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【PS3】地球防衛軍4

発売元 ディースリー・パブリッシャーオフィシャルサイト
発売日 2013-07-04
価格 6980円(税込)
レーティング 【D】17才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:オンライン対応3Dアクションシューティング
■ プレイ人数:1〜2人(オンライン時:2〜4人)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 3pt 3pt 4pt 4pt 0pt 5pt
総合点
62pt

GOOD!

プレイ時間はオン・オフ合わせて140時間ほど
兵科レンジャーで一通りクリア
シリーズ経験は外伝のEDF INSECT ARMAGEDONのみ

今更ながら少し説明すると、
本作はオフライン(ソロと画面分割による対人戦)と最大4人のオンライン協力プレイモードを有した、ステージクリア型の三人称アクションシューティングゲームである。
・・・まぁ、ぶっちゃけていうと「無双シリーズ」のゲームで剣の代わりに銃を持たせて、ワラワラと群がる巨大なアリだのクモだのロボットだのと戦うゲームだと考えよう。ちなみに選べるキャラは4キャラと少ない代わりに膨大な数の武器が用意されており、より良い武器の入手とアーマー値の増加による育成要素も備えている。



[オリジナリティー]:4pt
[熱中度]:4pt
[満足度]:4pt
○絶望感とそれに抗う興奮
先ほどワラワラと群がる敵たちと書いたがそのワラワラぶりたるや尋常ではない。一言でいうと、画面内の全てが敵・敵・敵そして敵、である。本作(特に高難易度)をプレイすれば「絶望的などと言っていられる間はまだ絶望的ではない」という言葉の意味を、これでもかと噛みしめることができるだろう。
何より、そのような状況下に置かれれば「そんなこと言っているヒマがあるなら、とにかく撃て!撃ちまくれー!!」というコンバット・ハイに似た興奮を感じることができると思われる。

○確かなゲーム性
そのような興奮を支えている要因の一つにザコ敵一体一体が手強いということにある。大抵この手の無双系ゲームの雑魚敵というものは、カカシみたいに突っ立っているだけでたまに思い出したように攻撃してくるというものだ。
しかし本作は違う。最低難易度こそそのような感じだがそれより上ともなると、敵はまさしく“敵らしく”プレイヤーに襲いかかってくる。・・・しかも、同時に、たくさん。
これにより立ち回りや効果的な武器の選択・使用といった戦術性が生まれ、本作をただの草刈りゲームではない、確固としたアクションゲームとしてのゲーム性が保証される。
さらに高難易度もしくは後半ステージともなってくると、もはや「避ければどうということはない」が通用するような甘い世界では無くなってくる。そこにおいては、ステージ全体を通しての被ダメージの管理・火力集中のタイミング・進軍ルートの選定といった戦略性をも要求されるだろう。
そして、そういった戦術・戦略性を駆使した戦いの後には、(かなり不確実だが)より強力な武器の入手という報酬が待っている。
・・・まさしく良きゲームのセオリーに沿ったゲームデザインだ。完璧にセオリー通りかと言われればアレだが、それでも本シリーズが高い熱中度を誇りゲーマー層から確たる支持を受けているというのは大いに納得できることである。

○セリフの多さ
アツいセリフの無線がうるさいくらいに飛び交う戦場に身を置けば、否が応でも気分は盛り上がるものだ。例えば、ミッション「赤色」などは阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられ背筋がゾクゾクすること請け合いである。
全体を通して無線の内容、そして声優さん方の演技はそつがなく無難なものとなっており雰囲気作りに大きく貢献している。

