PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

Good評価

■プレミアカー再現レベルの高さ
　本作品の最大の売りであり、車好きには堪らないレベルの高さ。
室内外共に素晴しい再現度合いでほとんど実車と変わらない。
更に、ワイパーやホーン、パッシングの小ネタ要素も「運転している」感を与えてくれる。
細部まで再現されているリアルさは、他の追随を許さないのは言うまでも無い。
　フォトモードで撮影すれば、「実写でしょ」と言われるほどです。
愛車がプレミアカーに収録されている方は、必見です。


■軽自動車からF1まで　幅広い車種と趣向
　とにかく車種が多い。（1000台以上）
市販車、WRC、NASCAR､F1、車の歴史を感じさせる名車(旧車）の数々。
単に車を運転させるゲームに留まらず、車の歴史と楽しさを教えてくれる。
自分の愛車が登場しているから、GTシリーズを購入する人もいるのでは。
　レースもそうですが、「車が何よりも好き」「色々な車に乗ってみたい」
そんな数多の夢をGT5というゲーム一本でバーチャル体験させてくれちゃうほどのラインナップ数と言えそうです。　
　更に、各車種ごとにカタログに匹敵するほどの詳細説明があり、操る楽しさと知識、両方とも深めてくれます。


■初心者から玄人までプラクティスでレースを学べる
　以前のGTシリーズからあるライセンスモード。
本作では、そのプラクティスに力が注がれているような気がします。
ライセンスモードでは、車の挙動と走行映像だけで走りを研究できるだけでなく
音声で「このように操れば〜」と状況説明と走行ポイントを細かく説明してくれる。
「そんなのわかってるよ」と長年GTシリーズと向き合っている玄人とっては不要かもしれませんが
本作がはじめて、レースのノウハウはわからないという苦手意識を持っている人でも、「そうなんだ」と理解できるほど親切。
人によっては、クドイと感じる方もいるかもしれないが、ここまでプラクティスへ真剣に向き合っているゲームも珍しい。　


■オンラインで仲間と一緒に楽しめる
　昨今のゲームでは当然となりつつあるオンライン対戦。
仕上がりも完璧とは言えないが、十分楽しめるレベル。
自分だけかもしれませんが、周囲に車が好き！って人が少ないので
こういったオンラインを介して車好きと語り合い、楽しめるというのは正直嬉しいです。
マイラウンジでは仲間うちでマッタリ対戦。オープンロビーでは全国の方と白熱したレースをプレイできる。
ルーム名も設定できるので、特定イベントやプレイヤー限定なども容易で、機能としても十分です。

■再現されたリアルコース
　収録コース全てとは言いませんが、コース自体も素晴しい出来だと思います。
筑波サーキットや鈴鹿などの国内のサーキットだけでなく、ニュルブルクリンクやTopGearテストコースなど、全世界の様々なコースが収録されています。
コースの規模や再現度合いも前作よりクオリティアップされています。
中でもニュルブルクリンクは山内さんの十八番でもあり、ほとんど現実と同じコースレイアウト。
リアルでニュルブルクリンクも走れてしまうかも？と思えてしまいます。（少し大袈裟ですが、走りこめばできるかも）
計測タイムもリアルと同じレベルに達しつつあります。



その他、色々な部分を評価できますが
大まかに「良い」と評価できそうなのは、これぐらいです。

BAD/REQUEST

Bad評価

■ゲーム自体の快適さ
　これは、ゲームのインストールも含めてですが、GT5は全体的に動作が遅いです。
膨大なデータ量からすれば、ロードが長すぎるとは言いませんが、許せるレベル？と聞かれたら首を傾げます。そんな微妙な心境に追い討ちをかけたのが、ゲームのフリーズ。（自分も４回ほどフリーズしています）
特にライセンスモードを操作している最中のフリーズが多い。
他にもデータ消失するようなバグが度々あったりと聞いていますので、とても快適なゲームだとはいえません。さいあく、安心してゲームが遊べないレベルです。

　これらの問題の唯一の救いはオンラインアップデートの存在です。
しかし、そんなアップデートも度々行われていますが、アップデート内容が不透明で不親切。何が解決して、何ができるようになったのか、ユーザーには何も見えてきません。

