【PS4】NieR:Automata
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2017-02-23 |
価格 | 8424円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 麻薬 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 78
- (難易度)
- 2.18
- レビュー数
- 17
スコアチャート
GOOD!
■退廃的な世界観
これが見たくてこのゲームを買ったと言っても過言ではありません。マップは小さいですが、世界観はかなり良く出来ていると思います。
■普通の2Dシューティングはそんなに悪くない
ハッキングのシューティングはアレでしたが、こっちのシューティングは、自分は普通に楽しめました。
■タイトル画面がかっこいい
短いですけど、かっこいいです。音楽も良いです。音楽はゲーム全般的には、前作を意識しすぎたせいか、ちょっとコーラスやりすぎてる感じがありました。タイトル画面位静かな感じが自分は好きです。
■初心者救済対策が良く出来てる(最初のパートを除く)
最初のパートはセーブが出来ないとか問題ありですが、他は自動でなんでもやらせられるので楽でした。自分は死にゲーで軽装プレイも良くやるので、アクション的に難易度が高いとは感じませんでしたが、ただ、時間節約の為に、オートがあると本当に助かります。おかげで、Bルートは3時間位で終わらせることが出来ました。
BAD/REQUEST
ABCDEエンドクリア済みです。主に悪いと感じた箇所はストーリーとキャラクターの描写です。ハッキングのシューティングもかなり駄目でしたが、他の方が既に言及済みですので、ここでは触れません。このゲームの世界観やストーリーの構造を説明するため、多少ネタバレ的要素を含まざるをえませんので、クリアしてない方は読まない方が良いかも知れません。が、プレイ前でも、どうもこのゲームがうさんくさく感じる方は読んでも良いと思います。自分がプレイする前に読みたかった風に書きます。
■陳腐な台詞回し
相当アニメアニメしてます。自分はDoDとニーアレプリカントをクリア済みですが、この開発者のゲームはどんどんアニメオタク化していってます。このゲームは特に中二病っぽいノリがモロに出ており、そういったアニメやらライトノベルやらが好きでない人は、主要キャラクターやオペレーターのかなりお寒い台詞回しに、ゲーム序盤から最後まで耐えないといけません(町などに居るNPCの台詞は普通です)。
■セカイ系の枠組みから抜け出せず
SF的な世界設定も、結局は「あなたとわたしだけのセカイ」と言う一昔前のセカイ系の世界観に全てが収縮されていきます。敵味方ともに、パートナーとの愛情関係(恋愛ではない)に焦点が当たりすぎており、SF的な設定や思考的に制約があるはずのアンドロイド的自我が、途中から完全に置いてきぼりにされます。そして、他のセカイ系作品と同様、自分たちの箱庭世界の「外部」(人類社会)は虚構そのもの、もしくはその「外部」では自分たちが、用無しの虚構そのものであると位置づけられます。当然、八方ふさがりになるしかなく、現に八方ふさがりのままとなり、アイデンティティが崩壊、箱庭世界の中で行き詰まり絶望、「全部壊セ」と暴走し、自己崩壊しつつ、そのまま終了します。00年代前半の典型的なセカイ系と何も変わりありません。
■セカイ系的な「怒り」と「憎悪」の安っぽさ
主要キャラクター(敵も含む)の「怒り」と「憎悪」に焦点が当たるのですが、この描写が安っぽさ極まりないです。閉じた孤独な箱庭世界の中で唯一見つけた「あなた」(大切なパートナー)を喪失し、そのセカイの中で「わたし」だけになった中二キャラがキレて暴走して「全員ブッコロス。セカイヲ壊ス」と、暴れるだけの描写です。これが本編で二回も仰々しく繰り返されます。社会性が欠如した、箱庭世界的な妄想に過ぎない部分がある為、何の説得力もありませんし、感情移入も出来ません。
