PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

■ストーリー（オリジナリティ）
正直映画等でも似たようなものは沢山あるので、満点とはいきません。
が、ゲームというジャンルの中では、おおまかに世界を守るストーリー物はあっても、地球を守る軍の隊員となって
というのはほとんどありません。
よって、内容的にはありきたりではありますが、現段階では他ゲームとはまたちょっと違ったものが味わえる
唯一に近い内容ではないでしょうか。
個人的にはかなり好きですね。


■共闘感
前作までは防衛軍と言いながらも共闘するＮＰＣもごく僅か、軍とは名ばかりの集まりで、毎ステージＮＰＣ含め
たった数人で挑む内容ばかりでしたが、ここにきてようやく軍（もしくは軍内の一個大隊）レベルの戦闘シーンが
拝めるようになりました。
このＮＰＣの大増員は単純に楽しい。一瞬でも自分が地球防衛軍の一員なんだというちょっとした高揚感と
共闘感が味わえますので、単調な攻略が多少盛り上がります。


■システム
ここに関してはほぼＢＡＤ項目なんですが、ロード時間の短縮はすばらしいかと。
ＰＳ３の『防衛軍４』まではシリーズ共通で１分ほど延々と待たされフリーズしたかと思うこともしばしばだったのが、
今回は長くても２０秒以内程。
・・・まぁこれでも「十分長いだろ」と賛否あるでしょうが、一応今までの作から飛躍的に進歩した箇所
なのでやや加点。

あと、前作まではどうしようもなかったレベルの処理落ちも大幅軽減。ゼロではないのが残念ですが、
遊びやすくはなっているので、その点は高評価。


■グラフィック
ＰＳ４なのでもはや当然と言ってしまえば当然なのですが、グラフィック向上は嬉しい所です。
各武器のエフェクトや兵器や敵の細部までの作りこみは高評価。
ただ、贅沢を言ってしまうとＰＳ４単体のみの製作品としては普通レベル。
これがＰＳ３と同時だったらレベル落ちも少しは納得できますが、ＰＳ４単体ならばもう少しどうにかできたのでは
と思わせる箇所も多々ありました。


■各キャラ
４種から選べるのですが、やや強化されました。
特に強化という点ではレンジャーが一番優遇されたかと。
まぁその優遇が良い方向になったかは別として、前作との違いを出してくれたので加点。
でもＢＡＤも有。

BAD/REQUEST

■サウンド
ただの使いまわし。サウンド自体は可もなく不可もなくですが、前作と何ら変わらないので１点。


■グラフィック
確かに全体的に良くはなりましたが、前作でも問題だった敵の攻撃や撃破した後なのど視界を妨げる効果がそのまま。
ＰＳ４になって敵の数は大幅に増えました。その分敵の攻撃も苛烈になるのですが、その攻撃で視界を奪う類の
蟻の酸や蜘蛛の糸・蜂の針・撃破後の体液や飛行船の光線等も大幅に増加。
難易度が高いステージだと、もはや何がどうなっているかがまったくもってわからないまま終了なんてざら。
こちらの攻撃も、リアルさを出すための爆発煙や光が眩しすぎて視界が分からない事も多々。

今回初の試みである洞窟内でのライト越しの戦いはリアルさがあって良いのですが、リロード中はライトがなぜか
下しか照らさない仕様でひじょうに億劫。
こういった細かい箇所の積み重ねが結果的に点数激減。


■使いまわし
『防衛軍４.１』というだけに４と比べてもアップグレード程度の僅かなレベルアップしかありません。
それはやはり４からの様々な使いまわしが多いからかと。
まぁ４がベースなので分からなくもないですが、ここまで使いまわしてフルプライスはあこぎです。
キャラデザインも使いまわし。
マップも開始場所が違うくらいでマップデザイン自体は使いまわし。
手抜き感が半端ないので減点です。


■相変わらずの劣悪バランスとシステム
もうこのシリーズの恒例とも言える悪い箇所が、今回もそのまま。このおかげで熱中度は大幅減。

まず前作でも言われていた、味方の攻撃は障害物通過不可なのに、敵の攻撃は通過可の改善がされていない。
これは主に蜘蛛の糸攻撃ですが、一部情報では「改善された」と記載されていましたが、改善されたのは
一部ステージや、一部条件下のみ。他ステージでは普通にビルを通過して攻撃してきます。
洞窟ステージでも、壁越しに糸だけが出てきてダメージなどはもはや当たり前。
なにをもって「改善された」のか本人に聞きたい所です。

次にＮＰＣが増え共闘感が増したのはプラスの箇所ではありますが、ＮＰＣのＡＩの低さはそのまま。
つまり前作同様、壁越しの敵にダメージを与えられなくても全員が壁に乱射したり、自分の前に当たり前のように
割り込んで邪魔をし、結果誤爆で死亡。
他の方もおしゃってますが、指揮下に入れれば攻撃を邪魔して誤爆や自殺を誘発させ、指揮下外のままだと攻撃しなければ
動かない敵にも勝手に突撃しててんやわんや。場合によっては、こっちがアイテム回収をしているにも関わらず
勝手に敵を全滅させ強制終了。烏合の衆とは正にこの事。
この集団のどこが防衛軍なのか・・・。

個人的に一番腹立つのが、いまだにアイテム回収を手動でしなければならない点。
このゲームは敵が落とすアイテムで武器の取得・アーマー（最大ＨＰ）の強化・回復ができるのですが、
結構広いステージ、しかも高低差があるステージ等を空を飛べるウイングダイバー以外は基本徒歩（ローリング）等で
回収しに行かなければなりません。
更に武器は何十個取ろうが、運が悪いと同じのが何十とダブって意味がないわ、アーマーは兵種によっては３～４個で
やっと最大ＨＰが１上がる程度。
無限取得技で３～４時間かけて１０００個取ったとしても、最大は３００台しか上がらない・・・。

