PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

前の車の後を追いかけることによって空気抵抗を減らす
スリップストリーム等の概念が取り入れられており、
シミュレーターとしての実力に磨きがかかった。
走行中の荷重移動やタイヤの磨耗ももちろん健在。
使用するほど車の性能が劣化していくのもいい（金さえかければ新車時の性能に戻せる）。

理想的な走行ライン・ブレーキのタイミングが表示されるということもあり、
シビアな操作を求められる本作においては嬉しい機能。操作の上達を助けてくれる。

また、自分が監督になるBスペックでは視点の種類が室内を映すもの
含めて９種類もある。ドアミラーやバックミラーが仕事しているなど、
意外なところで芸が細かい。
第三者視点のカメラワークも良く、Bスペックがなかなか熱い。

ゲーム本体とは直接関係ないが、初回限定版に付いてくる本が素晴らしい。
本作で大いに活用できるドライビングテクニック、レースの背景、車の構造・
チューニングや
車の歴史など、とにかく事細かに、しかも初心者にもわかるよう易しく書かれている。
車に関して詳しくないが、これから詳しくなりたい人は是非一読してみて欲しい。
実際本屋でこの本を買ったら2000円はする内容（サイズはともかくとして）。
前作にも付いてきたが、今回内容がかなりパワーアップしている。

BAD/REQUEST

エンジンサウンドがとても軽い。
アナログではなく、コンピューターで作ったような音に聴こえる。
特にスーパーカーが吐き出す快音にはかなり期待していたので残念。

敵車はひたすら決められたルートを通るのみなので、そのルート上に入るとぶつけられて
吹っ飛んで行ったり。また、カーブの際に敵車にぶつけた方が優位に立てるなど、
詰めが甘い部分も。

BGMは軽めのジャズやPOPSが多く、無難にまとめられている。正直、気合いの入った曲は皆無。
いつも似たようなBGMなので、先に進んでいると
いう実感はない。
レースのための熱く燃えるようなBGMも少しは欲しいところ･･･

それとスリル・スピード感のなさが際立つ。
静止画やリプレイ視点（静止した視点で動きのある車を追う）で見るととてもリアルに見える
のに、いざ運転してみるとゆっくり走行している感じになる。
これは高速走行していても通り過ぎる風景がくっきりと見えているからと思われる。
逆にいえば近くの風景に効果を施せば、かなり
スピード感覚が増すはず。

COMMENT

PS3で久々に欲しい！と思えるタイトルだっただけに、落胆も大きい。
憧れのスーパーカーを所有し、レース上で思う存分振り回す。
そういった根本的な楽しさの部分を煮詰めていって欲しいと思った。

全体のレベルはそれなりに高いが、グラフィック以外特筆すべきところはない。
ゲームとして、これだけのグラフィックの質の高さを備えておきながら
自由度の低さは残念に思う。

かなり緻密かつ繊細な操作が要求されるため、総じて楽しさよりも
ストレスが上回るシーンが多く、テンポの悪さも相まって熱中度・爽快感ともに低い。

基本的にはレースをして金＆経験値を貯めるだけの幅の狭いゲームなので
途中ダレることも。

今作の発売は延期に延期を重ねた難産であったが、そうとは思えない見切り発車感（車だけに）。
プロデューサーで完璧主義者だという山内氏にはエンターテイメントの
面白さとは何かを改めて考え直して欲しい。
ただ速く走るだけがレースゲームの全てなのか。もっと幅広いアイディアを取り入れるべきでは。次回作に期待。