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【PS3】MASSIVE ACTION GAME(MAG)

発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメントオフィシャルサイト
発売日 2010-01-28
価格 4980円(税込)
レーティング 【C】15才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:ファーストパーソンシューティング
■ プレイ人数:64〜256人
■ 必要容量:セーブ:120MB以上 / インストール:3,500MB以上
備考:オンラインプレイ専用



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 2pt 2pt 5pt 5pt 2pt 5pt
総合点
79pt

GOOD!

まず、最初にコメント欄の「初めに」をお読み下さい。
それともう一つ、自分のレビューがやたら長いという反省に至りましたので、今回GOOD・BAD共に既に語りつくされているような点(グラフィックス など)は省きました。御了承下さい。



オリジナリティー 5pt
●「大多人数対戦 for ベテラン層」
他作品を圧倒する試合人数の多さはご周知の通りだ。
この多さにより単に戦場に身を置くだけでもお祭り感があり楽しく、また「数の暴力」の論理で個人の存在がぼやけ、ビギナーでもそれ程肩身の狭い思いをしなくても良いので、この点をもってよくビギナー向けとされる。
その通りである。
が、しかし、実はベテラン層にとっても嬉しい点が幾つかある。


1「気楽」
何せ「数の暴力」というものが大きいため、個人ではどうしようもできないことだらけである。
それはつまり、最初から個人に対して期待などされてもいないということである。

ぶっちゃけた話、多少手を抜いて適当にプレイしてもまずバレない。
しかし、他作品のように24〜32人対戦あたりだとまずバレる。それに 上級者 ベテラン 高LV者ならば当然収めてしかるべき好戦績 特に戦況が好転するような活躍というものをランクマッチシステム上、暗に期待されるため気が重い。
自分がそうなのだから言わせてもらうが、ベテラン 高LV者といっても単にプレイ時間が長いだけで上手いというわけではない。期待されても困る。

本作はそういった しがらみ をほとんど感じること無くすることができ、ベテラン層でも気軽に楽しめるものとなっている。


2「興奮」
「数の暴力」によって個人の技量は押し込まれるため、本作をFPS上級者・玄人向けではないと評する人が多いようだ。

これにつき一言言わせてもらおう。
 上級者をナメるな と。

「数の暴力」に真正面からぶつかっても無意味にやられるだけである。
しかし上級者ともなると、多集団ゆえ生じる油断・スキというものを良く理解し、的確に突けるようになるだろう。
そうなれば、目覚ましい活躍もあながち夢物語ではないと思われる。
(運がかなり手伝ってくれたとはいえ、敵戦線のスキを突き一人でバンカーを爆破したことがあったが、いい年して思わずガッツポーズをしてしまった)

大立ち回りを演じ、あの大勢の生身の人間を出し抜く 興奮と快感!
これは今のところ本作でしか味わえないものである。


3「やりがい」
確かに本作では腕が上達したからといって他作品のような派手な事が出来るようになるわけでは無い。
(CoDシリーズのように チートまがいのキルストリークを連発してヒャッハー とか
BFBC2のように ヘリに乗り込んで「黙示録 DE ワルキューレ」 とか)

はっきり言って本作は地味だ。しかし、良い点がある。個人ではできないことだらけと述べたが、本作が他作品と違うのはその境目がかなり不明瞭なことだ。
他作品なら(天才という程のものは別だが)いくら腕が上手いとは言えできることは限られているし、それなりに見当がつく。
しかし、本作はこの伸びしろというものがかなりあり、パッと見では見当がつかない。やはり参加人数の多さにより、変数が多いというか変動幅が大きいためだろう。

「たかが一兵士ができることなど限られている。・・・ではそのたかが一兵士はどこまで出来るのか?」
この問いに答えようとしたとき、先述の興奮と快感も重なり合い、中毒症状にも似たやりがいを感じることができるだろう。


 以上の点を持って本作はベテラン層でも、いやベテラン層こそ大いに楽しめるものとなっていると言える。




●「装備コスト・装甲」
本作の大多人数対戦にどうしても目が向きがちとなるが、
FPSとして革新的そして注目すべきはこの「装備コスト」という概念である。

具体例を挙げる。次の二つの兵装を見て欲しい。
 A: アンダーバレルグレネードランチャー付きアサルトライフル フラググレネード ロケットランチャー
 B: サイレンサーが付いただけのサブマシンガン

