オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 3pt | 5pt | 5pt | 4pt | 3pt |
89pt
GOOD!
*はじめに
これまでにDMCシリーズは全て体験済みで、本作とテイストの似たGOWやBAYONETTA、GODHAND(PS2)等のソリッドなアクションも好んで多々プレイしてきました。
賛否両論渦巻いた本作への最も大きな批判『これはあのDMCではない。』については、私はそもそもDMCの世界観やキャラクターに思い入れが一切なかったため、その観点でのコメントは控えています。
本稿は、あくまでアクション面を主とした"dmc Devil May Cry"の感想・レビューです。
*オリジナリティー 4pt
ナンバリングからは外れ、さりとて外伝やスピンアウトのような立ち位置でもなく、パラレルな作品と呼ぶぐらいしかこれまでのシリーズとの関連性を語れませんが、独特のイメージをしっかりと打ち立てたゲームに仕上がったと思います。
天使/悪魔での武器及び操作の使い分け、プッシュ・プルによる3次元を強く意識した戦闘、ファンタジーながら社会風刺や現代性・精神性を感じ取れる舞台設定、そしてシンプルだが人間味に溢れた主要キャラクターたち。そのあたりのブレンド加減が個人的には絶妙でした。
ただ、新規タイトルであればここまで注目されなかっただろうし、やはりタイトルとベースの部分で首をかしげる部分があるのは仕方ないよな…ということで、4ptに。
*グラフィックス 4pt
全体的に滑らかな描写ですし、乾いた空気感や背景(SFっぽかったりおどろおどろしかったり)の質感も見事でした。また、ムービーのリアルさ・秀逸なカメラワークには思わず魅入ってしまうことがしばしばありました(cp3のオープニングなど)。
敵キャラの中に若干やっつけっぽいのがいたり、何体かのボスがとにかく気色悪かったのは、洋の東西による解釈の違いってやつでしょうか。キャットはとても可愛いのですが(笑)。
とはいえ、全体的にはハイクオリティに纏まっていたと思います。
*快適さ 4pt
アクションの肝である、操作性=動かしての楽しさという点では、ほぼ満点です。洋ゲーとは思えないほどキビキビとキャラが動きます。
多くの方が仰っている様に、前作までと比較してという但し書き付ですが簡単にコンボを繋げられるのも◎。そこの敷居を上げても今更メリットはないでしょうし、プレイヤーによって色々な戦い方が工夫できるのでは。
武器にもそれぞれ個性があって使えないものがなく、ベヨとゴッドハンドからの影響をモロに感じさせる回避→攻撃の緊張感と、ディレイや溜め攻撃で破壊し尽くす爽快感のハイブリッドには、本作でしか味わえないカタルシスがあります。
ゲームバランスも良く練られていると思いました。シチュエーションも多様で、テレビニュースの中に入ってナレーションを聞きながら戦うシーンには個人的にセンスを感じましたね。
BAD/REQUEST
*サウンド 3pt
これは本作に限らずシリーズ通してそうですが、個人的にハードロックやメタルサウンドは…です。が、DMCに電子音やアンプラグドも可笑しいですし、可も無く不可も無く、ですね。効果音は違和感無く良かったと思います。
ロックオン機能のオフ、移動の多さ、片方の武器でしか攻撃できない敵なども、私は気になりせまんでした。むしろプレイに幅や奥行きが生まれて自由度が上がった様に思います。
ただ、ボスをあと1、2体増やしてほしかったのと、ストーリーにやはりもう少し説得力がほしかったですね(笑)。QTEや雰囲気を損ねるような過剰演出がなかったのは有り難かったですけれど。
最後に、挑発だけは何としても入れて欲しかった…。
COMMENT
*熱中度、満足感 5pt
率直に、久しぶりに心底楽しめるアクションゲームに出会えました。難易度を調整すれば、強敵相手にもこちらの思い通りの立ち回りでこれでもかと畳み掛けることができ、凄まじく病みつきになる魅力があります。〈現在のモードはSOS → HOH〉
開発のNINJA THEORYには、これまでの作品(HEAVENLY SWORD、ENSLAVED)の印象から密かに期待していたのですが、見事にやってくれたという感じですね。アクションの練度・精度は相当高いです。エンドムービーを見る限り、今回も相当制作費をかけてそうですが…(笑)。
最初に挙げたカプコン系諸作品へのオマージュはそこかしこに見受けられるし、強引とは言えDMCファン心理を掴んだ演出を紛れ込ませさせたりと、これまでのシリーズをリスペクトしつつ新たなアイディアをユーモアたっぷりに盛り込んだ感じが、プレイしていて最初から最後まで非常に楽しかったですね。
一般的には微妙な評価故に続編があるのか、はたまたマンネリ感漂うナンバリングをカプコン製作で進めていくのか、今後どういう展開になるのか分かりませんが、私としては"dmc Devil May Cry"には大満足です。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
1pt | 2pt | 4pt | 2pt | 1pt | 3pt | 2pt |
39pt
GOOD!
