【PS4】メタルギア ソリッド V ファントムペイン
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2015-09-02 |
価格 | 9072円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 犯罪 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:タクティカル エスピオナージ オペレーション ■ プレイ人数:1人(オンライン:最大16人) |
- 総合ポイント
- 63
- (難易度)
- 2.82
- レビュー数
- 33
スコアチャート
GOOD!
・偵察に重点を置いた潜入
敵兵を双眼鏡でマークすると壁越しでも位置がわかるようになる。
そのため潜入前に敵地の地形や兵の配置を把握するという要素が重要になった。
周囲に注意を払うという視線移動をさせつつ、曲がり角でいきなり見つかるといった理不尽な場面を排除した非常に優れたゲーム性。
面倒そうに思えるが犬を連れていけば近くにいる敵を全部マークしてくれたりと中盤以降は楽になっていく。
5作目になってまったく新しい、それでいて今まで以上に楽しいゲーム性を発掘したことは驚き。
・難易度調整
上記のシステムで隠れやすくなったうえ本作のスネークは戦闘能力も高い。
特に見つかった瞬間スローモーションに入り敵を簡単に撃てるリフレックスモードは強力(オプションでオンオフ可)。
そのためいきなり見つかってしまい抵抗もできず射殺されるということは大幅に減った。
かわりにゲームオーバーのリスクが増しており、ミッションの初めまで戻されることが多いため緊張感も増した。
・幅広い戦略
空爆で敵をせん滅して悠々潜入、スナイパーライフルで遠くから延々狙撃、スナイパーのボス戦に戦車を持っていくと隠れる以外の遊びの幅も広い。
過去のミッションを繰り返し遊べるため自分の好きな武器を持ち込めるのもよい。
・カセットテープ
遊んでいる途中にBGMとして流せるようになった。
PWのカセットは面倒でほとんど聞かなかったが、今作では警戒が解けるまでゴミ箱に隠れている時やちょっと長めの移動中に聞くことができて非常に便利。
・敵がこちらの行動を学習し同じ戦法ばかり使うと対策を取るようになる。
・天気によるランダム性がおもしろい。砂嵐が吹いて敵地から楽に脱出できる等。
・環境音がすごい。特に風を切る音がリアル。
BAD/REQUEST
・サブクエスト
数が多いわりに種類が少ない。クリア後に遊んでいったが途中で飽きてしまった。
マップを移動していてたまたま出会うという形にしたかったのだろうがヘリで目的地付近まで行ってしまうため偶然の出会いというのはほぼない。
・病院
このステージだけムービーが演出過多で長さに対して中身がスカスカ。炎の男が強いというのをあそこまで執拗に見せる必要はないだろう。
・Episode45 静かなる消失
正気とは思えない難易度設定。
戦車砲を食らうと一撃死なのだが、その頻度、命中精度、攻撃範囲が一撃必殺の攻撃に許されるものではない。
走りやダイブでよけようとしても平気で当ててくるため、隠れる以外の回避方法がわからず、かと思えば壁に隠れているスネークを通り越して着弾させ爆風で殺してくる。
あげく爆風の判定が壁をすり抜けてきて死んだ時は呆れてしまった。
・クワイエット
アシスト用の相棒なのだが序盤の使い勝手が悪すぎる。
ステルスゲームなのに何度か出撃させて親密度を上げないとサプレッサーが装備できない。
こちらの指示があるまで撃つなというコマンドもないためクワイエットが勝手に撃って警戒状態ということがざら。
一応スネークが発見されるまでは待機するのだが、こちらを見つけた敵をCQCで捕まえた(この時点で発見がなかったことになる)のにクワイエットが射殺、銃声で発見扱いになるということが何度もあった。
