PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

■ストーリー自体はネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、『信頼と裏切りが交錯するＴＲＰＧ』と
メーカーさんが謳うだけに、メインキャラ達の立ち位置が周回する度に変わるのは面白いですね。
１周目はひじょうに愛情醸し出してしたキャラが、２周目には手のひら変えたかの様に一変なんて、心情では
複雑ですが他ではあまり味わえないシステムなのでこの点は高評価。


■私はあまりアニメ系・マンガ系に詳しくないし、さほどハマる事もないのですが、本作の藤島先生の画は
個人的に好きです。
他作や他ジャンルでも結構活躍されている方ですが、自分が好きな・憧れの作者が描かれた画をこういうゲームの
キャラとして扱えるというのは、ファンからしたら嬉しい所ですね。


■ＲＰＧのボリュームとしては及第点です。
必須となるクエストを達成していく事で新ストーリーが解放されていくという流れですが、クエストもフリーまで
含めれば相当な数ですので、そういう意味では長く楽しめると思います。

バトルで使用するスキルやコンボもかなり多岐に渡りますので、こだわりがある人、細かく設定して楽しみたい人
ならば楽しめます。
しかもそれを細かく設定出来るオートモード、これを上手く使いこなす事さえ出来れば、戦闘が一気に楽になります。

ただし、あくまで「使いこなす事が出来れば」が前提です。
かなり膨大なスキル等を把握して設定していくのは、かなり賛否あるかと思います。
私も慣れるまで結構時間がかかりましたので気持ち的にはＢＡＤですが、要素として考えたので一応こちらに。

BAD/REQUEST

■グラフィックはもう少し頑張ってほしかった所。このレベルなら、ＰＳ３で十分です。
ＰＳ４らしさが見えなかったのは勿体ない箇所ですね。

あと、戦闘画面やシステム画面などきちんと作り込まれてはいるのですが、強いこだわりを詰め込みすぎて
ひじょうに見にくい＆扱いにくい。
もう少し簡略化してもよかったのかもしれません。


■本作独自の、見た目では分からないがウイルス感染で裏切者と化したヒロインを疑心暗鬼になりながら
探り出すシステム、これ自体は面白いです。
が、それを探り出していく「会話パート」の矛盾がちらほらあり、結果的にしっくりこない出来に。

会話パートでの「面接」で自分が疑わしいと思える子に対して限られた質問回数の中で質問を行い、そこで
違和感や矛盾点がある発言をした子をウイルス感染による裏切者と特定していくのですが、この面接の内容と
裏切者が連動していないので、結果がストーリーに影響していません。
明らかにこのパートで怪しいと特定し高評価を得たにも関わらず、ふたを開けばまったく予想していなかった
キャラが裏切者・・・しかもそのキャラはまったくその兆候もフラグなし。
結果、運のみで当てる様な大雑把なシステムになってしまっています。
折角のシステムが上手くストーリーに連動されていないという点では減点。


■ダメージを受け続けると主人公含め、ヒロイン達も装備が破れて最終的には下着だけになる＝防御力が劣る
システムですが、理屈としては面白いし、序盤は楽しめました。が、はっきり言って不必要なシステムです。
戦闘終了後のリザルト画面で主人公・ヒロインが下着姿のままポーズをとっているシーンなんか、始めは
シュール過ぎて笑えましたが、やはり慣れると違和感しか覚えず・・・。

中にはこのプチエロ要素が良いという方もいるのは確かですが、この程度の要素なら無理に詰め込む必用性が
ないとしか思えなかったので減点。
プチエロ要素自体悪いとは言いませんし私も嫌いではありませんが、あまりにもシュールだったので
これならもうちょっと違う要素に力を注いでもらいたいと感じる所です。


■全体的なボリュームは結構あるのでそれ自体は良いのですが、それと連動するシステム面がひじょうに
使い辛いので、結果的にストレスが溜まりがち。
マッピング機能もかなり狭い範囲にしか効果が出ないのでひじょうに使い勝手が悪く、意識して使っていかないと
穴だらけのマップになってしまいます。この点はテスト段階でもう少し改善してくれていればかなり快適に
なったはず。
その中途半端な機能で穴埋めしている中で、妙に多い敵配置(エネミーシンボル式)も加わって、したくもないのに
強制的に戦闘なんていうのも多々。
敵もキャラより移動速度が速いのでほとんど逃げる事も出来ず。
この点は終始イライラしたので減点。もう少し細かくバランスを取ってもらいたかったですね。

他にもシステム面では細かい箇所で気になる点が多々あります。
出来ればパッチで多少なりとも修正・改善を期待したい所です。


■本作で一番残念だったのが、メインヒロインにあるまじき棒読みの台詞・・・これはもうどうしようもない
レベルで目も当てれません。
メインは当然ながらゲームの中心に携わる人物。それをこの様な配役で台無しにしてしまったのは大減点。
まぁなぜその様な配役になったかの経緯は他サイトでも色々書かれていますので気になる方はご自身で検索
して下さい。
とにかく一個人の要望(わがまま)で、メーカーさんが一生懸命作ったゲームをここまで台無しにしてしまった
代償は大きいのではないでしょうか。

脇役ならまだ我慢出来ますが、メインのヒロインとして声優でも俳優でもない一般の素人を起用し、
演技が出来ていないというのが製作段階でも分かったはずなのに使用したのは、その経緯を知っている者からしたら
本当に憤慨するレベル。
ゲームだからと舐められた感じがして、長年ゲームを愛する私らユーザーからしたら、この点は本当に気持ちが
いいものではありません。

個人的な理由で抜擢させた事によって、結果的にゲーム全体の盛り下がり・終始違和感になってしまっており、
かなり影響を与えているという点では本当に勿体ない。
本職としてきっちり他ヒロインをこなしてくれている声優さん方に謝れと言いたくなってしまいます。

COMMENT

本作作画の藤島先生が好き＆ＲＰＧが好きという理由で購入しましたが、総評としては全体的にどこをとっても
中途半端感が拭えません。
ＧＯＯＤに挙げた項目にしても、あえてＧＯＯＤに挙げれはというくらいの点。大事なＲＰＧとしての要素等は
他作と比較しても軒並み低いと感じました。

私は上記の理由で購入をしましたが、それ以外でだったら購入はまずしません。残念ながらこのレベルのＲＰＧ
だったら他にも沢山あります。
随所にちゃんとこだわりは見えるのですが、それが面白さに繋がっていないのはひじょうに残念。

特に最近では本年度の良作に入るテイルズとペルソナ５をしていたから余計にそう感じました。
そういった良作に手を付けていない方、もしくは作画の藤島先生のファンなら購入しても良いかもしれませんが、
純粋にＲＰＧ好きな方には満足出来る仕上がりとは到底思えません。