・戦闘
わらわら湧いてくる敵を、コンボを組み立てて倒していくことがやはり楽しい。疾走感や爽快感がある。テンポも良し。このゲームの肝。
・サウンド
シリーズ従来のギターとデスボイスや、ダブステップというのかクラブミュージック系の戦闘音楽が自分的にツボだった。きっと気分が高揚するはず。
BAD/REQUEST
・若干の物足りなさ
挑発の廃止。無くなって分かったが、あった方がよかった。
スタイリッシュコンボ?もなくなった。コンボ途中で敵が死んでしまい寂しい思いをすることが多々ある。
天使武器、悪魔武器があるのだが、そのどちらか一方しか効かない敵がいてストレス。他の武器で攻撃すると弾かれる。
・画面が蛍光色
実世界と異世界の差を出したかったのか知らないが、真っ赤だったり真っ青だったり真オレンジだったりと、とにかく目に悪い。
・ストーリー
それほど問題がある訳ではないが、希薄で、印象に残らない。そのためムービーなどが冗長に思えてくるところも。他色々あるが下に記す。
・アトラクション要素
ステージ中、飛んだり跳ねたりして足場を渡っていくような部分は自分なりにいらなかったと思う。
COMMENT
ここからはこれまでのシリーズが大好きな自分の偏った感想。
これまで積み上げてきたシリーズの実績を、もちろん悪い意味で根こそぎぶち壊してくれた。ダンテのビジュアルが公開された時期からかすかに臭ってはいたが、それでもどこか期待していた自分が愚かだったのだろう。
作中でダンテに銀髪のカツラが飛んできて、それを偶然かぶったとき、ダンテが鏡で自分の顔を見てダサいと言うシーンがあった。つまり開発陣はわざわざこのセリフを自分の作った黒髪でアジア風の“かっこいいダンテ”に言わせた訳だ。これにはさすがにどうかと思って失笑した。
またストーリーの運びも過去作のデビルメイクライを髣髴とさせる展開で、開発陣が考えた“かっこいいデビメイ”を過去作のステージを借りてまで作りたかったんじゃないだろうかと思わせられる。
キャラクターは名前と設定を借りているだけで性格は全然違う上にストーリーも微妙。
これまでデビルメイクライらしいキャラクターや世界観、ストーリーに魅力を感じていた自分としては、全部最高にダサかった。
なんだかんだ言ったが逆に考えると、デビルメイクライであるということを考えないようにするとそれなりにこのゲームは良作。自分がいろいろな部分にイライラさせられながらも、問題なく最後までプレイできたことがそのことを裏付けているはずだ。
初めてプレイする人や、ストーリーなんて知らん俺は派手なアクションゲームがしたいんじゃーという人は全くプレイして問題ないと思う。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 1pt | 3pt | 1pt | 0pt | 1pt |
36pt
GOOD!