○ボリュームの多さ
特に評価したいのは4つのキャラの特色が際立っていること。ステージ数が多いという点である。
4つのキャラすなわちレンジャー・ウイングダイバー・エアレイダー・フェンサーはそれぞれに特徴がよく出ており、キャラごとで別のゲームになったような印象を受ける程だ。例えばレンジャーは至って普通のTPS(三人称シューティング)だがウイングダイバーはよりシューティング寄りでスピード感がある。フェンサーは武装によるがまさに無双ゲームのようなプレイをすることができる。気分転換には丁度良く、本作を末永くプレイできる要因の一つである。
ステージ数の多さについては賛否両論があり、特にただの水増しではないかという批判については共感できるが、今回はギリギリ許せる範囲内だと自分は思う。やはりゲーム性がしっかりしているというところが大きい。
概して本作の満足度は高い。
ただし、この項目については手放しで評価することはできず、度を超した水増し開発コンセプトが本作の評価を貶めている所があるのは明らかだ。(詳細はBADで)



[サウンド]:3pt
[グラフィックス]:3pt
例えば、サウンドについては無線・グラフィックスについてはポスターや自販機といった細部の作り込みなど評価できるところはある。
しかし、逆を言えばそれ以外は無く凡庸そのものだ。むしろBGMは少なすぎるし、爆炎やレーザーといった演出はやりすぎで画面が見辛い。
ゆえに、これらの項目はプラスマイナスゼロで平均点とした。

BAD/REQUEST

[快適さ]:0pt
[難易度]:5pt
本作の快適さについては最低評価を付けざるを得ない。理由はバグ・フリーズなどの多さがかわいく思えるほどの、多数の意図的な不愉快仕様にある。
他のレビュアー諸兄の二番煎じはしたくなかったが・・・
とにかく腹立たしいので主なものを以下列挙する。

○指揮下に入ったEDF隊員の挙動
プレイヤーが特定の味方EDF隊員に近づくと彼らは以後プレイヤーに随伴し護衛してくれる。
・・・ということなのだが、その実態はプレイヤーの銃口にまとわりつき誤射・誤爆を誘うという、極めて効果的な妨害行為を展開する恐るべき敵方のスパイである。・・・わりと、マジで。
恐らく本作プレイヤー全員がEDF隊員を誤射し爆破に巻き込まれて死亡した経験が有るかと思う。本作をプレイしていない人はこう思うだろう。「この手のゲームで味方AIに誤射してしまう確率は、トーストを落とした時にバターを塗った面から落ちるのと同じ確率だ。」と。
自分もそう思っていたのだが、少し戦闘が落ち着いた時に彼らの挙動を観察し一つの結論を得てしまった。「彼らは本気で誤爆を狙いにきている!!」と。
もはや開発者の悪意を感じるほどだ。「よくもまぁ、こんな挙動にわざわざしたもんだ。」と怒りを通り越し呆れるしかない。

○理不尽な敵の攻撃
何度も言われているがレタリウスという敵のことである。いくら仕様と言われてもやはり、ビルや山を一気に貫通して攻撃してくるのは理不尽であり納得がいかない。見えないところからの一方的な攻撃なため対処がしづらい。その上、とんでもない遠方から狙撃してくる。そして、攻撃がヒットしたときの結末はほとんどの場合“死”あるのみ。という恐怖の三点セットである。
(この脅威を分かる人には分かるように説明すると・・・ その昔ニンテンドー64というゲーム機で「パーフェクトダーク」というゲームがあり、それに登場する武器「ファーサイト」と同じようなものと考えてくれて良い。この「ファーサイト」をそこいらのちょっと硬いザコ敵に持たせてバカスカ撃たせるようなものだ。ちなみにこの「ファーサイト」はその凶悪さから、ある海外のテレビ番組で最も強い架空の武器ベスト10入りしたとかいう話がある。・・・少なくともザコ敵が使って良いレベルの攻撃手段ではなかろう。それを本作はしてしまっているのだ!)
・・・まぁ、レタリウスは仕様だからというので百歩譲ろう。さらに問題なのは当たり判定の作り込みが甘いのか、他の敵の攻撃も割と貫通してくることがあるということだ。確かにそういったことが起こる状況は少ないが、「稼ぎ」をするのに重要なステージで頻発するため腹立たしく思っている人は少なくないだろう。
シンプルなゲーム性ゆえにこういった点がおろそかであると、なにより萎える。

