PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

■ストーリー重視の「魅せる」演出

これまでの三国無双と大きく異なる点であり、高めの評価の最大の理由でもあります。
もちろんストーリーそのものは三国志演義という台本が既にあるので、基本一本道ですし操作キャラも選べません。
が、これまでの作品ではあまり触れられていなかった部分、例えば劉備が蜀という国を得るまでの苦難や葛藤といったものがちゃんと描かれており、三国志を良く知らない私でもぐいぐい引き込まれるものがありました。
作品の案内通りに魏・呉・蜀をクリアしてから晋をプレイし、クリアした時には不覚にも感動してしまいました。
まさか三国無双で感動させられるとは。いい意味で期待を裏切られました。


■ＢＧＭ

これまでよりもストーリーに力が入っている分、曲調もそれに見合ったものになっていて、本気で作り込んできたなと感じさせられました。
例を挙げると
・「ハン城の戦い・魏」では、別の戦地で夏候淵を失った魏が弔いに関羽を討つという決意を秘めて出陣します。そのため、この曲は熱く勢いのある中にもどこか悲壮感の漂う物悲しい曲調となっています。
・「ハン城の戦い・蜀」の場合はというと、同じ旋律を用いているにも関わらず、絶体絶命の父を逃がす為囮となり篭城する息子と、その意思を汲み何も言わずに逃げるも徐々に追い詰められてゆく関羽の絶望が表現されたような緊迫感溢れる曲調になっています。
・そして私のお気に入り「成都攻略戦・晋」は、通常戦闘曲「進軍」が三国時代の終焉を飾るに相応しい、とても壮大で力強い曲調にアレンジされています。

この他にもいくつか気に入った曲がありますが書ききれないので割愛します。
強調しておきたいのは、どの曲もストーリーに合わせて作られているという点です。相乗効果ってヤツです。久しぶりにコーエーに「やられた」と思わされました。


■キャラ性能格差の是正
基本どのキャラでも全ての武器が使えるので、差は無双乱舞くらいです。固有のモーションが減って新しいキャラを使う時の新鮮さは無くなりましたが、ストーリー上で諸葛亮とかの使用を強制する点を考慮するとこうするしかなかったかなとも思います。

BAD/REQUEST

■あっさり風味のクロニクルモード

ストーリーモードの出来が良かっただけに余計にそう感じるのかも知れませんが、クロニクルモードの味気無さは勿体無いですね。
特にほとんどのマップが戦友・支援獣不可なのはとても残念です。それじゃあ意味ないじゃんって突っ込みが入るのは当然でしょう。


■武勲システム
敵将撃破で手に入り、特技の取得に使用する武勲ポイント。ストーリーモードでは勢力毎に共有ですが、クロニクルモードではなぜかキャラ個別に取得。これもちょっと分からないです。全キャラ共通で良かったのではないでしょうか。大体４〜５戦するくらいで一人分はほぼ溜まる感じですが、よく使うキャラは使い道もないのに溜まり続け、使わないキャラは全く溜まりません。溜まらないとＣ５やＣ６が使えないのでやっぱり使いません。うーん、悪循環。


■ロード時間
ちょっと長いです。ＰＳ２時代は神速と謳われた程だったので違和感を感じてしまいました。いや、そりゃあの頃とはデータ量が違うんですが。仕方ない…んですかね？やっぱり。

COMMENT

正直言って暇つぶしに半月もてば十分かな、くらいの気持ちで購入しましたが、歴代無双とは比較にならない力の入りようで驚きました。
やれ分割商法だ、過去作の焼き直しだなどと散々罵られ続けていた三国無双ですが、私は今作の出来にはとても満足しています。
所々強引な解釈というかキャラ作りはありますが、三国志が好きな方にも、全く知らない方にもオススメできる内容に仕上がっているかと思います。