◆万全のキャスティング、ゲームデザイン 主演は元SMAPの木村拓哉。 21世紀の大河ドラマ常連・谷原章介。 無名塾出身の個性派俳優・滝藤賢一。 バラエティから映画までこなす熟練俳優・中尾彬。 幅広いファン層を持つ電気グルーヴボーカル・ピエール瀧(ただし新装版には未出演) 龍が如くシリーズおなじみの東京神室町を舞台にしつつも、これまでのやくざ社会とは一線を画す 探偵と法曹の世界観を描いたリーガルサスペンスアクションというジャンルの開拓とキャスティングの 力の入れようには頭が下がる。主題歌を歌う[ALEXANDROS]のアルペジオもまた 従来の龍が如くのイメージから一新させることにも一役買っているだろう。 ◆全く新しいゲームデザイン 先述したように本作はリーガルサスペンスアクションである。 探偵・弁護士の二足の草鞋を履く主人公の仕事は、猫の捜索や浮気調査、殺人事件の弁護まで幅広い。 ゲーム界隈でのマンネリ化が叫ばれるいわゆる「おつかいクエスト」をそれらにあたっての 必要な証拠・証言・証人集めとして見事に転嫁させているジャンルであると評価する。 ◆ドラゴンエンジンを利用して「あの木村拓哉」を操作できる。 バトル・ゲームデザインはおおむねこれまでの龍が如くシリーズのそれと変わっていない。 しかしプレイヤーはあの木村拓哉演じる「八神隆之」となって龍が如く特有の豪快で大味なバトルに、 バカバカしくも面白おかしいサブストーリーに、プレイスポットに興じることが出来るのだから、 90年代から彼を知る年代のファン層としては彼になりきったような感情移入ができるだろう。 ◆新作でも光る作曲陣の仕事 BGMの担当は龍が如くシリーズに引き続いて庄司英徳氏。 これまでの極道たちの命のやり取りを表現した切迫感ある曲と違い、 大都市を駆け巡る一人の探偵による街のケンカや黒幕たちとの対決を表現した垢ぬけた作曲は一言でかっこいい。
◆ストーリーの詰めが甘かったように感じる。 リーガルサスペンスアクションというだけあってストーリー内では証言集めや法廷でのやりとりの場面が 多く見られる。犯罪の証拠を集めて法廷で立証するというプロセスは素人なのでよく分からないが 終わってみればストーリーの大半はラストに対峙するラスボスの正体を掴み、阻止することに 重きが置かれているようであった。そのためストーリーの発端と中盤に発生する、とある事件の 冤罪を証明する法廷での場面においてはその掘り下げが弱かったように思える。 ◆いまいち盛り上がらないクライマックス この開発陣のこだわり?としてラストは夜の高層ビルの屋上、ないしはそれっぽい場所でのバトルというのが 定番のプロットなのだが今作はそうではなかった。歴代作品のプレイヤーとしてはちょっと物足りなかった。 ◆難易度が高い 当方ハードモードでのクリアにあたり、気になった点がバトルシーンでの難易度の高さである。 ハードなのだから難しくて当然なのかもしれないが、龍が如くシリーズの問題点として 多数の敵と遭遇すると否応なしにタコ殴りに遭う点が挙げられる。 今作は一度の通常戦闘に3~6人程度(もっといるかな?)の敵と遭遇するが、敵の攻撃が激しいと 対面している敵の対応をする間もなく背後からでもお構いなしに攻撃を加えてくる。 その結果、開始時体力バーが満タンでも戦闘が終わるころには半分ないしは瀕死、回復アイテムをガバガバ使って ようやく切り抜けられた、という人も多いのではなかろうか。 ◆今作一番の困ったちゃん「致命傷」システム 「致命傷」は敵の銃撃や特殊な攻撃方法を持つボスキャラの攻撃を受けると発生し、体力バーが減少する。 減少した部分の体力は回復アイテムや食事では回復せず、神室町の端っこにある闇医者の治療を受けるか、 彼が販売するアイテムを使用しないと治癒できない。このときの料金が2~12万円とやや高額であるため、 歯ごたえのある戦闘が味わいたいと思っても、致命傷のせいで思い切った戦闘が楽しめなかった。 ◆プレイスポットをサブストーリーに組み込むのはやめてほしい とあるサブストーリーには一部マージャンやポーカーなどのプレイスポットを行うものが存在する。 テーブルゲームが苦手な自分にとってルールの知らないこれらのギャンブルは大きな障害であった。
難易度:ハードモード サブストーリー:すべてクリア済み クリア時間:50時間程度 総評としてはリーガル要素薄めの「サスペンスアクション」であった。 長年とりあえず殴って進展、解決というキャラを描いてきたのでその辺を突き詰めることが難しかったであろうことは 作中の八神隆之の無茶な調査手法の端々にも現れていた。だがそんな一見、荒唐無稽でむさいところも 龍が如くスタジオの魅力であり、男が真似したくなる男、木村拓哉だからこそいい感じにさっぱりと見せてくれた印象がある。 ゲームとしての難易度は総じて高いものの、それもこれも主人公が探偵事務所という一個人事業主であることを勘案すれば 銃撃されてもピンピンしている極道の元組長の人外っぷりに慣れさせられていたことを実感するゲームとなった。
GOOD!
