【PS4】KINGDOM HEARTS III(キングダム ハーツIII)
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2019-01-25 |
価格 | 9504円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 78
- (難易度)
- 2.12
- レビュー数
- 17
スコアチャート
GOOD!
■アクションの完成度
操作性の良さからレスポンスの速さまで、私の知るゲームの中ではトップレベルです。
もちろん歴代KHと比較してというだけではありません。
セキロ、GE3(アプデ後)、ブラボ、DMC5、ニーアオートマタ等、PS4は素晴らしいアクションゲームで溢れていますが、
その中でも1番と言わざるを得ない完成度の高さですね。
アプデで距離を詰めやすいコンボが追加されたり、どのタイミングからでもキャンセルに移れたり等、アプデでの磨き上げも見逃せない。
ディズニーが関係してることもあり世界的に大ヒット(特に海外)した究極の話題作ですが、現在ではアクションの完成度の高さから凄腕のアクションゲーマー達が極限の縛りプレイを楽しむ様な遊び方が注目されています。
また単純に中毒性が高いのでついつい長く遊んでしまいます。
完成度ではなく中毒性で張り合えるゲームはPS4ならBloodborneぐらいなもんですかね。
■ストーリー、演出
歴代の主人公達vs歴代の敵キャラ達。盛り上がらない訳が無い。
一時的ですが操作キャラが変わったり、特殊な演出が多く、またその全てが感動的なまでにド派手でドラマチックです。
今回はダークシーカー編の完結という事もあり最高の盛り上がりを実感しました。 (しかしながらシナリオ面に問題を抱えています。badで記述)
各ディズニーワールドでのストーリーはなかなか素晴らしいです。
特にトイストーリーが好きですね。たったひとつのワールドでかなり感情を揺さぶられました。
パイレーツは映画の1部にソラたちが組み込まれた様な原作擬似再現風です。これもまた面白い。
■ディズニーワールドの再現度
凄まじいです。ディズニーの世界を体験できるのはディズニーランドかキングダムハーツ3くらいなものと言える程に。
ディズニー各作品の画風に合わせて作られた丁寧なグラフィックやモデル。ディズニーの有名なキャラクター達も沢山。
パイレーツやベイマックスのステージなど一部小さめのOWと言えるレベルのものをぶっ込んできます。
■リミットカット
追加コンテンツREMINDでの強いボス達の総称です。
真の力を解放した13機関と闘えるリミットカット(通称リミカ)は2FMで初実装され、当時大きな注目を集めていました。
今作のリミットカットは2FMを凌駕する完成度です。
激しすぎる攻撃、少なすぎる隙、1秒もない予備動作を見極め続ける。当然、こちらも戦闘狂にならねばまともに戦えない。
海外ではリミカRTAが盛んですね。これは高難易度コンテンツなので初心者の立場が無い事は悪い事では無いと思います。
勝つ為の練習量や技術、研ぎ澄まし続ける神経と人間を辞めていく感覚。
一昨年出た人気アクションのセキロを高難易度を求め購入しましたが肩透かしレベルでヌルかった為に、敗北を知りたいとぶっ飛んだアクションを探していましたが、答えはREMINDでした。初見は完膚なきまでに自信をへし折られ笑ってしまった。
■音楽
かなり良いです。特にディズニーワールドの戦闘曲は歴代最高クラスだと思います。
基本的にオーケストラだと思われますが、少し高めのスピーカーでプレイすると音がズンズン来るので盛り上がりますね。
ヴァニタスのアレンジ、トイストーリー雑魚選曲、タイトル等好きな曲はかなりあります。
またリミカボスのアレンジ曲はサントラ購入を即決したレベルのハイクオリティです。ヤングゼアノートやシオンのリミカ曲は脳に染み付くくらいに聴きました。
アトリエシリーズ程音楽のレベルが高いとは口が裂けても言えませんが、ペルソナ5Rと同等レベルまで高いと思われます。(ペルソナ5Rの音楽はPS4最高クラスです。)
■グラフィック
様々な意見が飛び交ってますが、結論から言うとかなり綺麗です。
よくフォトリアルの洋ゲーとリアリティで比較されますが、キングダムハーツ3のグラフィックはフォトリアル風のトゥーンレンダリングであり、どちらかと言うとCGアニメ風ですね。分かりにくいですがピクサーの映画の様にかなり強い質感を持ったアニメ調モデルって所です。
色彩が強く、また一部ステージを除きオブジェクトが良い意味で簡素な為に適切な情報量を保っています。
また部分的ですがノスタルジーな風景もありうっとりしますね。前作2.8final chapter Prologのフラグメンタリーパッセージという作品が今作のベースとなっているグラフィックモデルだと思われますが、今作はブラッシュアップされ間違いなく歴代最高のグラフィックです。
■ミニゲーム
種類豊富なミニゲームが存在します。プレイヤーからの評価は高めの気がします。特に海外ユーザーは何故かミニゲームを好む傾向が強めに思えるので、恐らく開発はその期待に応えた感じですかね。
実は私はミニゲームはあまり好きでは無いです。FF10の雷平原やFF9の縄跳び等、スクエニのミニゲームには散々いたぶられた記憶があり、同社開発のキングダムハーツのミニゲームも終始良くないものだと偏見交じりでプレイしてました。
しかし、終わってみれば楽しんでるプレイヤーが居る以上、そういうものがあっても良いかなと思います。
またフォトモードやクラッシックキングダムというモードもあり本編以外も充実しています。
