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【PS3】信長の野望・創造

発売元 コーエーテクモゲームスオフィシャルサイト
発売日 2013-12-12
価格 9240円(税込)
レーティング 【A】全年齢対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:歴史シミュレーション
■ プレイ人数:
■ ダウンロード版:8,000円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 4pt 3pt 3pt 2pt 2pt 3pt
総合点
54pt

GOOD!

オリジナリティー…4点

 ・クエスト形式で進行するイベントの「戦国伝」(特定の大名でのみ起こるものと汎用のものがある)、半リアルタイム制(内政・外交などは月初めの評定フェイズでしか指示できないが、出陣や援軍要請などはタイミングを選ばず指示が可能)、グーグルマップのようなプレイ画面(縮尺を調整でき、外交関係や街道のつながり具合などを任意で簡易表示できる)と野戦での局地戦を再現した「会戦」、各城ごとに所属している兵(他城からの輸送は基本的に不可能です。これにより、複数の城から出陣する必要が出てきました)、武将の忠誠度や政策に影響する「創造性」の概念など、かなり特徴的なシステムが導入されています。さらに、勢力が大きくなると、政策で「惣無事令」を実施してそのままエンディングに向かえるようになり、後半のだれが改善しました。
 また、人口や偵察といった要素が復活したことも大きな特徴です。これにより、上洛の重要性が高まり(畿内は人口が多めで、地方は少なめ)、全国の拠点の様子が筒抜けという、不自然といえば不自然な点が改善されました。その他に、家宝の効果(授与しても能力は上がらなくなった)や官位・役職の効果が変更されたこと(武将特性の一つに)なども、細かいながら本作の独創的な要素だと思います。このように、本作では個性的な要素が数多く盛り込まれているため、オリジナリティーは高めに評価しました。

グラフィックス…4点

 ・過去に発売されたCS版「信長の野望」シリーズの中では、まず間違いなく最高の美しさです。全国の地形が細かく再現されたメインマップ、騎馬隊の突撃や天候などが視覚的に表現されている「会戦」、「戦国伝」などで見ることができるムービー(スタートメニューで鑑賞可能)など、今までのタイトルと比較しても、目で楽しめる要素はかなり多めだと思います。また、個人的なことですが、「戦国伝」で展開されるイベントにおいて、武将イラストが大きく表示される(バストアップ)のは嬉しかったです。

サウンド…3点

 ・いつものように、戦国の雰囲気を盛り上げてくれる曲が揃っており、安心して聞いていられます。ただ、エンディングはちょっと趣が異なったものになっています。音楽鑑賞があることも地味ながら嬉しい点です。

BAD/REQUEST

熱中度…3点、満足度…2点

 ・先述したように、本作には特徴的なシステムが多く取り入れられているのですが、それらが総じて未完成な印象を受けます。まず、クエスト形式で進行する「戦国伝」ですが、特定の大名限定で起こるものには基本的に史実イベントしかなく、ほぼ一本道です。また、「戦国伝」の途中では選択肢もなく、成功か失敗かの二つに一つしかありません。初心者がプレイする上での指標にはいいかもしれませんが、さすがに極端なように思います。せめて途中のイベントの成否による分岐ぐらいはあってもよかったのではないでしょうか。
 次に、合戦に関するシステムでは、何といっても「会戦」の練りこみ不足が目立ちます。前進と後退しかできず、陣形も武将に依らず三種類のみ、途中で援軍が参戦すると一時中断ののち仕切り直し、戦闘に参加する部隊が多すぎると一部武将が表示されない…など、粗が多過ぎます。
また、本作では騎馬と鉄砲の割合が固定され、全てを騎馬や鉄砲で統一するといった部隊編成が出来なくなっています。これ自体はリアリティ追及のための一つの方法だと納得もできるのですが、このせいで戦い方に幅がなくなってしまい(出来ることが少なく、毎回斉射→突撃になりがち)、「会戦」の単調さがより目立ってしまっています。せっかく美しい合戦画面が用意されているのに、武将ごとに設定された戦法くらいしか楽しめる要素がないというのは、少し寂しいです。海戦や攻城戦中には「会戦」が実行できないというのも不満が残ります。
 その他に、外交関連の作りこみの甘さ(同盟している相手の同盟・従属国をCPUは考慮しない)、計略要素がないこと(調略は国人衆に対してしかできません。敵武将を計略で引き抜いたりすることは不可能)、中盤以降は強制的に一部が委任状態となること(本拠から一定範囲内しか直接操作できません)、チュートリアルが短め(「天道」ではくどいくらいあったのに)、出自がない(戦法や武将特性と一体化)ことなども、残念な点です。
 以上のように、気になる点が多かったため、満足度は低くさせて頂きました。