◆万全のキャスティング、ゲームデザイン
主演は元SMAPの木村拓哉。
21世紀の大河ドラマ常連・谷原章介。
無名塾出身の個性派俳優・滝藤賢一。
バラエティから映画までこなす熟練俳優・中尾彬。
幅広いファン層を持つ電気グルーヴボーカル・ピエール瀧(ただし新装版には未出演)
龍が如くシリーズおなじみの東京神室町を舞台にしつつも、これまでのやくざ社会とは一線を画す
探偵と法曹の世界観を描いたリーガルサスペンスアクションというジャンルの開拓とキャスティングの
力の入れようには頭が下がる。主題歌を歌う[ALEXANDROS]のアルペジオもまた
従来の龍が如くのイメージから一新させることにも一役買っているだろう。
◆全く新しいゲームデザイン
先述したように本作はリーガルサスペンスアクションである。
探偵・弁護士の二足の草鞋を履く主人公の仕事は、猫の捜索や浮気調査、殺人事件の弁護まで幅広い。
ゲーム界隈でのマンネリ化が叫ばれるいわゆる「おつかいクエスト」をそれらにあたっての
必要な証拠・証言・証人集めとして見事に転嫁させているジャンルであると評価する。
◆ドラゴンエンジンを利用して「あの木村拓哉」を操作できる。
バトル・ゲームデザインはおおむねこれまでの龍が如くシリーズのそれと変わっていない。
しかしプレイヤーはあの木村拓哉演じる「八神隆之」となって龍が如く特有の豪快で大味なバトルに、
バカバカしくも面白おかしいサブストーリーに、プレイスポットに興じることが出来るのだから、
90年代から彼を知る年代のファン層としては彼になりきったような感情移入ができるだろう。
◆新作でも光る作曲陣の仕事
BGMの担当は龍が如くシリーズに引き続いて庄司英徳氏。
これまでの極道たちの命のやり取りを表現した切迫感ある曲と違い、
大都市を駆け巡る一人の探偵による街のケンカや黒幕たちとの対決を表現した垢ぬけた作曲は一言でかっこいい。
BAD/REQUEST
◆ストーリーの詰めが甘かったように感じる。
リーガルサスペンスアクションというだけあってストーリー内では証言集めや法廷でのやりとりの場面が
多く見られる。犯罪の証拠を集めて法廷で立証するというプロセスは素人なのでよく分からないが
終わってみればストーリーの大半はラストに対峙するラスボスの正体を掴み、阻止することに
重きが置かれているようであった。そのためストーリーの発端と中盤に発生する、とある事件の
冤罪を証明する法廷での場面においてはその掘り下げが弱かったように思える。
◆いまいち盛り上がらないクライマックス
この開発陣のこだわり?としてラストは夜の高層ビルの屋上、ないしはそれっぽい場所でのバトルというのが
定番のプロットなのだが今作はそうではなかった。歴代作品のプレイヤーとしてはちょっと物足りなかった。
◆難易度が高い
当方ハードモードでのクリアにあたり、気になった点がバトルシーンでの難易度の高さである。
ハードなのだから難しくて当然なのかもしれないが、龍が如くシリーズの問題点として
多数の敵と遭遇すると否応なしにタコ殴りに遭う点が挙げられる。
今作は一度の通常戦闘に3~6人程度(もっといるかな?)の敵と遭遇するが、敵の攻撃が激しいと
対面している敵の対応をする間もなく背後からでもお構いなしに攻撃を加えてくる。
その結果、開始時体力バーが満タンでも戦闘が終わるころには半分ないしは瀕死、回復アイテムをガバガバ使って
ようやく切り抜けられた、という人も多いのではなかろうか。
◆今作一番の困ったちゃん「致命傷」システム
「致命傷」は敵の銃撃や特殊な攻撃方法を持つボスキャラの攻撃を受けると発生し、体力バーが減少する。
減少した部分の体力は回復アイテムや食事では回復せず、神室町の端っこにある闇医者の治療を受けるか、
彼が販売するアイテムを使用しないと治癒できない。このときの料金が2~12万円とやや高額であるため、
歯ごたえのある戦闘が味わいたいと思っても、致命傷のせいで思い切った戦闘が楽しめなかった。
◆プレイスポットをサブストーリーに組み込むのはやめてほしい
とあるサブストーリーには一部マージャンやポーカーなどのプレイスポットを行うものが存在する。
テーブルゲームが苦手な自分にとってルールの知らないこれらのギャンブルは大きな障害であった。
COMMENT
難易度:ハードモード
サブストーリー:すべてクリア済み
クリア時間:50時間程度
総評としてはリーガル要素薄めの「サスペンスアクション」であった。
長年とりあえず殴って進展、解決というキャラを描いてきたのでその辺を突き詰めることが難しかったであろうことは
作中の八神隆之の無茶な調査手法の端々にも現れていた。だがそんな一見、荒唐無稽でむさいところも
龍が如くスタジオの魅力であり、男が真似したくなる男、木村拓哉だからこそいい感じにさっぱりと見せてくれた印象がある。
ゲームとしての難易度は総じて高いものの、それもこれも主人公が探偵事務所という一個人事業主であることを勘案すれば
銃撃されてもピンピンしている極道の元組長の人外っぷりに慣れさせられていたことを実感するゲームとなった。