【PS3】L.A.ノワール
発売元 | ロックスター・ゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-07-07 |
価格 | 7770円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:クライムスリラー ■ プレイ人数:1人 |
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発売元 | ロックスター・ゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-07-07 |
価格 | 7770円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:クライムスリラー ■ プレイ人数:1人 |
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GOOD!
GTA4、RDRをプレイ済み。ロックスターゲームズのファンです。
その上で、フリッツ・ラングやキューブリックといったモノクロ時代のフィルムノワールといわれる映画のファンです。
このゲームを楽しむにはそういう嗜好を持っているかどうかはかなり大きなウェイトを占めていると思います。
・世界観
このゲームの舞台は1940年代後半のアメリカですが、前述のフィルムノワールの影響が色濃く出ています。
具体的には犯罪や人種差別の横行する世相や、スモークなどの効果や、強い陰影を駆使したグラフィック、ジャズやR&Bなど「大人の世界」の演出が抜群で映画の世界に入ったような気分に浸れます。
オプションで選択できるモノクロモードの画面は再現度の高さに唸りました。一度はモノクロモードを試してみる事をお薦めします。
・グラフィック
単に絵が緻密か、実写に近いか、という観点で語るならばリアル志向のFPSなどでもっと綺麗なものはあると思いますがこのゲームの絵作りも凄いです。
まずは尋問での緻密な表情でしょうがこれは他の方もあげているので細かくは書きません。
もう一つは街の作り込みです。映画やネットなどで当時のロサンゼルス、ハリウッドの様子を調べて見ると建造物や自動車のマニアックなまでの拘りにニヤリとします。
・ストーリー
タイトルにノワールとあるようにこれまた映画のようなストーリーです。フィルムノワールという映画は世界観で書いたように暗く、希望のない世界を描いたものが多いです。ネタバレになるので書きませんが運命に翻弄されていく主人公の姿はまさにノワールでした。
開始当初こそプレイヤーは主人公として楽しむことも出来るでしょうがあっというまにそれは変質してしまいます。
上司、あるいはそれよりも上の権力者の圧力によって証拠とは矛盾する容疑者を犯人に仕立て上げる事を強要され、途中のカットインで罠に嵌められる事がわかっていながらその運命を変えることも出来ない。プレイヤーは主人公ではなくスクリーンを通して観ている映画の観客のような立場になります。
ここをBADにあげる人もいますが、私はACGでもRPGでもADVでもストーリーが一本道である事が悪い事とは思いません。L.A.ノワールのストーリーは大人の鑑賞に堪えうる上質なものだと思います。
BAD/REQUEST
・活かしきれていない広大なマップ
路上犯罪や収集要素などもあり全く意味がないとは言いませんが、GTAやRDRのオープンワールドアクションでは楽しめたマップも、実質ADVがメインの本作では相性が良くないと感じます。
タクシーとか使えないし車も手当たり次第に盗んだり出来ないので、結局相棒に目的地を指定して運転してもらう事でショートカットという方法を取るのですがそればっかになります。ショートカットですから景色とかあまり楽しめません。
好きな車に乗る時、マップに散らばったコレクションの収集の時は完全に頭のスイッチを切り替えてプレイするというのは寂しいです。
・アクション要素
今回はADV、アクションシーンは失敗が重なるとメッセージが出てカットできます。
でもこれまでのロックスターのゲームが好きならば銃撃戦もカーチェイスも楽しみたいと思うのが普通でしょう。それがおざなりにされているのは正直マイナスです。
お気に入りに車に乗って操作をしていたのにデモシーンを挟んでカーチェイスになったらデフォルトの警察車両に強制的に戻されている、これは残念です。
私の場合は結局好きな車を使うのは捜査を中断して隠しアイテムの収集する時とか限られた場面のみでした。
武器もほとんどの場合標準装備のハンドガンばかりです(路上犯罪への対処の時はトランクに他の武器がしまってあることもあります)。
敵の武器を拾って使う事も出来ますがそれが他の場面の時に「さっき使ったライフルやマシンガン使いたいのに」という不満をいっそう感じさせます。武器を使いこなすスーツなんてあってもガッカリです。
威嚇射撃、殴り合いも使えるシーンはシステムで決まっていていつでもどこでも、ということが出来ないのも残念でした。
・直感システム
尋問や捜査の際に調べるべきポイントや選ぶべき選択肢を示してくれる救済措置ですが、上記のようにアクションにガッカリしているのにここまで助けたらもはやゲームとして楽しむ部分がなくなってしまいます。
自分は使うのをやめましたが下の総評にあるように「間違った選択肢を選ばないと語られない事実」があるのならば正解・不正解の表示までなくしても良かったとさえ思います。
COMMENT
HDTV使用
非常に遊ぶ人を選ぶゲームです。一応点数もつけましたが言いたい事は文章に書きました。
グラフィックやサウンドは特にフィルムノワールや当時の音楽に思い入れがなければ低い点数になると思います。
「今回はGTA、RDRとは違うゲームです。」と言ってしまえば簡単ですが、低い点数をつけた方々は「GTA、RDRの土台の上に更に新しい推理要素を持ったゲーム」を期待したからこそ裏切られたような気持ちを持っているのだと思います。
私も概ね同意です。「これまで楽しんできたことを本当にここまで削らなければいけなかったの?」という思いはあります。その上で、それでも私はこのゲームが気に入りました。
具体的には尋問のシーンで「正解数」があるのですがこれが曲者です。
このゲームには「特定の条件を満たさないと語られない事」が沢山あるのですが実は失敗しないといけないこともあるのです。尋問を失敗して証拠集めに出た時だけ見つかる真実なんてものまであり、その深みは他のゲームでは絶対ここまで作りこめないと断言できます。クリアしてもうやる事がないと思っている方は違った進み方を意識してやってみてください。
尋問そのものも「嘘をついている、隠し事をしている表情」が明白な人物とそうでない人物がいます。単純な正解・不正解ではなくコンピュータにだまされる。この感覚は新しい体験でした。
ぜひこのゲームの財産を無駄にせずGTA5で更に昇華して欲しいと思います。