【PS4】戦国無双 ~真田丸~
発売元 | コーエーテクモゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2016-11-23 |
価格 | 8424円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 セクシャル 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:タクティカルアクション ■ プレイ人数:1人 |
- 総合ポイント
- 70
- (難易度)
- 1.50
- レビュー数
- 6
スコアチャート
GOOD!
全トロフィー獲得済みの感想です
このゲームで一番印象深かったのは、タイトルにもなっている真田丸のステージです。この戦場は基本的に味方キャラが一人もいない、幸村一人VS敵数千という、マップにプレイヤー以外全面的に敵が敷き詰められているステージです。幾多の無双シリーズって結局のところ、総大将的なキャラを守れやら門番を倒せやらで、わずらわしさ感じることがあります。でもこの戦いは敵武将をある地点に侵入させない限り、敵を倒すことだけを考えていれば良いステージです(進行に必要な撃破目標は決められていますが)。圧倒的多数の敵を、細かいことは気にせずなぎ倒すという爽快感。最高でした。私は無双シリーズをいくつもやっていますが、このステージこそ無双シリーズの歴史に残るものです。
上記と関連して、真田幸村の強さを実感できることが良かったです。今回はなんと幸村が壮年を迎えると、新しいアクションが数多く解禁されます。そしてそれが鬼のように強く爽快感抜群です。そもそも幸村のアクションモーションって、初代戦国無双からほとんど変わっておらず、いつもそれを嘆いていたのですが、その分新アクションが嬉しかったです。
主人公とそれを取り巻く人々とのやり取りも良かったです。終盤、戦場で敵武将が「討ち取ってくれる」と多数押し寄せてくるのですが、幸村は一人一人に台詞違いで「退いていただこう」と言って軽くあしらいます。多勢に無勢の中、先に書いた新アクションにより、鬼のような強さで敵をなぎ倒す。アクションだけでなく、台詞のやりとりにおいても幸村の強さを見事に体現していました。さらに伊達政宗の最後の台詞は最高でした。分かる人にだけ書くと、口癖をよく聞いていた分グッときました。味方キャラに至っては、多くが倒れていく様を見る事になりますが、それを見るのがキツい=これまでの過程で感情移入がしやすいよう作られていました。
「次の一手」システムも良かったです。これは戦場でノルマを達成すれば、次の戦場で有利な策を打つことができるというものです。なのでノルマを達成したいというモチベーションにつながり、各戦場でメリハリのある戦いができるもととなっています。
真田本城・上田城・大阪城をそれぞれを行くことができるのですが、雰囲気が出ていてよく作りこまれていました。その分残念だったのが、操作キャラの移動は走るがデフォルトなので歩くをデフォルトにしてほしかったり、茶屋などでプレイヤーも座れて一人称視点でただ風景を眺める機能があればいいと思いました。
茶々や徳川秀忠の描写も良かったかと思います。歴史の人気武将が好きな自分は、もともと2人に対し印象が悪かったのですが、ゲーム本編で描かれる2人は好感が持てました。
城下町では人と会話中、出てきた用語についてワンボタンで「真田丸戦記」というミニ辞典を呼び出すことができ、詳しい解説を読むことができます。適時呼び出せるので、長文でもすんなり頭に入ってきて、戦国の知識を深めることができるのはいいことだと思いました。
BAD/REQUEST
OPムービーがない(会社ロゴが出た後で流るムービー)。意味不明です。ゲームを盛り上げる大きな要素なのに、これは手抜きとしか思えません。
戦場とは違い探索ステージがあるのですが、あまりおもしろくありません。また任意のノルマがあるですが、全制覇にはそのマップを何周も回らなければならず苦労します。
ボーナスミッションでは特定キャラでしか発生しないものについては、わかりやすいようにキャラアイコンがつくのですが、例外がいくつかあります。コンプしようとしているプレイヤーに迷惑です。
「真田の六文銭」システムや「無双極意のゲージ」のしくみについて、序盤は分かりづらかったです。
たまに同じステージが再登場します。少し気になりました。
メインキャラ以外の武器熟練度がなかなか上がらず、空スロットを追加したくてもなかなか出来なかったです。
誤表記(天王壬午の乱で服部半蔵が青字表記)や、上田城火計の手柄フラグや、クリア後の大阪城茶屋娘フィラデルフィア計画といった、デバッグ不足感がありました。いままでの無双シリーズではそういったことは存在してても気付かなかったのですが、今回は目に付きました。
COMMENT
多くなってしまいますが、賛否の別れる点をいくつか。
セーブシステムについて。今回はオートセーブと3つの手動セーブスロットがあるのですが、少しクセがあるように感じました。いままでとの大きな違いは、戦場での一時セーブがなくなったという事です。いままでは戦闘の途中でセーブした場合、それを保持したまま別の戦場をプレイすることは不可能だったのですが、今回はそれが可能となっています。ただし、共通の進行データというものがありません。私が陥った具体的な例を挙げると、
オートセーブを基本に本編を進行→ふと過去の城下街が気になって手動でセーブしたデータを読み込む→ふとマップを切り替える→オートセーブ発動で最も進行していたデータが消失
なんてことがありました。なので、オートセーブを過信せず常に進行データを手動でセーブすることをおススメします。今回の仕様は、いままでの一時セーブ=別の戦場プレイが不可なのが解消されたのはよかったのですが、いままで通り最も進行したデータが保持されるようにしてほしかったです。
2つ目の賛否が分かれる点は、敵旗兵による士気の効果です。いままでは、マップが赤く染まっていてもそこにいる敵旗兵を倒せばそれで終わりだったのですが、今作では終盤に近付くにつれ、旗兵なしでもマップが赤く染まっていることが多くなります。その場合、通常攻撃がほとんど通らなくなってしまい、無双極意を使って倒すのがセオリーとなります。それによりいままで存在意義が薄かった無双極意が重要になったのは良かったのですが、マップが赤いと通常攻撃が使い物にならなくなってしまうので、もう少しダメージが通るようになってほしかったです。(かの幸村なら通常攻撃でも十分いけてしまうのですが)
3つ目はこのゲームにおける歴史の解釈です。ガラシャの件もそうですが、終章の真田のある件について、表向きは史実通りだが実はこうだったという展開になります。でもその後で真田丸戦記の解説文を読むと、なんだか矛盾を感じる記述が…。そもそも史実の戦国武将は善い行いしかしなかったとは言い難いものですが、あまりに美化するのもいかがなものかと思いました。
ここからが感想です
いくつか調整不足感があるものの、プレイに差し障るほどではありません。とにかく節々で真田幸村の強さを体感できることが良かったです。これは戦国無双シリーズでも最高でしょう。また大河ドラマとのコラボも多く、マップと衣装、それに登場キャラクターもモブ造形ながらしっかり登場してくるので、ドラマを見ている人なら嬉しい限りです。
出来が良いだけに今後の戦国無双シリーズが不安になります。今回は1つの戦役に対し3つほど戦場ステージが別れており、史実に沿った細かい展開をみることができましたが、過去作では1つにまとめられていました。今作をプレイすると、いままでひとまとめのステージが物足りなく感じてしまうと思います。そこは制作陣にうまく作りこんでほしいです。