ちょっとミニゲームでお腹いっぱいなので細かく触れてはいませんが。
■アクション史上最強の裏ボス 「ヨゾラ」
REMINDでの追加ボス。初見は5秒で負けました。
あまりにも多彩、あまりにも速い、もう何が何だか分からなかったです。悪い意味で理不尽な一部を除き、これ程縛りを入れずに強いボスは他のアクションゲームでは見た事ないです。
しかしながら明確に用意されている隙や、細かく観察すれば気づく予備動作で極めればノーダメージだって達成できる。
レベル1縛りでノーダメージ達成者も世界にはそこそこ存在します。縛りを入れても実力さえあれば完璧な勝利を実現出来ることがアクションゲームの敵としての完成度の高さを証明しています。過去作のBBSfmの謎の男や2fmの留まりし思念より強いです。
■キーブレード
どのフォームも凝っていてほとんどのキーブレードを気に入りました。
また3つ装備できるというのは新鮮ですね。アプデが来るまではアルテマウェポンしか使いませんでしたが。
■操作キャラ
一時的とはいえ、ソラ以外を操作できるのはテンション爆上がりでした。特にREMINDではアクア、リク、ロクサス、更にはあのカイリすらも操作可能。操作可能期間は短いですが、一時的でも嬉しいですよ。せっかく作りこんであるんだからもっと使わせて欲しいとは思いますがね。
BAD/REQUEST
■本編ボスの大型ハートレス達
リミカボスより遥かに弱いのに縛りを入れると安定しない。
巨体故の曖昧な判定や、不定形故の無駄に見極めにくいモーション。距離で荒ぶるカメラなど、ストレスを感じます。
リミカやヨゾラの完成度の高さに感動した日には、本編の大型ハートレスボス達は出来が悪いと言わざるを得ない。
また今作は浮遊してるタイプが何故か多いので、それも気に入りませんね。攻撃を当てにくい飛行型エネミーが好まれるアクションゲームはあまり無いですから。
■難解すぎるシナリオ
野村ワールド炸裂の脚本で、全てを理解するのは不可能というレベルです。
設定の多さ、言い回しのくどさもさることながら、シリーズ物の宿命ですが新規ユーザーが付いていけない。
PS4で全てのキングダムハーツを体験出来ますが、これから始めたら分からない部分は多いと思いますよ。一応、過去の出来事を手短にまとめた物が収録されていますが、はっきり言ってそれで理解するのは不可能ですね。
より良い体験にする為には全シリーズ制覇をオススメしたいですが、時間とお金がかかります。本当に厳しいと感じた方は動画でも良いので前作シナリオを見ておいてください。
YouTubeには時系列順で纏めた物がアップロードされております。
■値段と開発期間から考えたREMIND
拡張コンテンツREMINDは3000円を超えますが、かなりボリュームは少なめです。本編の補足部分であるREMINDに加え、リミットカットやシークレット等。
実はリミットカットでの難易度の高いアクション部分がメインのコンテンツだと思います。本編の隠しボスダークインフェルノは情けない程弱かったので。
縛りやノーダメージなど繰り返し練習しながらアクションゲーマの高みを目指す楽しさは確実にありますが、それは逆に言うとアクション部分は気軽でいいユーザーが満足出来ないとも言えます。
また一年以上も開発してた割にREMIND部分は焼き回しが多いのも気になりましたね。まぁ本編と同じ時系列なんで構成上そうなるのは当然ですが、一年という時間は短くは無いです。
また開発担当の野村は2019年内に出すと発言していましたが、まさかの2020年1月。これはいけない。
(背景にはFF7Rの開発が重なっていたことが関係してると思われます。)
■アルテマウェポンの作成について
クリア後のやり込みのひとつですが、ミニゲームや面倒臭い収集などをかなりやらされます。果たしてここまでする理由があったのだろうか。
アルテマウェポンは強力な武器なので、苦しんでも手にする価値はあるとは思いますが、達成感と言うより疲労感が残ります。
■グミシップについて
グミシップ自体の評価は高いです。私は苦手ですが。
自分で簡易なパーツを組み、船を作る楽しさはありましたが、なんと裏ボス撃破で手に入るグミシップが最強です。
どう足掻いても限られたコストの中で作るオリジナルのグミシップは性能が及ばず、なんだかなぁと思いました。
■一部不具合
画質設定でフレーム優先にしないとガードの判定が狂う不具合や、ポータルと言われるミッションをクリアした歳に進行不能(電源切れば直る)など、細かい部分で粗はあります。
他にも声優であるピエール瀧が薬物で問題を起こし差し替え、海外のアナ雪ムービーでは使用許可の降りていないエンジンを海外の開発チームが無言で使用しエンジンのロゴがうっすら見えるなど……
まぁ大作だけあって、抱える問題も様々です。
■ロード時間や快適性
別に長いわけでは無いです。しかしながら高難易度での縛りプレイはリトライ回数も増えるため、気になってしまう。
またフィニッシュコマンドとセーブポイントのボタン割り当てが同じなためしょうもない誤発をしてしまう事も。
些細なことですがね。
COMMENT
面白かったですね。待った甲斐はありました。
私は歴代シリーズを全て遊んでいますが、総合するなら最高傑作ですかね。
かなり長い間、ナンバリングの完全新作が出てなかった為に過度な期待を寄せられていた3は初期では賛否両論でしたが、REMINDも出た今冷静に評価するなら傑作という評価が妥当かなと。
新規ユーザーにいきなり勧めるには少し気が引けますが傑作なので事前に過去作を抑えてプレイして頂きたいところですね。