他の「装備コスト・装甲」といった概念が無いオンラインFPSでは、この二つは同列に扱われる。
しかし、どう見たってこの二つの兵装には「火力」の差がある。
そのため他作品では、なんとかして銃に性能差を持たせたり、手品みたいな兵器を登場させたりしてバランス取りに腐心している様が伺える。それでもバランス取りができず、結局皆同じような「使える」兵装となってしまうFPSは多い。

しかし、本作のように「装備コスト・装甲」といった概念が有れば、
先例Aのように、武器にコストをかけてしまうと装甲にコストがかけられなくなる。
逆にBのように、武器についてコストを節約すれば装甲・サポート兵器を充実させやすくなる。
という風に兵装選択に実質的な幅ができ、又、性能的な戦闘力のバランスも取れる。

第一の結論として
他オンラインFPSのように「火力」のみで戦闘力のバランス調整をするより、
本作のように「火力」と「装甲・装備コスト」の二つでした本作の方が
客観的に見て バランスが良い といえるだろう。




又、「装備コスト・装甲」といった概念は
役割分担の明確化 にも貢献している。

先例Aのような攻撃力特化型なら最前線に立つ前衛だろう。
Bのような兵装ならサポート兵器を充実させた後衛だろう。
腕に自信のある上級者なら最前線に立ち、腕に自信の無い初心者なら後方支援という風にすみ分けができるようになっている。

第二の結論として
この「装備コスト・装甲」は、FPS初心者と上級者の共存(決して均一化ではない)という新たな可能性を示した、先駆的モデルと言えよう。



満足感・熱中度 5pt
自分のプレイ時間は500時間越え・・・これ以上の説明が必要とはもう思えない。
少なくとも自分は大変熱中したし、満足だ。


BAD/REQUEST

●「プレイヤー間格差」
・・・六道が一つ、修羅道をご存知ですか?・・・

かつては本作もライトユーザー・初心者向けと言えたが、もはやそうは言えなくなってきた。
発売から一年弱経った今、プレイ時間数百時間のベテランがさも当たり前のようにウヨウヨいるというのが現状だ。
・・・キツイことを言うが、プレイ時間十数時間かそこらの「真正」FPS初心者が、修羅と化した彼らに勝てる と思う方がおかしい。
初心者は相当な我慢と忍耐を強いられることになるだろう。いっそのこと、「人間」を相手にしているのではなく「どこかの未来からやってきた人類抹殺ロボット」を相手にしていると割り切った方が気は楽かもしれない。もっとも、そんな風に割り切れる人はまずいないだろうが・・・

(又、Ver2.00以降スキルが複雑化したのも地味に痛い。
もっとチュートリアル・演習モードで様々なセオリーを叩き込んだり、LVUpに必要な獲得経験値の量を下げてくれれば良かったのだが・・・)

これは「ゲーム」に限らず「商品・製品」戦略上言えることだが、新規・ライト層の取り込みを怠れば衰退していく他ない。ヘビーユーザー層だけを相手にしていくのは正直厳しい。
各オンラインFPSゲームメーカーは、初心者と上級者が「共存」して楽しめる抜本的なゲームモデルの構築をすることを迫られていると思う。



●「企業間格差」
・・・たかがゲーム、とはいえどうせやるなら勝ちたいと思うのが人の性・・・

結果論として、勝てる企業はどんどん優秀な人材が集まり、ますます強くなる。負ける企業はどんどん優秀な人材が流出し、初心者・ライト層ばかりが取り残されますます弱くなる。 という悪循環に陥っている。

これにより人材が固定化されるのが問題であり、次の弊害が指摘できる。
「一方的な試合が多い」
人材の固定化と先述のプレイヤー間格差が合わさるとこうなる。
勝てる企業は優秀なプレイヤー 特に勝利に貪欲なプレイヤーを数多く擁することになるため、普通に戦えば敵を圧倒できる。
負ける企業が勝つこともあるが、それは大抵の場合、精鋭クランが投入された時である。彼らは敵を圧倒するだろう。