快適さ…2点

 ・操作性が悪すぎます。一枚マップという点で、「革新」「天道」と同じような操作性かと思っていたのですが、大きく変更されています。まず、前記の二作では、直接城をクリックすることで、その城の内政や武将移動などを行えたのですが、本作では城をクリックしても出陣と拠点の情報しか選べなくなり、それ以外のコマンドはいちいち評定コマンドを表示させてから選択しなければ行えなくなりました。また、多数の部隊を出陣させることが前提のシステムになっているにも関わらず、複数部隊に対し一括して命令を出すことができない点も理解に苦しみます。(一括帰城は可能なのに…)
 他にも、画面のスクロール方法や勢力を表示した際の一覧と図の切り替えにくさ、Facebook投稿を無効にしても投稿用の画像撮影に移行してしまう(画面スクロールと投稿用画像の撮影の操作が似ているので、あせったりコントローラーがヘタっていると誤って作動させてしまう…。私だけかもしれませんが)、委任軍団に対する指示の少なさ(複数軍団に対して別々の指示を与えることさえできません。ただ目標を複数設定できるだけです)など、細かな点を挙げればきりがありません。おそらく、パソコン版と同時開発したあたりに問題があったのでしょうが、操作性に関しては前作「天道」から一気に後退した感があります。この辺は、アップデートなどで解決して頂きたいところです。
 しかし、多数の部隊が同時に展開するにも関わらず、それほど処理落ちすることもないのは評価できます。「天道」では、CS版であるためか、時間の進み方が極めて遅いという欠点があったのですが、本作はそれもなくなっており、非常にスピーディに進行します。この点を鑑みて、快適さは2点とさせて頂きました。

COMMENT

 色々と細かな点まで文句をつけてしまいましたが、意欲作であることは間違いないと思います。長所と短所で触れた様々なゲームシステムについても、過去のシリーズタイトルから盛り込まれているものなどもあり(上では書きませんでしたが、進行方法などは「蒼天録」のようでもあり、「会戦」を用いない場合の戦闘の進み方は、細部は異なっているが「国盗り頭脳バトル」にもどこか似ている)、何か新しいものを作ろうとして思考錯誤した跡がうかがえます。30周年を迎えるシリーズで、これだけ新しい試みを盛り込もうとする、その意気は素晴らしいと思います。それだけに(こちらも30周年記念作品とあって、期待しすぎたところもあったと思いますが)、このような様々な部分が未完成のゲームになってしまったことは悔まれてなりません。
 「革新」「天道」がゲーム性を重視したタイトルだとするなら、「蒼天録」「嵐世記」は戦国の雰囲気を重視したタイトルだと思います。(いささか乱暴な分類だとは思いますが)この分類でいけば、本作は若干雰囲気重視のタイトルだと思います。勢力の創造性に左右される政策や様々な要素が絡んでくる忠誠度などに、戦国時代をゲームとして再現しようとした制作姿勢が垣間見えます。賛否がはっきり分かれているのは、あるいは各人の好みに依るものかもしれません。前述したように問題点の多いゲームですが、氏真で楽市楽座を行ったり、警戒している謙信に屏風を送って歓心を買うなど、かなり珍しい遊び方が出来るゲームではあります。このような遊び方に興味を覚える方は、買っても損はない…かもしれません。

 ※このレビューを書いたのは2013年12月15日ですので、その後のアップデートなどにより、内容が異なっている部分があるかもしれません。何とぞ、ご了承ください。

 
プレイ時間:15時間以上30時間未満(クリア済)
カレーピラフさん  [2013-12-19 掲載]

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総合ポイント
63
(難易度)
2.67
レビュー数
12
スコアチャート 信長の野望・創造レビューチャート


0%
0-9
8.3%
10-19
8.3%
20-29
0%
30-39
8.3%
40-49
25%
50-59
8.3%
60-69
41.7%
70-79
0%
80-89
0%
90-100
【60点以上】
50%
【標準偏差】
19.17