PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

・グラフィック
PS4ということでグラフィックに大きな不満は感じなかった
とりわけ綺麗というわけでもないが、まぁこの世代のソフトとしてはそれなりのもの

細かい部分では、やはりアクションの操作感や多様性において細かい進化を怠らないのはMGSならでは、と思えた。

BAD/REQUEST

・ストーリー
叙述トリックそのものが好きではないという、私自身の嗜好は横へ置いておくとしても
序盤での大きな伏線がどのように回収され、そこからどうストーリーが展開するのかを期待していたら
”回収されて終わった”どころか、MGSVで完結しておかなければいけない伏線が、”映像特典で補完された“など
全てにおいて期待を下回るガッカリ具合だったのみならず、そもそも根本的に未完成
最後までクリアして、まさか2周目をやる気が無くなるとは自分自身想定外だった。

・ゲーム性
まず、オープンワールドとメタルギアとの相性が悪い。
自由に移動できないからこそのステルスアクションである。
沢山の方が指摘しているが、オープンワールドとはいえほとんどが似たような地形で面白味が無い。
ここに潜入してやろうという、作りこまれた要塞など一つも無かった。
もちろんマザーベースも同じである。まず施設の中に入ることがほぼ出来ない。
ただデカくて複雑なだけのハリボテである。兵士の訓練風景や、開発風景などもちろん見ることができない。
それどころか自分の部屋すら無いのだ。なのでマザーベースに帰る意味はほぼ無い。
また、ミッションの道中にはたくさんの監視所などがあるが、そこで見つかったとしても敵が追撃してくることはない
これではオープンワールドの意味がないではないか
そこに車があるのは何のためだ。

次に、今作では数多の武器が登場し、カスタマイズも可能であり
何よりそれらを駆使して”自由に潜入する“ことを売りにしているはずだが
この売りと、PWから引き継いだフルトン回収及びマザーベースの発展、そしてバディというシステムとの相性が致命的に悪い
今作は経験者でも唸るほどの高難易度を誇っている。兵士の視界は広く、また数も多いため
一度見つかったら、場所によっては逃げ切るのも掃討するのもなかなか難しい。
ゆえにプレイヤーはマザーベースを育成し、より高機能な武器装備を整えようと考える。

しかし、しかしである。そのためには敵兵士を鹵獲しなければならない。
非殺傷で制圧したうえで、見つからないようにフルトン回収しなければならないのだ。
しかもマザーベースのレベルは簡単には上がらない。ランクAの兵士ですら終盤にならないと登場しないため
非殺傷で制圧＆フルトン回収というタスクは常に存在すると断言していい。

ということは、結局、麻酔銃やゴム弾など非殺傷で制圧できる武器を装備し
クワイエットやDDのような、索敵、狙撃に長じたバディを連れて行き
遠距離からチマチマと制圧しつつフルトン回収を行う、というプレイを延々し続けることになる。
もちろん他のプレイが出来ないわけでは決して無い。しかしこれが結果的に楽なのだ。
つまり、マザーベースを発展させるために、不自由な潜入を強いられる、ということだ。
これでは本末転倒である。前述のゲームコンセプトとの相性の悪さに加えて
システム面でもオープンワールドとの相性の悪さを感じる。
私は常に、ハンドガンタイプの麻酔銃、ゴム弾を装備したアサルトライフル、麻酔弾を使えるスナイパーライフル
これにDDもしくはクワイエットをバディに選択していた。

普通のハンドガンなどは殆ど使っていない。使う意味が薄いからである。
昔のMGSでは、アサルトライフルが手に入るまでの貴重な実弾兵器として
オブジェクトの破壊や爆破、敵の制圧に役立ったものだが、今作ではそういう出番はほぼない。
一応、最序盤のチュートリアルのようなステージで、使わざるを得ない場面があるが
そこで使ったっきり使ってないというプレイヤーも多いのではないだろうか
なにせハンドガンを持っていくためには、麻酔銃を諦めなければいけないのだから。

COMMENT

本作の不出来には、小島プロダクションとコナミとの間のゴタゴタが関係していたであろうことは想像に難くない。
しかし、それについてどちらかに肩入れをすることはここでは避けたい。

私に言えることは、MGSV:TPPは、期待を大きく下回るガッカリゲーだったということだ。
シナリオも、システムも、オープンワールドのマップも全てにおいてガッカリさせられた。
しかし、有料体験版とも揶揄されたグラウンド・ゼロズに関しては、私自身は非常に楽しめたことを考えれば
大きな問題点はTPPで追加された要素すべてだったと言っていいかもしれない。

これから先、MGSシリーズがどのように展開するのかは知りようがないが
これを反省材料として、次回作に活かしてくれることを祈りたい。
もちろん、次回作が出れば購入するつもりである。