○低すぎるアーマー値の上昇
これはプレイ時間水増し開発コンセプトの最たるものだ。先ほど「避ければどうということはない」が通用しない世界と書いたがこれは誇張表現ではない。多くのミッションにおいてノーダメージクリアは不可能であり、ある程度の被ダメージはどれほどテクニックを尽くそうが絶対に不可避である。
つまり、アーマー値を上げなければいけないのだが、その異様な上げづらさは他のレビュアーの方が指摘されている通りである。
高難易度のステージをクリアしたときならアーマー上昇値にボーナス倍率をつける。アーマー増加アイテム〈大〉の出現(実際、アーマー回復アイテム〈大〉はあるのに)。など、いくらでもアイデアはある。
なのに、それらをしない。・・・そこまでしてプレイ時間を水増しさせたいか? やはり呆れるしかない。

○エアレイダーが特化しすぎ
エアレイダーとは空爆誘導兵のことで他のゲームでいうところの工兵である。
なんと彼は護身用の武器(ハンドガンとかサブマシンガンとか)を持たせてもらえない。おかげで、アカアリとかドラゴンとかに噛み付かれた時点でほぼアウトである。
また、彼は装備枠が3つ用意されているがそのうちの1つはビークル要請支援で固定されている。そして、支援要請は洞窟や一部のステージでは使えない。全くの無駄である。(一体何回、輸送ヘリの女性に「気安く呼ばないで!」と怒られなければならないのやら)
ちなみに、そのビークルも一々クセのあるものが多く使っていてストレスの溜まるものが多い。(ヘリのホバリングは手動で調節せねばならない。戦車砲しかない戦車・・・それって自走砲では? 極めつけは、田畑を走るだけで壊れるバイクとかジョークか!?)
つまり、エアレイダーはオフラインのソロプレイが(そりゃ、できなくはないが・・・)事実上不可能なキャラでありソロだけでプレイする人にとっては無きに等しい。
ソロプレイが辛い以上育成も難しく、オンラインに持って行くのもまた一苦労である。そのくせ、オンラインの上級難易度のミッションを攻略するにはビークルの運用が強く推奨されるなど、まるで狙い澄ましたかのような苦行仕様である。




◎厳し過ぎるオンラインの制限 『貴方はこのゲームでオンラインフレンドを誘えますか?』
本作最大の欠点といっても過言ではないと思われる点である。
おさらいしておくと、本作のオンライン協力プレイではステージごとに次のような制限を受ける。ちなみにオフラインには当然このような制限は無い。
1.武器レベル・アーマー制限
(アーマー制限は言わずもがな、最大アーマー値に上限が設定されるということである。
武器には性能の良し悪しによりレベルがあり、ステージが指定する以上の高性能な武器はもっていけないということになる。)
2.敵強化
(主に敵HPが人数に比して倍加される。詳しい倍率はわからないが相当硬くなる。
なお、HPのみならず攻撃頻度・移動速度・復活サイクルといった点においても強化がされる。)
これらはゲームプレイをする上で単純にデメリットである。繰り返すがオフラインにこのような制限は無い。

ではオンラインプレイをするメリットは何だろうか? 
オンラインをプレイするメリットは
・・・
・・・・
・・・・・あえて言おう、無い と。

当然、メリットは有るという反論はあろう。大体次のようなものだと思われる。
1.倒れたチームメイトを復活させる「救助」が可能となる。
2.共同使用が前提となる一部の武器・ビークルが使用できる。
3.生身の人間と連携することで戦術・戦略性が無限に広がる。
4.敵撃破時のアイテムドロップ率・ステージクリア後のより高レベルなアイテム出現率が向上する。
・・・しかし、本当にこういったメリットはもたらされるのだろうか?
123についてはまさしくそのプレイヤー次第である。つまり、このゲームをよくわかっていて、確かな腕を有しており、ちゃんとキャラを育てている人がチームメイトならもたらされるだろう。そして、その逆もまた真なりである。(・・・思うのだが、これらの条件を満たしている人はすでにオンラインをプレイする必要性が無いと思う。)
4については確かにそのような傾向が見受けられるが、確証のある話ではない。・・・ぶっちゃけオフラインだろうがオンラインだろうが、出る時は出るし出ない時は出ない。リアルラックな気がしてならない。


