PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

【ストーリー】
　大変よく出来ています。特に二周目プレイ時に、一周目ラストで明らかになった真実や追加されたエピソード、会話によって物語の印象がガラッと変わるのは面白い。ゲームならでは！というストーリーの見せ方なので、ストーリー重視のゲームをする時に頭をよぎる「長時間ゲームするよりも良い映画を観た方がいい」という考えも浮かぶ事がなかったです。
　どっぷりこのゲームの世界にはまってしまい、クリアする度に次のエンディングが気になり、周回しようという意欲がわきました。
　全体的に暗く切ないお話ですが、そんな中で必死に生きる登場人物の姿を見ていると陰鬱な気分にはならず、むしろ生きる元気を貰えました。


【サウンド】
　ＢＧＭは非の打ちどころがないほど素晴らしい。ほとんどの曲が恐らく造語であるボーカル入りなのですが、美しい歌声と旋律がゲームを盛り上げるだけでなく、儚い世界観を上手く表現しています。盛り上げる所は盛り上げ、切ない場面は切なくする、当たり前のようですが本当に上手くＢＧＭが機能しています。
　歌っている人の近くに行くとＢＧＭに歌が入る工夫も面白く、そこで立ち止ってよく歌を聞きました。


【キャラクター】
　皆綺麗ごとを言わないのが良かった。自らのエゴを抑えることもなく、罪を受け入れ、他人に優しい、そんなキャラクター達に好感を持てました。


【移動、戦闘時の会話】
　移動時にもメインストーリーーやクエストに関する会話をキャラクター達がするのが面白かったです。戦闘時の会話も密度があり、熱い戦闘をしている気分を味わわせてくれました。

BAD/REQUEST

【強すぎる武器の存在】
　不死鳥の槍という武器が強すぎて入手すると一気に難易度が下がります。入手後、ボス戦にて会話を最後まで聞くために、手加減して攻撃をしないという事態が多く起こりました。一段階強化したこの槍でラスボスすら瞬殺だったので興がそがれました。
　しかもこの槍、中盤で普通に店で買えるからタチが悪い。
　最大まで強化した両手剣なら辛うじて使い分ける余地が生まれますが、片手剣は火力差から完全に産廃になります。
　難易度ノーマルは不死鳥の槍縛りプレイ推奨です。難易度ハード時なら丁度いい強さだとは思いましたが、やっぱり槍の選択肢は不死鳥の槍以外なくなりました。


【素材収集】
　クエスト、武器強化に素材アイテムが必要なのですが、その必要数が多すぎて収集が大変面倒です。
　特にレアアイテムの「チタン合金」の必要数が異常です。複数のクエストクリアに必要なのですが、一つクリアするのに１０個は必要です。一つしか落とさない中ボスをわざわざダンジョンの奥まで何度も倒しに行く気にはなれませんでした。
　ＤＬＣを導入することでレアアイテムの入手が容易になるのが救いですが、はい、有料です。

COMMENT

　良い意味で「雰囲気ゲー」です。ストーリー、世界観、キャラクターの会話、ＢＧＭが織りなす雰囲気にどっぷり浸りながらプレイするのがとても心地良かったです。
　ストーリー進行をムービーに頼りすぎていないのにも好感を持ちました。昨今のそういったゲームに飽き飽きしていましたので。
　ミニゲームの釣りや家庭菜園も、殺伐としたストーリーの息抜きに丁度良かったです。釣りクエスト後の主人公と白の書の会話でも釣りが良い息抜きになっているのが見て取れて、プレイヤーとのシンクロにニヤニヤしました。


　あくまで「雰囲気ゲー」ですので、凝ったゲーム性を求める人には合わないかもしれません。ゲームシステムは、飛び抜けて良いところも悪いところもない普通のアクションＲＰＧの枠を出ないので。
　しかし、「雰囲気ゲー」としては最高峰の出来です。「普通のアクションＲＰＧ」という欠点を補う面白さを十分に備えていると私は思います。サントラやドラマＣＤを欲しいと思った作品は初めてでした。