回収しようと思っていた兵士を射殺してしまうこともあり、余計なことをするなと言いたい場面がとにかく多い。
狙撃可能であることを示すためにノイズ混じりの鼻歌を延々聞かされるのもうっとうしい。
アラート後に敵兵を次々と射殺してくれるのは大変頼もしく、サプレッサー装備時はこちらが発見された瞬間敵兵を暗殺して黙らせてくれたりと後々かなり使えるようになるだけに使い始めのストレスフルな仕様が残念。
・ストーリー
未消化なのは散々指摘されているがそれを差し引いても魅力的なストーリーとは言い難い。
2でテロリストを排除するために爆弾解除や内通者との接触をしたようにこれまでのシリーズでは目の前の小目標をこなすことが最終的な大目標につながっているのがきちんと実感できた。
しかし、今作は復讐のために自軍を大きくしなければいけないとサイファーとは全く関係ないミッションを延々やらされる。
スネークがこれをやらなければという動機付けもほぼなく、実際ミッションを飛ばしてもなんの影響もない。
GZであれほどのヘイトを稼いだスカルフェイスも影が薄く、やっとXOF兵が出てきたかと思えば彼らは自分がどんな任務に就かされていたかも知らないことがわかる。
良い点で潜入ゲームの新しい可能性を見せた旨を書いたが、同時に本作はメタルギアソリッドというシリーズの限界も露呈した。
いつまでもザボスの呪縛から逃れられない黒幕たち、作品をまたいでのツイストを繰り返し把握困難なストーリー、あの悪役は悪い奴じゃありませんでしたと芸のない展開の繰り返し。魅力に欠けるプロットと言わざるを得ない。
増改築を繰り返したストーリーは歪な構造を見せておりこれ以上の建て増しを拒んでいる。
・仲間がしゃべっていてもカセットの再生が止まらない
無線連絡などがカセットの音声に被さってしまい聞こえないことがある。
カセットの操作はメニューでしかできないのでいちいち巻き戻すのがかなり面倒だった。
・悪に堕ちる。復讐のために。
XOFを炙り出すために他社PF兵を皆殺しにしたり村々を焼き討ちにするような内容を想像していたが、実際は少年兵を助けるためにマザーベースに教育施設を設け、ベーススタッフを殺した裏切者を「こいつは敵だ。仲間じゃない。だからこそ、俺達にこいつは裁けない。」で追放するだけに留めるとシリーズ屈指の道徳性を見せる。
・核イベント
同ハードのプレイヤー全員が核不所持というあり得ない条件。達成できる日が来るのか純粋に疑問。
・バディ再加入
永久離脱が指摘された某バディがアップデートで再度仲間にできるようになったのだが、その方法が仲間になるミッションを7回もやり直すというもの。なぜ要らない手間をかけさせたがるのか。
・匍匐
ドアを開けられなかったりちょっとした段差をこえられなかったり妙に性能が低い。進もうとしゃがみ状態になって敵に見つかるという流れはバカバカしいの一言。
・ミッション前のヘリ移動と、終わった後のスタッフロールが時間の無駄。
・ゲームオーバーで捕獲した動物等もリセットされるため取り直すのが面倒。
・いちいちシャワーを浴びるためだけにマザーベースに戻るのが面倒。
・出撃準備画面でDウォーカーの装備が変更できない。
・ランクAでも「次は本気で頼む」と謎のコメント。
COMMENT
42型プラズマテレビ
HDMI接続
SRS-5スピーカー使用
トロフィー取得率50%
シリーズは1・2・3・4・PW・GZをプレイ済み。
上記の状態で書いたレビューです。
いろいろ難点は多いですが、ゲームとしては十分おもしろい部類に入るでしょう。
数多あるステルスゲームに格の違いを見せつけた感すらある良作です。
ただ、メタルギアというシリーズに関してはこれで終わらせた方がいいのではないでしょうか。
小島さんもコナミも未練はあると思いますし、ファンとしてもやや残念な最終作ですがこれ以上続けておもしろいストーリーが作れるとは思えません。