このように、オンラインをプレイするデメリットばかりが目立ちメリットが見えてこない。デメリットは確定事項だがメリットは不確定事項だ。
さて、では改めて問おう。
『貴方は本作をプレイするうえで、大人しくオフラインをプレイしておけば良いのに、デメリットしかないオンラインプレイにフレンドをわざわざ誘いますか?』
・・・是が非とも本作の開発者たちに問い質してみたいところだ。


・・・いや、少し待って。大変重要なオンラインのメリットを失念していた。
5.共闘感
これがあった。ただこれはゲーム内容上のメリットではないのだが・・・。
とすると、先述の問いはこう直すべきか。
『貴方はただ共闘感を得たいがために、オフラインと比べれば苦行でしかないオンラインにフレンドを誘いますか? (もちろん共闘感というのは何より、その人と気が合っていないと得られるものではありません。)』
・・・何というか、フレンドとの親密度を計測されそうな勢いだ。
多少は知ったる間柄とのフレンドでさえこうなのだ。野良プレイでは更に心理的ハードルが上がるのは言うまでもないだろう。

別に、制限をかけるな。と言いたいわけではない。言いたいのは、制限をかけても良いがそれに見合う報酬を設定して欲しい、ということだ。
ニンジンをぶら下げられているわけではないのに、ムチでしこたま叩かれる。これでは走る気にはなれない。

COMMENT

本作を一言で言うと、
「傑作クラスの作品になるはずが、最後の詰めを盛大に誤ったため凡作と成り果ててしまったまさに惜作」と言える。
それとも良作を作ってはいけないという開発方針でもあるのか知らん?
あの不愉快仕様の数々を見ればそんな気がしてくる。
現状では気になるなら買っても良いが、他に買いたいゲームがあるなら本作は後に回して置いた方が良い。というレベルか。



とにかく、オンラインの仕様に関しては早急に改善して欲しい。
BAD欄で長々と書いていた割に自分の評価が高いわけは、オンラインの仕様以外はどうにかしようと思えばどうにかできるからだ。
EDF隊員は指揮下に置くのを避ければ良い。最悪、射殺すれば良い。幸か不幸か軍法会議はない。
レタリウスはそれが出現するステージの攻略を諦めれば良い。そのステージだけは低難易度で済ませば良いだろう。
エアレイダーも使用を諦める。そもそもそんなキャラはいないと考える。
アーマー値の育成の辛さも、INFERNO攻略を諦めるのならばそこまで法外なものではない。

しかし、オンラインプレイで即物的なメリットがない、という仕様についてはどうにもならない。自分は気の合うフレンドが偶然本作をプレイしていたので、無理矢理誘ってオンラインプレイを楽しんでいる。
しかし、「オレ様が楽しければそれで良い。他は知らん!」というジャイアニズムを振りかざすのも、さすがにそろそろ心理的にキツくなってきた。メリットさえあれば・・・。



最後に一番歌っていきますか・・・
兵士は敵より少ないぞ〜♪
 弾薬敵より足りてない〜♪
  装備も敵より劣ってる〜♪
   だ〜けど闘志は負けてない〜♪
いやもう、オンラインはまさにその通り過ぎて闘志が負けてしまいそうです・・・。

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
梅干丸さん  [2013-08-16 掲載]

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総合ポイント
48
(難易度)
3.25
レビュー数
28
スコアチャート 地球防衛軍4レビューチャート


0%
0-9
0%
10-19
21.4%
20-29
25%
30-39
3.6%
40-49
7.1%
50-59
25%
60-69
14.3%
70-79
3.6%
80-89
0%
90-100
【60点以上】
42.9%
【標準偏差】
19.8