【PS3】パペッティア
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2013-09-05 |
価格 | 5980円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクション ■ プレイ人数:1〜2人 ■ ダウンロード版:4,900円 |
- 総合ポイント
- 76
- (難易度)
- 2.43
- レビュー数
- 7
スコアチャート
GOOD!
・オリジナリティ
人形劇の主役を演じる、というコンセプト。
往年のメガドライブの名作『ダイナマイト・ヘッディ』以外では見たことのないコンセプト。
常にナレーションが入り、劇中人物と漫才をしながら進行する、
というストーリーテリングもユニークで、かつ最初から最後まで濃厚。
映像作品としては十分なオリジナリティ。
ただしアクションゲームとして目新しいシステムは特になし。
・グラフィック
現世代機の頂点、その一つの形。
人形劇というコンセプトをこれでもかと再現したグラフィックは美しく、
キャラクター、背景、小道具の一つ一つにいたるまで一切の手抜きなし。
めまぐるしく入れ替わるシーンのすべてが見所にあふれていて、
こんな細かいところまでつくりこんでいて大丈夫なのかと心配するほど。
センス・クオリティ・ボリューム、すべてが揃った作品。
さらに今作はおそらく3D立体視対応を念頭において作られており
3Dでプレイするとあらゆる場所で飛び出す演出が効果的に使用されており
いままでプレイした3Dゲームでもナンバー1といっていいほどの出来。
ことグラフィックには関してはケチのつけようもなく、文句なしの5点。
・音楽
世界観にあったBGM自体も良く、さまざまな効果音もよくできている。
おおげさな声優の演技も舞台風でよく似合っており
総じてよく世界観やコンセプトを大切にしているのがよくわかる。
BAD/REQUEST
・ヘッドがたくさんあってもほぼ意味ナシ
ヘッドがたくさんあって入れ替えながら進んでいくが
ほとんどがボーナスステージ発見と演出のためだけにあり
アクションゲーム的な意味がない
・ヘッドアクションギミックが面倒
特定のヘッドを持って特定の場所に行くとギミックが稼動するのだが
このギミック稼動の演出自体は凝っていて面白い。
しかしその報酬がほぼ100%しょぼい。
基本的にはムンピー(マリオのコインとほぼ同意味)だけ。
だたでさえ残機があまりまくるので
苦労してギミック稼動して残機増えてもまったく嬉しくない。
・演出は素晴らしいがやっていることは単調なステージ進行
基本的にはスリルのないジャンプアクションとゆるい戦闘ばかり。
それを素晴らしい背景とスピード感のある演出でごまかしているだけ。
やれることは先に進むことに増えているはずなのに
どうも単調に思えてしまうのはなぜなのか。
また、滅多に死ぬことはないし死んでも残機があまるので
結果的にはかなりぬるいはずなのに
プレイ中は妙に難しく感じるのは何故なのか。
・だれる、というか疲れる
上記の通り、単調に感じてしまうせいか難易度のせいか
それとも単純に一面が20〜30分と長いせいか
とにかくプレイしていて疲れてしまい
一面クリアするごとに「今日はここまでにしよう」となってしまう。
なので熱中度は低い。
・リプレイがめんどくさい
ステージの合間にお話があるのではなく
ステージ中にお話が進行しているので
とにかくアクションしている時間とおなじくらいに観ている時間がある
なのでスキップを駆使してもおなじ面をプレイするのがめんどくさい。
ヘッド集めやヘッドアクションギミック稼動、ボーナスステージ探しなど
リプレイの楽しみ方自体はたくさん提示されているのだが
さっぱりくり返す気になれない。
COMMENT
ヘッドマウントディスプレイ、HMZ-T1でプレイ
今作はゲームじゃなくて
「一話三十分の人形劇が2クール分はいっている映像作品」
そうわりきったほうがいい。
今作はディレクターが「自分が子供といっしょにプレイできるゲーム」を目指して作ったそうですが
なるほど、1Pで親がゲームを進行しつつ2Pで幼い子供が手助けをする
というプレイスタイルが一番今作を楽しめると思う。
大人二人でがっつり二人プレイすると2Pが退屈だし
子供二人でプレイするには難易度が高い。
一人プレイでは探索がテンポを崩す。
まさしく大人と子供の二人プレイが最適。
逆をいうとそうでないと100%は楽しめない。
目標は完璧に達成したが、その目標地点にいる人はかなり少ないのではなかろうか?
ストーリーも子供むけにしてはブラックで大人にしかわからないネタも多く
かといって大人が楽しむには少々牧歌的に過ぎる。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」などのティム・バートン作品に影響を受けていると思われるが
あれ同様、結局子供向けではなくサブカル好き向けになってしまっている。
自分はゲームなら何時間でもプレイできるが
映画やアニメは好きな作品でも二時間も観ていれば疲れていやになるタイプなので
そういう意味で熱中度は低かった。
好きな映像作品なら何時間でも観られる人なら熱中できるのかもしれない。
映像作品としては最高、アクションゲームとしては凡庸
それが今作の妥当な評価だと思う。
アクションゲームとして観ても演出は素晴らしいのだけど
どうもそれが不思議とプレイ感覚につながらなかった。
ソニーが今作のようなゲームを大金を投じて作ることには大きな意味があると思う。
マリオに対抗することをやめてはいけない。