その結果、白熱した互角の戦いというのはなかなか拝めない。
勝つにしろ負けるにしろ、大半の試合は一方的過ぎて感じるのは 苛立ち か 空しさ だけという恐れは十分あり得る。

・・・腕の良いプレイヤーがもっと流動的に分散してくれれば良いのだが・・・


(誤解を招きたくないのであえて書いておくが、自分は個別具体的な企業やそこに所属する人たちを悪く言うつもりでは決して無い。
企業について言えば、どの企業が勝つのかというのはZipperの思惑次第だからである。現に、発売当初勝てる企業はセイバーだったが、その後バランス調整がありレーブンとなり、その後また調整があり今はセイバーとなっている。このことから個別企業について云々言う問題ではない。
そういう企業に所属する人たちについて言えば、勝ちたい と思うのは人の性であり、だから勝てる企業に所属するのは当然のことである。
そもそも、そういった「勝ちたい」という欲求こそゲームを熱く面白くする主要な要素の一つであり、彼らを非難するいわれは全く無い)


プレイヤーが「勝ちたい」と思うのは当然のことである。撃ち負けてもいいから、とりあえずドンパチやってればそれでいいや と割り切れる人は少数派だろう。あえて苦境に飛び込み己の腕を試してやろう または助太刀してやろう という武士道・騎士道精神に溢れる人はさらに少ないだろう。(何かしら動機付けがあるなら話は別だが・・・)
こういった「勝ちたい」という欲求を如何に上手く「ゲームとしての面白さ」につなげるようにするのかが、メーカーの知恵の出し所だろう。

本作はその点良くできている方だが、まだまだ可能性を大きく秘めていると思われる。





[以下、リクエスト]
(注:まぁ、なんというか・・・ハジけすぎました。この項目の文はサラッと流して下さい。)

まず抽象論として、今後本作のようなオンラインFPSに求めるのは 初心者と上級者の「共存」 である。

決して初心者と上級者の「均一化」では無い。
「均一化」の代表例としては「個人」に対して課すハンデシステムやランクマッチである。
これは、プレイヤースキルの低い人に何らかのアシストを与えることで、プレイヤースキルの高い人との差を埋めようというものだ。
しかし、これは状況を悪化させるだけだろう。プレイ時間により 上達する つまり プレイヤースキルに差が出る ということは当然のことであり、それを強力なアシストシステムで修正されてしまっては上達する意欲も面白さも台無しである。又、プレイヤースキルに適度な差があるからこそ、試合が盛り上がるという面も否めない。(強力過ぎる電子アシストが用意されたCoDBopsや、あまりにも公正な評価システムのあるメダル オブ オナーをやってみればわかるだろう。)
さらに、何の解決にもならない恐れがある。というのもプレイヤースキルというのは「目に見えて」存在するものではなく、プレイ時間や戦績から判断するしかないものだからだ。・・・もうおわかりだろうが、プレイ時間千時間越えの大ベテランでもキャラデータをリセットすれば、見かけ上はビギナーである。プレイ時間・戦績を積み重ねるほど不利になるような強力なアシストシステムが用意されれば、リセットを行う人が続出するのはそれこそ目に見えている。



では、どうするか?本作にその答えが隠されていると思う。
本作には企業という名の「集団」がある。
「個人」に対するハンデシステムがダメなら、
「集団」に対して課すのはどうだろうか?

以下、具体論として次回作への要望として二つ挙げる。

1「企業へのハンデ」
つまり、負け込んでいる企業が有利になるようなハンデシステムを採用して欲しい。
例えば、最下位の企業ならば リロード速度・HPが上昇するというような具合である。
(ちなみに、このハンデが働くときは有利になるようなときにしか働かない。つまり、最上位企業と後述の精鋭集団はもっとも「素」の状態で戦うことになる)
そして、これに伴い他企業への転籍条件をもっと緩和して欲しい。

こうすれば、勝利に貪欲なプレイヤー(彼らは比較的腕が良い)を負けている企業に呼び込むことができよう。


2「フリーエージェント組織」
企業に属さない「集団」を作って欲しい。その集団に属していれば、人数が足らなかったり負け込んでいたりする企業の試合の応援に行く という仕組みを備えたものが良い。
特に、負けている企業の支援をする メーカー公認の精鋭集団 という位置付けが望ましいだろう。

