【PS3】アガレスト戦記
発売元 | コンパイルハート (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2007-09-27 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:リーディングRPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2009/05/28 ■ 価格:3,990円 『すくすく犬福2』や『アストニシア ストーリー』でお馴染みのコンパイル、『サクラ大戦』シリーズのレッド・エンタテインメントとアイディアファクトリーの豪華チームがおくるファンタジーRPG。5つの大陸からなる「アガレスト」という世界を中心に、5つの世代をまたがり、柱の封印を目指し冒険が始まる。複数のヒロインの中からプレイヤーは誰をパートナーに選ぶかで、次世代の主人公が変わってしまうシステムになっている。バトルシステムは「ターン制」になっている壮大な大陸をパートナーと共に冒険するファンタジックRPGを始めよう! |
GOOD!
●ハッキリ言ってS−RPGです。
『S−RPGとして評価するなら』、やり応えのある秀作だと思います。
5世代に渡りこの世の悪に立ち向かうというコンセプトは、「俺の屍を超えていけ」以来の壮大なロマンであります。
代々選んだ嫁によって、能力だけでなく主人公の見てくれまで変わっていくというこのシステムは、作り手にとっては煩雑なものだと思うし、今後もこういうゲームが出てくるのは望み薄かなという点からも、評価すべき所は評価します。
●ソウルブリード
脇を固めるサブキャラクターに関しては、かなり魅力的。
このゲームの最大の売りである嫁選び(ソウルブリード)ですが、第1世代から非常に直球路線な男の浪漫が特盛りで溢れています。息子の育成方針で嫁を選ぶか、己のストライクゾーンに従うかは、貴方次第。硬派なゲーム性でありながら、それでいてイベント部では良い意味で尻の軽いとでもいいますか、男の煩悩にストレートな3択を迫ってくる部分があります。嫁次第で息子の能力もかなりハッキリと変わるのも良いです。
結婚イベントは賛否が分かれるところ。茶の間でのプレイは恥ずかしいので止めた方が良いと思います。
●音楽
声優さんは結構はまっていると思う。
音楽もまとまっている。主題歌が「鬼ごっこ」なのは、かなり狙いすぎw 賑やかなオープニングの後に流れるあの暗いタイトルメニュー音楽とのギャップが凄すぎる。
どっちもゲームの本質的な所を表現しているという点では違和感はないし、個別に聞けば悪くない。食い合わせが悪いだけで。
●熱中度(ただしHARDモードでの評価)
このゲームの推奨プレイ難易度はズバリHARDであります。
理由は、HARD以外では2週目以降の引き継ぎ項目が不完全である事、敵のバランスが絶妙で長丁場でもだれることが少ない為です。
ただし、このゲームのHARDは殺るか殺られるか。引き継ぎなしで普通にHARDで始めると、殆ど1時間以内でもれなく絶望感を味わいます。
ネット環境がない方は、まずNORMALクリアの引き継ぎでHARDをめざし、ネット環境がある方は、無料ダウンロードアイテムを全部インストールして上でプレイした方が良いでしょう。最低でもヒールとリザレクションの2つは持ち込んでプレイしないと、とてもゲームとして成り立ちません。
ダンジョンは、味方の死亡率が非常に高い(特にボス)上にセーブ不能で、エンカウント率が最低ラインにも関わらず、まるでウィザードリィをやっているかのような異様な緊張感があります。
フィールド戦闘は双六のごとくフィールドマップを1歩進むごとに戦闘になります。1戦ごとにセーブをこまめに繰り返して進めて行く事になるでしょう。
30時間程度でクリアできるRPGがご希望の方は絶対に敬遠しましょう。
S−RPGですから、当然やり込み系ゲームです。
やり込む要素は非常に豊富で、武器・防具・技の製作、技の連携の発見、称号、5世代にわたる嫁選びに至るまで、膨大な試行錯誤+イベントフラグ管理+ゲームターン管理=高やりこみ度がこのゲームの面白さを支えます。
BAD/REQUEST
●ハッキリ言ってS−RPGです。
『普通のRPGだと思って買うと』、非常に後悔しますので注意が必要です。
グラフィックはちっちゃくて魅力に欠け、それで居てロード時間は長目、ストーリーは枝葉の部分が大半を占め幹の部分としては話が短いし、1回の戦闘が5〜10分程度と信じられないほど長く、イベント戦では連戦もあります。
