげでとても熱中できやめ時が見つからなかった。
特にゲーム開始直後の冒頭10分ほどのオープニングは完璧。まさかいきなり涙を流しそうになるとは思わなかった。一気にゲームの世界に引き込まれて行く。
また詳しくは伏せるが研究所についてからの怒涛の展開はとても熱い。ジョエルとエリーの絆にグッと来た。
一度ゲームを開始してからはロードがなく、コンティニューがとても早いので、難易度故に死亡回数は多いもののそれほど苦痛にはならなかった。
BAD/REQUEST
人間との戦闘が少し多すぎる。感染者との戦いは面白いが、人間相手だとありふれたただのTPSになってしまう。また終盤になるとステルスせずに激しい銃撃戦が多くなるのも残念。
AIの出来がお粗末。味方が感染者の目の前をダッシュで通り抜ける、進路の妨げになるなど改善の余地あり。敵も同じ場所を行ったり来たりと不可解な動作が見られた。ただ、パートナーは敵に発見されないようなので、自分さえ気をつけていれば問題なくステルスプレイ出来る。
パートナーに「隠れろ」や「待て」など指示出来ればよかったと思う。
ゲーム全体が若干単調なように感じられる。一本道で戦闘もやや地味なせいだと考えられる。
プレイしている時に一回だけバグに遭遇し、カメラの位置がおかしなことになった。チェックポイントから再スタートしたら元に戻った。
エンディングは若干消化不良であっさりしすぎている気がするが、このくらいの方がこのゲームには合っているかもしれない。
COMMENT
中級でクリア。オンラインは未プレイ。
発表当時から期待しており、あまり楽しめなかったらどうしようかと心配していたが期待以上の出来だった。アンチャーテッドがグラフィック、演出は素晴らしかったもののプレイ部分に関してはやや味気ない作りだったのに対してラストオブアスはどちらにも力が入っているように思える。
日本版は残虐描写が規制されているようだが感染者は欠損し内蔵も飛び出る。ジョエルは死亡時に目をえぐられたり動脈を引きずり出されたりとなかなか頑張っていたと思う。
ゴア表現が苦手な人もオプションでオフにできるので問題なくプレイできる。
大作映画を見ているかのような圧倒的な迫力と凄まじい没入感で一気にエンディングまでたどり着いた。人は選ぶもののゲーム史に残る傑作には違いないと思う。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-03-25
いやぁ,おもしろい。4回はやり直したね。
GOOD!
・グラフィック
崩壊した都市の映像をまさに現在最先端のグラフィックで表現
質・量ともに現世代機でこれ以上を望むのは無理だろうというレベル
またただ綺麗なのではなくて、あらゆるシーンを見せる演出・タイミングが計算されつくしてて
没入感が桁違い
・熱中度
最悪の世界を生き抜く擬似親子の旅というシンプルだからこそ力強いストーリー。
詳細を語らないのに雄弁な台詞回し。
リアリティを持ちながらも個性的で魅力的なキャラクター。
常にギリギリのスリルを提供してくれる敵の配置。
次から次へとあらわれる荒廃した、しかし美しい世界。
すべてが噛み合って次が気になって仕方がない。
プレイしているとすごく疲れてやめたくなるのと、
この世界から離れたくないという想いが同時に湧きあがる。
ノーティドッグの代表作「アンチャーテッド」は休む間もない展開で一気にプレイさせる「動」の熱中度だったが、今作はじっくりとプレイヤーの心にしみついて離さない「静」の熱中度。
・満足感
一周15時間にも及ぶボリューム満点のストーリー。
そのプレイ時間には一瞬たりともおなじことの繰り返しや作業、プレイ時間稼ぎと思ってしまうような部分はなく、一年を通した旅路というストーリーの重さ、濃さはただプレイ時間が長いだけのゲームなどよりも、はるかにクリア時の達成感、というよりも「ここまで来てしまったのだ」という感覚が強かった。
ED時に、長い旅路の果ての、数々の別れや苦渋の選択を思い返すと、満足感や達成感という言葉では表現しきれない、重い荷物をようやく下ろしたような解放感と淋しさのような、あるいは逆にとんでもない荷物を背負い込んでしまったような重圧感は、優れた物語に全身でとりくんだ先にのみ得られる嗜虐と被虐の入り混じった快感としかいいようがない。
クリア後に思い返すと「The Last of Us」というタイトルの意味も深く、ゲームという媒体でここまで深い物語体験を与えてくれたことには大満足というしかない。
BAD/REQUEST
・リプレイ性が低い
敢えて、の批判になるが、何周もしていろんなプレイを楽しもうというタイプのゲームではない。
クリアすれば「強くてニューゲーム」もあるし、アイテム収集や難易度変更などのやりこみ要素もあるといえばあるのだが、どうプレイしても「同じことをもう一度やっているだけ」という感覚が強く、ゲームとしてリプレイ性が強いとは言えない。
今作は基本的には「娘を亡くした初老の男性が終末の世界を生き抜く」ということを追体験することに全力を尽くしている。ゲーム的な楽しみはそのために犠牲にされていると言えなくもない。ただキャラクター同士が話している場面やゆっくりと廃墟を歩いているだけの場面も多く、観ているだけの時間が長い。
だがそれでくり返しプレイする気がなくなるかというと、そんなことはない。優れた映画はなにも話が変わらないのに何度でも観たくなるように、大好きな小説は何度でも読み何度でも涙を流すように、今作は主人公ジョエルとエリーの旅路に何度でも付き合いたくなってしまう。
プレイするゲームとしてはまったく優れていない。だがゲームという媒体を利用した物語体験としてはこのうえもなく優れている。となると、結局はこの設定、この物語にひかれるところのない人間にとっては、ただグラフィックが良いだけの、退屈で凡庸な作品と受け取られても仕方がないだろう。
COMMENT
正直、プレイ前は「またゾンビものか……」という感覚が強かった。
PVを観ても、グラフィックは綺麗ではあるが「アンチャーテッド」からそこまで進化しているようには見えず、初老男性と少女の擬似親子の物語という点も「はいはい、ありきたりなお涙頂戴ね」という印象が強く、あまり惹かれるものではなかった。そのため購入したのは発売から二週間後だった。
実際にプレイしてみても、そのプレイ前の印象や予測を裏切るようなことはなにもなく、ゾンビものでありがちなキャラクターたちが、ゾンビものでありがちなシチュエーションを、ゾンビものでありがちな会話をしながら、ゾンビものでありがちな結末へと向かっていくだけだ。斬新さなどなにもない。
ただそのすべてのクオリティがこちらの想像をはるかに上回っていた。王道、正統派、ストロングスタイル。こちらのガードを正面から力づくでぶち壊された。
物語を「体験」できる媒体としてのゲーム、その現時点での最先端はまちがいなく本作。
終末の世界を生き抜くという物語を「体験」したい人はプレイするしかない。