・ダンテのアクション
通常状態のリベリオンと銃3つ、デビルスタイルの武器2つ、エンジェルスタイルの武器2つを瞬時に切り替えることができるため、過去作と比べても攻撃のバリエーションやコンボが非常に多い。戦闘だけで当分飽きないだろう。スナッチもどきができるのも非常に便利。空中で多くの敵をばっさばっさと切り刻むのは爽快。だが…。
・ダンテの見た目
最初はあのイカした白髪のダンテが…あり得ない…と思っていたが、見た目だけならそんなに悪くはない。
BAD/REQUEST
・ダンテのアクション
ロックオン機能の廃止。これにともなって過去作とコマンドがかなり変わった。ハイタイムと兜割りが○ボタンに変更。過去作をやりこんだ人には困った変更だが、これは慣れればいい。しかし、スティンガー系のコマンドが「2回同じ方向にスティックを倒して△」と非常に入力しづらくなっている。戦闘中に咄嗟に出せないし、他の技が誤発動しやすい。
・デビルトリガー
ゲージが溜まりづらくなった分、非常に強力になった。発動したら敵が無抵抗になって空中に浮く。嫌な敵はこれを使えば楽勝になった。まるで初心者救済措置のよう。過去作のように使用しても戦闘の駆け引きは続くようにして欲しかった。
・ムービーとロード
プレイ中に何度もムービーをはさむし、しかもそれにロードが入る。スキップできないカットシーンも多い。リプレイ性の強いこのゲームではこの上なく最悪だ。これでとことんやる気を削がれた。
・ステージ構成と無駄なジャンプアクション
これも最悪の要素だ。今回は雑魚敵戦が非常に少ない。ステージのうち殆どが無意味な移動である。ひたすらスナッチを使って進むステージがたくさんある。失敗することなんて皆無の無駄でしかないジャンプアクションを何度も何度もやらされるのだ。ただ女の子と歩くだけで数分かかるところもある。外注された会社はこんなものが楽しいと思ったのか。まるでセンスがない。
・ミッションのバランス
配分がテキトーすぎるんじゃないか。一部のミッションはとんでもなく長かったり(30分で評価SSとか)、一部のミッションは殆ど移動するだけだったり。ボス戦だけのミッションは4つもある。ボス戦の前に数分、戦闘もない移動があるのはただの水増しとしか思えない。
・一部の雑魚敵
エンジェルスタイルでしか攻撃できない敵、デビルスタイルでしか攻撃できない敵が出てくるが、それぞれ2つの武器でしか攻撃できないため、非常に単調な戦闘の繰り返しになる。
・ボス戦
燃えるボス戦が一つもなかった。ほとんどのボスがスナッチでの移動や、固定パターンの動きで、外装を破壊したら一定時間本体に攻撃し放題という繰り返し。ゼルダの伝説じゃないんだから…。1のクモや4のベリアルのような熱い駆け引きをするボスが一体はいても良かったんじゃあないか。
・ストーリーとキャラクター
酷い。本当につまらない。B級映画にも及ばないC級ストーリー、そして何の魅力も感じないキャラクター。仲間を助けるのが最優先だ!という人間味のあるダンテもこれはこれでありか、と思ったが最後までプレイしてどうでもよくなった。まるで展開もなく進み、せめて最後は…と思ったら最後がもう酷すぎる。こんなバージルはパラレルワールドであろうと許されない。ストーリーとキャラクターに関しては文句しか出てこない。
・言葉が汚い
やはり外人が作ったせいか、Fuck Youという言葉が何度も何度も出てくる。ファッキューファッキュー言うダンテをかっこいいなんて思えない。
・まさかの後日配信
初回版?を買ったらついてくるバージルが主人公のDLCと、ブラッディパレスは後日配信。『戦闘だけがまだマシ』な今回のゲームでブラッディパレスがいつ配信するか分からないなんてどういうことだ。
・スタッフロール
酷いストーリーが終わった後には、外人達が楽しそうにしているだけのメイキング映像とスタッフロールが流れる。何だか怒りが湧いた。
・音楽
ずっとデスボイスのようなものが何か言ってるだけの音楽ばかり。まるで印象に残らない。
COMMENT
過去のDMCシリーズを全て全難易度をクリアした一ファンとして、このDmCはDMCシリーズと認めたくない。全ての変更が改悪にしか思えない。最早、外人にDMCの同人ゲームを作らせてみた、というだけのゲーム。
ちなみに自分は決して外人が嫌いなわけではない。むしろ洋ゲーは大好きだ。だが、デビルメイクライシリーズに洋ゲーらしさは何一つ必要なかった。それがこのDmCでわかったというだけのことだ。
次回作は外注しないことを祈るばかりだ。
ただもしかしたら、過去作を一度もプレイしていない人にはそこそこ楽しめるかもしれない。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-05-06
2のような作業アクション足したような感じ
GOOD!
