【PS3】バイオショック インフィニット レビュー
発売元 | テイクツー・インタラクティブ・ジャパン (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-04-25 |
価格 | 7770円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションアドベンチャー ■ プレイ人数:1人 ■ PlayStation Move:対応 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 2pt |
80pt
GOOD!
・オリジナリティ
ストーリー主導型FPS、というのがまず少ないと思う。
このシリーズは主観視点での驚き、衝撃、というのをストーリー・演出ともに強く意識しており、1はそういう点でまちがいなく傑作だった。
今作も1ほどではないが、十分にFPSである意味を感じられるストーリーであり演出だった。
・グラフィック
とにかく美しい空中都市コロンビア。
前作までの海底都市ラプチャーも美しかったが、今作の美しさはそれ以上。
その世界をスカイラインと呼ばれるレールを使って飛びまわる楽しさと怖さはFPSならでは。
・ローカライズが良い
ローカライズがいい加減だと台詞回しが直訳的でわかりづらくストーリーへの没入感がさがるが、今作のセリフは日本語として大変わかりやすく、声優の演技が達者なのとあいまって没入感が高かった。
・FPSとしての十分な完成度
多彩な武器の使い分けに加え、シリーズならではの超能力の使い分けが面白く、危機の切り抜け方がいろいろとあって面白い。
・ヒロインがいい
今作で大きくフィーチャリングされていた、救うべき少女エリザベスがいい。
顔自体は日本人の感覚としてはまだバタ臭いが、十分に可愛く、その従順ではない行動力や言動と相まって魅力的であり、映像的にも演出的にもストーリー的にも「救われるお姫様」となっていないのが良い。
BAD/REQUEST
・ストーリー理解には基礎知識が必要
根本的に近代アメリカ史を知っておかないと意味がわからない部分が多い。
アメリカ史の暗部とifに挑むような意欲的なストーリーではあるのだが、悲しいかな日本人としては意味がなかなかわからず、調べて理解はしても、その衝撃というものを体感することはできなかった。
またそのあたりの知識をおさえていたところで終盤の展開は唐突で、一度ではたぶん理解できない。
全貌を知るには一周して概要をとらえたうえで、もう一周して台詞一つ一つを理解しながら、ボックスフォンをすべて回収し、意味を理解した上でもう一度EDを見る必要があると思う。
でなければ手っ取り早く解説サイトをさがして見るかするしかない。
せっかく高難易度モードが用意されているわけだし、意図的に二周プレイを推奨しているのかもしれないが、なんぼなんでもわかりにくすぎると思う。
・一部の能力が強すぎる
装備によって特殊な能力を得るが、「スカイラインの乗り降りで数秒無敵」など一部能力が極端に強く、バランスとしてどうなのだろうかと思う。
COMMENT
とにかく一度プレイをはじめるとノンストップの映像と演出に夢中になってプレイし続けてしまう。
あらゆるクオリティが安定して高く、嗜好さえあえば安心してプレイできる。ただその嗜好が決して万人受けとはいえないというか、前作まででも人を選んだのに、今作は前作とはちがう形で人を選ぶので、おすすめする気にはまったくなれない。
1に比べるとホラー要素が薄まった、という意見が多いように思えるが、たしかに1の閉鎖的な環境の重苦しさはなくなったと思う。
が、ストーリーをしっかりと追っていけばいくほど、美しい楽園が狂った思想に支配された世界であることがわかり、その美しさと裏腹な人々の選民思想と狂気的排泄的な行動に恐怖できると思う。
逆をいえばストーリーを理解しないとなにも怖くないのかな、と。
映像に頼らない恐怖を良いとするか悪いとするかは人を選ぶと思うが、しかし上述のとおり、その恐怖を理解するためのアメリカ基礎知識が必要なため、日本人には向いていないゲームだとも思う。自分としても、どうせプレイするならアメリカに生まれ育った人間としてこのゲームをやりたかった。これは洋書の名作とかを読んでいてもしばしば思う。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 2pt |
80pt
GOOD!
