PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

■戦闘
共鳴（リンク）という発想は面白いです。
相方が挟み撃ちや足止めをしてくれたり、
リンク時限定の特技を使ってくれたりとなかなか便利。
ただし、片方が受けたダメージの一部と状態異常もリンクして相方に移ったりと、
実はデメリットも…。
そしてそれに対する相方の反応も面白かったり。

ジュードが毒を受ける
→リンク相手のレイアに移る
→レイア「移さないでよー！」
→ジュード「ご、ごめん…」

戦闘中に操作キャラの変更はもちろん、メンバー交代やリンク相手の切り替えも手軽に出来るので、状況に対し臨機応変な対応ができます。


■確実に進化しつつあるグラフィック
テイルズ作品としては、もの凄く頑張っているのではないでしょうか。
右スティックでの視点操作が遂に導入され、それに伴って風景の描写もかなり綺麗になりました。
巨大な風車のある町はずれの街道から、遠目に風車の上部が見えてたりするなんて、まさかテイルズで実現するとは思っていませんでした。
キャラクタもカッコイイです。
イメージイラストとはちょっと雰囲気が違うキャラも多いですが。
あ、あとアニメーションはすごいです。
思わず見入ってしまうような美しさと迫力でした。


■レベル制のショップ
今回は各地にある全てのショップがレベルを共有しています。
主人公達が拾い集めた素材を納品する事でショップのレベルが上がり、
レベルが上がると新しく商品が追加されていきます。
このショップレベル上げが意外と面白く、根気さえあれば序盤で最強レベルの装備を揃える事も理論上は可能。（もちろん途方も無い時間を要しますが）
私は難易度ハードでのんびりレベル上げもしながらプレイするスタイルなので、このショップ制度は多いに助けとなりました。
素材とお金の入手バランスも絶妙で、集めた素材を納品するか、売ってお金に換えるか悩む事が多かったです。

BAD/REQUEST

■シナリオ
前半は行ったり来たりで話がほとんど前に進まず、後半は大事な部分を一段飛ばしに駆け抜けるような展開でした。
正直、物語の構成としては雑な印象を受けます。

そもそもシナリオ自体、冒頭では人と精霊を守るという使命の為に右往左往するも失敗続きで終始敵の掌の上で、終盤突然エネルギー問題にすりかわったかと思うと、知り合いの知り合いが開発した新技術によって解決するという、ヒーロー不在のお話です。
いや、正確には解決したのかどうかも微妙ですが、とにかく解決できそうな技術が全く知らない所でいつの間にか開発されていたのでとりあえずそれにすがってみよう、という形での結末。
よく考えたら俺いらないな。


■属性吸収
良い点に戦闘を挙げましたが、今作最大の失敗は属性攻撃に対する耐性値が高すぎる事でしょう。
私はどちらかというとＲＰＧには歯ごたえを求めているので、初見ハードで全滅したって楽しめますし、最序盤の敵がやけに固いと思ってよく見たらＨＰ2400あったって笑えますし、それゆえにチュートリアル戦闘で本気で死にかけたって良い思い出にできます。
が、カッコ良いボスの秘奥義で味方のＨＰ全回復だけはいくらなんでも萎えます。
終盤は属性耐性が簡単に吸収までいっちゃうんですよね。
そのせいで特定の属性攻撃を連発する種のボスキャラがとても可哀想な事になっています。


■やり込み要素
他のテイルズシリーズと比較すると、かなりボリュームが薄いと思います。
グレード引継ぎによる経験値10倍とか、別に無くても99までいけちゃいますし、クリア後の隠しダンジョンもボス戦一回だけですし…（ハードでのコイツの強さに関しては涙が出そうでしたが）
Ｇｆとかたしか８回くらいあったはずなんですが。
周回しろって事なんでしょうけど、１周目にやり残しがあまりに多いとグレードが寂しい、かといってちょっとやるとすぐ２周目でやる事が無くなってしまいます。
２周クリアで開放のダンジョンとかあれば良かったですね。レベル上限ももっと高ければなぁと思います。
２周目へのモチベーションになる要素が少ないので、現在２周目途中でやる気を失いかけてます。

COMMENT

ジュード編・ハードでのプレイでクリアに約40時間。
サブイベントは目に付いたものだけ消化した感じです。
難易度が低いと言われていますが、確かにノーマルだと20時間台で終わってしまいかねないボリュームです。
ハードだとザコ戦でも数分、ボスに至っては20分くらいひたすら削り作業が続きますが、ノーマルではザコ数十秒、ボスでさえも３分あれば片付いてしまいます。

戦闘以外はあんまり中身の濃いゲームではないので、早解き気味の方には物足りなさが強く残ると思います。

ただし「テイルズにしては」というだけで、他のゲームとの比較で言えばやっぱり巧くまとまった良い作品ですよ。
物足りないなかでも楽しめる部分は多いので、その辺はさすがの安定感だなと感心させられます。