主人公の片割れである9Sのキャラ作りがお世辞にも上手くいっているとは思いませんでした。何故、2Bとちょっと一緒に任務遂行しただけでそれが彼のアイデンティティの全てとなってしまったのか、彼の心の変節や葛藤の描写が本編に全くありません。「好きになってはいけないけど、好きになってしまった」的な心理的葛藤の過程が、全く描かれない為、説得力に欠けます。そうして、終盤にさしかかり、「あなた(2B)とわたし(9S)の大切な記憶」とか、ありがちな「記憶の回廊」に突如出くわしたり、「あなたの偽者をボクが壊してあげ」たりします。と言うか、9Sが2Bに特別な感情を抱いていたのなら、それをもっと前面に押し出したほうが良かったです。アンドロイドは恋愛が出来ないとか、そういう設定があるのかも知れませんが、だったら、そこから「新しい外部」への切り口を見つけられたはずでしょう。と言うか、化粧したロボットやら遊園地のボスやら機械生命体は少なくとも恋愛は出来ている。なのに、9Sは最後まで優柔不断を貫き通し、箱庭で勝手に絶望してキレるだけなので、やっぱりセカイ系になるしかない。
■箱庭の中で「成長」しないキャラクター
このゲームではキャラが「成長」しません。JRPGでは良くも悪くもキャラが挫折した後「成長」して、何か新しい道を自分自身、もしくは仲間と切り開こうとするお決まりの描写があります。お決まりとは言え、起承転結の「転」の部分で、プレイヤーがカタルシスや共感を覚える部分ですので、ストーリーテリング上、重要なパートです。DoDやニーアレプリカントでも、そう言った描写があります。が、このゲームでは誰も成長せず、単に恋愛とか家庭とか会社のいざこざで上手く行かなくなり、キレるか、行き詰るかして、そのまま終わると言った感じにしかなりません。「転」の部分がありません。周囲の「保護者」や「助言者」や「協力者」も、ただSF的な社会システムの一部として生涯奴隷のまま終了していくだけです。組織に反抗し「セカイ」から抜け出した一匹狼も、一匹狼のまま暴れまわり、何も答えを見つけられず終了です。結局、「新しい外部」を見つけられません。誰も何も精神的に全く成長しない、もしくは自分の殻を打ち破らない為、見ていて面白くないです。
■A2が中途半端
途中から2Bの代わりにA2と言う一匹狼アンドロイドを動かすことになりますが、一体これが物語上、どう重要だったのか意味が良く分かりませんでした。2Bからは記憶を引き継いだとのことですが、「で?」と言った感じです。単に9Sを自暴自棄にさせる為に、2Bを殺したのかも知れませんが、そうだとしたら相当安易だなと思います。しかもA2と9Sは、ありがちな誤解が原因で、最後まで交流せず、各々勝手に機会生命体を殺して回るだけですので、特に物語としてフィナーレに向かう流れと言うのは形作られません。なので、ここでもカタルシスは発生せずに、なんだか良く分からないまま、記憶にも残らない雑魚敵みたいなラスボスを倒し、その後、敵対した者同士が、敵対したまま戦い、終了するだけ、となります。まあ、次回作への布石なのかも知れませんが、それにしても一度物語をまとめるべきだったと思います。
COMMENT
評判が良かったので楽しみにしてましたが、、、ここまでストーリーが薄っぺらく、オリジナリティがないとは想像していませんでした。RPGは、ARPGを除き、自分的にはストーリーが全てなので、ストーリーが酷いと、基本的にそのゲームをやる価値がなくなってしまいます。結構売れましたが、2Bの見た目と退廃的な世界観のコンビネーションがアニメオタク層に受けただけなんだろうな、と思います。実際にはゲーム内では2Bもそこまでキャラ立ちしてる訳でもなく、特別面白い個性も持っていません。まあ、主人公なのでありがちで良いのですが、それにしては持ち上げられすぎてる気はします。まあ、やっぱり見た目だけで評価されてるんだろうなと思います。DoD3は萌えゲーにしか見えませんでしたので、スルーした訳ですが、、このゲームもスルーすべきでした。次回作は、かなり慎重にならざるを得ません。