シリーズは1のみプレイ済みです。
☆システム
戦闘は1と同じで銃器、ビガー、近接攻撃の3つの戦闘スタイルがあり、銃器だけで遠くから狙うのも良し、ビガー・銃器を組み合わせてコンボ攻撃も良しと色んな戦闘スタイルがあり面白かった。
☆グラフィック
非常に綺麗です。時折、ボーッと風景を眺めて感動してたぐらいでした(笑)そのくらい綺麗です。
☆ストーリー
アメリカの史実が元になっているということでシナリオは非常に奥深いものになっている。他の方のレビューでもあったように1周目では理解しきれないので、2周以上するか自分みたいにクリア後にシナリオ考察サイトを見て答え合わせをするかがオススメです。読み解きにくいが、理解した時にあ〜なるほどと感動しました。
BAD/REQUEST
☆銃器の所持数
一度に2つまでしか持てないのが残念でした。色んな種類のを使いたい所ですが、結局使い馴染んだもの2つに絞られ全く使用しなかった銃器も中にはありました。
☆ギアシステム
装備することで色んな恩恵が得られるのは良かったですが、どちらかというと純粋にステータス値を上げるような成長システム的なものの方が自分としては良かったなと思います。
COMMENT
以前1をクリアしてましたが、2は評価が低かった為に見過ごしていた所に今回の3の高評価に惹かれ購入してしまいました。
結果的には大正解でした。
テーマがかなり大きな物で史実にある程度沿ったもので非常に現実味を感じさせ、これがもし自分がアメリカ人なら大興奮しただろうなあと思います。ストーリー、システム共によく出来ており1や2をプレイした人には是非是非購入してほしい出来ですね。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt |
76pt
GOOD!
FPSゲームとしては全ての要素が高い完成度でまとまっています。
とにかく世界観の作り込みが半端じゃない。
画面と音から得る全ての物に独特な空気感がありました。
架空の世界をこれほど魅力的にリアルに表現した事が素晴らしいです。
BAD/REQUEST
広告とかでひたすら”少女を救え”というキャッチコピーで押し出していたので
そういうつもりで進めていたらストーリーがだんだん複雑になっていって
あまり疑問も持たずにどんどん二段飛ばしぐらいで展開していくので若干ついていけませんでした。
世界観の作り込みは徹底しているのですがやはり海外の人向けというか
日本人にはウケづらいのではないかと感じました。
COMMENT
肝は空中都市という世界観と少女エリザベスとの物語ですが
どちらも完成度は高いのですがやはり海外向けの作品かなぁと思います。
けどアマゾンとかでは評価が高いので少し驚きました。
バイオショックシリーズとして見るなら怖さは初代と比べたら全然無いです。
初代は深海の暗くてどんよりした雰囲気で閉塞感のあるホラーゲームでしたが
今作は舞台が空という事で開放感があって明るいし
演出も初代の狂気というよりは大作アクションゲームという感じでした。
次回作が出るなら海、空ときて次はどこにいくんでしょうかね。それが楽しみです。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-02-07
シューターとしても純粋に面白い。空に浮かぶ都市で銃撃戦になるので、動きのある戦闘が多くなる。入り組んだ街で戦闘になり、遮蔽が多いから考えて動くことになるけど、クリアリング地獄になるということもないのでよく考えてあるなあと感じました。
右手と左手を駆使してどんどん敵を倒していくのはすごく楽しかった。敵の種類がただの人間だけじゃないというのもこういうFPSの面白いところだと思う。
どんなシューターでも銃撃戦でダレることはあると思うが、本作ではそれがなかったのがすごい。いわゆる探索パートと戦闘パートが分かれているからこそかもしれないし、アクションがキビキビとしていてまったくストレスフリーなのも大きいところかもしれない。きれいに作られたコロンビアは散歩していても楽しいですしね。逆にCODのようなキャンペーンが好きな人には向かないと思う。どちらかというとシナリオを構成する演劇の主役を操作する感じで、なんというかプレイする映画という感じがします。(PlayするMovieでは意味が変わっていない笑)
あと、エリザベスというのがヒロインなんですが、この子がとても魅力的だった。正直信じられないかもしれないが本当に良いヒロインだった。沢城みゆきさんの声もよく合っていた。エレノアといい勝負です。
ゲームをやめるときに最後のオートセーブは何時何分ですと教えてくれるのもいい。前作から3年を経て発売されただけあって、そもそもゲームとしてしっかりしている印象です。
いいところしか書きませんでしたが、ここに書いて挙げるほどの欠点はなかったように思います。新品1200円の価値は絶対にあるから買ってみてもいいと思う。フルプライスで買っても損はしなかったなとクリアした今は思っています。
GOOD!