　これは個人的要望ですが、ユーザー側から直に意見が書き込めるフォームを用意してもらえれば、GT5の行く先も明るくなるのでは。
山内さんと同じぐらい私たちユーザーで「こうしたい、ああしたい」と日々考えている方もいると思いますよ。


■サウンド（排気音やクラッシュ音）
　実車から録音しているようで、音はやはりいいです。
しかし、それもアイドリングから低回転まで。
自分はS15や180SX、RX-7などを試乗や所有をしていますが、どうも高回転サウンドには疑問を感じます。
ガレージからエンジン始動させる音や、低回転時のサウンドは満足できますが、もう一歩先へ進んでほしかった。

　クラッシュの効果音もバスドラを蹴ったような音ではなく、もっといい素材はなかったのでしょうか。それこそ、車の衝突実験などの音源とかなら、いい音が再現できそうですが。
　あと、ブローオフバルブから出る音。あれなんか全部同じに思うのは自分だけでしょうか？

　音の総評としては、いい音も出ますが、完全じゃない。といったところです。
車は魅せるのも大事ですが、五感で感じる「音」もすごく大事な要素なので、今後のクオリティアップへ期待します。
　
　
■スタンダードカーの醜さ
　画質、音、拡張性が悪すぎます。
画質も音もGT4から流用。これはプレミアカー等の製作期間を考えたら仕方が無いかもしれませんが
そもそも開発人の人数が少ないと思うのは自分だけでしょうか？（多ければいい、とは言いませんが）
公式サイトを見たら、頻繁に製作スタッフのバイト募集中みたいだし。

　率直な感想として、企業視点ばかりでなく、少しはユーザー視点になってものづくりをしてほしい。ユーザー視点で製作してくれていれば、スタンダードカーの割合が車種全体の8割という粗末な結果にならなかったかと。

　更に、ホイール交換不可や中古車販売システムの利便性の悪さなど...。
プレミアムカーに力を注いでもらえるのはユーザーにとっても嬉しいが、それ以外が前作より劣化している点が多い。

　車をいじる、自分好みに仕立てたいという「ユーザーの気持ち」が反映されていないと感じざるを得ない。


■破損表現の充実さ
　山内さんのインタビューなどでも伺えるが、破損表現は重要視（歓迎）されていないのはわかる。
そもそも「そんなに車を壊したい(破損表現を楽しみたい）なら、他のゲームをしてください」と自分も思う。よって、この点については厳しく判定するつもりはありません。
　しかし、実際、破損表現をリアルに表現できているソフトが世の中に多く出てきているのも事実。
そのどれもが、破損だけでなくその他のクオリティも高水準化している。
そんな中、GTがこれから先生き残るためにも、方向性の決断が必要なのかもしれません。
私個人からすれば、破損するならとことん。しないなら、しないで他でしっかりとカバーしてほしいというのが本音。

　今回のGT5は、あれもこれも..と手をまわし過ぎて、未完成な感じが強いです。
定期的にリリースしなければならない事情もわかるが、出すなら出すで、しっかりと取捨選択をして計画的にGTを出してほしい。　

COMMENT

総評は、「残念」と言えます。
しかし、残念以上に「今後に期待できる作品」だと言えます。
今回のGT5は個人的に「未完成」「製作途中」と感じざるを得ません。
悪くいえば、取捨選択や方向性も絞りきれておらず、開発陣が困惑しているようにも見えます。
よって、いくらGTが好きだとしても評価はそれ相応となります。

しかし、そんな中でも
プレミアムカーの素晴しさ、システムや環境音やグラフィックが改善され続けていること、様々な点で”改善の余地が存在”することがわかりました。

今までのGTシリーズの集大成をこれからどう仕上げていくのか、非常に期待できます。
ユーザーの意見と山内さんのこだわり。それがうまく統合できれば素晴しい作品ができると思います。
それだけの魅力と可能性がこのGT5にはあると思います。


兎にも角にも、点数は伸び悩んでいますが
初心者の方には中古でもいいので是非手にとってプレイしてもらいたいです。
GTがきっかけで車が大好きになるかもしれませんよ＾＾
（※自分もその中の一人です）