【PS3】トトリのアトリエ〜アーランドの錬金術士2〜
発売元 | ガスト (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-06-24 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:新約錬金術RPG ■ プレイ人数:1人 ■ プレミアムボックス版:10,290円 【廉価版】 ■ 発売日:2011/05/26 └ 価格:3,990円 ■ 発売日:2012/05/31 └ 価格:2,940円 |
GOOD!
アトリエシリーズ集大成という具合の、トトリのアトリエ。
RPG+調合が上手く機能しており、どちらも手軽にかつ、堅実に楽しめる。
【グラフィック】
キャラクターグラフィックが、PS3では珍しいトゥーンレンダリングのアニメ調仕様。
ロロナから確実に進化しており、表情も豊かになった。
【キャラクター】
皆、好意的なキャラクター。
ロロナのアトリエキャラクター達も成長しており楽しさ2倍。
イベント群も定期的に起こるようになっており、1周目は飽きない。
【システム】
従来のシステムをより快適に。
アトリエシステムとしては、ほぼ完成形です。
スタートボタンでマップ移動はやはり驚異的。
ドラッグでアイテム整頓可能。
【熱中】
とにかく、先へ先へと進みたくなるような圧倒的なゲーム感があります。
冒険者システムのおかげで、マップ踏破や戦闘の一つ一つに、ポイント加算という意味ができ、無駄なことが全くない。
調合も、装備につける特性・アイテムにつける特性・冒険者ポイント埋めにと、採取もあわせてどんどん上を目指したくなります。
【音楽】
ガストおなじみ、中河健さんなので安定感と名曲揃い。
ロロナの、からも定番音楽とキャラBGMを持ってきており、鳴る瞬間に誰が来訪したか分かるくらい。(特にスケさん)
BAD/REQUEST
まず、このゲームのタイトルは【ロロナのアトリエ2】と言っても差し支えないほど、
前作との関係性とネタが仕込まれており、登場人物の半数が前作から持ち越しで、前作プレイ推奨な所。
【キャラクター】
前作キャラが多いので新鮮味に欠けた。
マークEDが孤立しており、ED持ち&パーティーINキャラなのに、イベントの収束やキャラの絡みを持て余したように感じる。
今作のちむは、「ちむ」という単語しか話せないが、前作のホムは無感情から感情を育む描写まで描けていて、
ホムクルスの性格やイベントを考えるのが難しかったとしか思えない。前作劣化。
ミミがライバルツンデレなら、クーちゃんはテンプレツンデレだったが、使い分けが難しかったように思える。
トトリの性格が、天真爛漫純真無垢なロロナに若干被っていると思える。(ステルク談からも)
母親の性格が、メルディアに大いに被っている上、メルディアの方が好意的なため、母親が害悪な存在に感じた。
【戦闘】
飛ばせない演出。
ガストに同情したくなるような、貧弱な演出。
動かす技術力が足りないのか、相当の労力だったのか、キャラの技がたったの二種類。
主に、トトリのデュプリケイトの演出が無駄。
通常アイテム演出に「追加」で、デュプリケイト演出が毎回入るため、デュプリケイトを使うたび時間の無駄を感じる。
ついでエレメント系の、先行確定の神速の矢・光の矢。
後半のグラスエレメント戦を繰り返す場合は酷くそれを感じるが、常に先手でかつ4ターンに1度ほど、
PV(ゲーム動画第3弾)用に頑張って作られた長い演出を見せつけられているように思う。
【グラフィック】
PS3としては、全くもって残念なデキであり、モデリングした素材を突っ立たせているだけの背景。しかも、カメラが回せないというおまけ付き。
他のPS3ゲームをプレイすると落差が激しい。
ほめるべき点はキャラクターモデリングの一点のみ。
【音楽】
中河健さんと柳川和樹さんの合作な点。
アルトネリコ3に続いて、阿知波さんと土屋さんが参加しておらず、ガストを支えてきた3人衆の内、中河さんしか参加していないのは大きな痛手。
上記作品にて、不評だった柳川和樹さんが、今回も作曲を半分担当しており、トトリのアトリエの音楽の半分が遺憾な出来に感じた。
主題歌「Pilgrimage」をはじめ、運命の闘いを描く「Try」、主題歌アレンジ某戦闘曲「Terminus 」は全て中河さんの曲。
また、バックボーカルありの「導き」やピアノ曲も中河さん限定(「潮騒に誘われて」「巡る想い」)