初代「バイオショック」が徹底して主人公=プレイヤーという形の一人称での「体験」を重視した作りだったのと対照的に、本作「インフィニット」は、基本は一人称視点の体験をおう形であるがブッカー・デューイットというパーソナルを有する主人公を演じ、ヒロインであるエリザベスの謎を追いかけるという三人称での「観賞」という形に近づき、深海から天空へと舞台が変わったように、ナラティブの前提となる方向に変化がある。
3人称での観賞的なストーリーと言えばFFやMGSのようなムービーを多用したナラティブが大半なのだが、今作がそれらと違い特徴的なのは一切のムービーシーンを使わずに9割がたプレイヤーが操作できる余地があるままに、目の前で物語が進むのをリアルタイムで目撃していく形となる。
つまりそれは、ムービーを使って物語を加速的に語り進行させる、あるいはQTEなど使用してムービーとアクションなどプレイヤーの操作とミックスさせて没入感を呼び込むと言った形の映画的なゲーム体験ではなく、限りなく演劇的なゲーム体験と言う方が近い。そこがAAAタイトルでの3人称観賞型の物語のゲームでは類を見ない。特異な体験になる。
そしてスカイライン使用とエリザベスの能力ティアを駆使したハイスピードで戦略的な戦闘が実現できるのも良い。初代バイオショックはだらだらと敵が出てやっぱ鈍さやごり押しみたいな作業感が強かったのに対して戦闘シーンのデザインは非常に良い。(ただ初代はサバイバルホラー寄りであり、戦闘の意味が違うので好き好きだけど)
BAD/REQUEST
セーブがチェックポイントでしかできない。
次の目的地に行けと言う指示が効果音とともに現れるというのは、分かりやす過ぎる指示のせいで没入感が途切れるのに加え、やらされているというふうに思ってしまうのが良くない。ここはブッカーの一人ごとやエリザベスが教えてくれるなどの方法で解決できたはず。
上に行ったようにイベントの最中でもムービーシーンに移り変わることなくリアルタイムでやりとりして物語を進めるのだが、やはり長過ぎれば没入感が削がれてしまうので、語れる量に限りがあるようで展開が2足くらいすっとばして進んでいるように見えてしまう。
その情報の穴埋めを登場人物の証言を残したボックスフォンが担っているのだが、これが普通に遊んでいれば簡単に全部集まるものではない上に、物語の真相に関わる情報があるにも関わらず取りはぐりやすく、メインの展開が理解不能なまま進んでしまう可能性が少なくない。
COMMENT
ゲームはリニアで豪華な映画に近い体験にするよりも、ライブであり時に即興もあり、同じ舞台は無いという演劇の持っている性質の方に近づくことのほうがナラティブの成功率は高いと思っており、いくつかのゲームでそうした試み(FFにしたって6でオペラ、9で劇やったりとどっかしらメタな暗示はあった。分かってやってんのかはしらないが)が見られる、可能性が見えると思われたのを見かけたが、今作は現代演劇をゲームで遺憾なく実現している意味で特筆すべきものがある。
そして現代演劇というのが国家や人種と言った歴史から記憶や心理と言ったテーマを土台に上げ、多重に入り組む物語を演じるように、本作は体験と鑑賞がハーフの形でありながら積極的にプレイヤーに意識参加させる仕掛けが遺憾なく施されており、くだらない物語をリニアで眺めているという代物ではなく気が抜けない。
主要製作者であるケン・レヴィン氏の経歴に大学で劇と脚本を学んだというのを見たが、このバイオショックシリーズにてビデオゲームのナラティブに変化をもたらしたり、自分が演劇的と感じたのもそのあたりに関係あるのかもしれない。