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【PS3】メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット/MGS4

発売元 KONAMIオフィシャルサイト
発売日 2008-06-12
価格 8800円(税込)
レーティング 【D】17才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:タクティカルエスピオナージアクション
■ プレイ人数:1人(オンライン最大16人)

【METAL GEAR ONLINE(スターターパック単品版)】
■ 発売日:2008/07/17
■ 価格:1,800円

【廉価版】
■ 発売日:2009/06/18
■ 価格:3,990円

新しいゲームのためシリーズのヒーローSolid Snakeは戦場へと向かう。そしてそれは潜入任務で最も過酷であり多くの挑戦をもたらす。戦場のドラマと混沌がMetal Gear Solidシリーズに新しい時代の舞台を用意する。戦争において誰を信用するべきなのか・・・。(転用元:GDEXより)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 5pt 4pt 5pt 4pt 4pt 4pt
総合点
89pt

GOOD!

メタルギアオンライン(MGO)単体ディスクのレビュー

■オリジナリティー
最大8人対8人が敵味方に分かれて銃撃したりターゲットを奪取しあったりする基本的なゲームシステムの中核には真新しさはない。
しかし、FPSではなくTPSであり、つまり視野角が現実に近く感じるとか、MGS4本編に出てきた概念であるSOPシステムにより味方兵状態の視覚化が行われているところとか、日本人専用のサーバーに接続され、テキストチャットやボイスチャットなどでの意思疎通が全て日本語のみで可能であるとか等、いたるところに他とは違う気の利いたサービスが盛り込まれており、それらがこのゲームの特徴を形成している点は、オリジナリティーとして評価しなければならない。

グラビア本を置いておいて敵の注意をひきつけて、そこを狙い打つという小細工が効くかと思えば、相手のグラビア本を視覚化するスキルを身につけて、どこに罠が仕掛けてあるか見抜いたりすることもできる。(グラビアはクリスマス等のイベント毎に写真が変わるといったオマケ要素もある)
また同様に、SOPリンクで味方の情報を把握していたとしても、味方の1人にスキャン注射を打ち込まれてしまうと、その情報が全て敵チームに筒抜けになってしまうリスクもあったりする。
SOPをめぐる駆け引きは、戦闘に必要なのがたんに銃撃だけではなく、「情報」でもあるということを示している。

プリセット無線による簡易的な意思疎通手段も情報の共有に役立っている。プリセット無線とは、セレクトボタン→十字キー下→右」といったような操作で簡単な音声メッセージをチーム全員に送る機能である。
無線の種類には「隠れろ」とか「敵だ!」とか「固まっていこう」といったような戦術的なものから、「よろしく」や「ありがとう」のような挨拶のたぐい、あるいはちょっとふざけているとしか思えないものまで多様であり、戦闘中の意思疎通は、このプリセット無線さえあれば大体まかなえる。
無線ボイスには男女各6〜7パターンあり、パターンごとにプロの声優が務めている。無線ボイスは、プレイヤーキャラクターの性格を形付ける要素にもなっている。
もちろんテキストチャットやボイスチャットでも意思疎通は可能であるが、ボイスチャットを使っている人はフリーサーバーではあまり見かけない。(チームを組んで真剣に取り組んでいる人たちは仲間内で使っていたりするようではあるが)戦場に飛び交う音声は、ちょっとセリフ的であったほうが臨場感がある。

オリジナリティー要素として加点すべきポイントの一つに、「ステルス迷彩」を使うルールがあるというこことがあげられる。
一方は銃を装備した普通チームと、もう一方はステルス迷彩を装備した透明チームに分かれる。透明チームは、麻酔銃程度の貧弱な武器しか持てない。ただし銃や影は隠せないことになっているから、敵はそういうわずかな状況変化をたよりに、銃を乱射したり予測射撃をしたりして相手の透明を暴いてゆく。ステルス側はその合間をかいくぐり、または隙を突いたりして、ターゲットを自陣に運ぶと勝利になる。
「チームスキーキングミッション」という名前のこのルールはゲーム内1,2位を争う人気ルールであり、これだけを専門にプレイするホストが乱立してもすぐに満員になるほどの盛況ぶりである。

また他にも、スネークやリキッド、メイリンといった劇中のキャラクターを操作することができるのも、MGS4をベースにしたMGOならではといえる。
プレイできるキャラクターやマップは今後、追加パックのリリースなどで増えてゆく見込みというが、それらの話題もプレイヤーたちの間では重要な楽しみの一つになっているようである。

■グラフィック
グラフィックは本編と同様、非常に美しく表現されている。
砂埃が舞い上がって視界が遮られ表現であるとか、暗くじめじめした質感だとかもよく現れているし、兵士やユニークキャラクター(リキッドやメイリンなど)の挙動もリアルである。爆発や着弾のエフェクトも臨場感がある。
あまり派手目な色を使わず、同じような階調の色彩で各マップは統一されている。
マップに同化した色調の服を選べばカモフラージュ効果になり、敵に発見されにくいという戦術的利点も生じる。このことからも、グラフィック自体がゲームの中核と切に関連して設計されたものであることがうかがえたりする。

