PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

昭和世代ならば誰もが持つ、共有体験・感覚としての夏休みの雰囲気をうまくゲーム上で表現しています。ものすごくおもしろいとか、熱中するゲームというわけではありませんが、そういう懐かしさや心地よさを与えてくれるゲームという点では価値があると思います。
エンディング後はいい映画、いい小説を読んだ後のような清涼感を感じます。

プレイをしていてインターフェイス的に特に分かりづらい、気になる点はありませんでした。

基本的には与えられた空間と時間の中では何をして過ごしてもよいという適度な自由度はよいと思いますが、「虫を集める」「王冠を集める」など目的意識を持って行動しないと30日近い夏休みの長さは飽きるかもしれません。

川のせせらぎや虫の鳴き声など臨場感を重視した音の演出が中心だったため、音楽に関してはOP曲、ED曲以外はあまり印象に残っていません。ただ、それはそれでよかったと思います。

攻略・やりこみ要素を盛り込んだゲームが多い中、そういう要素があまりないためむしろ気楽にプレイできました。やりこみ要素がなければないで奥行きがなかったり物足りなかったりしますが、ありすぎるのはまたそこまでやらなければならないという強迫観念も生まれてしまうため、雰囲気を味わうこのゲームは気軽にプレイするためにもこの程度でよいと思いました。

BAD/REQUEST

エリアを移動することで時間が進みますが、家の中は特に時間の進み方が早いなど、矛盾を感じるところがあります。

捕まえたことのない虫はNEWマークがつくため捕まえるのに支障はありませんが、すでに捕まえた虫はあまりに視認しづらく捕まえることが難しいです。

よくも悪くも映画的な要素のあるゲームのため、２度３度と繰り返してプレイしたくなるゲームではありません。

日常の小さなストーリーの集合体としての夏休みなので、一貫した大きなテーマ性のあるストーリーや伏線が生きてくるストーリーではありません。それが日常のリアリティを生んでいるとは思いますが、ドラマティックな展開を期待している人には物足りないでしょう。

マルチエンディングとなっていますが、期待するほどストーリーの違いは感じませんでした。

COMMENT

登場人物は誰もがあたたかく、やさしく、彼らに囲まれた夏休み体験はとても心地よいものでした。ゲームそのものの楽しさを味わうのではなく、空気感、情緒を味わうゲームです。
イメージとしては映画「ALWAYS　三丁目の夕陽」がもつ印象、それから感じるものに近いかもしれません。
私はじゅうぶん感情移入できたため、エンディングではうるっときました。

大人になった僕がナレーションすることがありますが、オープニングやエンディングで大人になった僕が明示的には登場しないため、少し違和感・中途半端な感じを受けました。

気軽にプレイできる点が最近のゲームでは貴重だと思います。

PS3のハードならではのよさはそれほど感じませんでしたが、それでもグラフィックなどは十分美しいです。