・事前情報を良い意味で裏切ったデザイン
散々、デビル名倉イなどとネタにされていたが、実際にプレイしてみると以外なほどダンテがサマになっている。プレイする度にスルメを噛むかのようにダンテのかっこよさが分かってくる。
1〜4までに歴代ダンテは様々なデザインがあったが、今作のように思い切ったモデルチェンジはインパクトがあった、というかこれ以外に目新しくすることはできなかったと感じたので、個人的にはこれが必然とも思える。初代ダンテがデザインされてから10年以上たっているので今回のまるでデトロイドのスラムにいるヤンキー兄ちゃん的ダンテは新鮮。
ステージに関しても無駄な謎解きなぞ皆無で赤と黒を基調とした悪魔の世界を上手に演出しているように見えた。
・過去作をきちんと踏襲したアクション性
初代から続くこのゲームの醍醐味、「敵の攻撃を避けて合間に斬る」というスタイリッシュなアクションはきちんと再現されている。ステージの雑魚戦も相当練って作られており、各武器の特性を把握しながら堅実に攻撃を当てていけば必ずスタイリッシュにプレイできる点も嬉しい。開発がカプコンでは無く、海外の外注であることに発売前は不安を感じていたのだが、エネミーステップやタメ攻撃等、過去作の良い所の操作性は一部を除き相変わらずで、開発者による過去作へのリスペクトが見えて良かった。
それだけにとどまらず今作は空中戦を多大に意識した技が多く、まだやりこんではいないが恐らく発見していない空中コンボが多数あると思われる。
・オリジナリティ溢れる世界観
前作までは邪悪な陰謀を持つ敵をダンテが倒していくという話だったが、今作は一変し、最初っから世界は悪魔に支配されており、そこからダンテが解放するというストーリー。
リメイクでも無く続編でもない、完全なモデルチェンジだからこそできる荒業だと思う。シリーズファンの自分としては「4」までで世界観の行き詰まりのようなモノを感じており、特に初代制作者の神谷氏の影響から抜け出せていないような印象があったので、この思い切りの良さはとても評価したい。
BAD/REQUEST
・もう一味欲しかったアクション
GOODの欄に書いたが、一部の操作性が気になる。具体的にはスティンガーや回避等。
回避に関してはもう少し動作キャンセルの幅を広くして欲しかった。剣の振りが速いとは言えないので斬っている最中に敵の攻撃が来ると避け切れない場合がある。GOWやベヨネッタぐらいの神回避性能でも問題なかったはず。また、スティンガー(突進攻撃)も△の入力タイミングが遅く、せっかく使い勝手が良い技なのにこのコマンド入力方法とタイミングで台無しにしている。
・似た様な色彩のステージが多い
同じマップという意味では無く、赤と黒を基調とした色でステージが彩られており最初こそ新鮮なのだが何時間とプレイしていると赤色が目に痛くなってくる。もうすこし緑や青などを使って欲しかった。
・ボス戦が単調
初回撃破までは攻略方法を考えたりで楽しいのだが、効率的な撃破方法を分かってしまうと後は作業に近い。やはり雑魚戦が本作の一番の旨みということだろうか。
・ストーリーが単調
そもそもDMCシリーズはストーリー自体オマケみたいなものだから気にならないといえばそれまでなのだが、他の点が良かったため、もう一捻り欲しいなと感じる。
COMMENT
良い意味で予想を裏切られた良作。これに尽きる。
続編も希望。ただし攻撃モーションは後コンマ2秒ほど速くして欲しい。