■サウンド
BGMはオフにしていることが多かった。というのも足音に耳をすませて敵の気配を感じ取ることに重点を置くとどうしてもBGMは邪魔になっていたからだった。
しかし先日サラウンドヘッドフォンを購入し、ためしに音量を絞ってBGMを流してみた。すると足音などのSEとBGMとは、ちゃんと分離して聴こえるということがわかった。それからBGMをよく流すようになった。BGMは十数種類の中から好きなものを選ぶことができ、その種類には本編中のBGMはもとより、歴代メタルギアのBGMをアレンジしたものなどが含まれていたりして、バリエーションは豊富である。
ただし、ゲーム開始時に自分で選ぶ必要があり、選ぶことに時間を使っているとスタートが出遅れてしまうことから選曲をさぼりがちになってしまい、結局同じ曲を延々と流すことになる。
だとしても、BGM効果は高い。
最初静かに始まって、激しい戦いになるとちょうど時間を合わせたように音楽も盛り上がってくる。すると音楽が鳴っていることも忘れて銃撃に夢中になってしまうのだが、グラフィックの自然さといい、音楽の盛り上げ方といい、ほとんど総合芸術のようでもある。

■熱中度
射撃方法は、大きく二通りある。ロック撃ち(オートエイム)と、非ロック撃ち(ヘッドショット狙い)である。オートエイムとは自動的に敵に照準を合わせてくれる機能であり、一見するとロック撃ちのほうが有利のような印象を抱くかもしれないが、必ずしもそうとは限らない。敵の頭部を狙って撃つと一撃で倒せるのにたいして、オートエイムは胴体部分しか狙わない。胴体への銃撃はだいたい5発ぐらいヒットさせないと相手を死にいたらしめることができないことから、オートエイム対ヘッドショットでは、ヘッドショットのほうが速いということになる。
上下左右360°自由に動く照準を敵に合わせてヘッドショットするのは確かに最初は難しい。
しかし何度も繰り返して遊んでいるうちに少しずつ慣れてきもする。しかし慣れてもその速さと精度をミリ秒単位で上げてゆくことは、ほとんどのプレイヤーが切実に願っているテーマであるといってもよく、ちょっとうまくなったと思って上級者と対戦すると、なす術もなくやられて落ち込んだりすることもある。
このいかにヘッドショットをうまく出来るようになるかを追求することが、熱中度と結びついている。
自己の戦績について、殺傷数の中に占めるヘッドショット数が一定の割合より多いと、優秀な兵士たる証としての「称号」が授与される。あるいはあまりにも成績が悪いと、悪いなりの不名誉な称号が授けられもする。より上位の称号を目指してヘッドショット数を重ねてゆかなければならないことも、熱中度の上昇に大きく貢献している。

■満足度
プレイ時間はゆうに500時間を超えている。
他のゲームを買っても数時間で飽きてしまい、すぐ売りにいってしまう。
これ以外のゲームはもう自分にとっては必要のないものなのかもしれないと思う。


■快適さ
全体的にマップが狭いとか動作が緩慢であるとか、そいうった評価が見受けられるが、広ければいい、速ければいいというわけでは必ずしもない。
マップの広さは、索敵と戦闘を繰り返す上でちょうどよくなっているし、どちらの陣地にも有利不利はなくバランスがいい。

サーバーの不備による描画や判定の遅れといった、いわゆる「ラグ」はほとんどないといっていい。ただし参加者個々の回線状態によっては、瞬間移動したように見える敵に当たることも2%程度の確率であるにはある。

ロビーには常時5000人以上のユーザーがおり、オートマッチでもフリーでも対戦者に不足することはまずない。

BAD/REQUEST

プレイヤーは、戦績・グレード・レベル・称号 といった数値でその強さが表されている。
これらの数値にこだわるあまり、ターゲットを取りにいくルールでは、ターゲットをとらずに殺傷のみをするプレイヤーが、残念ながら少なからず存在する。
あるいは上位称号を取得したいがために、上級者であるはずなのに、下位のレベルのふりをして、殺傷数を稼ぐことのみを狙うものも少なくない。
どうもこの「称号」の査定基準に不備があるとしか思えない。
弱いものを倒して得られる称号が「優秀な兵士」であるわけがない。

COMMENT

以前MGS4(オフライン)の評価を投稿したが、METAL GEAR ONLINE単体ディスクも購入したので今回はオンラインのみのレビューを投稿した。
MGS4本編の評価は出尽くした感がある一方で、本編の付録としての意味を持つMGOがこれほどすばらしい出来なのにもかかわらず、あまり評価されていないことをみて投稿するにいたった。
このMGOはMGS4の付録としてではなく、単体ディスクとして評価されうべき完成度の非常高いゲームソフトである。

   
プレイ時間:100時間以上(未クリア)
中村さん(Webサイト)  [2009-02-17 掲載]

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総合ポイント
70
(難易度)
2.20
レビュー数
199
スコアチャート メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット/MGS4レビューチャート

メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット (MGS4) 購入する
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16.1%
70-79
22.1%
80-89
12.1%
90-100
【60点以上】
63.8%
【標準偏差】
21.34