これが数十回繰り返して何とかなるレベルのゲームならいいのですが、残念ながら数百回やりこまないとトロフィー獲得は
不可能と思える難易度設定の為、延々と、ほんとに延々と同じ事の繰り返しなんです。
それだけに、この地味で時間がかかる回収作業を武器とアーマーだけ自動回収という設定にしてもらうだけでも、
このゲームの評価は結構変わるんですけどね。
それだけ長くしていると面倒臭く、イライラさせる要素なんだけに残念。


■キャラ強化要素
各キャラ共ややベースアップされた箇所はありますが、結果的にどれも使い勝手が悪く、なぜこんな微妙な
感じで設定されたのか謎。

レンジャー：前転で障害物を壊せるようになりましたが、前転途中ではなぜか破壊されず、障害物に寄り添った状態でしか
破壊不可のため、結果移動詰まりが度々発生。
ＮＰＣの回復ができる様になったのは単純にありがたいが、レンジャーだけ使い続けるわけではないので、
これだけは他３種にもつけてほしかった。よって、結果的にありがたいけど微妙なスキル。

フェンサー：移動中の障害物破壊は有難い点。でもそれだけ。移動も一番遅いので、移動を早くできる装備を
必然的に装備しなくてはならず、結局自由度は低い。
元々使い辛い兵種なだけに武器等にもっと工夫がほしい。

エアレイダー：今回一番大きく取り上げられていた超大型生物との戦闘に使用する対抗兵器を唯一要請できるので
それはそれでいいのですが、この兵器が超絶使い辛く、オンラインやオフの強制使用ステージ以外で使用する要素は
ほとんどない。恩恵もないのでその兵器の存在価値もほぼない。

また、もう１つ新規導入された洞窟メインで使える蜘蛛型ビークル。普通に使う分にはいいのですが、移動時の壁移動の
しにくさ。悪すぎてひじょうに酔います。

ヘリもゲーム史上一番操作性が悪いと断言できるほど悪く、なぜあんな操作方法にしたのか。
よくあんなのでＯＫが出たなと、ある意味感心してしまうレベル。
生身武装も弱体化され、もはや使う価値もあまりないほどなんですが、それでもトロフィーのためには使わざるを得ない
微妙すぎる兵種。


■バランスの悪さ
例えば難易度。このゲームはイージー・ノーマル・ハード・ハーデスト・インフェルノと５段階ありますが、
インフェルノの難易度は正に鬼畜。
これがプレイヤーの武器や操作でクリアできるなら納得できますが、敵の攻撃の苛烈さと視覚効果が酷過ぎて
まったくもってクリアの目途がたたない作りの難易度っていかがなものか。
プレイヤーの腕もほぼ関係なく、ただただアーマーを増やしてでないとクリアが困難。なので難易度の
低いステージで延々とアーマー集めの日々。
そんなのやり込みでもなんでもありません。ただただゲームシステム全般のバランスが悪いだけです。


■相変わらず難易度激高のトロフィー
内容はＰＳ３とまったく同じです。それだけに、チート不可のＰＳ４でプラチナは極めて難しいです。
私が登録してもらっているＰＳＮフレンド及びリアフレで地球防衛軍のプラチナ獲得者は、１２人中１人。
学生さんで５００時間弱プレイしての獲得だそうです。
学生さんよりも時間に余裕がない私はまだ１１０時間・・・先が全く見えません。

基本オフラインメインなのでオンラインでのオールクリアでもトロフィーが取れるかは分かりませんが、
こんな理不尽な難易度等で引き延ばしたゲームはプレイしてても面白くありません。

上記の様々な要素から、満足度・快適性はいずれも０点。
ユーザーを楽しませるというよりも、製作陣の自己満足が優先された様な出来に不満が残ります。

COMMENT

色々悪い点を書きましたが、それでも一部神ゲーとまで言う熱狂的なファンが多かったり、
中古市場でも現状さほど値崩れしていない点でも、決して頭ごなしにクソゲーといえるものではないと思います。

というか、私自身ストーリーや細かい内容だけはかなり好きだし、オンラインも結構楽しめています。
ただ、トロフィー集めを主としている私には、何百時間も時間を割いて延々と続けないと獲得できなかったりとか、
シリーズ通して全く改善されることがない、不親切極まりないシステム面が大きく足を引っ張っているので
結果的に総合点が低いのかと。

そういった細かい点をきちんと修正さえすれば、神ゲーとは行かずともひじょうに良い高品質の良作になり得る
のではないでしょうか。
でも、現状は神ゲーの可能性を秘めた駄作、そんな印象。

他レビューサイトや通販サイトでも、ＰＳ３の『防衛軍４』の不満点は皆さんほぼ同じ箇所でした。
なのに４.１でも同じ所業では、点数が上がるはずもありません。

少なくとも製作陣はユーザー目線ではなく、あくまで自分らのエゴで作ってるのだなという要素が詰まってます。
だからストーリーやキャラ等は及第点ですが、反面長くプレイするための要素であるシステム面は壊滅的。

トロフィーを取る目的ではなく、ただ難易度ノーマル等でクリアだけを目指すのであれば買っても問題ないかと
思われますが、トロフィーを目指しているのであれば覚悟が必要。
本当に勿体ない作品ですね。