こうすれば、上級者たちが自然に、かつ率先して負ける企業の手助けをするような形を作れよう。
何となれば、上級者というのはほぼ例外無くプライドが高いものだからだ。メーカー公認の精鋭集団に所属するということは彼らに大きな喜びとやりがいを与えるだろう。当然それに相応しい選抜基準を設けなければいけないだろうが・・・ (また、その性格上彼らに前述の企業ハンデが働くことは無い)



こうすれば、先述の問題点を幾らか解消してくれると思う。
つまり、腕の良いプレイヤーが流動的に分散するだろうから、一方的な試合は減ずるだろう。ひいては初心者が取り残されることも無くなるだろう。
ハンデの有無をプレイ時間・戦績によって強制的に決定するのではなく、「企業」選択を通して個人の意思で決めてもらうのが、このリクエストの主眼である。


初心者と上級者には腕に差がある。その当然の差を「均一化」によって無くそうとするのではなく、それを前提とした「共存」を図っていって欲しい。
それが今後のオンラインFPSへの願いである。


COMMENT

●「初めに」
本作はオンライン専用タイトルである。そしてそのオンラインサービスの提供保証期限2011年1月28日は既に過ぎている。
もちろん、だからといって今すぐに終わるわけでは無いだろう。オン人口はかつて程ではないが盛況している方だ。
私見で申し訳ないが、まだ当分は続くものと思われる。・・・多分

しかしその期限が過ぎている以上はやはり、本作の購入をオススメしたくとも できない ということを何卒御理解して下さるようお願いします。
そして、そういったことから「購入の参考になる」という観点では無く、完全に「FPSとしての評価・意見」というレビューになってしまったことをお詫びします。


参考として
自分は FPS廃人ユーザー 本作プレイ時間500時間越え 野良・クラン分隊員経験有
本作の成績
 1試合当たり平均キル数÷同デス数=平均キルレート 1.5前後
 累計キル数÷同デス数=累計キルレート 1.75
他FPSのプレイ歴
 CoDMW2・BFBC2・メダル オブ オナー・CoDBops・KILLZONE3 など
PS3のFPSタイトルはほぼ網羅済みです。


●「余談 その一」
本作はかなりレビュアー泣かせのゲームではないか? と思われる。
度重なるパッチ・アップデートにより、初めの時とは様相が様変わりしている。
オンラインFPS 永遠のテーマである、武器・マップバランスの具体的な中身について一言も触れていないのは、それが理由である。・・・コロコロ変わるので
特にVer2.00はかなり大がかりな改修で武器・スキルについてはそれまでのVerから一変している。このことにつき注意されたい。

ちなみに、本レビュー執筆時点はVer2.11
このVerではマップ固定配置が無くなり、ランダム配置になった。


●「余談 その二」
上記のプレイ歴の中では、自分は本作が最も初心者向けだと思う。

「だから、初心者が口答えするな。」とは自分は口が裂けても決して言わない。
軽々しくそんなこと言える輩は、自身もFPS入りたての頃はビギナー・初心者だったということを忘れている、うっかりさんだということだ。

ただ、それでも本作がFPS初心者にとって地獄だとは思わないで欲しい。
まだ 三途の川を超えた ところです。

・・・FPS初心者にとってオンラインFPSの初めの数十時間は 苦行 でしかないことを悟りましょう。心頭滅却すれば火もまた涼し です。
・・・
・・・・
・・・・・そりゃ廃れるヨ!! オンラインFPSというジャンル自体が!
・・・このことにツッコミを入れてくれるメーカーは無いものかねぇ・・・


●「終わりに」
気になられた方は、今現在「無料体験入隊版」が配信されていますのでそちらをどうぞ

最後に・・・やっぱり長文になってしまった。

ここまで読んで下さった方に深く御礼申し上げます。

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
梅干丸さん  [2011-03-28 掲載]

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総合ポイント
75
(難易度)
2.44
レビュー数
48
スコアチャート MASSIVE ACTION GAME(MAG)レビューチャート

MASSIVE ACTION GAME(MAG) 購入する
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12.5%
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80-89
10.4%
90-100
【60点以上】
81.3%
【標準偏差】
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