【PS3】メルルのアトリエ 〜アーランドの錬金術士3〜
発売元 | ガスト (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-06-23 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:新約錬金術RPG ■ プレイ人数:1人 ■ プレミアムボックス:10,290円 【廉価版】 ■ 発売日:2012/05/31 ■ 価格:3,990円 |
GOOD!
全体として、作品の出来が大変良い。
ゲームのシステムがよく考えられており、熱中度が高い。
苦労して強力な武器やアイテムを調合すると、それ以前の何倍も強くなっている手ごたえがあってハマれる。
ゲーム内での期間的な制約があって、やることを絞らなければならないという緊張感が持続するようになっており、周回プレイでのマンネリ感も少ない。
ストーリー面は世界観、設定などがよく考えられている。
宿命によって世界を救いに行ったりするわけでなく、単に1人の女の子の家庭の事情から話が始まっていて斬新な感じがした。
これはプレイしたトトリ、メルルの両作品に共通している。
音楽も物語にマッチした良曲が多く、高く評価できる。
バトル時の音楽に戦隊モノ系のテーマがあって、ちょっと笑える。
遊び心が入っていて、それもまた作品によく合っていると思う。
基本的に立ち絵での会話を中心にゲームが展開するため、高度なグラフィック技術が使われているわけではない。
フィールドやバトルは3Dとなっているが、やや平面に見えてしまう。
元のキャラクター絵の特徴を失わないために必要だと思うが、別にPS3で作らなくても出るクオリティである。
悪いことではない。むしろ、良ゲーに高度なグラフィック技術等々が必ずしも必要でない好例だと思う。
基本的に1周目で装備を整え、2周目で全エンディング制覇を目指すようになっている。
個人的な話で恐縮だが、普通に2周目に入るくらいに面白かった。
プレイヤーが社会人ともなれば年に数本しかゲームをやれない人も多いと思うが、そうした人にもオススメできる良作だと、私は思う。(ただし後述の通り、ややプレイヤーを選ぶので注意が必要)
BAD/REQUEST
トトリのアトリエに比べて調合のルールが難しくなっており、初心者には分かりづらいように感じた。
初めてプレイする人にとっては、おそらく前作トトリのアトリエくらいの複雑さがよいのではないかと思う。
1周目でトゥルーエンド(一番難しいエンド)を見るのが極めて困難なのも、おそらくは前作までの流れを組んでいるものと考えられる。
2周以上のプレイを前提としている辺りも、新規プレイヤーにとってはハードルが高いだろう。
また、システム面でやや使いにくいところがある。
アイテム特性の検索機能がないのはいただけなかった。
前作には検索機能があったので、どうしてなくなっているのか謎である。
ゲーム中に探している特性がなかなか見つからなくてイラッとする。
調合直前に付与できる特性がスクロールできず、全て見られないのもストレスになった。
加えて、おそらくは最近の流行なのだろうがBLと百合に話が傾きすぎているために、プレイヤーを選ぶと思う。
メルルをプレイすることによって、新しい世界が開けてしまう人が多数いるであろう反面、正直イベントの中には気色悪いものもあって好みが分かれると感じた。
ストーリー展開も、これまでの作品に出てきたキャラクターを無理やり絡ませようとしたためか、やや薄い気がする。
もうひとひねりあっても良かったかな、と感じた。
COMMENT
ゲーム自体は普通に面白くてハマれる。
時間を忘れて楽しくプレイできる、そのためのシステムやストーリーは揃っている。
プレイヤーにとって、最も重要な要素は問題なくクリアできている。
そういう意味では、安心して勧められる作品である。
ただし人を選ぶという点で、やや評価を落とさざるを得なかった。
万人受けを目指すことなく、ゲーム自体が持っている良さや特徴を極限まで研ぎ澄ましている。
それもおそらくはわざと。
BLや百合といった要素も、わざわざ計算してこの品質にしているものと考えられる。
いい意味でも悪い意味でも、これだけ趣味の偏った作品をこれだけのクオリティで提供しているのは、世界広しといえど日本だけであろう。
しかもゲーム自体が面白いので、余計に始末が悪い。
こうした趣向の作品に接して、日本オワタと捉えるか日本ハジマタと捉えるかの違いで、本作への評価は分かれるはずだ。
これだけのクオリティの作品が作られているということは、大変貴重である。
生半可なニーズに合わせるだけでは、普通はここまでにはならないだろう。
ゲーム全体の評価は下がるが、こうした試みは高く評価したいと思う。
イベントには正直、見ていて気分が悪くなるものもあるが、子供をかわいいと思う感情に近い感覚を覚えることが多々あり、不思議な感じがする。
このような作品を1度もプレイしたことがないのであれば、1度はプレイしてみることをオススメする。
かわいいキャラクター絵が好きな人なら、迷う必要性を見出せない水準である。