後半の戦闘曲が前半より格好良く聞こえるのは柳川さんが前半作っているからだと思います。 ドラゴンとの戦闘曲「GO GO TOTORI」も中河さん。
柳川さんも旧作よりこなれてはいますが、「アヤシイゾウ?」「荒野を越えて」「TARGET」「一つの終着点」といった主旋律の落ち着けに困るものが多く、
おんぶに抱っこ状態に感じます。
「荒野を越えて」なんて、だだっ広い砂漠で延々聞かされるので滅入った。
【演出】
基本、3D棒立ちに、岸田メルさんの原画がかぶさって、下ウィンドウの会話方式で、予算のかからないつくり。
アニメ調を生かして、字幕ではなく、吹き出し演出イベントにすれば良かったのに(ほんの数個だけ吹き出しイベントがあったため)
せっかくのキャラモデリングも、演出で動かせないのであれば意味がなく、ステルクが颯爽と助けてくれるシーンとか、さまざまな部分で動かせたと思う。
【調合】
『特性個別検索調合』が必須だったと思う今作。
これさえあれば完璧だった。いや、検索機能強化があれば完璧だった。
つけたい特性を膨大なアイテム欄から一つ一つ調べる苦行が待っている。
あと、特性が多すぎると、結果欄がスクロールして閲覧できない。(主に特性値10の有用な辺りが)
【アイテム】
999個以上保存したい。
25マス(個)しか表示できない仕様は、ユーディーからの大いなる欠点。
全画面を使って、もっと見やすいインターフェースを掲示できるはず。
右上のほんの隅にしか、見たいアイテム群が表示されないのが毎度意味不明。
また、売却画面がカゴとコンテナ一体型になっているため、カゴ内売却の境目が判断しづらい。
あとは、カゴ内アイテムの整頓機能が欲しかった。
整頓ボタンはあるが、整頓状態が保持されないため、カゴを開くたび整頓が必要。
【バグ】
ユーザーがデバッガーです状態は変わらず。
湧水売却不能バグや、祝福のコインバグ、ランク強化バグは致命的。
【フラグ】
1周目のメルディアが前作のステルクの位置で非常に強力なキャラクターだが、
EDフラグが、後半のイベントに集中しておりパーティ枠が一つしかなくなるのは初心者に優しくない。
(他に回収すべき期限フラグつきのキャラや、レベル上げが必要なキャラがいる分、前半メルディアを連れて歩く意味合いは薄いと思う)
ミミフラグがかなり面倒で、気づかない場合があるし、免許の更新でハマる場合もある。
遠出した瞬間離脱とかがありえる。
【細かな不満】
・トラベルゲートがアトリエ内で使用できない。(アトリエチェンジにワールドマップに出ることを要求)
・後半のパメライベントで、トトリのアトリエから出るたび会話イベントが発生し、トラベルゲートがさらに億劫に感じる。
(回避のために遠出が必須かつ、最終イベント付近なので、たたらを踏む場合があると感じる)
・トラベルゲート選択時、北と南のアトリエ選択が逆で、間違えやすい
・トゥルーが不満
・CGが全画面で閲覧できない
・EDが飛ばせるのに、その前の、会話すらない無駄な身振り手振り演出(4分)が飛ばせない。
・右アナコン余らせてるからスクロール機能を割り振って欲しい
・ラスボスが空気。ここだけは受動的なイベントにして欲しい
・隠しボスが意味なし。使いまわしで、かつ、イベント一切なし。
・ロロナはパイマニアという錬金ネタがあり豊富なイベントがあったが、トトリの錬金ネタは味が薄いと感じた。(魚に執念があるのはゲラルド)
・イベントスキップ機能と会話スキップ機能は欲しかった。
・調合画面で、依頼品と数を別窓に表示するといった手心が欲しい。
COMMENT
キャラRPGとしては名作級で、新品で買っても全く損はしません。
60時間は楽しめます。
ただし、ロロナのアトリエプレイが推奨です。
この作品の、グラフィックと演出以外の欠点は、簡単に改善できる内容であり、作品の完成度の高さが伺えます。
というより、細かい不満点さえ改修してくれたら、グラフィックとか演出とかどうでもいい作品の傾向であったと思います。
(それでもPS2と同等のレベルでは涙を誘いますが)
このレベルで『ロロナのアトリエ』が出ており、改修されて今作が出ていれば、『トトリのアトリエ』は歴史に名を連ねたでしょうが、あくまで、もしもの話。
ガストは、マイナーながらも堅実なゲームを創ってくれるので毎回期待していますが、とにかく開発力が足りないようで残念です。
この完成度を崩さず、使いまわしのシステムを昇華させ、キャラを新規にして、グラフィック向上させて、名作を作り出していって欲しいと願います。