【PS3】蒼の英雄 Birds of Steel
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2012-03-08 |
価格 | 6980円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:フライトシミュレーター ■ プレイ人数:1人(通信時:最大16人) |
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発売元 | コナミデジタルエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2012-03-08 |
価格 | 6980円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:フライトシミュレーター ■ プレイ人数:1人(通信時:最大16人) |
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GOOD!
前置きとして、私はエースコンバットシリーズは大好きですがエアロダンシング、エナジーエアフォースなどのフライトシミュレータ系は苦手でした。
友達に一緒にやってみないかと勧められて購入し、取り上げている世界観には非常に魅力を感じたものの、やはり苦手な部類であり当初はそれほどプレイを続ける気はありませんでした。オンライン対戦でもアーケードモードで安心操縦とはいえ、兵器は機関銃オンリーという地味さで引き込まれることはありませんでした。
なんて地味で取っつきにくいゲーム(シミュレータですが)なんだ、と一時放り投げそうになりましたが、友達に教えられ、苦手を克服するべく思い切って対戦のシミュレータモードを練習しまくった時、このソフトの奥深さに気付いたのです。
シミュレータモードでは敵機の名前が赤く表示されたりしません。ミニレーダーもありません。高度、速度は計器を読むしかありません。ぼーっとしてると失速してきりもみ状態の後、墜落します。昨今のゲームに見られる豪華ホテルのようなお客様を歓待する姿勢は全くありません。
自分の目で敵を発見し、自機の体勢を理解し、速度と高度と出力を確認し、適切な操縦を経た後に敵機撃墜の結果を得ることができます。
自分で気付き、考えてプレイしている内にまるで自分が大空を自由に飛ぶパイロットに成長している気分になってしまうのです。これは非常に希有な体験といえます。
比べるべきではないと理解していますがエースコンバットシリーズは大変素晴らしいゲームです。エースパイロットの気分になって大空を飛ぶ体験としてはトップクラスですが、蒼の英雄は「本当の」パイロットを疑似体験できる貴重なソフトと言えます。
飛行機は適当に操縦すると全く言うことを聞いてくれない奇怪な乗り物である反面、「お前はこう飛ぶのが得意なんだな」とわかると驚くほど無理を聞いてくれる乗り物だと感じることができます。その体験をさせてくれただけで自分の中では名作の部類に入ります。
ちなみにこのソフトをプレイする上での注意点ですが、なるべく大きなテレビでプレイした方がいいです。なぜかというと敵機を発見できないと何も始まらないという理由が大きいですが、解像度の高さも相まって機体のシルエットから敵か味方かも判別できますし、機体の迷彩が驚くほど効果的なんだなと実感させてくれる点も捨てがたいためです。
BAD/REQUEST
元がPCソフトであるので家庭用ゲーム機での操作性は正直、無理があります。それでもプレイする上で不便がないように最大限考えられたコントローラキーコンフィグには苦悩の後も感じられ、通常は不親切に思われますが私は好印象でした。
とはいえ自分なりにやりやすいコンフィグを行うにも情報を調べなければならない部分はどうしたって不親切でしょう。コンフィグのやり方、という説明書以外の別冊があっても不足ではないと思えるほどの細かさです。
最もそれが必要だと思える点はシミュレータモードであまりに初期の機体(例として複葉機)に乗ると上空で突然エンジンがストップしてしまう現象に陥ります。これはエンジン始動キーを操作に割り当てていれば再始動ができるのですが、デフォルトでは振り分けられていません。つまりエンジンストップしたら墜落するしかないのです。
逆にコンフィグのやり方を調べ、自分なりの調整をすると劇的に操作性が向上します。
そういった意味ではこのソフトを楽しむ上で重要な情報が説明されていないのは欠点でしょう。
後はオンライン対戦でのシミュレータモードの部屋が少ないことでしょうか。いかんせん難しいのでここはいかんともしがたいものがありますが。
COMMENT
Goodで書いたように、「本当の」パイロットの気分を擬似的にでも体験させてくれる本ソフトは非常に稀少なものです。
離陸と着陸の難しさ、水上機で海面から無事に離れる難しさ、気流を翼に絡ませなければろくに飛ぶこともできない感覚、悪天候での飛行がいかに困難で危険なことかを知る、それらを理解した上でうまく自機を空に浮かばせた時の爽快さと対戦相手の虚を突いて撃墜した時の達成感は他のソフトでは得られないレベルのものとなります。
「シミュレータモードじゃうまい人ばかりだから遠慮したい」と思ってても大丈夫です。うまい人でも連続撃墜することは非常に困難なのです。1ゲームで2機落とせれば上々、4機も落とせれば大戦果です。多くの場合、1機も落とせず飛んでるだけですが逆に言えば自分も1回も落とされずにいられる事も多いです。スタートして5分もせずにやられてリスポン、やられてはリスポンというスピードではなく、落とせなければ今日は日が悪かったなで済ませる、そんな雰囲気ですので遠慮することなく是非シミュレータモードをプレイしてもらいたいと思います。
シミュレータモードの特徴を二つほど。
ゲーム中、フレンドリーファイアで友軍に落とされたりしてしまうことも時にあります。これはもしかしたら自分の時だけなのかもしれませんが、そういった時、シミュレータモードでは即座にお詫びのメールが飛んでくることが珍しくありません。その後、自分が友軍を落としてしまった時はお詫びメールを打つと相手からはすぐに快く「気にするな」と返ってきました。
シミュレータモードではまともに飛行するだけでも難しい、うまい人でも油断してると簡単に落とされる、その中で技量を競ってプレイする人たちは非常にマイナーでしょう。変な言い方をすれば世界の好き者大集合です。
このソフトで得られる体験が本当に好きな人たちだからこそ、真摯な態度でプレイしているのかな、と思いました。
もう一つはシミュレータモードの部屋の少なさから、同じ時間に入ると同じ人がいる可能性が高いです。今日もいるなと隣を飛んでいるといつしか翼を振ってくれたり、援護してくれたり。特にコミュニケーションをとるわけでもないですが一緒に大空を飛ぶ仲間、そんな気分にならせてくれる時もあります。
長々と書きましたがこのソフトは取っつきにくく地味で難しいのは否めません。しかしその先にある体験は昨今にない水準の高さがあります。「おすすめですよ」とは安易に言えませんが現実に体験するには不可能な世界を垣間見させてくれる、そんな奥深い良いソフトです。