S−RPGとして売り出していたならば、これらは殆ど問題にはならず、私もこうしてわざわざ指摘をする事はなかったと思います。
ですが、RPGとして売り出した以上は、これらは明らかな欠点だと指摘しておきます。
●グラフィック
一言でいえばちっさい。
PS2並。
「PS2で開発してたけど、とてもPS2の能力だと処理しきれないから途中からPS3に変更して開発しました」
という感じもします。HDDの有無と処理速度の関係で、PS2ではまともにゲームにならなかったのではないかと。
このゲームを支えている魅力の一つである100を越える膨大な連携必殺技とエフェクト効果は、PS3ゲームのボリュームとしても充分だと思います。見た目が寂しいのは、もう少し何とかして欲しかった所ではあるけど。
立ち絵2Dグラフィックは、及第点といったところでしょうか。
2Dで売り込むなら、1040pに対応してほしかったです。むしろ、PS3は2Dで勝負が出来る環境だと個人的に思っているので。
●リトライがない、ソフトリセットがない。
このゲームに「リトライ」がないのは、作り手がS−RPGとしてゲームをして欲しくなかったからではないか? S−RPGとして作っているなら当然実装してあるべき機能が敢えて削られているのは、どう考えてもおかしいです。
アップデートで対応をお願いしたいところ。
●ソウルブリードの意義に対する説明不足
主人公が最初の嫁を選んだ時に、どうして生まれた息子に旅立たせるのか、なぜ息子は1人なのか、この点で説明不足を感じます。
書き手がきちんと説明をするか、もしくは、説明を後でする事にして、ディシャナに「それしか方法がない。絶対にそうしてもらう」ときっぱりと言い切らせる事で、伏線として生かすのも良かったと思います。5章目でああいう展開にするなら尚のこと、それで良かったんじゃないですかね。
●レベルを均一化させる仕掛けがない
ターン数の経過を最小限にしながら、レベルを最上位に合わせられる戦闘訓練ステージや、レベルを任意の数値まで落として戦えるシステムが欲しかったです。嫁と嫁候補がごっそりと抜けるのに、そのメンバーの穴埋めに育てていないLv1桁台のキャラ等を主力キャラに交えて戦わせるハメになります。これがHARDモードだと非常に辛い。経験値も低くなるし。
そんな事とはつゆ知らず、嫁候補3人をメンバーに入れてて、息子の代で3人共ごっそり抜けられた時にはもう涙もの...。
●子供が先祖より弱いのが許せない。
結局、初代が才能的に言って最強ってのが、「納得できない」を通り越して「許せません」でした。
4章目で結局その事実に気付かされて、大きくやる気をダウンさせられました。
他のメンバーよりも開始レベルが低いのもとても気に入りません。使命を受け継ぐ子孫としての主人公をここまで冷遇する理由・意図がわかりません。
●雑魚がめんどくさい。
特に4章こえた辺りから、イベントのマスの前に立ちふさがる雑魚オレンジのマスを見るだけで、正直うんざりしてきました。
んじゃ、HARDにしなきゃいいじゃんと言われそうですが、ボスはHARDが断然楽しいのです。雑魚だけが断然うざいのです。戦闘時間が長くなるので、戦闘エフェクトもボス戦で最後のとどめ以外は全部カット。
5章目は「今日はあと4マスだけ進めよう」と自分に言い聞かせるように、なんか小学校の宿題のドリルでもやってるような気分でした。雑魚は被ってる敵は全部なしにして、あとは素材とか欲しい所を集中して戦闘出来るようにしてほしかったです。
というか、通常MAP上の雑魚にどうしてLタイプの大型モンスターを入れるかなあ。それも、何カ所も。精神的にきつかったです。
COMMENT
プレイ環境:PS3+松下Viera(TH-26XL70)26インチ液晶+5.1chサラウンド(YAMAHA AVX-S35F) HDMI接続(720p)
クリア時間は83時間でした。なんか、やっと終われたって感じです。
オブリビオンとのテンションの差が如実に表れたレビューとなってしまっております。
ストーリー自体は、結構良かったんじゃないかなあとは思うのですが、全体的に見て辛口になってしまいました。
これで、アガレスト戦記最終稿とします。
全体的に点数を下げました。
子孫より先祖の方が才能的に強く、戦力面で最初からパーティーのお荷物的な扱いってのが、なによりも自分的に大きな不満で、これが点数を下げた最大要因となりました。
一応クリアこそしましたが、やり込む前にやり込む意義を失ってしまったなあという感が非常にあります。PS3が途中でセーブデータごと壊れて最初からやり直すハメにならなければ、最後までテンションを維持できて、もっと評価が高くなったかも知れません。